激走! 自転車レ~ス

マスター:奈華里

シナリオ形態
イベント
難易度
易しい
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
寸志
相談期間
7日
締切
2019/04/26 07:30
完成日
2019/05/11 01:42

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●ママチャリ
 依頼を終えての帰り道、中堅ハンターのバンデラはふと山道にそぐわぬものを発見する。
 それは誰もがどこかで見た事がある乗り物だ。しかし、山道に放置されているというのは珍しい。
「まさか不法投棄か?」
 近くに行ってみないと判らないが、遠目でもそこまで壊れているようには見えない。
 だったらば、なぜこんな所にと言う疑問が残る。
(いや、待て…もしかしたら事故もしれんではないか!)
 ふとそういう事態が頭を過って、慌ててその乗り物・ママチャリの傍へと駆け寄る。
 が、辺りを探した所でこれと言った形跡はない。
 足場が悪いのかとも思ってみたが、ただの山道だし傍に崖がある様子もない。
(なんだ、取り越し苦労だったか…)
 バンデラはほっと肩をなで下ろし、倒れたままの自転車の元へと戻る。
 そして、自転車に手をかけたその時だった。
『見つけた…力のある、生身の男を』
 何処からともなく聞こえた声にハッと後ろを振り返る。しかし、振り返った先に人影はない。
「全くどういう…と、ぬぅ?? これはまさか」
 さっきまで感じなかった不可思議な力の流れ――しかし、今ははっきりと判る。
 それは紛れもなく手を伸ばした先の自転車から発せられたものだ。そして、不思議な事に自転車のハンドルを握った瞬間、自転車は立ち上がりバンデラは既に自転車に跨った格好となっている。
「…なんという事だ。まさか私がこんな罠にかかるとは」
 ぐぬぬと奥歯を噛み、ハンドルから手を放そうと脳へと手を開く指示を出す。
 しかし、いくら指示を送ってみてももう身体がいう事を利かないらしい。
『我の代わりに、お前は走るのだ…いいな』
 自転車から禍々しいオーラが上がり、バンデラを包み込んでゆく。
 バンデラは必死に抵抗した。しかし、思いの外、この怨念染みた力に刃が立たない。
(くっ、このままでは)
 意識があるうちに何とかしなくてはと彼はペダルに足をかける。
『ふふ、よいぞ。そうでなくては…走れ走れ…そして優勝を我が物に』
 踏み出した足に体重が乗る。するとその踏み込みだけでぐんっと自転車は進み、見る見るうちに山道を予想外に颯爽と駆け下りてゆくではないか。
(何なんだ、この自転車は……それに今、優勝がどうとか言ったか?)
 身体を操られながらもバンデラは冷静に相手を分析。自転車のボディに書かれた文字を発見する。
(これは…手がかりになるやもしれん)
 動く自転車に乗りながら彼はその文字を読み取る。するとそこには『マチャ・ライド』と刻まれていた。

●キング・マチャ
 マチャは小さな村の生まれであった。
 周りはこれと言ったものはなく、あるのはただの大自然だけだったから彼には便利なアシが必要だった。
 普通なら馬や牛を使う所だが、彼は動物が苦手であったからそのアシになるものは自転車しかない。高価な山岳用の自転車は買える筈もなく、やっとの思いで手に入れたのは中古のママチャリだ。
 けれど、毎日乗るうちに彼の腕はめきめき上がる。山道でも軽々と乗りこなし、吊り橋も飛び石もあっさりと通過できるまでになって、彼とママチャリは一心同体。そんな折、山向こうの村で自転車レースが行われる事となって、優勝者には一年分の小麦が貰えるとあってはマチャも張り切る。
 そして、レースは圧倒的にマチャの勝利だった。
 その次の年も、また次の年も…他の参加達の誰もが練習して挑んだが、それでも彼には勝つ事ができなかった。 マチャ自身はそれに喜んだが、見ている者達は面白くない。毎年毎年優勝を持っていかれてはつまらない。そこでマチャの参加を祭側は建前を『殿堂入り』と言う形で拒否し始める。何もない所で育っているから、マチャとしては優勝賞品が手に入らなくなっては困る。そこで何とか参加したいと直談判して、ハンデをつける事となった。
 そのハンデとは彼の自転車に十キロの荷物を乗せるという過酷なものだ。ハンターならともかく一般人の彼には酷過ぎる。しかし、彼はそれを受け入れて…けれど、やはりそれでは他に勝てない。彼の栄光は成りを潜めて…いつ亡くなったかは定かではないのだという。

「お、おい…あのママチャリって!」
「伝説のマチャのモノなんじゃないのかっ」
 自転車レースを開催している街でその自転車を目撃した者達が騒めく。
 マチャ・ライドの話はこの祭りの関係者であれば語り継がれている。
「しかし、乗っていた男はごついおっさんだったぞ?」
「だけど、アレはマチャのだって…シートチューブに金星のシールが見えましたし」
 シートチューブと言うのはサドルの下の部分の事だ。
 汚れてはいるが、確かにその自転車には星が沢山ついている。
『これなら勝てる…お前の身体があれば』
 バンデラの意識に再び自転車が呼び掛けてくる。
(このレースに出るのか? 出れば、お前は満足するのか?)
 バンデラもこの自転車との会話に慣れてきたのか、平然と心中で会話を展開する。
『ああ、もう一度だけ…我は勝ってみせる。このレースで勝つ事だけを夢見ていたのだ』
 自転車が言う。バンデラは降りたくともどういう訳か降りられないのだからこの意志に従うしかない。
(ああ、もう判った。好きにしてくれ)
 そろそろサドルに慣れていないお尻が痛いのだが、もうこうなっては乗り掛かった舟、いや自転車だ。
「すまない。エントリーさせて貰うぞ」
 バンデラが受付で言う。会場が一瞬ざわついたが、ライダーがバンデラである以上例え自転車がマチャのものであっても通常扱いとなる。だが、彼はハンターであるから一般の部では出られない訳でエントリーしたのはハンターの部。自転車が武者震いを始める。
『強い相手と戦える…相手にとって不足なし』
 過去の栄光を取り戻さんが為に。新たな高みへ……自転車はバンデラと共にスタートの時を待つ。

リプレイ本文


 街はバンデラの、いやマチャのママチャリの登場でざわついていた。
 しかし、ハンター達にとってはそんな事知る由もない。この街で自転車レースが行われる事を知って、興味本位でエントリーした者も多く、先立って気になるのは己の自転車の調子だ。一応自転車レースという事になっているからママチャリのみならず、普通の自転車の使用は可能。というかママチャリと言う名称がついてはいるが、ママチャリとて自転車の中の一つ。正確に言えば生活おいて主婦が使う自転車の事を言うのであって、母親が使えば全部ママチャリ。父親が使うならパパチャリという事になり、ただの愛称と言っていい。
 だが、それでもバンデラの乗った姿は異様だった。
 彼専用に作られていないから筋肉質な身体つきの彼に押しつぶされないか心配になる程の細身の車体。マチャ・ライドの名が刻まれ、星が張られたそれになぜ彼が乗っているのか周りは疑問視する。けれど、強面のバンデラを前に街人達は聞くに聞けず、何とも言えない空気が会場を包んでいる。
「あ、久しぶりなの~。チュースケの様子は…」
 そんな中、始めに彼に話しかけたのはディーナ・フェルミ(ka5843)だった。
 相変わらずふわふわした雰囲気を漂わせながら魔導ママチャリを押して彼に近付く。
 ちなみにチュースケと言うのはバンデラが飼っているハムスターの名だ。
「む? おお、ディーナ殿か。久しいな。あの時は世話になった」
 自転車ごと振り返り、バンデラが言う。その様子に彼女は少しの違和感を覚えて…。
(いつも礼儀正しいバンデラさんなのに、何かあったの?)
 ゆったりと首を傾げて、彼女は考えた。けれど、彼からはこれと言って変な気を感じる事はない。
(私の気のせい…なのかなぁ?)
 じぃーと彼を観察していると、黙ってしまった彼女に今度はバンデラがかくり。
「何か変だろうか?」
 そう尋ねてくるから彼女は更に困惑した。そうして、何となく体調が悪いのかもと結論付け、何故だかゴッドプレスを準備し始める。
「お、おい…それは…」
 その謎な状況に後づさりかけた彼。そこへユメリア(ka7010)が偶然助け舟を出す。
「あの、そちらの方はもしかして何処かお悪いのですか?」
 初めて見た時から何となく普通でない何かを感じ取って、彼女が彼の間に入る。
「だから浄化を…」
 そう言うディーナにユメリアはこう切り返す。
「まずは事情を聞いてみませんか? 別段、この方から悪い気は感じませんので」
 と。それは確かにそうだった。ディーナとてそれはさっきから判っている。
 なので、しぶしぶ腕を下ろしてバンデラの言葉を待つ。
「はぁ~」
 彼はそれに息を吐いた。そして、ぽつぽつと今の状況を二人に話し始める。
「なるほど、その自転車が…」
「それは大変ですね。けど、お怪我はないようなので何よりです」
 言いかけたユメリアに続いて声を発したのはいつの間にか話を聞いていたルカ(ka0962)だ。
 初見であっても彼の違和感を察知して、何となく見過ごせなかったらしい。
「けど、身体には影響ないって事だよね。だったら、問題なし。ここは正々堂々勝負だっ!」
 レースの主催からマチャの事を聞いたのかもしれない。
 そんな自転車と戦えるとあって時音 ざくろ(ka1250)のわくわくは止まらない。
「はん、それが伝説のママチャリだろうと、乗り慣れてないマシンで勝てる程レースは甘くないぜ!」
 そこへレイオス・アクアウォーカー(ka1990)も現れて、レース前から火花が飛んでいた。


 一般の部が午前中に開催されて、昼を挟んで午後からはいよいよハンターの部である。
 ハンターの部はまさに過酷と言っていい。アップダウンの激しい場所をただの自転車走り抜ける事になるのだ。事前にコース説明を受けて道を確認していたキヅカ・リク(ka0038)であっても、いざとなると多少の不安は過る。
(重体明け…身体を動かすつもりで出たが、何あのママチャリ…ガチ勢こわいなぁ…)
 ちらりと視線を向けた先には大男の姿。
 勿論これはバンデラであるが、キヅカは機導師故に要らぬ推察が頭を巡る。
(あの巨体をあの自転車が支えている。と言う事は、あの車体は超合金なのか?)
 それに加えて何か得体のしれないオーラが立ち昇っているように見えたから余計に気になる。
「ほんと、あれどういう金属使ってるんだろうね」
 そんな彼のお隣にアーシュラ・クリオール(ka0226)がやってき声をかけてくる。
「さあ…こっちの世界の事はよく判りません」
 こちらに来て長くてもまだまだ謎は多い。この自転車についてもそうだ。さっきルカが本部に尋ねていたのを聞いて自分も思ったのだが、この自転車レースの歴史は長いらしい。クリムゾンウエストに自転車があったこと自体も驚きだが、それが結構前からあったと聞いては更に驚くしかないだろう。
「ま、お互い頑張ろう」
 アーシュラがキヅカと握手を交わす。そのまた隣りでは何やら女性陣がお話中。
「あら、あなたもビキニですか?」
 ハイレグレオタードの前開きという大胆なビキニアーマーを装備して、エルことエルバッハ・リオン(ka2434)が言葉する。
「はい、私はサクラ・エルフリード(ka2598)と申しまして、不束者ながらビキニアーマー騎士団長を務めさせて頂いてます」
 そう言うのはサクラだ。騎士らしく丁寧な物腰で彼女に一礼する。
「しかし、そのお耳は一体…? サービス、と言うやつでしょうか?」
 彼女のカチューシャが気にかかり、エルが尋ねる。
「あ、これですか! えと、これは…うーん、まあ、趣味でして」
 色気と言う点ではエルに軍配が上がりそうだが、彼女の頭にあるのは猫耳カチューシャ。
 このレースでは最後にパフォーマンス点が加算される。つまりはそれに向けての仕込みかもと誰もが考える。
(これは思わぬ強敵ですね)
 これまでは大抵自分だけが注目を集めてきたが、今日は違う。同じビキニで相手は童顔。
 年の割にアダルティなエルに対して、猫耳ビキニ美少女となるとこれはもしかしてもしかするかもしれない。
「まあ、お互い悔いは残さぬように頑張りましょうね」
 気分転換のつもりで来たが、こうなると負けられないエルである。
「はい、それはもちろん。宜しくお願いします」
 一方サクラはそういうのが精一杯。というか視線と思考は別のところに飛んでいたり。
(いいなー、あのお胸……私だって、だって~)
 ちびっこと言われて幾年月。早くもう少しでいいから大人っぽくなりたいと願う彼女なのだ。
「ふー、思ったより皆持ってるもんですねー」
 そんな中で自分の愛機と共にスタートについて周りを観察する女が一人。それは星野 ハナ(ka5852)。
 愛機は魔導ママチャリ『銀嶺』――魔導エンジンを積み込む事で加速性の高い一台に仕上がった特別製なのだが、何も彼女一人がそれを所有している訳ではなかったらしい。量産されていたとみえて、今回のレースに出ているハンターの実に六割以上がそれでのエントリー。
「ぐぬぬ…本当にガチ勝負ですねぇ。けども負けませんよぉ」
 遅くても三位以内には入りたい。何故なら、表彰台に上がれればモテるかもしれないから。
 そんな願望を抱く者もいれば至って冷静にスタートを待つのはオートマトンのフィロ(ka6966)だ。
 華奢な身体だが、機械の身体は見た目以上の重量級。元々勝ちを狙っていくつもりはなく、完走が第一の目的だとか。レースというものを肌で感じて、一つでも多く経験を積む事。それが彼女の心を満たす筈だ。
「さてはて、どこまで行けますでしょうか」
 ぎしっと軋むママチャリに跨って、彼女は辺りを観察する。
 会場には多くの観客が集まり、屋台も出ていた。
 このレースの為にレースの状況を実況する為の車も用意されている。
 会場は今か今かとスタートの時を待つ。男女混合のこのレース…果たして、勝つのは一体誰か?


 この自転車レースにおいて、ロードレースの知識は必要か。
 かなりの速度が出るロードバイクに対してママチャリはと言えば、それはまぁそこそこといった所だろうか。
 何と言ってもママチャリには籠がついているし、ロードバイク程軽量化されていないので、ペダルも断然重い。ただスピードを出すというならば、当然空気抵抗は発生する。それをどう凌ぐかが重要なポイントであるが、チーム戦でない為誰もが敵で助けてくれるという事はまずない。だが、その知識は決して無駄にはならない。
 だが、知識のない者は猪突猛進。スタートの銃声が鳴ると共に飛び出たのはハナ。全力でペダルをこぐ。
 それに続くのはアーシュラ。彼女はジェットブーツを使い、その噴射力を活かして加速している。
(って言ってもまだ様子見だけどね)
 序盤は相手の出方を伺う予定。
 しかし、突き放されては追いつけるか不安も出てくるから噴射力を調整して中盤を保とうと画策する。
 一方、中間でバチバチに火花を散らしていたのはざくろとレイオスだ。
 丁度隣りに位置した事もあって、互いを牽制しつつそれなりの速度で石畳を走る。
 そんな中、とある人物の作戦に度肝を抜かれてスタートダッシュに失敗したのはサクラとバンデラだった。
 スタートの合図と共に突如耳に入ったのは誰かの歌声で…。
 視線を抜けた先には悠長に美声を披露するユメリアの姿があるではないか。
「自然は恵み~、生き物全ては私の友達~♪」
 即興なのか聞いた事のない歌詞をユメリアは平然と紡ぎ出す。
「……ど、どういう事だ?」
 バンデラが唖然としたまま、スタート地点で立ち尽くす。
「訳が判りません」
 そう言うのはサクラだ。小さくなっていく他の選手の背中よりこちらが気になって動けない。
 いや、正確に言えばこの硬直にはタネがある。
「集まれ、お友達~、私に、力を、お貸しください~~♪」
 彼女は歌いつつ、テンプテーション発動中。それに近かった二人はまんまとかかっている。
 だが、この歌唱にはもう一つの意図がある。
「おい、どうしたんだ?」
「チェーンの不具合とか??」
 観客が走り出さない三人を見て、ひそひそ話始める。
 が、彼女のもう一つの意図とは――それは暫くしての事。彼女の声に引き寄せられたかのように近くいた馬やペット達が彼女の歌に誘われ集まり始める。
「なんだなんだ?」
「あのハンター、動物使いか?」
 奇妙な光景を前に観客がざわつく。
「さあ、お願いします。私を導いて下さい」
 その言葉に動物達が反応した。そして、その中で自由の利く動物達は彼女の自転車に集まり、自転車に備え付けられていた紐を咥え引っ張り始める。そうして、出来上がったのは彼女の自転車を引く動物というレアな光景。
「う、うそ…これは夢??」
 信じがたい光景にサクラが目をぱちくりする。バンデラの方はと言うと呆気にとられたままだ。
(なんという、強者…ハンターの部は何でもありなのか?)
 バンデラの中のマチャが心を躍る。が、このままではいては勝ちはない。
「い、いかん! 出遅れたッ」
 目でも覚めたようにバンデラが慌ててペダルをこぎ出す。
「あっ、待って下さい~~」
 それに続いて、サクラも必死に彼を追いかける。
「頑張って下さいませね、動物の皆様」
 ユメリアはそう声をかけながら他力で自転車を走らせる。ただ、その歩みは決して早いものではなかった。

 場所は変わって先頭集団。彼等は既に郊外を抜け、人も通るのが困難な獣道に差し掛かっていた。
 自転車で進むのははっきり言って無謀な道。そんな無茶を強引にやっつけて進むのは依然トップのハナだ。
 スタートの勢いは失くしたものの、それでもスタミナでゴリ押しして、そんな彼女の後ろにつけて楽をするのはキヅカだ。風の抵抗を極力受けたくなかったし、ここにいれば誰かが上がって来ても妨害できる。そう見て、二位の位置につけている。
(いざとなったら挟み込むつもりだったけど、今のところ手荒くしなくて済みそうだね)
 後続の選手との距離を見ながらキヅカが思う。ディーナが三位につけているが、のし上がってくるような様子もなく、どちらかと言えばこの険しい道でさえ楽しんで進んでいるように見える。
「フフフッ、最後の美味しいイベントの為に頑張るの~」
 ふわふわした笑顔が眩しい。勝負だというのに、彼女の中にその概念は余りないようだ。
 だから、彼女より危険なのはやはり前を行くハナだと言えよう。
「うおおおおおおおっ、ぶっちぎり! ぶっちぎりを狙うのですよぉ!」
 斜面に入ると立体感覚を駆使して、後ろに転げ落ちないような体勢を無意識にとり、獣道を駆け上がる。
 アーシュラも転げるのを防止する為に、度々ジェットブーツをふかしてバランスをとっているようだ。
 そして、エルは小柄という事もあり、人一倍苦戦しながらもそこは持ち前の持久力とスキルでカバー。
 ガッと音を立てて、むき出しの岩の側面にタイヤが当たった。それと同時にスリップしかけた彼女であるが、転倒しかかった瞬間、マジックフライトを瞬間的に発動し、ふわりと元の態勢も戻ってみせる。
「おや、おみごとだね」
 それを見て後続のザクロがそれを称賛。それにエルは小さく微笑み、「有難う」と言葉を返す。
「しかし、大本命はどうなっているんだろうね…全然見えないけど」
 獣道を抜けて川に差し掛かった所で今度は丁度距離を詰めてきたレイオスに話しかける。
「そういやそうだな…どうなってんだ?」
 マチャの話は噂で聞いた。伝説の自転車キングだと――。
 しかし、マシンに乗っているのは冴えないおっさんなのだから、何を怖がる必要がある。伝説の人物の乗り物だろうと操縦者が違えば、どこかしらに不具合が出て実力が発揮できないと彼は思う。
「あ、この先川だよ…そんな勢いで突っ込んだら」
 ざくろが彼に助言を飛ばす。だが、それはただの大きなお世話だ。
「こんなもんじゃオレは止められないぜ!」
 レイオスが飛び石の前で姿勢を低くし…そして彼は飛んだ。
 跳び石の縁ギリギリの場所で低くした身体をぐっと伸ばして、その勢いで自転車ごと飛び上がったのだ。
 ジャンプ台がなくとも、ハンターであればこの位は造作もない事。芸術点の審査がもしここであったら文句なしの十点満点。車体ごと軽く一回転して、狭い川幅の川をあっという間に飛び越え抜けていく。
「わぁお、これは負けてられないな」
 その豪快なライディングに刺激されて、ざくろも装備していた魔導剣『カオスウィース』を取り出し…。
「伸びろっ、カオスウィース!!」
 彼の声に剣が答えた。いや、正確には剣が答えたのでは全くない。しかし、傍から見たらそう見える光景。
 彼は剣に超重練成をかけたのだ。超重練成とは一瞬だけ武器を巨大化させるスキル。これを利用して彼もレイオスとはまた違った形で飛ぶ。ざくろは伸びた剣先を棒代わりに弧を描いた。そして、高跳びの要領で飛び石の試練を難なくクリアする。
 が、そんな秘密兵器を用意していない者は苦戦必死なこの場所で、この人においてはそれは当てはまらない。
「アップダウンの激しいコースですね…気を付けませんと」
 飛び石で進むはずのその道をフィロはそのまま強行突破。
 上へ下へを繰り返しながら服が濡れるのも構わずに、ただひたすらに進む。
「えっえっ、フィロさん凄過ぎますよー」
 それを見て飛び石で怖気づいていたルカからの声が上がる。
「そう…でしょうか? 私はぶくぶく、これといってぶくぶく、凄い事はしていま…せんが?」
 しかし、フィロは自分の凄さに全く気付かず。まだまだ経験が足りないのか。川の水流にも負けず、そのまま進めるのは彼女が重量級のおかげに他ならない。
「はぅぅ、私はどうすれば…」
 ルカが困惑する。けど、このままでは優勝など夢のまた夢。皆の完走を目標にしていた彼女であるが、現順位が思っていた程悪くないから欲も出る。
(ああ、私に勇気を…)
 ぎゅっと目を閉じ、覚悟を決める。がそんな彼女に救いの女神現る。
 困っている人は見過ごせない性分なユメリアが到着。ここでも美声を披露する。
 するとまたも奇跡…なのか。川からのろのろと亀が顔を出し、飛び石の間を埋めてゆく。
「あら、助かります」
「あ、有難う御座います」
 そのサプライズともミラクルとも取れる道の開通に後続にいたエルも乗っかり脱落回避。
 ユメリアの服の裾に海藻がついていたのは秘密事項。


 折り返し前の最大の難関はやはりこのつり橋だろう。
 天然素材で出来たつり橋は少し風が吹くだけも大きく揺れる。
 そこを自転車で渡れというのだから流石に皆も息を飲む。が、こんな時でも女は度胸だ。
「渡る。渡ってみせるのですよー」
 ギッとブレーキの調子を一度確認してトップで到着したハナが慎重にペダルをこぐ…のかと思いきや、
「ハナ、行っきまーす!」
 と掛け声よろしく彼女はここもやはり全力疾走。怖がる前に落ちる前に、この際一気に渡ってしまおうという事らしい。勢いよく走り出したものだから後続が橋に乗る事叶わない。
(だが、ここで行かなければ男じゃない…かな)
 ある意味戦いより怖いかもしれないこの場所であるが、それはもう後は野となれ山となれ。
 前半の差がここに来て詰まってきている今、この試練をクリアし、また更に差をつけたい。
「え、行くの…ですか?」
「ああ、行くしかない」
 ハナがあっという間に折り返し地点に到着した。またこちらに戻ってくる筈だが、こちらが先に動けばそれだけ折り返しを阻止できる。流石にこの狭さではすれ違う余裕はないからだ。足元の板の間から谷底が見える。幸いと言っていいのかは判らないが、飛び石の在った川の下流がその下を通っていてここから落ちたとしてもハンターの自分なら命はとりとめるだろう。
(大丈夫だ。修羅場は沢山越えてきた)
 そう自分に言い聞かせこぎ出す。が向こうに着くまで気が気ではない。
 加えて、ここで思いもよらぬ事が起こる。
「行かぬならお先に失礼するぞ」
 ここに来てバンデラが驚異の追い上げ。つり橋に定員はない。つまり一方通行でいくならば、別に渡り切るのを待たなくてもいい訳だ。バンデラの追走がつり橋はさっきよりさらに揺らす。
「ちょっ、あんた正気か!?」
 思わずキヅカが振り向き怒鳴る。
「ああ、無茶は自覚している。だが、これに勝たねば私とて困るのだ」
 キヅカには一体何の事を言っているのか判らないが、こうなればこちらも速度アップする他ない。
「こなくそ~っ」
 後ろがいる事で不安は否応なしに吹っ切れた。後は行くだけだ。
 それを見習う様に残りの者も意を決してのつり橋渡り。
「絶対ママチャリで走るコースじゃないですよね、これ…」
 サクラが冷や汗をかきながらなんとかかんとか渡り切る。
 その中で割と冷静に通って見せたのはまたもユメリア。一体彼女はいくつ秘密を隠しているのか。
(ここだけは動物さん方の力を借りる訳にしいきません…という事で)
 知れっと取り出したのは魔箒。この箒に跨る事で飛行が可能となる。それをサドルの下に強引に挟むとふわり。自転車ごと浮いてつり橋の底板を踏まずにすーっと浮遊し移動できる。
(やはり道具というものは便利ですね)
 彼女のこれは反則か? 否、ルールに記載がない以上セーフ扱い。
 つり橋で混戦状態になったものの下りで再び差がつき始める。

「くそぉ…全然目立てないじゃんかよー」
 目立つつもりで来た訳ではないが、ずっと真ん中でもやもやしているレイオスが言う。
「それはお互い様だよ。けど、ここからまだ巻き返せる。そう思わない?」
 そう言うのはざくろだ。まだ何か秘策を持っているのだろうか。先頭集団にぴたりとついてその機を窺う。
 現在の順位は先頭よりキヅカ、ハナ、ルカの順。その後ろにバンデラがのし上がってきてはいるが、どうもペダルをこぐ足に元気がない。
「ぐぬぬ、年…なのかッ」
 誰に言うともなく彼が呟く。しかし、それを許さないマチャがチート臭さを臭わせつつペダルを回させている。
 そんな一行にここで復路の見せ場が立ちはだかる。獣道を抜けて、郊外に差し掛かると見えてきたのは吊るされたパンだ。それを見て、後方のディーナの目が輝く。
「メロンにチーズにくるみまで。どれもおいしそうなの~」
 まだ彼女からはかなりの距離がある筈だが、その距離を凌駕してディーナの肉眼はぶら下がったパンを見分けている。食パンやブールなんかも下げられているからどれを選ぶかも鍵となりそうだ。
「もう、ここしかないようですね」
 今まで不本意ながら皆の影に埋もれていたエルが意気込む。
 有名になる為にはどうすればいいか? ここで何かどっと観客の度肝を抜いて注目を集めるしかない。
(失格は覚悟の上…今こそあれをやる時)
 エルが速度を上げる。そして、パンが近付いたのを見計らって、発動したのはマジックフライト。
 彼女の乗る自転車が某リアブルの映画の様に宙を走る。
『おおーーーっ!!』
 その光景に観客からまずはどよめき。その後には綺麗な直線を描いて、彼女は自転車の上でしなやかに身体を反り、宙に揺れるあんぱんに齧りついて見せる。そのあまりにも綺麗な動きに観客からは大きな拍手。ここにも芸術点をつけられるならつけたいくらいだ。
(フフッ、うまくいきましたね)
 全ての視線が自分に集まった高揚感に彼女が心が高鳴る。
 だが、それに感化されて、他も落車覚悟でジャンプし始めて…。
「おお、あの子も可愛いぞ」
 その言葉に振り返った先にいたのはやはりもう一人ビキニアーマー。
 小さく車体をぴょんぴょんさせながら彼女は一番低い所にあると思われるチョココロネを狙っている。
(くぅ~、何で被っているのでしょうか。悔しいですっ!)
 ちびっこで愛らしいのは自分だけでよかったのに、彼女の存在が今回の自分の注目度を確実に低下させている。そこで彼女は着地の後、サクラの狙うチョココロネ狙い猛ダッシュしつつ、妨害の土壁生成。
「えっえっ???」
 先に進める筈のエルの乱入にサクラが戸惑う。
「私も、私もそれが欲しいの!!」
 そこに食いしん坊のディーナも参戦。何気に美少女の菓子パン争奪戦が始まる。
「ちょっ、ディーナさんはもうお口に一杯じゃないですか―」
 迫ってくる二人に悲鳴を上げるサクラ。ちなみにディーナは順位そっちのけで残っているパンを全部食べるつもりなのか、お口は常にモグモグさせたままこの場所から動こうとしない。
「何やってるんだか?」
 その横をドーナツを咥えたアーシュラがすり抜ける。
 ここで彼女らを失格にする事もできるが、ゴールが近い以上構う意味がない。
(ジャンプ台まで後少し…ここで一気に加速だよね)
 咥えていたドーナツを食べ切って、彼女がペダルから足を放す。
 そうして、彼女はサドルにお腹を乗せると水平姿勢になって、
「最終兵器。ジェットアルケミフライト!!」
 その言葉と共に彼女の自転車はぐんっと加速し飛び出す。それはもうロケットエンジンを積んでいるか様に。
 が、ジャンプ台を超えて飛び出した先…技を決めるにも勢いがつき過ぎてそれ所ではない。
「えっ、ちょ、うそーーーん!!」
 そして、彼女はロケット花火の如く飛んでいく。そう、ゴールとは違う方向に…つまり作戦失敗。
 彼女の秘策はもう少し研究してから試してみるべきでだった。

 さて、レースは終盤。
 某女性陣を除いて優勝の可能性があるのは約六名。ハナ、キヅカ、バンデラ、ルカ、レイオス、ざくろ。
 名前の上がっていないフィロとユメリアについてはフィロは元々自分が遅くなるであろう事を理解していた。だからかかなり最後尾でゆっくり進み、サイクリングを楽しみまだパン食いエリアに到達していない。
 一方ユメリアは動物達と別れ、自力になるとペースダウン。元々筋力と耐久の低い彼女はバテバテだ。
「皆さんすごい方ばかりですね…でも、まだ諦めたくない。こぐ足はやめません」
 そう言うもフィロに追いつかれ、回復を受けていたり。
 きっとこの二人はレース後いい友達になっている事だろう。
 話が反れたが、そういう事もあり、注目すべきはさっきの六名だ。
 まずジャンプ台に乗ったのはキヅカ。彼はこの時の為に技も調査済。
(レイジーボーイかクリフハンガー…どっちにすべきか?)
 二つ同時にというのも出来ないではないが、それはより高度な技術を必要とする。
 であるなら、確実に決められる一つに絞った方がいいだろう。そこで彼が選択したのはレイジーボーイ。
 ハンドルの上につま先を引っかけ、サドルに仰向けに寝そべる通称『怠け者』。
「な、なんだありゃっ!」
「すげー」
 観客からそんな声が上がった。実際はモトクロスバイクでやる技であるが、ママチャリのハンドルの形は特殊ででこれをやるのは至難の業。彼が病み上がりとは思えない。
「次は私の番ですよー」
 この後に続いてハナも飛ぶ。全速力の走りから誰よりも高く飛んでオオソドックスな前方一回転。
 大胆且つ豪快な技に今度は会場から大きな拍手。続くはルカだ。
「ええ、私は私は…」
 おどおどしたまま、飛び出した手前思わぬ高さに目を閉じる。
 その拍子に腕に力が入り、ハンドルを大きく切ると風の抵抗を受けたのかくるりと横に一回転。気付いた頃には着地し、ゴールラインへ。
「…怖かった」
 安堵の後に本音が漏れる。次はバンデラであるが…彼はもうへとへとだった。
(こら、ここまで来たのだぞ! あと一息踏ん張れ!)
 マチャがバンデラの意識に呼びかける。しかし、つり橋からここまでのブーストがたたり、ジャンプ台を駆け上がるのが精一杯。飛び出したものの重量のある彼ではもんどりを打つ事等ままならず、くいっくいっとハンドルを切って見せる位しか出来ずに終わる。
 一方ではここまで温存してきたざくろはスタミナ充分。ジャンプ部位から勢いよく飛び出して、捻りを加えた前方宙返りを成功させる。
『うおぉぉぉぉ!!』
 これには会場からは割れんばかりの拍手が起こった。ハナのそれに比べて、難易度もかなり高い。
「け、やってくれるぜ。けど、オレも負けないっ!」
 レイオスがソウルトーチを発動する。すると観客の誰もが彼に視線を向けて、それに応える為に彼が隠し持っていたのはマテリアル花火。危険な賭けだが、ジャンプと同時に発火させるつもりだ。
(やるぜ。やって見せるぜっ!)
 跳ぶ瞬間、筒にマテリアルを集中させる。狙うは開花とジャンプの同時演出。だが、

 トスッ……どっかーん

 音でわかる通り着地後の開花。彼が思っていたタイミングでは決してない。
(くっ、くそーー!)
 彼が心の中でがっかりする。しかし、観客は派手な演出に大喜び。
「素敵ー!」
「どうせなら夜に見たかったけど、これはこれでいいなっ」
 と嬉しい感想を投げてくれて、そんな声に彼は照れつつ有難うを述べるのだった。

 以下残りの者もゴールし、いよいよ結果発表。
 フィロが主催者側から配られた炭酸飲料を配って回り、発表を待つ。そして、
「優勝はキヅカ・リークー!」
 わぁぁと盛大な拍手喝采。
 彼は終始安定していたし、最後のトリックも文句なし。スピード技術共に評価されたらしい。
「や…やった。あ、有難う御座います!」
 表彰状を掲げ、彼が皆に礼を言う。
「続いて二位は、ルーカ―!!」
「ええっ、私ですかッ!?」
 呼ばれるとは思っていなかった彼女が慌てた。
 あの偶然できたトリックが思いの外いい点がついたらしい。土壇場でハナを抜いて、二位に輝いたようだ。
「ブーブー、もう少しだったのにぃ」
 ハナが口を尖がらせながら言う。しかし、彼女は三位と、賞品はないものの大健闘。
 かくてこの自転車レースは幕を閉じた。して、肝心のバンデラは…。
「待ってなの! それは私が先にやったの~」
 ゴッドプレスをかまそうとするルカをディーナが制す。
「けど、まだ自転車から降りられないようですし…不浄な何かが」
 ついているのではと言いかけた時、ポロっと顔を出したのは半透明の、幽体マチャだ。
「不浄な何かとは失敬な。私はこれでも英霊だぞ!」
「は??」
 それを聞き、バンデラ他そこにいた者達が目を点にする。
「えーと、きみがマチャ?」
 ざくろが興味津々で尋ねる。
「さよう、私がマチャだ。折角見つけた身体だったが、こいつは駄目だな…体が重過ぎる」
 強引に借りておいてヒドイ言い様だが、四十前のバンデラならそれも仕方ないのかもしれない。
「ま、楽しいレースではあったから解放はする。そして、私はいい相棒探すよ」
 マチャが爽やかに言うが、ハンター達は取り残され気味だ。
「まあ、何はともあれ皆が怪我しなくてよかったの」
 暫くの間の後、ディーナがそう言い微笑む。
「だな。こういう大騒ぎはなかなかできないし楽しかったしね」
 最後に吹っ飛んで行ってしまったアーシュラも運よく干していたシーツに絡まり大事には至らなかったとか。もともと勝ち負けより楽しさをメインにおいていたから彼女は大満足の様だ。
「これが春の催し…爽やかでとても楽しかったです」
 フィロが今日の経験を噛み締め言葉する。
「あの、もしよかったらそのビキニアーマーの売っているお店、教えて頂けませんか?」
 サクラはずっと気になっていたのかレース後ついにエルにそんな事を切り出して、
「ええ、いいですよ。その代わり、私にもそちらのお店を教えて下さいね」
 ビキニ同士、今日の敵は明日の友。いい関係が築けるかどうかはさておき、バンデラも解放されて…。
 ハンターの部では小麦の代わりに『レーシング・スーツ』が贈られたのだった。

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重体一覧

参加者一覧

  • 白き流星
    鬼塚 陸(ka0038
    人間(蒼)|22才|男性|機導師
  • ボラの戦士
    アーシュラ・クリオール(ka0226
    人間(蒼)|22才|女性|機導師

  • ルカ(ka0962
    人間(蒼)|17才|女性|聖導士
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 王国騎士団“黒の騎士”
    レイオス・アクアウォーカー(ka1990
    人間(蒼)|20才|男性|闘狩人
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • 星を傾く者
    サクラ・エルフリード(ka2598
    人間(紅)|15才|女性|聖導士
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • ルル大学防諜部門長
    フィロ(ka6966
    オートマトン|24才|女性|格闘士
  • 重なる道に輝きを
    ユメリア(ka7010
    エルフ|20才|女性|聖導士

サポート一覧

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ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/04/24 23:49:11