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【界冥】

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見事、と言ってよいじゃろうな。火星クラスタを破壊し、邪神の召喚を阻止するとは。
あのマクスウェルが手も足も出ずに無様に撤退する様は見物じゃったな。ふはははは!!
……あー、オホン。それに、ベアトリクスを助け出してくれた事にも……感謝する。
歪虚との闘いはまだ終わらぬが、これからも全力で貴様らをバックアップすると誓おう。

月面基地崑崙技術顧問:トマーゾ・アルキミア(kz0214

更新情報(12月14日更新)

12月14日、【界冥】大規模作戦の連動ピンナップが公開!
【界冥】の戦いの模様を、豪華イラストでお楽しみください!


また、これにて【界冥】終了につき、スタッフページも公開致しました。
こちらもご覧ください。

 
 

【界冥】ストーリーノベル「界冥作戦 ?これがいわゆるエピローグ??」(10月26日更新)

●黙示騎士の反省会

マクスウェル

シュレディンガー

ラプラス

『おのれ……おのれおのれおのれおのれェェェェ!! ハンター……絶対に許さんぞォオオオ!!』
「あんなにボコボコにされて帰って来たのに元気だねぇ、君は」
 ここではないどこか、とても遠い世界。宇宙とも呼ぶべき暗闇の中、黙示騎士マクスウェルは吼えていた。
 崑崙でハンターと戦うのは二度目だったが、その展開は一度目とはまるで違う。
 満身創痍と言って差し支えないダメージを受け、シュレディンガーの転移支援がなければあの場で討たれる可能性もあった。
『……まずトマーゾではなく周囲のハンターを倒してから進めばよかったのではないか? 合理的ではないな』
『そんなことは承知している! その上でこのオレならばハンターを蹴散らせると判断したのよ!』
「そのジャッジが間違ってんじゃん……まあ、マクスウェルなら再生すると思うけど」
 黙示騎士シュレディンガーと黙示騎士ラプラスは呆れた様子。
 だが、マクスウェルを馬鹿にしてもいられない。ハンターの戦闘力はどんどん上がってきているのだ。
「火星クラスタを破壊されたのはイタイなぁ。転移で逃がす事もできなかったし」
『そこまで見越して、世界と世界の狭間に置いたのだろうな。あんな不安定な座標にある大質量の物体を転移させるのは、シュレディンガーでも困難だ。……して、我々はこれからどう動く? 一度邪神と合流するか?』
「うんにゃ。計画は続行! てか失敗してもいいように二重三重に策を巡らせとくもんでしょ常考」
 そう、シュレディンガーにはまだ策があった。
 使わずに済むなら越したことはないが、いざという時には次の作戦に切り替えるだけだ。
「それに、エンドレスはちゃーんと役目を果たしてくれたしね」
 ふふんと得意げに鼻を鳴らすシュレディンガー。
「種は撒いてある。油断してもらう為にも、束の間の勝利をせいぜい喜んでもらうさ」
『……フッ。負け惜しみに聞こえるぞ?』
「デスヨネー」
『ヌゥアアアッ!! オレは……負けてなぁああああああいッ!!』
 マクスウェルの絶叫にシュレディンガーとラプラスは耳を塞いだ。


●“スワローテイル”

森山恭子

南雲 雪子

ラヴィアン・リュー

「はああああ????……」
 重苦しい……とても重苦しい溜息だった。
 作戦後、森山恭子(kz0216)はすぐに上層部に召集を受け、月面都市崑崙を訪れていた。
 基地内でも特にセキュリティレベルの高いトマーゾ教授の関わるブロックにて、応接室に腰を下ろしてはや20分。
「一体何の要件ザマショか。やっぱりメタ・シャングリラ轟沈の責任を取らされるんザマショか……!?」
 ヴァルハラ級との一騎打ちに颯爽と駆けつけ、ハンターと共に戦ったメタ・シャングリラ。
 しかし戦闘中に敵主砲とも言うべきレールガンの直撃を受け、メタ・シャングリラは撃墜されてしまった。
「ハンターは十分に頑張ってくれたザマス。全てはあたくしの責任……よよよ。ああ、異世界の若いイケメンに囲まれる生活よ……おさらばザマスな……っ」
 ハンカチを噛みながら絶望に打ち震える森山。と、そこで自動ドアが開き二人の女性が姿を見せた。
 片方はサルヴァトーレ・ブルの艦長、南雲雪子中佐。そしてもう片方は異世界に派遣されていたラヴィアン・リュー(kz0200)中尉だ。
「お待たせしてしまってごめんなさい、森山艦長」
「……はっ!? いえいえ、今来たとこザマス!?」
 慌てて敬礼する森山に雪子はにこりと笑顔を返すと、「どうぞお掛けになってください」と着座を促す。
「森山艦長のご勇名は月にも届いております。地上での戦い、そして異世界での戦闘、大変お疲れ様でした」
「おほほ。褒められて悪い気はしないザマスが、あたくしの力ではないザマス。それにあたくしはもう艦長ではないザマス。軍の最新鋭試作艦を失った、無様な“元艦長”ザマス」
「いいえ森山さん。あなたはまだ“艦長”ですよ」
 雪子の言葉にきょとんとしていると、ラヴィアンがファイリングされた書類を取り出す。
「メタ・シャングリラは元々試作艦。データ収集用の艦です。ならば――その完成形を建造していてもおかしくありませんよね」
「こ、これは……メタ・シャングリラザマスか?」
「いいえ。正式採用された新造艦、名を“ラズモネ・シャングリラ”と言います」
 シャングリラ級2番艦――ラズモネ・シャングリラ。
 メタ・シャングリラの持つ高度な慣性制御能力を保持したまま戦闘力を付与した、今度こそは正しい意味で“戦闘空母”となる次世代艦だ。
「トマーゾ教授はこの新造艦の艦長にあなたを指名しています。私も上層部に陳情しました」
「あたくしザマスか!? な、なんであたくしに? 自分でもそこまでの実績は積み上げられていない事は理解しているザマス」

「あなたが異世界人を正しく平等に扱える人間だからです」
 森山のキャラクターは、まあ、確かにぶっとんでいる。だが、異世界人に対しても平等で誠実だった。
 異世界人を継続的に運用しての作戦に成功したノウハウを持つのは、今のところサルヴァトーレ・ロッソとメタ・シャングリラしかない。
「統一地球連合軍は、対異世界支援用の部隊発足を検討しています。しかしそれが異世界への侵略と受け取られない為には、異世界人にとっても信の置ける人物が率いる必要があります」
「南雲艦長は?」
「私には地球防衛の任があります。サルヴァトーレ級をロッソと合わせて二隻も異世界に送るわけにはいきませんからね。勿論、最大限サポートはさせていただきます。彼女――リュー中尉も、異世界での活動実績のある軍人です。新部隊に合流する予定ですので、顔合わせも兼ねてお呼び立てした次第です」
「初めまして、森山艦長。今後ともよろしくお願いします」
「はあ……よろしくザマス」
 三人の女性が手を取り合い、同じテーブルにつく。
「それでは話を進めましょう。対異世界支援部隊――“スワローテイル”について」


●あなたの居場所

ナディア・ドラゴネッティ

ルビー

ベアトリクス

トマーゾ・アルキミア

「なんだかあんまり実感がないが、リアルブルーとエバーグリーンの危機は過ぎ去ったのじゃな」
 ナディア・ドラゴネッティ(kz0207)が事の顛末を報告されたのは、当然だがすべてが終わった後だった。
 リゼリオにあるハンターオフィスにてルビー(kz0208)から細かい説明を受けても、納得したようなしていないような微妙な表情である。
「トマーゾやドナテロにその後の状況も聞きたいのじゃが、事後処理で連絡が取れなくてのう」
「かなり大きな戦いでしたから無理もありませんね……」
「当面の脅威が消え去ったリアルブルーが次にどのように動くのかは気になるが、まあ、ひとまずはハンターも無事に帰って来たのでヨシとするかの」
「そうですね。サルヴァトーレ・ロッソも無事に帰還したようですし」
「うむ。青龍様もピンピンして龍園に飛んでったしのう。あの神様結構フランク……」
 と、そこでリアルブルーから通信が入った。
 こっちからの要請には応じないくせにと腹を立てながらナディアがスイッチを入れると、画面いっぱいに誰かの顔が映し出された。
 これにはさすがのルビーもちょっと背中がビクっとしたが……。
『こ?ん?に?ち?わぁ?。ウフ、ウフフフ……。初めまして、ルビーちゃ?ん?』
「……あれ? もしかして……ベアトリクスさん?」
「え!? ベアトリクスって狂気王の?」
「いえ。狂気王ベアトリクスからサルベージした、オートマトンベアトリクスの一部のベアトリクスさんです」
「!? え? 今なんて?」
『これ! ベアトリクス!』
 二人が画面に視線を戻すと、カメラに引っ付いていたベアトリクスの首根っこを掴んで引っぺがすトマーゾ・アルキミア(kz0214)の姿が映し出された。
『すまんかったな。こいつはまだ立ち上げたばかりで情緒不安定なのじゃ』
「ベアトリクスさんの力と心の回収はできたんですね」
 実はトマーゾはベアトリクスを回収した後、別のボディで再起動する為に準備だけはしておいたのだ。
 ルビーが回収した力も器に入れなければいずれは消えてしまう。故に当然の対策であり、作戦後ルビーはすぐに崑崙に立ち寄っていた。
『ああ……じゃが、狂気の精神汚染の影響なのかなんなのかわからんが……』
「はい」
『グレてた』
「はい?」
『性格が歪んでいる。昔はもっと素直でかわいかったんじゃが……』
『仕方ないでしょおじいちゃん。私、昔の事あんまり覚えてないんだし……ウフフフッ』
 ニコニコと笑いながらトマーゾの背中を叩くと、勢いよくトマーゾの姿が画面から消え去った。そして何かの機材を崩したらしい騒音が響く。
『あ。ゴメンナサイ、力の加減ができてなくて……まあいっか。それよりルビーちゃん、色々とありがとうねえ。あとクリムゾンウェストの総長さんもよろしく?』
「この顔色の悪い女がエバーグリーンの神なの?」
『“元”ね……ンフフフ。助けてもらったお礼に願いを叶えてあげたいけど、今はそこまで力がないんです……ンフッ。あぁ?、私は悲しい……悲しい、悲しいわ??……デュフッ』
『見ての通りまだ若干狂化しておるが、正真正銘エバーグリーンの大精霊じゃ。いずれはクリムゾンウェストの力にもなれるじゃろう』
「な、なるほど……よくわからんがわかったのじゃ」
 大精霊と言えば星の意志そのもの。絶大なる力を持つ神に等しい存在だ。
 それがこうして仲間になったのならば心強い。
『今後の事も色々相談したいが、ちょっと忙しくてな。また追って連絡するので待っていてほしい! では!』
 こうして慌ただしく崑崙との通信は途絶えてしまった。
「ベアトリクスさんはユニークな方でしたね」
「目が死んでたのう……。とはいえ大精霊、何か邪神に対抗する方策を知っているやもしれぬ。今後に期待じゃな」
「そうですね。では、私は通常業務に戻ります」
「ああ、ルビー」
 席を立ったルビーを呼び止め、ナディアはその手をしっかりと握りしめる。
「今回の作戦では色々と世話になったな。これからもハンターズソサエティの一員としてよろしく頼むのじゃ」
「ハンターズソサエティの一員……」
「うむ。おぬしの居場所は、ここなのじゃからな」
 ナディアの手を握り返し、少女は穏やかに微笑みを返した。

(執筆:神宮寺飛鳥
(文責:フロンティアワークス)

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