ゲスト
(ka0000)
心、響かせて 4
マスター:ゆくなが
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/08/17 15:00
- 完成日
- 2018/08/23 09:51
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
ハンターたちは、ついに堕落者の少年ヨルの示した島へと上陸した。
ヨルの「待ってる」という言葉通り、航海中に妨害などはなかった。
たどり着いたのは、こぢんまりとした穏やかな島である。船は島の港へ停泊したが、港には人の姿が全くなかった。
「おそらく、あの少年が引き連れていたゾンビたちはこの島の住人たちも含まれていたのでしょうね」
アラベラ・クララ(kz0250)が生気のない街を見渡して言う。
「なんてことを……」
グリューエリン・ヴァルファー(kz0050)は顔を顰め、ヨルの所業に嫌悪を示した。
「とにかく、劇場へ急ぎましょう」
航海前に、この島がまだ安全だった頃に立ち寄ったことのある船乗りたちから、島のおおよその形を聞いていた。だから、劇場までは迷うことなく一行は進む。
廃墟のような街を抜けて、劇場に至る大通りへ出る。すると、風に乗って歌声が聞こえてきた。
美しいボーイソプラノ。ヨルの歌声だった。
敵は、ハンターたちを待っている。
グリューエリンはロングソードの柄を一度ぎゅっと握りしめた。
──私は歌えなかった。
グリューエリンは思う。
──あの日以来、歌うのが怖かった。
──でも、私は歌いたい。
──私を支えてくれた人たちのために、誰かを笑顔にするために歌いたい。
──私は、もう、逃げない。
「……随分と変わりましたね」
アラベラがグリューエリンの凜とした顔つきを見て微笑んだ。
「はじめて会った時とは大違いです。……きっと、ハンターたちのおかげですね」
「いえ、アラベラ殿がいてくださらなかったら……ハンターの皆様を呼んでくださらなかったら、私はずっとあのままだったかもしれません」
グリューエリンもまた、アラベラに微笑んだ。
「ありがとう存じます、アラベラ殿」
「……きっとあなたなら、妾がいなくても……いえ、これ以上言うのは野暮ですね」
その時、流れる空気に嫌なものが混じった。
ハンターたちにも緊張が走る。
劇場へ向かう道の両脇から、大量のゾンビが行く手を阻むように湧いてきたのだ。
そこへ、すっと、アラベラが進み出でた。
「ここは妾が引き受けます。あなたたちはヨルの元へ向かいなさい」
盾と槍を構え、アラベラが言う。
「残念なことに、この話では妾は脇役のようです。でもそれも素晴らしい物語のためと我慢しましょう。だから──大団円はあなたたちに任せましたよ」
ゾンビの群れが襲ってくる。
それを、アラベラの槍が舞うように引き裂き、道を拓いた。
「行きましょう、皆様!」
その道をグリューエリンとハンターが駆け抜ける。
「アラベラ殿、御武運を!」
去りゆく刹那、グリューエリンがアラベラに言葉を贈った。
その言葉を受け取って、アラベラは不敵に笑う。
「……妾を誰と心得ます? 妾は鉄靴令嬢アラベラ・クララ! その多勢、歓迎する!」
●
歌声に導かれるように、グリューエリンたちは島の劇場にたどり着いた。
半円型、すり鉢状の劇場で、客席は階段になっている。
その底の舞台でヨルがコウモリを引き連れて歌っていた。
「来てくれたんだね、グリューエリン」
グリューエリンたちを見ると、彼は歌をやめてにっこり笑った。
「さあ、ここが君の舞台だ──君の、最期の舞台だ」
ヨルが両腕を広げて、歓迎するように言う。
「決着をつけましょう──」
グリューエリンは静かに2振りのロングソードを抜き放った。
ヨルの「待ってる」という言葉通り、航海中に妨害などはなかった。
たどり着いたのは、こぢんまりとした穏やかな島である。船は島の港へ停泊したが、港には人の姿が全くなかった。
「おそらく、あの少年が引き連れていたゾンビたちはこの島の住人たちも含まれていたのでしょうね」
アラベラ・クララ(kz0250)が生気のない街を見渡して言う。
「なんてことを……」
グリューエリン・ヴァルファー(kz0050)は顔を顰め、ヨルの所業に嫌悪を示した。
「とにかく、劇場へ急ぎましょう」
航海前に、この島がまだ安全だった頃に立ち寄ったことのある船乗りたちから、島のおおよその形を聞いていた。だから、劇場までは迷うことなく一行は進む。
廃墟のような街を抜けて、劇場に至る大通りへ出る。すると、風に乗って歌声が聞こえてきた。
美しいボーイソプラノ。ヨルの歌声だった。
敵は、ハンターたちを待っている。
グリューエリンはロングソードの柄を一度ぎゅっと握りしめた。
──私は歌えなかった。
グリューエリンは思う。
──あの日以来、歌うのが怖かった。
──でも、私は歌いたい。
──私を支えてくれた人たちのために、誰かを笑顔にするために歌いたい。
──私は、もう、逃げない。
「……随分と変わりましたね」
アラベラがグリューエリンの凜とした顔つきを見て微笑んだ。
「はじめて会った時とは大違いです。……きっと、ハンターたちのおかげですね」
「いえ、アラベラ殿がいてくださらなかったら……ハンターの皆様を呼んでくださらなかったら、私はずっとあのままだったかもしれません」
グリューエリンもまた、アラベラに微笑んだ。
「ありがとう存じます、アラベラ殿」
「……きっとあなたなら、妾がいなくても……いえ、これ以上言うのは野暮ですね」
その時、流れる空気に嫌なものが混じった。
ハンターたちにも緊張が走る。
劇場へ向かう道の両脇から、大量のゾンビが行く手を阻むように湧いてきたのだ。
そこへ、すっと、アラベラが進み出でた。
「ここは妾が引き受けます。あなたたちはヨルの元へ向かいなさい」
盾と槍を構え、アラベラが言う。
「残念なことに、この話では妾は脇役のようです。でもそれも素晴らしい物語のためと我慢しましょう。だから──大団円はあなたたちに任せましたよ」
ゾンビの群れが襲ってくる。
それを、アラベラの槍が舞うように引き裂き、道を拓いた。
「行きましょう、皆様!」
その道をグリューエリンとハンターが駆け抜ける。
「アラベラ殿、御武運を!」
去りゆく刹那、グリューエリンがアラベラに言葉を贈った。
その言葉を受け取って、アラベラは不敵に笑う。
「……妾を誰と心得ます? 妾は鉄靴令嬢アラベラ・クララ! その多勢、歓迎する!」
●
歌声に導かれるように、グリューエリンたちは島の劇場にたどり着いた。
半円型、すり鉢状の劇場で、客席は階段になっている。
その底の舞台でヨルがコウモリを引き連れて歌っていた。
「来てくれたんだね、グリューエリン」
グリューエリンたちを見ると、彼は歌をやめてにっこり笑った。
「さあ、ここが君の舞台だ──君の、最期の舞台だ」
ヨルが両腕を広げて、歓迎するように言う。
「決着をつけましょう──」
グリューエリンは静かに2振りのロングソードを抜き放った。
リプレイ本文
●現在
ヨルの大砲のような歌声がキヅカ・リク(ka0038)に向かって発射される。
7つの歌の砲弾は到底避けられる代物ではなく、キヅカは身体中に青あざをつくった。
けれど、その瞳には強い意志が宿っていた。
そして、それを鼓舞するように。
島の劇場にはヨルの声だけではない、歌声が響いていた。
●開戦前
フューリト・クローバー(ka7146)が、グリューエリン・ヴァルファー(kz0050)には内緒で仲間に問いかけた。
「グリューさんが歌えなかった歌って、どんなものだったの?」
かつて、あの戦場にいた者たちが旋律と歌詞を思い出し、歌う。
ふむふむ、とフューリトはそれを聞いていた。
「そういえばさ、ヨルはグリューさんがまた歌うことを決めても、『嬉しい』って言わなかったね」
まあそうだろうけど、とフューリトはひとり、納得した。
●現在
「どうして、住民をゾンビにした?」
キヅカがヨルに問いかける。
「ただの偶然さ。1週間ほど休まず僕の歌を聴かせたらみんな死んでいた、というだけ」
「……誰に歪虚にしてもらった?」
キヅカはこの事件の裏には何モノかが潜んでいると考えていた。だから、ソウルトーチを発動し、味方を支援しつつ、ヨルに問う。
「それは契約違反になりそうだから言えないなあ」
ヨルが息を吸う。
歌うための、準備だ。
キヅカは盾を構え、防御態勢を取る。
再び、大砲の如き歌声が発射された。
歌声の不快な振動で、キヅカの体も揺さぶられる。
しかし、キヅカの体には、光の防御が施されていた。フューリトのレジストだ。それは歌声の振動を軽減する。
さらにUisca Amhran(ka0754)の穏やかな歌とステップが歌声の不快な振動を相殺した。
バッドステータスを跳ね除けたキヅカは、マテリアルチャージャーによって魔力が収斂されたマグダレーネを構える。
「エリンちゃんが歌うように、僕は戦ってみせる! いくよ、マグダレーネ……!」
光の刃がマグダレーネの刀身に纏付き、魔を断つ一閃となって、ヨルを斬り裂いた。
●開戦前
「グリューエリンさん。ヨルさんにあなたの最高の歌を聴かせてあげてください」
Uiscaが言った。
「あの日の歌を一緒に歌いましょう」
グリューエリンが歌えなくなった日の、あの歌を、共に。
「私は……」
グリューエリンは緑の瞳を曇らすことなく真っ直ぐに過去と現在を見つめてこたえた。
「ええ、歌いましょう。過去から今に続く歌を。よろしくお願いしますわUisca殿」
「あの、グリューエリンさん」
そこでUiscaがもうひとつ提案をした。
「殿って他人行儀な呼び方な感じがするので、さんとか呼び捨てとかで呼んでくれるとうれしいです。私もグリュさん? エリンさん? って略称で呼ばせてもらいますね」
「えっと、それでは……」
心の距離が縮まったことで、グリューエリンは少し照れながらも、Uiscaの言葉を喜んで受け取った。
「エリンさんでお願いしますわ」
かくして、少女たちの絆は深まっていくのだった。
●現在
「エリンさん、歌を特殊な力に変える私は怖い存在ですか? あの時のブレンネさんの様に……」
Uiscaは奏唱士のスキルを駆使する。それは歌声を武器に変える能力だ。
「私はこう思うのです。歌にどんな心をこめるかが大事なのだと」
グリューエリンはゆっくりとこたえる。
「Uiscaさんの歌は温かいです。それは、きっと心があるから。だから、怖くなんてありません。何かを守ろうとする、心が響いて来るから──!」
「君も歌う人間なんだね」
ヨルは歌いながら戦うUiscaに微笑んだ。それはもしかしたら、同類を見つけた喜びだったのかもしれない。
「でも、貴方とは違います」
Uiscaはヨルと自分との厳然たる違いを口にした。
「人が歌うから、歌は心に響くんです。機械が刻んだリズムが心に響かないのは変化が、成長がないから、歪虚となって成長を止めた貴方の歌は機械と同じで心に響きませんっ」
その言葉と共に、闇色の龍の牙や爪は数多くのコウモリとヨルすら串刺しにした。
●開戦前
「終わりにしてあげたいって思ってるんじゃないかしら。貴女は優しい人だもの」
高瀬 未悠(ka3199)は劇場への道すがら、グリューエリンに言う。
「私が……?」
「そう。貴女の歌を好きだと言った……今は道を違えてしまった彼を、もう眠らせてあげたいと思ってるんじゃないかって」
「私は……こんなことを言うのはおこがましいかもしれませんが、……ヨルを狂わせてしまったのでしょうか?」
「それはきっと違うわ」
優しく、グリューエリンとそしてヨルの思いを受け止めるように、未悠は語る。
「ヨルの想いは歪んで自分勝手で、でも哀しいほど純粋だわ。グリューエリン、貴女を想う時、きっとヨルは幸せで、貴女の歌に希望を見てた。その幸せを思い出しながら旅立てるように解放してあげましょう」
●現在
未悠はキヅカが機導剣を発動する前にダンピールを使用したことにいち早く気が付いた。
「また無茶して……! 無意識だから質が悪いのよ、リクは!」
我が身を省みないキヅカに怒りながらも、未悠はヒールを施す。
さらに、ホーリーライトでコウモリを撃ち落としていく。
「チャージ完了! 纏めて焼き払うよ!」
そう言うのは、時音 ざくろ(ka1250)だ。
「エネルギー充填率300%……焼き払え、拡散ヒートレイマキシマムシュート!」
熱線が扇状に広がり、敵を焼き尽くす。
それにより、あるコウモリの翼が砕け、力なく地面に落下する。
「そこ、貰ったわよ!」
すかさず叩き込まれた未悠のクラッシュブロウが、コウモリを塵に変えるのだった。
●開戦前
「戦いながら歌う、っつーのは極めて難しい高度な技術だ。故にバトルソングの歌い手は、仲間に守られて最後衛で支援するのが通常。士気高揚の曲を奏で続け、仲間への継続的なバックアップを行う。それでもいい、むしろ帝国アイドルとしちゃ十分すぎる役割だ。……普通なら」
デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013)がグリューエリンに語る。
「だがこのデスドクロ様がプロデュースするアイドルユニットならば! 無理を通し、無茶を貫き、敵と斬り結びながらでも朗々と歌い上げる。その境地に達してもらわなくっちゃあ困るぜ」
そこで、デスドクロは一旦言葉を切り、ある指示を出した。
「ンなワケで俺様からグリりんに出す指示はただひとつ。コウモリマンの動きを見ておけ。野郎に対する感情が何であれ、バトルシンガーとしての資質は相当なレベルだ」
「わかりましたわ。再び歌うものとして立ち上がった以上、最大の努力をします」
グリューエリンも強く頷いた。
「見えてきた。あれが劇場だね」
前方を指差して、ざくろが言う。
聞こえるのはヨルの歌声。ただ歌っているだけの、安らかな歌声だった。
「行こうグリューエリン、ざくろ、グリューエリンの歌を信じているから」
にっこりざくろが笑う。
「……一緒にあのどこか間違えてしまった歌声をやっつけよ」
●現在
キヅカの機導剣がヨルを切り裂いた。
ヨルはキヅカから距離を取ろうとするも、Uiscaの【龍獄】黒龍擁く煉獄の檻に貫かれ、移動できない。
「もう、邪魔だな……!」
苛立ちを露わにしたヨルは丁度ソウルトーチの効果を振り払ったこともあり、Uiscaへ攻撃の矛先を向ける。
「させないよ!」
しかし、ざくろがデルタレイの一条をヨルへと飛ばし、牽制する。
「ヨル」
フューリトが前で壁役となっている未悠にレジストを施しながら、静かな声で語りかける。
「あなたはどうがんばっても歌手になれないよー。だって絶対勝てないって無意識に自分を決めてるから」
グリューエリンに対する憧れの心を射抜くフューリトの言葉。
「取るに足らないものなら自分の実力で黙らせるでしょ? 勝ち負けの問題じゃないけど、殺さないと本物になれないと排除するってそーいうこと」
「……そうかもね」
だが、それをヨルは否定しなかった。
戦闘によって乱れた前髪をすかして、ヨルは歌を歌い続けるグリューエリンを見つめた。
「……あなたは、迷ってるの?」
フューリトが遠くも近くもない距離感で、ヨルに言葉を投げる。
「うん、グリューエリンを殺すのはちょっと寂しい気もするんだ。でも、ここまで来てしまった以上、後戻りはできないじゃないか──」
●開戦前
「僕と一緒に歌おう」
Uiscaの言葉に続くように、手を差し伸べて、フューリトがグリューエリンに言う。
「あなたにとってその歌はきっと涙の後悔の象徴。今日まで沢山泣いたと思うし、苦しんだと思う。でも、あなたは、それでも、生きている」
「ええ。フューリト殿も、共に」
「……迷わないんだね」
「迷う時間はきっと終わってしまった。私は逃げずに、進まなければいけないと思うのです」
「そっか」
フューリトはそっと微笑み、そしていたずらっぽく笑った。
「躊躇うようなら、お母さんの歌を歌ってあげようと思ったのになー」
「そうなんですの? 戦いが終わったら、ぜひ聴かせてくださいな」
「わかったよ。がんばろーね、グリューさん」
●現在
あの日の歌が響いている。
それは、ただの歌。スキルでもなんでもない、歌声だ。
でも、それは、だからこそ、心に響くのかもしれない。
──エリンさん、貴女が姿を見せなくなってからずっと心配してました。
Uiscaはグリューエリンと共に歌いながら思った。
──あの時の戦場は本当に悲惨だったから……。
──私も人を癒す巫女でありながら、多くの兵士が死んでいくのを食い止められなかった……。
──でも、貴女はこうして今立ち上がって、再び歌っている。
「今のこそ、あの時の悪夢を打ち破り新しい刻(メトロノーム)を刻みましょう!」
その声と共に、花が咲き乱れるように龍の爪が、牙が、コウモリたちを葬っていく。
「ここは冒険の終わりには早すぎる! まだまだざくろ達は進むんだ! 今だよグリューエリン、君の歌声であいつの歌を打ち払い、その心を届けるんだ!」
ざくろはデルタレイを放ち光の帯でコウモリを貫いた。
一層高らかにグリューエリンの歌声が響き渡る。
「──こんなの、ただの歌だ」
眩しそうにグリューエリンを見ながらヨルは呟いた。
「ああ、ただの歌だ」
デスドクロが言った。
「でもな、いずれグリューエリンはトップアイドルとなる。なぜなら、俺様が育てるからだ。そんな奴の歌が聴けるなんて、レアだぜ?」
「うん、そうだね。僕は今──」
しかし、ヨルは言葉の続きを飲み込んだ。一度瞳を閉じて、それから視線を未悠へと移し、歌声の砲弾を放った。
未悠は傷つきながらも剣を振り抜き、コウモリを叩き斬る。
さらにデスドクロの漆黒の弾丸が、残った最後のコウモリを穿ち、塵に還していった。
こうして、ヨルは使い魔を全て失った。また、その体にはキヅカの攻性防壁による雷電が巻きついている。
「一気に決めるよ!」
ヨルの上に影が落ちた。
「今ざくろ達の絆は結ばれた……ロプラース!」
ファミリアアタックによって、機械化怪鳥「Lo+」がヨルの腕を貫いた。
「この一撃で……終わらせる!」
マテリアルチャージャーで再び威力を高めたキヅカの機導剣がついにヨルの体を斬り上げた。
それが、この戦いの最後の攻撃だった。
ヨルは斬り付けられた勢いで地面に倒れる。
「あーあ、これで終わりか」
「……貴方はやっぱり自分勝手だわ。でも、強く求めるほど独占欲から逃れられなくなる」
剣を収めた未悠がヨルを見下ろす。
「グリューエリンは貴方の全てだったのね。遠く手が届かないのに、独り占めしたいと願ってしまうほど……」
ヨルはこたえず、静かに笑うばかりだった。
「皆様……」
グリューエリンも歌うのをやめて、ヨルの元にやって来た。
「歌声で解き放ってあげて。ヨルも、貴女の心も」
未悠がグリューエリンの肩に手を置き、言葉で背中を押す。
「……もう一度歌ってよ、グリューエリン」
いつかと同じ言葉をヨルは口にした。
今度はその言葉にこたえ、グリューエリンは静かに歌い出した。
それをヨルは目を閉じて聴いていた。
「グリューエリン。僕は、君がここに来てくれて、本当に嬉しかったんだよ」
ヨルの体が徐々に塵になって消えていく。
その様子はまるで、グリューエリンの歌で浄化されているようだった。
「エリンの鎮魂歌で逝けるヨルは幸せね……」
歌い続けた少年は、歌に見送られて、この世を完全に去ったのだった。
──グリューエリンの歌に惚れたのは間違っちゃいなかった。
デスドクロは少年の消えた跡を見て思う。
──その歌をもう一度聴きたいと願ったのも間違っちゃいなかった。
──お前の存在がグリを更なる高みに押し上げてくれた。
「あばよ、コウモリマン。お前はどこまでも正しいファンだったぜ」
●その先へ
「僕も偉そうな事は言えないけどさ。変わらない事なんてなくて。嫌になる事もたくさんあって独りじゃどうしようもなくて」
一同はアラベラ・クララ(kz0250)とも合流して、帰りの船の中にいた。仲間の傷はフューリトが回復したので、疲労は少なかった。
島を見送りながらキヅカが言う。
「だから僕はエリンちゃんを一人にしない。あんな辛そうな顔、見たくないし……ヨルの事も忘れたりしない。それがきっと僕に出来る精一杯だと思うから」
「あのね、リク」
潮風になびく黒髪を手のひらで押さえながら、未悠がキヅカの言葉を引き取った。
「巻き込みたくないって遠慮は信頼されてないみたいに感じるものよ。貴方も独りじゃないわ。もっと皆を頼って甘えなさいよ」
「私も人のことは言えませんが、そう思いますわ」
グリューエリンが未悠に同意した。
「僕、そんな無茶してるかな……?」
キヅカは首を傾げたが、未悠とグリューエリンはこくこくと頷いた。
そんなグリューエリンにざくろが声をかける。
「グリューエリン、とてもいい歌だったよ……ざくろ、やっぱり大好きだよ、これからも楽しみにしてるね」
微笑をたたえるざくろ。グリューエリンは顔を赤らめつつ言葉を受け取った。
「あ、ありがとうございます、ざくろ殿」
「グリューさーん、約束の歌、歌うよー」
フューリトが手を振って呼びかける。
「ひとりで泣いたあの夜、見上げる月も星も遠く。
時が流れても、君がいない僕は歩き出すこともできず」
波と風の音の中、フューリトの歌声が柔らかく響く。
「夜、僕を包むように思い出の君が歌い出す。
虹の輝石の中で大丈夫だと笑ってる」
あの島は段々小さくなって、ついに見えなくなった。
「いくよ 僕は独りじゃない。
孤独に負けないよう顔を上げるよ」
あの島にいた少年ことをグリューエリンは忘れないだろう。
「嘘じゃない、ホントの笑顔で歩いていくよ」
こうして一連の事件は幕を閉じたのだった。
ヨルの大砲のような歌声がキヅカ・リク(ka0038)に向かって発射される。
7つの歌の砲弾は到底避けられる代物ではなく、キヅカは身体中に青あざをつくった。
けれど、その瞳には強い意志が宿っていた。
そして、それを鼓舞するように。
島の劇場にはヨルの声だけではない、歌声が響いていた。
●開戦前
フューリト・クローバー(ka7146)が、グリューエリン・ヴァルファー(kz0050)には内緒で仲間に問いかけた。
「グリューさんが歌えなかった歌って、どんなものだったの?」
かつて、あの戦場にいた者たちが旋律と歌詞を思い出し、歌う。
ふむふむ、とフューリトはそれを聞いていた。
「そういえばさ、ヨルはグリューさんがまた歌うことを決めても、『嬉しい』って言わなかったね」
まあそうだろうけど、とフューリトはひとり、納得した。
●現在
「どうして、住民をゾンビにした?」
キヅカがヨルに問いかける。
「ただの偶然さ。1週間ほど休まず僕の歌を聴かせたらみんな死んでいた、というだけ」
「……誰に歪虚にしてもらった?」
キヅカはこの事件の裏には何モノかが潜んでいると考えていた。だから、ソウルトーチを発動し、味方を支援しつつ、ヨルに問う。
「それは契約違反になりそうだから言えないなあ」
ヨルが息を吸う。
歌うための、準備だ。
キヅカは盾を構え、防御態勢を取る。
再び、大砲の如き歌声が発射された。
歌声の不快な振動で、キヅカの体も揺さぶられる。
しかし、キヅカの体には、光の防御が施されていた。フューリトのレジストだ。それは歌声の振動を軽減する。
さらにUisca Amhran(ka0754)の穏やかな歌とステップが歌声の不快な振動を相殺した。
バッドステータスを跳ね除けたキヅカは、マテリアルチャージャーによって魔力が収斂されたマグダレーネを構える。
「エリンちゃんが歌うように、僕は戦ってみせる! いくよ、マグダレーネ……!」
光の刃がマグダレーネの刀身に纏付き、魔を断つ一閃となって、ヨルを斬り裂いた。
●開戦前
「グリューエリンさん。ヨルさんにあなたの最高の歌を聴かせてあげてください」
Uiscaが言った。
「あの日の歌を一緒に歌いましょう」
グリューエリンが歌えなくなった日の、あの歌を、共に。
「私は……」
グリューエリンは緑の瞳を曇らすことなく真っ直ぐに過去と現在を見つめてこたえた。
「ええ、歌いましょう。過去から今に続く歌を。よろしくお願いしますわUisca殿」
「あの、グリューエリンさん」
そこでUiscaがもうひとつ提案をした。
「殿って他人行儀な呼び方な感じがするので、さんとか呼び捨てとかで呼んでくれるとうれしいです。私もグリュさん? エリンさん? って略称で呼ばせてもらいますね」
「えっと、それでは……」
心の距離が縮まったことで、グリューエリンは少し照れながらも、Uiscaの言葉を喜んで受け取った。
「エリンさんでお願いしますわ」
かくして、少女たちの絆は深まっていくのだった。
●現在
「エリンさん、歌を特殊な力に変える私は怖い存在ですか? あの時のブレンネさんの様に……」
Uiscaは奏唱士のスキルを駆使する。それは歌声を武器に変える能力だ。
「私はこう思うのです。歌にどんな心をこめるかが大事なのだと」
グリューエリンはゆっくりとこたえる。
「Uiscaさんの歌は温かいです。それは、きっと心があるから。だから、怖くなんてありません。何かを守ろうとする、心が響いて来るから──!」
「君も歌う人間なんだね」
ヨルは歌いながら戦うUiscaに微笑んだ。それはもしかしたら、同類を見つけた喜びだったのかもしれない。
「でも、貴方とは違います」
Uiscaはヨルと自分との厳然たる違いを口にした。
「人が歌うから、歌は心に響くんです。機械が刻んだリズムが心に響かないのは変化が、成長がないから、歪虚となって成長を止めた貴方の歌は機械と同じで心に響きませんっ」
その言葉と共に、闇色の龍の牙や爪は数多くのコウモリとヨルすら串刺しにした。
●開戦前
「終わりにしてあげたいって思ってるんじゃないかしら。貴女は優しい人だもの」
高瀬 未悠(ka3199)は劇場への道すがら、グリューエリンに言う。
「私が……?」
「そう。貴女の歌を好きだと言った……今は道を違えてしまった彼を、もう眠らせてあげたいと思ってるんじゃないかって」
「私は……こんなことを言うのはおこがましいかもしれませんが、……ヨルを狂わせてしまったのでしょうか?」
「それはきっと違うわ」
優しく、グリューエリンとそしてヨルの思いを受け止めるように、未悠は語る。
「ヨルの想いは歪んで自分勝手で、でも哀しいほど純粋だわ。グリューエリン、貴女を想う時、きっとヨルは幸せで、貴女の歌に希望を見てた。その幸せを思い出しながら旅立てるように解放してあげましょう」
●現在
未悠はキヅカが機導剣を発動する前にダンピールを使用したことにいち早く気が付いた。
「また無茶して……! 無意識だから質が悪いのよ、リクは!」
我が身を省みないキヅカに怒りながらも、未悠はヒールを施す。
さらに、ホーリーライトでコウモリを撃ち落としていく。
「チャージ完了! 纏めて焼き払うよ!」
そう言うのは、時音 ざくろ(ka1250)だ。
「エネルギー充填率300%……焼き払え、拡散ヒートレイマキシマムシュート!」
熱線が扇状に広がり、敵を焼き尽くす。
それにより、あるコウモリの翼が砕け、力なく地面に落下する。
「そこ、貰ったわよ!」
すかさず叩き込まれた未悠のクラッシュブロウが、コウモリを塵に変えるのだった。
●開戦前
「戦いながら歌う、っつーのは極めて難しい高度な技術だ。故にバトルソングの歌い手は、仲間に守られて最後衛で支援するのが通常。士気高揚の曲を奏で続け、仲間への継続的なバックアップを行う。それでもいい、むしろ帝国アイドルとしちゃ十分すぎる役割だ。……普通なら」
デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013)がグリューエリンに語る。
「だがこのデスドクロ様がプロデュースするアイドルユニットならば! 無理を通し、無茶を貫き、敵と斬り結びながらでも朗々と歌い上げる。その境地に達してもらわなくっちゃあ困るぜ」
そこで、デスドクロは一旦言葉を切り、ある指示を出した。
「ンなワケで俺様からグリりんに出す指示はただひとつ。コウモリマンの動きを見ておけ。野郎に対する感情が何であれ、バトルシンガーとしての資質は相当なレベルだ」
「わかりましたわ。再び歌うものとして立ち上がった以上、最大の努力をします」
グリューエリンも強く頷いた。
「見えてきた。あれが劇場だね」
前方を指差して、ざくろが言う。
聞こえるのはヨルの歌声。ただ歌っているだけの、安らかな歌声だった。
「行こうグリューエリン、ざくろ、グリューエリンの歌を信じているから」
にっこりざくろが笑う。
「……一緒にあのどこか間違えてしまった歌声をやっつけよ」
●現在
キヅカの機導剣がヨルを切り裂いた。
ヨルはキヅカから距離を取ろうとするも、Uiscaの【龍獄】黒龍擁く煉獄の檻に貫かれ、移動できない。
「もう、邪魔だな……!」
苛立ちを露わにしたヨルは丁度ソウルトーチの効果を振り払ったこともあり、Uiscaへ攻撃の矛先を向ける。
「させないよ!」
しかし、ざくろがデルタレイの一条をヨルへと飛ばし、牽制する。
「ヨル」
フューリトが前で壁役となっている未悠にレジストを施しながら、静かな声で語りかける。
「あなたはどうがんばっても歌手になれないよー。だって絶対勝てないって無意識に自分を決めてるから」
グリューエリンに対する憧れの心を射抜くフューリトの言葉。
「取るに足らないものなら自分の実力で黙らせるでしょ? 勝ち負けの問題じゃないけど、殺さないと本物になれないと排除するってそーいうこと」
「……そうかもね」
だが、それをヨルは否定しなかった。
戦闘によって乱れた前髪をすかして、ヨルは歌を歌い続けるグリューエリンを見つめた。
「……あなたは、迷ってるの?」
フューリトが遠くも近くもない距離感で、ヨルに言葉を投げる。
「うん、グリューエリンを殺すのはちょっと寂しい気もするんだ。でも、ここまで来てしまった以上、後戻りはできないじゃないか──」
●開戦前
「僕と一緒に歌おう」
Uiscaの言葉に続くように、手を差し伸べて、フューリトがグリューエリンに言う。
「あなたにとってその歌はきっと涙の後悔の象徴。今日まで沢山泣いたと思うし、苦しんだと思う。でも、あなたは、それでも、生きている」
「ええ。フューリト殿も、共に」
「……迷わないんだね」
「迷う時間はきっと終わってしまった。私は逃げずに、進まなければいけないと思うのです」
「そっか」
フューリトはそっと微笑み、そしていたずらっぽく笑った。
「躊躇うようなら、お母さんの歌を歌ってあげようと思ったのになー」
「そうなんですの? 戦いが終わったら、ぜひ聴かせてくださいな」
「わかったよ。がんばろーね、グリューさん」
●現在
あの日の歌が響いている。
それは、ただの歌。スキルでもなんでもない、歌声だ。
でも、それは、だからこそ、心に響くのかもしれない。
──エリンさん、貴女が姿を見せなくなってからずっと心配してました。
Uiscaはグリューエリンと共に歌いながら思った。
──あの時の戦場は本当に悲惨だったから……。
──私も人を癒す巫女でありながら、多くの兵士が死んでいくのを食い止められなかった……。
──でも、貴女はこうして今立ち上がって、再び歌っている。
「今のこそ、あの時の悪夢を打ち破り新しい刻(メトロノーム)を刻みましょう!」
その声と共に、花が咲き乱れるように龍の爪が、牙が、コウモリたちを葬っていく。
「ここは冒険の終わりには早すぎる! まだまだざくろ達は進むんだ! 今だよグリューエリン、君の歌声であいつの歌を打ち払い、その心を届けるんだ!」
ざくろはデルタレイを放ち光の帯でコウモリを貫いた。
一層高らかにグリューエリンの歌声が響き渡る。
「──こんなの、ただの歌だ」
眩しそうにグリューエリンを見ながらヨルは呟いた。
「ああ、ただの歌だ」
デスドクロが言った。
「でもな、いずれグリューエリンはトップアイドルとなる。なぜなら、俺様が育てるからだ。そんな奴の歌が聴けるなんて、レアだぜ?」
「うん、そうだね。僕は今──」
しかし、ヨルは言葉の続きを飲み込んだ。一度瞳を閉じて、それから視線を未悠へと移し、歌声の砲弾を放った。
未悠は傷つきながらも剣を振り抜き、コウモリを叩き斬る。
さらにデスドクロの漆黒の弾丸が、残った最後のコウモリを穿ち、塵に還していった。
こうして、ヨルは使い魔を全て失った。また、その体にはキヅカの攻性防壁による雷電が巻きついている。
「一気に決めるよ!」
ヨルの上に影が落ちた。
「今ざくろ達の絆は結ばれた……ロプラース!」
ファミリアアタックによって、機械化怪鳥「Lo+」がヨルの腕を貫いた。
「この一撃で……終わらせる!」
マテリアルチャージャーで再び威力を高めたキヅカの機導剣がついにヨルの体を斬り上げた。
それが、この戦いの最後の攻撃だった。
ヨルは斬り付けられた勢いで地面に倒れる。
「あーあ、これで終わりか」
「……貴方はやっぱり自分勝手だわ。でも、強く求めるほど独占欲から逃れられなくなる」
剣を収めた未悠がヨルを見下ろす。
「グリューエリンは貴方の全てだったのね。遠く手が届かないのに、独り占めしたいと願ってしまうほど……」
ヨルはこたえず、静かに笑うばかりだった。
「皆様……」
グリューエリンも歌うのをやめて、ヨルの元にやって来た。
「歌声で解き放ってあげて。ヨルも、貴女の心も」
未悠がグリューエリンの肩に手を置き、言葉で背中を押す。
「……もう一度歌ってよ、グリューエリン」
いつかと同じ言葉をヨルは口にした。
今度はその言葉にこたえ、グリューエリンは静かに歌い出した。
それをヨルは目を閉じて聴いていた。
「グリューエリン。僕は、君がここに来てくれて、本当に嬉しかったんだよ」
ヨルの体が徐々に塵になって消えていく。
その様子はまるで、グリューエリンの歌で浄化されているようだった。
「エリンの鎮魂歌で逝けるヨルは幸せね……」
歌い続けた少年は、歌に見送られて、この世を完全に去ったのだった。
──グリューエリンの歌に惚れたのは間違っちゃいなかった。
デスドクロは少年の消えた跡を見て思う。
──その歌をもう一度聴きたいと願ったのも間違っちゃいなかった。
──お前の存在がグリを更なる高みに押し上げてくれた。
「あばよ、コウモリマン。お前はどこまでも正しいファンだったぜ」
●その先へ
「僕も偉そうな事は言えないけどさ。変わらない事なんてなくて。嫌になる事もたくさんあって独りじゃどうしようもなくて」
一同はアラベラ・クララ(kz0250)とも合流して、帰りの船の中にいた。仲間の傷はフューリトが回復したので、疲労は少なかった。
島を見送りながらキヅカが言う。
「だから僕はエリンちゃんを一人にしない。あんな辛そうな顔、見たくないし……ヨルの事も忘れたりしない。それがきっと僕に出来る精一杯だと思うから」
「あのね、リク」
潮風になびく黒髪を手のひらで押さえながら、未悠がキヅカの言葉を引き取った。
「巻き込みたくないって遠慮は信頼されてないみたいに感じるものよ。貴方も独りじゃないわ。もっと皆を頼って甘えなさいよ」
「私も人のことは言えませんが、そう思いますわ」
グリューエリンが未悠に同意した。
「僕、そんな無茶してるかな……?」
キヅカは首を傾げたが、未悠とグリューエリンはこくこくと頷いた。
そんなグリューエリンにざくろが声をかける。
「グリューエリン、とてもいい歌だったよ……ざくろ、やっぱり大好きだよ、これからも楽しみにしてるね」
微笑をたたえるざくろ。グリューエリンは顔を赤らめつつ言葉を受け取った。
「あ、ありがとうございます、ざくろ殿」
「グリューさーん、約束の歌、歌うよー」
フューリトが手を振って呼びかける。
「ひとりで泣いたあの夜、見上げる月も星も遠く。
時が流れても、君がいない僕は歩き出すこともできず」
波と風の音の中、フューリトの歌声が柔らかく響く。
「夜、僕を包むように思い出の君が歌い出す。
虹の輝石の中で大丈夫だと笑ってる」
あの島は段々小さくなって、ついに見えなくなった。
「いくよ 僕は独りじゃない。
孤独に負けないよう顔を上げるよ」
あの島にいた少年ことをグリューエリンは忘れないだろう。
「嘘じゃない、ホントの笑顔で歩いていくよ」
こうして一連の事件は幕を閉じたのだった。
依頼結果
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依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 鬼塚 陸(ka0038) 人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/08/17 13:21:42 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/08/12 21:35:08 |