【初夢】鵺の鳴く夜は悪魔が来祟りじゃ~

マスター:深夜真世

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
  • duplication
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
3~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2019/01/06 07:30
完成日
2019/01/11 01:31

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

「お正月休みって、ついついだらだら夜更かししちゃうのよねぇ~」
 ここはリアルブルー。南那初華(kz0135)の自宅。
 テレビのあるリビングにはパジャマ姿の初華一人がソファにだらりんと座ってテレビを見ている。正月太りとか体重気にするくせに目の前にはポテトチップスとミルク。食べて飲んでテレビ見て、と幸せそう。
「お父さんとお母さんは寝てるし、テレビも深夜遅くまでやってるしぃ~」
 父は作家で普段深夜に仕事してるくせに、正月休みだからとお酒飲んで寝てしまっている。母は朝早くにお雑煮作って、いつ起き出してくるかもわからない二人を待ちつつ朝の番組を見るので真面目に早寝している。
「ほへ?」
 おや。
 リモコンでチャンネル変えていた初華、ここで目を疑った。
「何この怖そうな番組」
 画面では昭和中期的な風景が。
 お地蔵様のある農村入り口の道で、老婆が不気味に語っている。

「祟りじゃあ。猫神様の祟りじゃあ」
 ――ぴしゃーん!
 どさ……っ。

「ひいっ!」
 深夜の暗い部屋に落雷の明滅と轟音が響き渡った。
 テレビで祟りがあるなど言っていた老婆が、晴天の平野に落ちた雷一撃に撃たれて黒焦げになって倒れたのだ。
 突然の大音響に肩をすくめて小さくなるパジャマ姿の初華。
 あまりに突拍子もない展開に画面にくぎ付けになった。

「このおばあさんはすでに死んでるんですよ。火葬してもなぜか蘇って、最後には消し炭になってしまうんです」
 画面では場面が切り替わり、農村の駐在所のおまわりさんが話していた。
「目撃例は年に一度くらいですが……よその人が見たら驚くでしょうが、これも一種の幽霊ですかね?」
 おまわりさんは下駄をはいてよれよれの帽子をかぶった、風体の上がらない男にそういって記録していた冊子を見せた。あの老婆の幽霊の過去の目撃例が記載してあった。
「そういえば、この村にはどんな御用で? ……あ、いや。特に何があるという村ではありません。行商人でなければ立ち寄る者もいないですから」
「私は民俗学者です。あちこち旅して、この国の風土習慣を詳らかに後世に残そうと励んでいます」

「ふうん、和風のホラー番組ね~。だいたいお正月の朝に近い深夜番組って香港のカンフー映画が多かったイメージだけど……」
 ぽち、とテレビ画面でタイトルを確認してみる。
 どうやら古い映画のようだった。
 撮影中、監督も出演者も、説明のつかない不思議な事象に出くわし製作中止が判断されたものの、監督判断で台本を捨てることにより続行。出演者は演技しつつも撮影を邪魔するように発生するトラブルに本気でおびえながらアドリブで乗り切り、結果迫真の内容になったといういわくつきの作品らしい。
「なんか……怖いけどこういうのって……」
 たしかいまいちパッとしない幻想怪奇作家のお父さんが言ってた、と思い返す初華。

「途中でやめた方がいい場合と、最後まで我慢した方がいい場合の二種類ある。前者は、幽霊がより深みにはめようとする場合。後者の場合は、幽霊がこちらに気付かずただ通り過ぎようとしている場合」

「今回の場合は……」
 父の言葉を思い出してごく、と生唾を飲む初華。
 で、気付く。
「え、映画だもんね。ちゃんと予定通りの番組よねっ!」
 慌ててタイトルを確認する。
 映画の名は――。

「猫神村」

リプレイ本文


「ここが猫神村だね」
 時音 ざくろ(ka1250)が村の入り口に来た時、地蔵の傍にいた老婆が前にやって来た。
「祟りじゃあ。猫神様の祟りじゃあ」
「あの、神代家ってどこですか?」
 老婆の言うことなんかどこ吹く風で聞いた瞬間、晴天なのに一瞬暗くなり雷が落ちた。老婆、黒焦げになって倒れて消えた。
「わ、吃驚した……ええと、最後はこっちを指差してたかな?」
「ほう。いまのでさほど驚かないとは……」
 幽霊の幻とはいえこの惨劇を見てもマイペースなざくろの背後からそんな声がした。
 振り向くと、帯刀した女性剣士がすらっと立っていた。
「かなりできますね? さぞや名のある剣士でしょう」
「ざくろは東京で私立探偵を営む探偵。そっちは?」
「探偵……私は剣の修行の旅をしている多由羅という者」
 多由羅(ka6167)、ポニーテールの頭を軽く下げた。

「ふうん。探偵に剣術家ねぇ……」
 場所は変わって立派な屋敷の門。
 耳にピアスをし赤く髪を染め、ヘソ出しルックの娘が門柱に寄りかかって来訪者二人と対峙していた。
 来訪者は、ざくろと多由羅。
 二人は、ざくろの持っていた手紙を頼りここを訪れていた。表札は「神代」。村の名家であり、村長でもある。手紙の内容は、神代家の猫まん流しに関わる重大な相続問題に関しての調査依頼だった。
「ま、確かに手紙は親父が出したものだから別にいいけどよぅ。……まったく、学者に学生とわらわらよそから押し掛けやがって」
 ほらついて来な、と二人に背を向けるパンクな格好をしている娘。
「かたじけない」
「もし聞いてよければ、名前は?」
 ずいと前に出る多由羅に名前を確認するざくろ。
「ああん?」
 面倒くさそうに振り向いた女性は、不敵に笑みを浮かべた。
「仲間内じゃボルディアで通ってる。……ここの放蕩娘さ」
 ボルディア・コンフラムス(ka0796)は、何の仲間かは聞くんじゃねーぜ、と付け加えて案内を続ける。

 神代家の屋敷は大きく広かった。
 屋敷の奥は火の光も届きにくく静謐で薄暗い。
 その廊下に、立派な和装の年配男性が立っていた。
「神代家へようこそ」
 神代家当主である。



 ところ変わって、村の旅館「猫屋敷」。
「へええ、書生さんですか」
 旅館の従業員がいま到着した客に宿帳へ署名するよう促しつつ、そんな声を上げていた。
 客の男性は、宿帳にさらっとキヅカ・リク(ka0038)の文字を書いた。
「はい。この村では怪奇の話……いや、変わった風習があると聞いて勉強に来ました」
 キヅカ、礼儀正しく答えて宿帳を返す。
「猫まん流し、ですかね。神代さまのお屋敷にも民俗学者さんが来てますし、ウチにもほかに医者の卵の学生さんが来られてますよ」
「医者の……学生?」
 キヅカが問い返した時だった。
「ねーこ、猫ネコおネコさまー。今日のお宿はどこですかー」
 旅館の奥からご機嫌な歌が聞こえ、やがて白い服装に身を包んだ娘がにこにこと姿を現した。
「……今日のお宿は猫屋敷~♪ あ、いらっしゃいませなの」
 で、キヅカに気付くと従業員でもないのに挨拶したり。そりゃもうにこにこの上機嫌。
「キヅカという。お医者さんの卵さん?」
「そーなの。それはそれとして猫まん食べに来たの~」
 娘は、ディーナ・フェルミ(ka5843)といった。
「猫まん……ああ。猫まん流しに使う、この村名物のまんじゅうだね」
「そーなのー。猫神神社も楽しみなの」
 キヅカとディーナがそんな話をしている時だった。
「……猫神神社なんて、ここにはないねぇ」
 卑屈に話す男性――神主のような恰好で、まるで火傷療養しているように顔や腕に包帯を巻いている――が旅館に現れた。村の社の宮司、刃龍 淵芭泥(ジンリュウ エンバディ)ことエンバディ(ka7328)だ。
「猫神神社、どうしてないの?」
 ディーナが聞く。
「もともとこの村は、蛇神村だったから」

 猫神村に夕暮れが訪れた。
「よし。異常なし」
 エンバディが村はずれの石碑に膝を付いていた時だった。
「すいません。昼間に聞いたことが気になるんですが」
 彼が顔を上げると、キヅカが立っていた。
「どうして、村は猫神村になったんですか?」
「祟りを鎮めるため」
 エンバディ、そういって石碑を撫でて立ち上がる。
 そしてキヅカの方に振り向いた。
「村へようこそ……くれぐれも余計なことはしないでね」



 翌朝、猫まん流しの当日。
「やれやれ、かったりーったらありゃしねぇ」
 ボルディアが早朝に屋敷を抜け出していた。
「儀式に参列なんかして何になるんだっつーの。どっかに隠れて高みの見物を……」
 ぶつぶつ言いながら、儀式をする沼に来た時だった。
「な、何だ、ありゃあ……」
 沼のように気付いて絶句した。
 白い靄が水面の一部分に掛かっていたが、それがぱあっと晴れた時、見た!
「こ、こりゃ一大事だ。親父に知らせねぇと……」
 慌てて家族を呼びにいくボルディア。
 沼には何と――。

「あれは……ウチに泊まった民俗学者さんか?」
 沼に駆け付けた当主が絶句する。
 その目の前には、すね毛の濃い足二本が逆立ちするように生えていた。いや、底に人物が突き刺さり水面から足から突き出ているという感じだ。
「待って。足跡を確認させて」
「しばらくこの付近は立ち入り禁止にさせてもらおう」
 ざくろが足に近い板張りの桟橋に向かうと、多由羅が腰の剣の柄に手を掛けその入り口を封鎖した。当主は別方面から使用人を沼に入らせ、遺体を回収した。
 やがて、ディーナとキヅカがやってきた。
「困ったの、この村はもっとお医者様が居た方が良いと思うの」
 すでに手当てできないと知ると、ディーナはそう悲しんだ。
「僕は宮司さんを呼んでくる」
 キヅカは蛇神神社へと急いだ。

 そして、神社に行くまでもなく、沼から村へ入る道の石碑にエンバディはいた。
「おや、おはよう……」
「宮司さん、人が死んだんです。早く来てください」
 キヅカが沼の方に手を引いて行こうとすると、エバンディは錯乱した。
「ちょ……おい、何をする。僕は村から出られない…嫌だ、死にたくない…! 何で僕ばかりがこんな目に…!」
「え?」
 エバンディ、何かに怯えたように体に巻いた包帯をかきむしる。
 そしてその下から鱗状の痣が垣間見えた。
「見るな……お前が猫神か? 刃龍家の人間が村の結界の外へ出れば、猫神が鱗の痣を見付けて噛み殺すと言われているんだぞ! 僕の肉親はこの結界の外に出て本当に事故に遭って死んだ……」
「ちょっと、落ち着いて!」
 突然、キヅカと揉み合いつつ叫んでいたエバンディが目を見開くとその場に倒れ込んだ。
 慌てて脈を診るキヅカ。
「……死んでる。そんな……」
 死を確信。そして青くなる。
「僕が……殺したのか? まさか、僕が犯人にされる? ……こんな処に居られるか! 僕は部屋に戻らせてもらう!!」
 キヅカ、錯乱しつつ逃げた!
 その場にはエバンディと、揉み合いで倒れた石碑だけが残されていた。

 そのころ、沼。
「君、もういいか?」
 当主が桟橋に踏み込もうとしていた。
「名冒険家と言われたじっちゃんの名にかけて、真実はいつもざくろに3分間だけ時間をください!」
 で、ざくろの言った三分後。
「謎はすべて解けました」
 爽やかに振り返る。
「ここには学者さんの、行きの足跡しかありませんが、実際は帰りの足跡です。……つまり、犯人はそこの岸から被害者を宙に投げジャンプし空中で捕縛し逆さまにして両脇にそれぞれの足を掛けて水底になんちゃらドライバー。その後、犯人はこの桟橋の先に着地。あらかじめ被害者から奪っておいた靴に履き替えバックで岸まで戻って、靴はそこから沼に投げたんです」
 ふんふん、と皆が頷く横で、ボルディアが難しい顔をしている。
(そういえば俺が現場を見つけた時、白い靄が掛かっていたが、ありゃあもしかしたら人影だったかもしれねぇ……)
 ちょうど、頭に鬼の角かもしくは猫の耳かと思分ける三角の突起のある、振袖のような白い服で両手を広げた人物が被害者を隠していたようでもあった、と思い返している。
 伝えなければ、と思った。
「な、なあ、探偵さんよう……」
 意を決し口を開いた時だった!
「そう……この犯行ができるのは一人だけ! 貴女です!」
 名探偵ざくろ、ボルディアを指差した!
「思い出しましたよ。ボルディアという名前が通っているというのは、ぷろれすなる武器を持たない格闘流派のことですね」
 横では戦闘や格闘に通じている流れの剣士、多由羅がうんうんと頷いている。
「いつかは一手お手合わせ願いたかったところですよ」
 剣の柄に手を掛け腰を落とす多由羅。襲い掛かる気だ!
「ばっ……ちょっと待て、だから村の外の人間は信用できねぇんだよ! もう知るか。こんな村滅んじまえ!」
 ボルディア、転がっていた学者の死体を抱き起こすと二人に向かってハンマースルー。でもって二人にどしん。
「そうか。そういえばボルディアは立ち技中心でしたね。なんちゃらドライバーは使いません」
 多由羅、無駄に詳しい。
「はっ! そ、そうか、ひょっとしたら、これは…だとしたらあの人が危ない」
 ざくろ、駆け出した!



 時は少し遡り、村はずれの倒れた石碑。
「……ん?」
「気が付いたの!」
 エンバディが目覚めた時、ディーナの笑顔があった。
「これは……突然息が苦しくなったはずなのに?」
「私、学生だから本当はこんなことやっちゃ駄目なの、シーなの、シー」
 不思議がるエンバディに、ディーナは唇に指を当ててウインク。リザレクションと回復魔法で蘇生させたのだ。
「う……それよりその石碑を元通りに……」
「これなの? はい。……次は、私も助けられないの。死にたくなければ、この村を出るか、貴方を殺そうとした人を見つけるしかないと思うの」
「村は出れない。……猫神の祟りで殺される」
 エンバディ、それだけ言って立ち去る。いや、頭を軽く下げた。礼のつもりらしい。
 そこへ、ざくろが走って来た。
「どうしたの?」
「猫神の祟りはきっと一人の時に降り掛かる! 村に初めて来たときの現象もそうだし、最初の被害者もそう」
「でも、あなたもいま一人なの」
「え! そんな、多由羅は?」
 愕然と周りを見るざくろ。
 一緒に走っていた多由羅が、いない!

 その時、多由羅。
「私は死にませんよ!」
 一足先に神代家へと戻っていた。
 そして自分にあてがわれていた部屋に逃げ込みぴしゃんぴしゃんと襖を締め切る。
「死は常に覚悟している身ですが、こんなところで死ぬのはごめんです!」
 相当、怯えている。何があったのだろう。
 そうこうするうち、襖をノックする音が。
「多由羅、開けてよ」
 ざくろの声がした。
 が、布団にもぐってしまう多由羅。
「誰も信用できません! 私は部屋にこもります! 誰も来ないように!!」
「多由羅、剣を落としてたよ」
 この声には激しく反応した。
 怯えていたのは、常に帯びていた剣がいつの間にか消えていたからだった。
「剣を返しに来たよ」
「あ、ああ……これで私は助かります」
 一点、幸せそうな満ち足りた表情になった多由羅。
 布団から出て襖に手を掛けると……。
『ふしゃーーーーっ!』
 ――どすっ!
 多由羅、愛用の剣を胸に突き立て力なくどさりと背折れてしまった。口から血が筋を引き、目はすでにうつろだ。

 一方、ボルディア。
「ちっくしょう。これは祟りなんかじゃねぇ。一体だれの陰謀だ?」
 屋敷の納屋から魔斧「モレク」を持ち出していた。
「……もうこりゃあ殺し合いだ。どいつだ、犯人は。ブッ殺して猫まん流しにしてやるぜ」
 きょろ、と左右を見渡し犯人……もとい獲物を探す。
 そして風に乗る機械音に気付いた。
「いやがったか。覚悟しやがれ、よそ者ども。村を護るためならなんだってしてやんぜ!」
 ボルディア、意を決して走る。

 少し時は遡り、キヅカ。
「お帰りなさいまし。準備は、できてますよ」
「え?」
 猫屋敷の自室に戻ると、宿の従業員が正座して深々とお辞儀していた。
 目の前には、ホッケーマスクと武骨なチェーンソーのがあった。
「全ては虚構。……村を、苦しみから解放してくださいませ」
 それだけ言って従業員の女性は倒れた。白目を剥き、その下の口からはごぽごぽと大量の猫まんがあふれ出て来ていた。
「くっ……その遺言、僕がしかと受け取った。……変・身!」
 キヅカ、ホッケーマスクをかぶって伝説の殺人鬼に変身したッ!
 唸るチェーンソーの起動音。
 こーぱーと荒ぶる呼吸に上下する肩と鼓動。
 刹那、振り返る!
 仮面奥に燃える瞳。
 だっと走って宿を出る。
 どこに向かう?
 そんなの分かっている。
 解放すべき人の元へ!
 すれ違う村人を斬る、斬る。
 救うため、解放するため。
 そして……。
「いたっ!」
 魔斧のボルディアが村を護るため向かってきていた。
「おおおおお……」
 一騎打ちだ!
「しまったぁぁぁぁぁ、遅かったか!!」
 そこへざくろも到着したッ!



 そして、キヅカは目覚めた。傍に、綺麗な沼。
「猫まん美味しーの。普段から販売すれば良いの」
 草原の中、ディーナが座って猫まんを食べていた。周りにもたくさんの猫たち。
「気付いたからこっちに来たの。ここが本当の猫神村なの」
 ディーナ、にっこり。彼女の背には、飛び降りたら即死しそうな崖が高々とそびえていた。
 そして向こうの離れの障子には、もだえるざくろの影が。
「猫又様!? いや、猫神様………剥かれるぅぅ!」
 別の方には剣で戦い続ける多由羅が。
「私は死にませんよ!」
 みんな幸せそうである。
 そこへ、神代家の人々や猫屋敷の人々が集まって来た。猫まんを差し出している。
「蛇神村は全滅し、死後の世界が新たな村となっています。ようこそ。次の猫まん流しまでくつろいでください」
「宮司さんも、神代の娘さんも、意地を張って現世をさまよい続けずにこちらに来ればいいのに」
 口々にそんなことを言う。
 ディーナが現世を覗けば、ボルディアとエンバディの魂が現世の猫神村でほかの村人の霊とは極力会話をしないように日常生活を送っていた。
「……猫神は、結婚式当日に亡くなった我が家に嫁いできた娘の亡霊です。村で永遠に、幸せな生活を望んだのでしょう」
 顔を上げた当主の視線の遠い先に、白無垢姿ながら角隠しのない娘の姿があった。猫が大層好きで、猫に大変好かれたという。
「愛の形はさまざまなの」
 きれいな沼の湖面に映った現世では、ボルディアとエバンディが苦悶の表情を浮かべながらも村のためにそこにとどまっていた。
 ふと反対を見ると、キヅカが猫まんを頬張るだけ頬張って倒れていた。幸せそうだ。

 あと三百六十五日、この穏やかな空間で時を過ごすことができる。

依頼結果

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参加者一覧

  • 白き流星
    鬼塚 陸(ka0038
    人間(蒼)|22才|男性|機導師
  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムス(ka0796
    人間(紅)|23才|女性|霊闘士
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • 秘剣──瞬──
    多由羅(ka6167
    鬼|21才|女性|舞刀士
  • 舌鋒のドラグーン
    エンバディ(ka7328
    ドラグーン|31才|男性|魔術師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 猫神村の〇〇
ボルディア・コンフラムス(ka0796
人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2019/01/06 07:07:05
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/01/03 03:29:14