• 虚動

【虚動】特機隊と蒼の兵器

マスター:村井朋靖

シナリオ形態
イベント
難易度
普通
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2014/12/22 15:00
完成日
2014/12/25 00:52

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング


 リアルブルー産の対歪虚用戦闘装甲機、通称「CAM」。それがマギア砦の南方に集められ、今まさに稼動実験を始まる。
 帝国が辺境に土地を借り、王国と同盟の協力を得て行われる一大プロジェクトだ。ある者はCAMの有効性を願い、ある者は眼前の利益のために動く。多くの人が関われば、思惑が交錯するのは当然だ。
 何もなかったこの地も、次第に人で賑わい始める。今ではちょっとした町に見えなくもない。同盟軍によって運ばれたCAMも勢揃いし、静かに実験の時を待った。

 そんな最中、見張り役の男が叫ぶ。
「北東から雑魔の群れが出現! その数100を越えます!」
 それを聞いた首脳陣の顔色が変わった。
「バタルトゥ殿、この数の襲撃は自然な数と言えますかな?」
「……群れを成して行動するのは見かけるが……、この数は……異様だ」
 予想された答えとはいえ、こうもハッキリ言われると辛い。
 しかし、二の句は早かった。
「CAMは……投入できないのか……?」
 敵の襲来で張り詰めた空気が、期待と不安の入り混じったものに変化した。
「今回の肝は改修したエンジンの稼動実験だ。実戦でデータを取る予定はない」
「とはいえ、いずれは敵を相手にするのだ。道理を語っている場合ではないぞ」
 雑魔退治にCAM投入を希望するのは推進派の面々だが、彼らは慎重派を押し切るだけの決定的な材料を持っていた。
 実はCAMのデモンストレーション用として、これまでの作戦に投入された際の挙動を披露するべく、貴重な特殊燃料をサルヴァトーレ・ロッソから少量ながら預かっていた。短時間の運用であれば、雑魔退治に差し向けても問題ないというのが彼らの主張である。
「だが、できればCAMに負担を与えたくないし、雑魔も近づけたくはないというのも本音だ」
「ならば……ハンターの手を借りるしかない、だろうな……」
 結局、ハンターとCAMの共同作戦として、雑魔の群れを撃破することになった。


 同盟陸軍・特殊機体操縦部隊、通称「特機隊」。彼らもまた、雑魔が迫り来るCAM実験場にいた。
 隊長のダニエル・コレッティ陸軍中佐は、今回の稼動実験でサルヴァトーレ・ロッソから供出されたCAMのうち、ドミニオンMk.IVを借り受ける。ドミニオンはデュミナスとの単純比較で「旧式」と位置づけられてはいるが、性能面ではほとんど差異はなく、わりと損傷の少ない機体が揃っていた。
「かわいい部下が乗るんだ。俺なら、こっちを選ぶね」
 これを操縦するのは、特機隊の第1号隊員であるジーナ・サルトリオ陸軍曹長。彼女は隊長の親心など露知らず、CAM起動の一部始終を明るい笑顔でじっと見つめていた。
「おーい、そろそろ搭乗してくれ。今日は見学じゃないんだ。続きはコクピットの中で頼むよ」
 ダニエルがそう言えば、ジーナも「あ、そうだった……了解!」と敬礼で返す。
 周囲からすれば、なんとも緊張感のない特機隊のふたりに見えるかもしれないが、いずれ緊張する場面はやってくる。それに出撃前から萎縮しているようでは、それこそ先が思いやられるというものだ。
「ははは、これが噂の特機隊か。なかなかの胆力だな」
 そこへやって来たのは、魔術師協会の広報部長であるドメニコ・カファロ(kz0017)だった。どうやら視察で訪れていたらしい。
「あらら、獄炎のドメニコさんがなんでここに?」
 ダニエルは普通に驚いた。ドメニコは「お邪魔かな?」と気遣うが、相手は「自分のやれることは終わりました」と語る。
「CAMの有効性は先の大規模戦闘で実証済みですし、今回もそんなに心配してないんです」
「とはいえ、あのパイロットは初めてCAMを操るのだろう?」
「あの娘は心底、CAMに憧れてましてね。連合宙軍から借りたマニュアルだけでも、もう43回読んでるんですよ」
 さすがのドメニコも、これには感嘆の呻きを漏らす。
「ううむ、それは筋金入りだな。いやはや、魔術師も負けてられんな、はっはっは!」
「しかし、座学と実戦は違いますからなぁ。なので今回はちょっと歩いて、ポンとスイッチを押すだけの運用にしようかと思ってます」
 ダニエルはそう言うと、ドメニコを連れ立って脇に置かれた大きな机の前に向かう。そこには実験場周辺の地図が用意されていた。
「ここを出ると、荒涼とした大地が広がってます。非常に見渡しはいいです。その向こうから雑魔の群れが迫ってて、このまま放っておけばジーナの乗ったCAMと乱戦になってしまいます」
「そこで、策を講じようというのか?」
 ドメニコのしたり顔は、ダニエルにも伝播する。
「ええ。幸いにもハンターさんの手が借りれるんでね。CAMの正面に陣取って敵の注目を向けるようにがんばって暴れてもらいます。その間、ハンターさんの別働隊が右手から迂回する形でコッソリ移動。敵の隊列が伸び切ったのを見計らって、CAMが対ヴォイド用ミサイルを最奥に撃ち込みます。それを合図に別働隊が横っ腹を突いて、残った雑魔を殲滅するという作戦ですな」
 ダニエルは「偉い人ってのは、いつも奥でふんぞり返ってるもんですからなぁ」と、誰に向けてかわからない皮肉を言い放つ。
「前線の雑魔をうまく引き付けられるかどうか、ミサイルを撃ち込んだ後の別働隊の細かい動きなどは、ハンターさんにお任せです。作戦はちゃんと伝えますんで、なんとかしてくれるでしょ」
「ま、あまり心配するものでもなかろうな。さて、わしもここまで聞いて黙ってはおれぬ。お主らのために一肌脱がねば」
 それを聞いたダニエルが「まさか戦場に出る気ですか?」と怪訝そうな顔で見る。しかしドメニコは「自分の役目は広報だ」といい、ハンターへの連絡役として協力するという意であることを伝えた。
「それを聞いて、ホッとしましたよ。獄炎のドメニコが自分の作戦で怪我をしたとなれば、ただでさえ薄い給料がもっと薄くなりますからな」
「ははは、それは心配をかけたな。それはともかく……若きパイロットの初陣を、わしが邪魔すべきではない」
「それは自分も同じです。あの娘はハンターさんと一緒にがんばるのが一番でしょうな」
 そう語っているうちに、ジーナ搭乗のCAMは順調に歩き出した。特機隊の初陣はまもなくである。

リプレイ本文

●CAMの護衛と暗躍
 特機隊唯一の隊員であるジーナが搭乗するCAMが、所定の位置に立った。眼前のモニターには、迫り来る雑魔の群れが見えていることだろう。
 その隣では、隊長であるダニエル中佐がトランシーバーで指示を出す。
「そっちは背が高いんだから、ちゃんとモニターを見て、ハンターさんの目にならないとね」
『りょ、了解っ! 敵、たくさん向かってきますっ!』
 実にザックリした説明だが、キヅカ・リク(ka0038)はトランシーバーで「すぐ答えられるだけ立派だね」と褒めた。
「僕はキヅカ。ジーナ君の隣で、情報管制に携わるよ。戦況が動いたら、すぐ通信を入れるから」
『よろしくお願いします!』
 そこに結城 藤乃(ka1904)も通信機を介して挨拶を交わし、自らを「キヅカに雇われてる人間だ」と自己紹介する。
「軍属時、CAMに搭乗したこともあるし……教えられることがあれば教えるわ」
 彼女はその頃の勤勉な自分を振り返りつつ、気だるげに煙草を咥えながら、愛用の銃に弾を込めた。そこへダニエルが「火、いるかい?」とマッチを見せる。彼の口にも煙草があった。
「いただくわ。ところで同盟陸軍って、こんなに緩いの?」
 藤乃の煙草に火が点き、周囲に紫煙が漂う。ダニエルもそれに続いた。
「そんなことないよぉ、厳格で立派な軍人さんの集まりさ」
 その気のない表情をキリッとさせたところで、ひとつも説得力は生まれない。藤乃は「特機隊って大丈夫かしら」と思いながら、荒涼とした大地を見やった。

 ダニエルは煙草を吸いながら「あとは頼んだからね」と微笑むと、さっさとその場を離れようとする。
「まさか、本当に丸投げなんですか?」
 慌てたキヅカが念を押すが、相手は悪びれもせず「そうだよ」と答える。
「だって俺、覚醒者じゃないもん。ジーナはCAMに乗ってるからいいけど、俺はさっさと避難しなきゃ足手まといになるじゃない」
 その光景を見たオネェの沢城 葵(ka3114)は、「まーた、そんな感じでやってるの~?」と微笑む。
「船での移動は災難だったわねぇ。で、今回もさっさと避難しちゃうの?」
 葵の含み笑いは、ダニエルから何か情報を引き出そうという意図があったが、相手は「そうだよぉ?」と意味深に答えるのみ。そんな彼の離脱を阻むかのように、この場に魔術師協会の広報部長、ドメニコ・カファロ(kz0017)が現れた。
「ハンター諸君にダニエル、待たせたな。後は任せろ!」
 ダニエルは「ドメニコは戦場に出ない」と聞いてたが、やる気満々で出てきたのを見て「ウソでしょ」と絶句する。
「みんなに任せるって言ったじゃないですか……」
 給料が薄くなるのを懸念してか、ダニエルは悲しそうに呟く。しかしドメニコは「彼の熱意に押されてな」と機導師の少年、カール・フォルシアン(ka3702)を紹介した。
「あ、あのっ、ドメニコさんにCAMに補助魔法を使えるか尋ねたら、できるって聞いたんです。それで僕たちでCAMを強化しようって話をしたら、ドメニコさんが見届けることになって」
 ダニエルの視線を一身に受けながらも、カールは懸命に訴える。
「初めての大きなお仕事で怖いけど……葵さんたちと協力して、がんばります」
 震えそうになる手を握り締めながらCAMを見上げ、ここで戦い抜く決心を皆に伝えた。
 そこへ浅黄 小夜(ka3062)が歩み寄り、彼女もまたCAMへの支援を申し出る。
「ジーナのおねえはんは……小夜と約束……してくれました……。せやから……おねえはんの邪魔は……させません……」
「ダニエル、そういうことだ。お主は自分の仕事をしてくるのだ」
 ドメニコがしたり顔で言うと、ダニエルはばつの悪そうな表情をして頭を掻いた。
「陰でコソコソ企むのが面白いんだけどなぁ」
「やっぱり素直に逃げるんじゃないのねぇ~。で、何するの? あたしに教えてよ」
 葵はダニエルから煙草を奪って足で踏み消すと、背後に回って狙いを尋ねる。
「あっ、まだ残ってたのに……」
「ゴメンねぇ、あたし煙草が苦手だから~」
「仕方ないなぁ。俺は今からCAMを輸送した同盟海軍にウソついて、主力部隊をここに来させるんだよ」
 これを聞いた全員が、不意に顔を見合わせた。なんだって港にいる海軍を呼ぶ必要があるのか。それも今から始まる戦闘には絶対に間に合わないタイミングで、だ。そこまで考えた後、キヅカと葵は眉をしかめる。
「これ以上は聞かない方がいいな。今は眼前の敵に集中しよう」
「その方がいいわよぉ。この人、ホントに何考えてるかわかんないから」
 それを聞いたダニエルは「それでは、隊員のジーナをよろしく」と敬礼すると、カールや小夜たちはコクリと頷いた。

●陽動作戦
 キヅカの連絡を受け、まず正面部隊が陽動のために動き出した。
 その先頭を行くのは、帝国民のメリエ・フリョーシカ(ka1991)。今日もその誇りを胸に、身の丈以上ある斬馬刀を担いで走る。
「先駆け行かせて頂きます! 此度の一番槍を務めるはメリエ! いざ!」
 遠目には亜人としか見えぬコボルドであったが、至近距離では明らかに異形である。これに対し、戦士はただ斬り捨てんと戦いを挑む。全ての攻撃に渾身撃を乗せる徹底振りにもその気迫が見て取れる。その身を旋回させて斬馬刀を振り、持ち手にゴツリとした感触を得れば、そのまま全体重を乗せて押し切った。
「モゲッ!」
 亜人の名残からか、敵は断末魔の叫びをメリエに浴びせた。しかしそれは彼女にとって、今よりも自分を奮い立たせるための音に過ぎないか。しかし、それを他の雑魔が聞けば、また違った響きが奏でられた。彼女の周囲に数体のゴブリンが押し寄せたのである。
「件のからくりに全てを期待してたって始まりゃしません。ハンターが道を切り拓く!」
 この言葉に呼応するかのように、一筋に伸びる矢が異形の顔に突き刺さる。これを放ったのは、イシャラナ・コルビュジエ(ka1846)だ。彼女は誰彼構わずオークボウで射掛け、正面部隊の最奥へと誘おうとひたすら矢を放つ。
「彼女の言うこともごもっともなんだけど……こんなに大きくて痛みも感じなくて、とんでもない兵器を持ったCAMが実用化されたら、そのうちハンターは要らなくなるんじゃないかしら?」
 イシャラナの心配はリアルブルーでも誰もが感じたことだが、それは杞憂に終わった。しかし、クリムゾンウェストではどうか。今、この場においてハンターの手を借りて戦っている現状から察するに、それを判断する日はまだ遠そうではあるが。
 その懸念を振り払うがごとく、またメリエの刃が煌く。仰け反った敵に容赦のない追撃を見舞う。全身を使った戦法に加え、敵の反撃を斬馬刀の鎬で受け止める器用さも披露。これを受け流した後、上から振り下ろして雑魔を一刀両断の刑に処す。
「雑魔が! これ以上の跋扈は捨て置けん! 帝国は力だ! ひたすらに潰れて千切れろ! それを成す、わたしの刃が!」
 イシャラナの矢で釣り出されたゴブリンを背後から追いかけ、メリエは今度は背後から存分に斬る。思わずイシャラナは「こちらへおいでなさいな、雑魔さん。赤毛の恐怖を知りたければ」と呟きながら、射出の前にクイクイと矢先を上下させた。

 メリエの位置から少し横に目を移すと、朱華(ka0841)が踏込を駆使しての先制攻撃でゴブリンとの戦闘を開始していた。
「とはいえ、敵が多いのは厄介だな」
 周囲には雑魚と呼ぶべきコボルドとゴブリンしか見えていない状況ではあるが、正面からの陽動を行うハンターの数にも限りがある。今、別働隊がひっそりと戦場を迂回し、雑魔の群れの横を突くために移動中だ。敵は歪虚化しているため、そこまで知恵が回らないのが救いだが、その暴悪さ故に前線を押し切られる危険もある。
「こっちだ、こっち」
 日本刀「白狼」を振るう度に、狼の遠吠えのような音が響く。これに反応する敵もおり、朱華はそれに照準を定め、集中的に攻撃を加えた。基本は変質した肌を斬っていき、止めの一撃は踏み込んでの袈裟斬りというスタイル。今回の状況も加味した立ち回りを徹底する。
 その横をエルフのスティリア(ka3277)が駆け抜けた。ランアウトを発動させ、とにかく前へ。邪魔する敵はナックル「ヴァリアブル・デバイド」で殴りつけ、しっかりとケンカを売った後に戻ってくる。
「なっ……このままでは囲まれる」
 朱華は目前の敵を蹴り飛ばし、スティリアの援護へと急ぐ。しかしそれを魔術師のウィルフォード・リュウェリン(ka1931)が制した。
「ちょっと待ってくれるかな。ちゃんと仕掛けは用意してある」
 彼は自信ありげな表情を浮かべながらマギスタッフを振りかざし、スティリアを追う雑魔らに青白い雲状のガスを浴びせる。
「もう君らに眠りは必要ないかもしれないが、少しだけあの頃を思い出してほしい」
 その言葉で数体が地面に伏すと同時に、スティリアは踵を返して眠った者の頭をナックルで打ち抜く。軽やかな目覚めには適さない、何とも鈍い音が何度も何度も響く。
「雑魔ごときにCAMを蹂躙させてなるものか。私は一振りの刃として、敵を引き付けて断つ」
 歪虚を倒すことに何の躊躇もない正直な拳、表情とは裏腹に燃えるような熱情を表す言葉……それを聞いた朱華は「なるほど」と頷く。スティリアの覚悟を知り、彼も自分の動きを決めた。朱華は彼女を追う敵を食い止め、惰眠を貪る敵の処理を進めるよう目配せした。
 しかしその時、朱華の右手からコボルドが迫る。その凶刃が腕を狙わんとするが、彼はそちらを見ようともしない。標的とした雑魔を斬ることだけに集中し、その身に迫る危険を顧みない。味方が傷つくくらいなら、俺が攻撃を受ける。これこそが朱華の覚悟であった。
「やれ。俺なら構わん」
 暴悪の権化となったコボルドは遠慮なく斬りに行くが、ウィルフォードが放った風の刃が直前で阻止。しかも隙だらけの顔を存分に切り刻んだ。
「グヒェエェェ!」
 その声は誰に向けられたものかはわからないが、とりあえずウィルフォードが返事してやった。
「なんだ、僕に文句があるのか。なら、ここまで来るがいい。来れるものなら、な」
 そう、現状でもスティリアと朱華が前にいて、少しずつ敵を仕留めている。はたしてコボルドが彼に恨みを晴らすことができるのか。結果は言わずもがな、だ。

 前線が賑わい始めた頃、シュネー・シュヴァルツ(ka0352)がバゼラードとチャクラムを持ち、前線への突入を敢行しようと準備していた。
 そこへキー=フェイス(ka0791)がやってくる。無論、目的はナンパである。
「ちーす、そっちも出稼ぎか、黒猫ちゃ……」
「では、行きます……」
 ランアウトで戦場を駆け抜けていくシュネーは白き雪のようなオーラを纏っていた。キーは「ナンパしてる場合じゃねえな、こりゃ」とダガーを抜き、不意に最奥のCAMを見る。
「なんかあれ、見たことあるな……」
 そんな不確かな記憶よりも、目の前を行く黒猫ちゃんを追う方が優先すべき。彼は野生の瞳を駆使し、通り過ぎたシュネーを狙うゴブリンの背に刃を突き立てた。
「黒猫ちゃんの行く手を阻むってのは、許せねぇな」
 そんなフォローも露知らず、シュネーはマルチステップを駆使し、すれ違い様の攻撃に終始する。
 彼女が敵の注目を引くのは、信頼すべき仲間が後ろにいるからだ。そのひとりは、従兄のカグラ・シュヴァルツ(ka0105)。猟銃を構え、従妹の作った隙を突く形で牽制射撃を仕掛ける。覚醒した彼の纏うのは、黒のオーラ。シュネーとは真逆だ。
「今だ」
 彼の声は従妹にまで届くはずもないが、まるでそれを聞いたかのようなしなやかな動きで、シュネーは敵の脚を切った。そこにキーが追いつき、手負いの敵に止めを刺す。
「黒猫っつうより、黒豹って感じ……そうだな、ヒョウ柄も悪くねぇな」
 シュネーは妄想に浸るキーを置き去りにし、また次の獲物を狙う。キーも我に返ってまた追っかけていく。
 この様子を見ていたもうひとりの仲間・妖艶なる赤蠍、イオ・アル・レサート(ka0392)はゲイルスタッフを振りかざし、目前に迫るゴブリンに炎の矢をぶつけながら、「あら」と声を上げた。その隣には、従兄のカグラが陣取っている。
「シュネーの隣にいる男性は恋人さんかしら? 少し違う雰囲気にも見えるけど……ま、邪魔をするのも野暮かもしれないわね」
 イオがそう微笑むと、カグラは顔色ひとつ変えずに再び猟銃を構え、すぐ射撃。しかしその弾は、なんとキーの足元にある土を抉った。
「いっ?! な、な、なんだ?!」
 キーは背後から発砲されるとは思わず、大いに慌てる。しかしカグラは何事もなかったかのように、また敵を狙って攻撃を始めた。
 イオは戸惑う青年に「気にしなくても大丈夫よ」と声をかけ、先ほどの敵にはアースバレットを打ち込む。
「せっかちじゃ愉しめないわよ?」
 歪虚化したゴブリンに冷静さを求めるのは、いささか酷というものだ。こんな調子で、正面の陽動部隊はよく敵を引き付ける。

●ミサイルは飛ぶのか
 戦場を迂回する別働隊の面々には、事前に屋外(ka3530)が借り受けた荒涼とした大地に最適な迷彩シートと単眼鏡を預かっていた。当の本人は奇襲を行う地点までは馬に乗って移動。敵勢力が把握できる岩陰を見つけると、馬を実験場に向けて帰した。
「よし、ここからは自分が……」
 迷彩シートを被り、通信機でキヅカに連絡を入れる。
「こちら屋外、奇襲地点に到着。敵の列が伸びて見えます」
 彼は見える方の目で、じっくりと敵陣を観察する。とはいえ、もはや陣と呼べるほどの形は成しておらず、ただただ縦に長く伸びていた。
『了解、対ヴォイド用ミサイルの発射までは待機だね』
 その返答を聞いた辰川 桜子(ka1027)は「わかったわ」と答えながらも、遠くに立つCAMを見た。
「CAMが動いてるのを見るのはロッソ転移以来かしら? もう一度一緒に戦えるなんて、なんか昔を思い出すわね」
 彼女はミサイルの発射されるのを見逃すまいと、自ら準備したトランシーバーを片手に戦況を確認する。

 しかし、別働隊の耳に届けられたのは、いわば不測の事態だった。
 陽動作戦でうまく敵を誘き寄せたのはいいが、ゴブリン数匹がCAMの足元にまで到達したのである。とはいえ、これへの備えは十分だ。カールはアルケミストタクトをCAMに向けると同時に、支援部隊へと声をかける。
「支援魔法、いきます!」
 青白い大鷲の幻影を得た少年がCAMへ防性強化を施せば、小夜は黒猫の面影を残す姿へと覚醒してストーンアーマーを付与した。
「沢城のおねえはんも……よろしゅう……お頼申します……」
「う~ん! こんな可愛らしい魔術師さんに頼まれたら、断れないわ~」
 おねえはんという言葉に反応した節もあるが、葵は機嫌よくゴブリンにファイアアローをぶちかます。同じ目標に向かって、キヅカもリボルバー「ヴァールハイト」で応戦。さらに正面に立っていたイオがこれに気づき、抜け出した連中に対してスリープクラウドを放った。
「これで大人しくしてくれるといいんだけど、どうかしらね?」
 そんなイオの心配が聞こえたのか、CAMに乗るジーナが30mmアサルトライフルを構える。
『みんな、大丈夫?!』
 CAMのスピーカーを通して聞こえる心配の声を、藤乃はトランシーバーを使ってなだめる。
「マニュアルに書いてあった搭乗の心得を復唱してみて? どれでもいいわよ」
『パイロットの自己判断に委ねられるケースが多いので、冷静に状況判断を行うこと……!』
「そうよ、足元をよく見て。こっちはまだ押されてないわ。あと至近距離でライフル撃ったら、みんな飛んでっちゃうわよ」
 藤乃はシャープシューティングを駆使し、眠った敵の頭部に弾丸を撃ち込んでいく。まだ数体残ってはいるが、心配には値しない。
 そのタイミングで、キヅカが通信を開いた。
「よし、ジーナ君。敵の後方に対ヴォイド用ミサイルを発射しよう。右手の小さな岩陰に別働隊が潜んでるから、できるだけ左側を狙うんだ。発射のタイミングは任せるけど、スイッチを押す前に号令だけお願いね」
『りょ、了解! なるべく敵を巻き込みつつ……』
 ジーナの声から焦りが滲んだ。CAMの運用はこれが初めてで、勝敗の行方を揺るがすミサイルの発射となれば無理もない。藤乃も冷静さを取り戻させるために声を掛けようとしたが、ゴブリンが1体だけ眠らずに進んできたため、これの対応に追われた。
 しかし、その足元で少女が祈るように呟く。小夜だ。少女はワンド「ブルーアイ」で風の刃を生み出し、少しも躊躇せずに雑魔を倒す。
「小夜には……CAMは動かせへん。けど……小夜には……小夜の……出来る事……頑張るから……」
『小夜ちゃん!!』
「おねえはんも……おねえはんの……出来る事……頑張って……」
 カールも続ける。
「僕は、やるって決めました。やらずに終わるより、きっといいと思ったから。だから、ジーナさんも……!」
 その時、不意にCAMがミサイル射出に適した姿勢を取った。
 藤乃は「その調子だ」を声をかけ、今一度アドバイスを送る。それはマニュアルに書かれた一文だった。
「CAMがミサイルを撃つと考えてはいけない。撃つと決めるのは……」
『……決めるのは、いつもパイロット!』
 精神が高揚している今のジーナに隙はない。モニターから見える敵の動きを察知し、もっとも効果的と思われる地点を見つけ出し、そのまま躊躇わずにスイッチに指をかける。
『見えた! 対ヴォイド用ミサイル、発射!!』
「各班、ミサイル発射だ! 準備を!」
 キヅカの合図で、正面の陽動部隊は念のため一旦下がり、別働隊は迷彩シートを片付け始めた。そしてこの戦場にいる者たちの気持ちが後押しするミサイルが敵陣の最奥に着弾。広範囲に爆音を響かせながら、集団でいた敵をまとめて吹き飛ばした。
「こちら、キヅカ。ジーナ君、だいたいの撃破数を教えてほしい」
『8体は確実に倒したと思うけど、あとはわかんないな……』
 キヅカは「十分だ」と返し、正面の部隊と別働隊に改めて指示を出した。
「別働隊は混乱に乗じて側撃開始。正面の部隊も反転しての攻撃再開だ」
 彼は藤乃と目が合うと、少しだけ微笑んだ。

●奇襲の時間
 別働隊の動きは早かった。
 桜子が「ミサイル着弾確認! 突撃するわ!」との声に、ナナート=アドラー(ka1668)も仲間たちに呼びかける。
「さて、頃合いね。――行くわよん!」
 動かざるものを発動後、乗用馬に跨って誰よりも早くゴブリンに接触。ブロウビートを駆使したデリンジャーでの銃撃は、敵の頬を貫く非情の攻めである。
「ミサイルほどじゃないけど、こういうのはいかがかしらん?」
 ただでさえ息も絶え絶えだというのに、そこに追いついた桜子がフラメアで手負いの敵の腹を一突き。反撃の暇すら与えられず、黒い煙となって消え去った。
「雑魔に驚く暇なんて与えないわよ!」
 そこへ瞬脚を駆使してやってきた走り 由良(ka3268)がスラッシュエッジを発動させ、目前のゴブリンソルジャーと思しき雑魔と相対する。
「さあ、僕たちの役目を果たす時です」
 ロングソード「クラルミーネ」を巧みに操り、鈍重な敵を嘲笑うかのように斬っていく。ソルジャーの反撃はマルチステップで対応し、疾影士のお手本のような戦い方を存分に披露した。
 その合間を縫うようにして、屋外が戦槍「ボロフグイ」、桜子がフラメアでチクチクとダメージを与え、ナナートが黄金拳銃で太腿を撃ち貫けば、敵の動きは完全に止まる。
「ブゲアァガァ!」
「あとはお任せよん」
「戦騎に群がる歪みを……斬る!」
 由良は痛みが遅れてくるほどの速さでソルジャーの首を跳ねた。きっとこの敵は、自分がどうなったのかさえ気づかないのだろう。そんな虚しさを表すかのような黒煙が天へと舞い昇った。

 敵に恐怖が湧き出る隙はあれど、本来は有しているはずの統率がないというのは、非常に面倒だ。それは側面を突いたハンターが真っ先に感じたことだろう。
 戦前にダニエルも指摘していたが、本来であれば指揮官となるべきアタマを消せば戦況は好転するのが普通だ。しかし、知性を失った敵に対しては「単なる数減らし」にしかならず、それを越える効果は期待できない。ここから先は、まさにハンターの働きにかかっている。
 とはいえ、生き残った雑魔の数も半数を切った。それでも雑魔は力関係や上下関係などお構いなしに、ただ闇雲に襲ってくる。まさに歪虚と呼ぶに相応しいか。
 そこに馬で駆けつけたウィンス・デイランダール(ka0039)が戦槍「ボロフグイ」を担ぎ、雄叫びを上げながら敵に挑む。
「おおおおお!」
 突撃の勢いのまま攻めの構えを発動させ、手近な敵を渾身撃で刺し貫く。ウィンスはそのまま槍を振り上げ、それを雑魔の中へ投げ込んだ。
「受け取れよ――あの世への招待状だぜ」
 敵の注目を浴びたのは束の間、その輪にめがけてジエロダガーを携えた神薙 綾女(ka0944)が接近する。敵群の間近に迫れば、マルチステップを駆使し、アクロバティックな動きで翻弄。敵を足場にして舞い上がると、眼下のゴブリンに隠し持っていたデリンジャーによる銃撃を仕掛ける。さらに着地した際、眼前に突っ立っていたコボルドの首を短剣で切った。
 彼らがよろめく頃、ようやく敵が反撃開始。綾女の足を払わんと直刀を振るうが、機敏な動きを信条とする彼女に当たるはずもない。
「そう容易く捕らえれると思わないことですね」
 どれだけ破壊衝動に駆られていようとも、命中しないのでは意味がない。一方、綾女は先の先まで読んでいる。敵の注目を引きながら避け、死角から忍び寄るラィル・ファーディル・ラァドゥ(ka1929)に止めを任せた。彼はメイル・ブレイカーを首筋に突き入れ、あっさりとゴブリンを始末する。
「この武器は鎧の隙間を狙うもんなんやけど、まさか骨の隙間を狙うことになろうとはなぁ~」
 そんな軽口を叩いていると、ラィルの傍にコボルドがやってくる。
「グバァアッ!」
「なんやなんや、ずいぶん鼻息荒いな! なら、乙女にやさしくなだめてもらうか?」
 今度は綾女がランアウトを駆使して死角へと滑り込み、そのまま氷刃を振りかざす。全身をいいだけ切られた敵は、音もなく消え去った。
「そのまま逝きなさい」
 その場に残った敵もあとわずか。そこはウィンスが槍術でもって応戦。力任せの攻撃を槍先で往なし、「上等だ」と呟く。
「逃げないのか逃げられないのかは知らんが、受けて立とう」
 攻めの構えを維持したままの連撃で武器を弾かれ、止めの突きは渾身撃を乗せた一閃で押されては、ただの雑魔ごときでは相手にならないか。ウィンスは原型を崩して消えていく敵を見ながら、サッと槍を振った。
 手近にいる雑魔は、あと1体。綾女とラィルのコンビネーションでも十分だったが、ここにヴァージル・チェンバレン(ka1989)が参戦。隙だらけの背中にオートマチックピストルを撃ち込むと、その後の展開は「搦め手の大バーゲン」となった。
「ゴブリン相手にコソコソして驚かすのもなんだが、嫌いじゃない。相手は可愛い女の子の方が嬉しいがね」
「それなら、可愛い女の子に驚かされるってのはどうや?」
 要するに、綾女の行動を言っているのだが、ヴァージルは「驚かされるというか、脅かされるという感じにも思えるが」と率直な感想をこぼす。その直後、綾女が敵を消し去り、ラィルはきょとんとした顔で「……せやな」と返した。
「さて、敵の数も少なくなってきた。今後、別働隊はミサイルの着弾点を背にして敵を追い詰めよう」
 ヴァージルはそう提案し、屋外に「キヅカへ連絡を」と依頼する。彼の目論見は、もはや誰の目にも明らかであった。

●勝利の挟撃へ
 すでにこの時、正面の部隊も本格的に雑魔の撃破を目指していた。
 今は延び切った敵の隊列の中腹あたりにいたゴブリン退治に励んでいる。その前衛に立つのは、神代 誠一(ka2086)。七節棍という癖のある武器を巧みに操り、スラッシュエッジとランアウトを併用しながら敵の気を引く。
「理想を言えば、痒い所に手が届く……そんな安定した攻撃サポートもこなしたい所です」
 そう語る誠一は、初顔合わせとなる猟撃士、クレア=I(ka3020)と連携を組んでいた。七節棍を繋ぎ合わせて鍔迫り合いをすると見せかけ、うまく体を入れ替えることで、クレアの射撃をアシスト。彼女も敵の脳天を狙い、強弾で吹き飛ばす。
「おーにさんこーちら、てーのなーるほうへ」
 自分は逃げも隠れもしないとばかりに、敵の耳にも届くような声で歌う。当然、敵もクレアを目指そうとするが、皮肉にも的が大きくなるので射撃を外す可能性が下がるのだ。このふたりのコンビネーションは、実に冴え渡る。
「あら、段取りと違ってもいいわよ? 私が最初から最後まで撃つことになっても」
「それだと、なんだか悪いですから」
 戦闘中とはいえ、お互いの性格が実によくわかるやり取りだ。ここに榊 兵庫(ka0010)が割って入り、片方のゴブリンに強撃を駆使して転倒させ、続けざまに強打を乗せた片鎌槍の一閃で見事に切り伏せる。
 切られた方もスッパリふたつに黒煙が分かれるほどで、古武術「榊流」の名は伊達ではないことを今回の雑魔にも知らしめた格好となった。
「これを片付けて、仕上げに入ろう」
 誠一は残る1体を分解した七節棍で鞭のように足を叩き、直後にクレアが心臓を撃ち貫く。
「仕上げとは……どういうことでしょう?」
 戸惑いを含む彼の言葉を聞いたクレアは「どうするつもりかしら?」と兵庫に尋ねる。
「別働隊から連絡があった。彼らは俺たちのいる方向へ、敵を追い立てる形で進み出したとな」
 それを聞いた誠一は「なるほど」と頷く。
「敵に組織立った動きはなくても、敵対する者に襲い掛かる本能が残っているから、挟み撃ちにできるということですか」
 兵庫は「ああ」と、首を縦に振った。
「CAMとの共同戦線という名目だが、おそらくこれで蹴りがつくだろう」
「前線に出てるハンターの数よりも敵が少なければ、もう負ける要素はないわよね」
 クレアの微笑みは、まるで勝利を確信したかのようにも見えた。事実、この数分後に全員が同じ結論に至るのだが。
「連携という意味では、もっとも機能する場面かもしれない。クレアさん、この後も頼みますよ」
「ええ、あなたの指示に従うわ」
 この後、正面の部隊と別働隊は残った雑魔を挟み撃ちにし、その全てを討伐した。

●課題と問題
 結果的にはCAMの行動はミサイル一発に留まり、ハンターたちの働きによって最良の結果を得た。
 ハンターの帰還を伝え聞いたキヅカは「お疲れ様です」と伝え、安全に戻るように念を押す。その間、藤乃はこっそりジーナに通信を入れた。
「初陣、お疲れ様。ところで聞きたいんだけど、軍とかでやった射撃の成績ってどうだったの?」
『えっ! しゃ、射撃訓練の成績? えー、あ、そ、その……あの……言わなきゃダメ?』
 あまりの動揺にスピーカーを入れたまま言い淀んだ彼女の声を聞き、藤乃は「あ、もう言わなくていいわ」と返した。なお、これを聞いた小夜とカールの表情が心配の色に染まる。
「おねえはん……」
「ジーナさん……」
 実はキヅカと藤乃は、ジーナの想定したミサイルの着弾点と実際の着弾点にズレがあることに気づいていた。傍目から見てズレてるのだから、実際には相当ズレているのだろう。きっと、ジーナは射撃が苦手なのだ。
「きっとダニエル中佐も知ってると思うんだ。そのことはさすがに、ね」
「そうでしょうね。ま、CAMの操縦にも得手不得手はあるから」
 ふたりはそう言いながら、ジーナの戸惑いを見事に体現するCAMの怪しげな動作を黙って見ていた。
 そこへ、帰還を果たしたあるハンターからの通信が入る。
「あ、はい! ジーナです!」
『ご挨拶が遅れたわ。私はナナート=アドラー。今後ともよろしく、ジーナ曹長』
「今回の任務、お疲れ様でした!」
『とにかくCAMが無事でよかったわ。格納庫に戻るまでが操縦よ、気をつけてね』
 ナナートがそう言うと、あっさりと通信を切る。

 実はこの時、彼は悩んでいた。いったい雑魔の群れは、何を狙っていたのか。そして誰がそれを仕向けたのか……
「物憂げな表情、とっても似合うねぇ。美形のお姉さん」
 突然、ダニエル中佐がナナートの前に出てきた。あまりの唐突さに、さすがの彼も「うわっ! どこから出てきたのよっ!」と驚く。
「その話、ジーナにするの止めといてくれるかなぁ。あの娘、責任感強いからさ。背負い込ませたくないんだよね」
 ダニエルは美男子の思考を読んだのか、そんなことを呟いた。
「やっぱりこの話には、続きがあるのね」
「別にこっちが望んで続けるわけじゃないんだけどさ。ま、考えられる手は打ってるから。困った時はまた助けてね」
 少し笑みを浮かべながら、ダニエルは手をヒラヒラさせてその場を立ち去った。

 ナナートはおもむろに、戦場だった場所を振り返る。ようやくこの周辺に、荒野の静寂が戻ってきた。

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MVP一覧

  • 亜竜殺し
    榊 兵庫ka0010
  • 白き流星
    鬼塚 陸ka0038
  • 生者の務め
    結城 藤乃ka1904
  • 俯瞰視の狩人
    ヴァージル・チェンバレンka1989
  • 氷情炎舞
    スティリアka3277

重体一覧

参加者一覧

  • 亜竜殺し
    榊 兵庫(ka0010
    人間(蒼)|26才|男性|闘狩人
  • 白き流星
    鬼塚 陸(ka0038
    人間(蒼)|22才|男性|機導師
  • 魂の反逆
    ウィンス・デイランダール(ka0039
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人

  • カグラ・シュヴァルツ(ka0105
    人間(蒼)|23才|男性|猟撃士
  • 癒しへの導き手
    シュネー・シュヴァルツ(ka0352
    人間(蒼)|18才|女性|疾影士
  • 甘香、誘う蝶
    イオ・アル・レサート(ka0392
    人間(紅)|19才|女性|魔術師

  • キー=フェイス(ka0791
    人間(蒼)|25才|男性|霊闘士
  • 守護の絆
    朱華(ka0841
    人間(蒼)|21才|男性|闘狩人
  • 影の戦士
    神薙 綾女(ka0944
    人間(蒼)|22才|女性|疾影士

  • 辰川 桜子(ka1027
    人間(蒼)|29才|女性|闘狩人
  • ミワクノクチビル
    ナナート=アドラー(ka1668
    エルフ|23才|男性|霊闘士
  • Blue Bird
    イシャラナ・コルビュジエ(ka1846
    人間(紅)|22才|女性|猟撃士
  • 生者の務め
    結城 藤乃(ka1904
    人間(蒼)|23才|女性|猟撃士
  • システィーナのお兄さま
    ラィル・ファーディル・ラァドゥ(ka1929
    人間(紅)|24才|男性|疾影士
  • 時軸の風詠み
    ウィルフォード・リュウェリン(ka1931
    エルフ|28才|男性|魔術師
  • 俯瞰視の狩人
    ヴァージル・チェンバレン(ka1989
    人間(紅)|45才|男性|闘狩人
  • 強者
    メリエ・フリョーシカ(ka1991
    人間(紅)|17才|女性|闘狩人
  • その力は未来ある誰かの為
    神代 誠一(ka2086
    人間(蒼)|32才|男性|疾影士
  • 微笑みの魔術師
    クレア=I(ka3020
    エルフ|20才|女性|猟撃士
  • きら星ノスタルジア
    浅黄 小夜(ka3062
    人間(蒼)|16才|女性|魔術師
  • 面倒見のいいお兄さん
    沢城 葵(ka3114
    人間(蒼)|28才|男性|魔術師
  • 弔いの鐘を鳴らした者
    走り 由良(ka3268
    人間(蒼)|18才|男性|疾影士
  • 氷情炎舞
    スティリア(ka3277
    エルフ|18才|女性|疾影士
  • 心を守りし者
    屋外(ka3530
    人間(蒼)|25才|男性|疾影士
  • はじめての友達
    カール・フォルシアン(ka3702
    人間(蒼)|13才|男性|機導師

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マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン ドメニコさんに質問
カール・フォルシアン(ka3702
人間(リアルブルー)|13才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2014/12/21 04:38:19
アイコン 相談卓
カール・フォルシアン(ka3702
人間(リアルブルー)|13才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2014/12/22 08:51:09
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/12/20 17:38:40