• 血断

【血断】その符術師、行動不能

マスター:狐野径

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
3~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2019/07/16 07:30
完成日
2019/07/27 13:17

このシナリオは4日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●連絡
 エトファリカ連邦国の天ノ都にある、ハンターオフィス。
 都の外で人が暮らす集落の一つである師岬からの連絡がないことに気づいた。
 都に避難する選択もあったのだが、何をしても危険が伴うため違うことを選んだ。避難したいという人に対してはそれをしていたが、疲弊が否めず、土地で生き延びることを優先したの。
 世界のどこにいても危険ならば、未来を見て、そこで戦おうという決断だった。
 それをある程度可能としたのは、大江 紅葉をはじめ、覚醒者でもある符術師や武人がいる為でもある。都から駆け付けることもある程度できる距離だ。
 かつて、その地が憤怒の軍勢に落とされたとき、その地域の相当の人数が死んでいる。
 避難民として都の端で細々と暮らして根付いてはいた。しかし、都に戦禍が及び、再度襲われる直前に離脱した。
 そのあと、里として機能を始めたころ、新たな避難民を受け入れた。
 結果、大所帯となり、移動することも難しくなった。
 今回は未来をかけ、残ることとなった。
 定期的にオフィスの職員に連絡を入れるのは、互いの状況の確認、情報を得る為である。
「今回は吉備様が来るんでしたっけ?」
 灯世以外には大江家の善木か五来という鬼が来るはずだ。大人数ではなく身軽な数である。
「……ハンターに依頼を出しましょう」
 それが師岬とかわした約束だから。集落が全滅しているのかもしれないし、途中で何かあったかもしれない。そう考えると心が苦しくなる。
「……きっと、立ち往生しているだけですよね」
 ハンターへの依頼は、徒歩で仮眠等を含め約二日かかる師岬への状況確認だ。途中で歪虚などが出る可能性が高い。それがいるならば、排除もしくはできないならば状況の把握だ。

●移動中
 吉備 灯世は連れの五来と隠れていた。
「さすがに……これはまずいなぁ」
 引くに引けない、進むに進めない。敵に挟まれた状態だった。幸いなのは隠れるところがあったこと。マテリアルに敏感ならば、いずれ見つかる危険性は高い。
「お前さんだけでも、都に行くというのは……」
「それも危険です」
「それはそうだな」
 五来だけ先に行かせることはできても、灯世がどこまで足止めできるかわからない。それに、命を落とす危険性が高いことは互いに理解している。どちらが落すか、どちらも落とすか。
 都に向かったのは二日前。前方に狂気と思われる敵が複数現れた為、回り込んでいくことを検討した。
 しかし、回り込むには条件や敵の数が問題だった。
 一旦戻ろうとした。
 そこでシェオル型らしい歪虚の出現を目の当たりにした。それが里に行くのも問題だが、こちらに来るのも問題だ。
 何もできないため、一旦隠れることにした。乗っていた馬は放した。その馬がどうなったかは知らない。
「スキルもないし、さて」
 灯世の口調はどこまでも軽い。五来は何も言わない。
「都の方で見回りとかきてくれないかな」
「遠いですよね」
「だなー」
 灯世と五来は隠れている所から出られない。水と食料が尽きる前にどうにかしないとならない。

●師岬
 紅葉は避難しないという決断を下した。
 むろん、それが最良かなど戦いが終わらないと分からない。
 避難したいという人が現状いないのは、戦いが続き、麻痺しているのもあるかもしれない。
「都にはついたでしょうね……。はあ……」
 屋敷の廊下で、紅葉は寄ってきた虎猫を捕まえようとして庭に落ちる。
「何やっているんですか!」
 たまたま通り過ぎようとした松永 光頼が慌てて抱き起す。紅葉は受け身をとったらしく「いたた」と入っているが、目立ったけがはない。
「……トラを触ろうとしました」
 その虎猫は庭の植え込みに消えた。
 二人は廊下に戻り座る。
「七夕の日は二回あります」
「は?」
「いえ、なんとなく……笹はないですが、竹をとってきて七夕もよかったですけどね……」
 竹が生えているところは里から離れているため、取に行くならばそれなりの準備がいる。現状難しい。
「避難したほうが良かったのでしょうか」
「正直言って、人数的に動かすのは難しいです。確かに、攻撃は多いわけではないです。でも、いつ、どうなるかわからない。それに、あなたも言うように、食料はどうするのかという問題にも当たります」
「……」
「そんな顔をしないでください。避難したいと思えばすればいいのです」
「ぎりぎりだと……死者が……」
 自分が避難したときを思い出す。あの頃と自分は違うが周囲の人はまた別だ。
「今回の戦いは憤怒の時とは違います」
 以前は東方は分断され、西方がどうなったかわからなかった。自分たちでどうにかしないといけないと考えていた。
 今回は、世界がすべて巻き込まれる。逃げ場はないとも考えることができる。それに、戦いが終われば、日常が戻る。
 屋敷の外が騒がしくなる。
「申し上げます! 街道方面に歪虚が出現しました。推定ですがシェオル型です」
「……行ってきます」
「お願いします」
 光頼は紅葉が固い顔をしているのに気づく。
「あなたは後方で見てください。どこから来るかわかりませんから」
 紅葉の表情が引き締まる。
 光頼を戦場に出すといううしろめたさがあるのが見える。一方で、どこから敵が来るかわからない事実はおそろしかった。

リプレイ本文

●爆走
 ハンターたちは職員から吉備 灯世と五来の状況や詳細を確認した。
 クリスティア・オルトワール(ka0131)は「連絡が来るはずの場所から連絡が来ない、となれば心配ですね。今はどこもシェオル型などがうろうろしていますし」と考えた。
 アルト・ヴァレンティーニ(ka3109)は職員の想定を聞き、了承した旨を告げる。
「最悪、集落が全滅している可能性もありか。ならば、可能な限り、最速で向かうとしよう」
 魔導ママチャリで向かう心づもりだ。
 ルベーノ・バルバライン(ka6752)も職員に了承を告げる。
「吉備か、師岬か、どちらかに何かが起きたのは間違いあるまい。急ぎ進むがよかろうよ」
 その言に異議はない。
 穂積 智里(ka6819)は情報から次々と考える。
「病気や怪我、襲撃でしょうか? 確認のためにも急いで師岬に行くしかないと思います。ところで、師岬に行く街道は、之しかないのですよね?」
 その言葉に職員は「ないことはない」と告げる。
「ただ、そのルートは師岬から南に一旦抜けるルートなので、選ぶ理由がないです。道もまだ復旧していませんし」
 普段使うところが最短、確実と言うことだった。智里は念のため保存食も持っていく。なぜなら、距離があるということは、もしものことがあれば、飲食に困るからだ。それにポーションも念のためも用意する。
 星野 ハナ(ka5852)は出発前に【占術】を用いて確認をした。
「……確かに今現在、吉備さんはお困りのようですぅ、未来の暗示も良くないですしぃ。ついでに諸師岬も占っちゃいましょうぉ……んん? それじゃ……えぇえ? 皆さんすぐに生きましょう、師岬までかっ飛ばしましょうぉ!」
 オウガ(ka2124)はレイア・アローネ(ka4082)に魔導ママチャリを貸与した。
「リアルブルーの乗り物はすごいもんだぞ。連絡が取れないってのはおっかねぇから、ちゃっちゃっと確認だ」
「う、うむ。……というか、私ジテンシャというリアルブルーのコレに乗るのは初めてなんだよな……」
 レイアはとりあえず練習する。身体能力が高いため、他の者が集まるころには乗れている。
 メイム(ka2290)は馬を引き、準備の整った仲間を見た。
「さあ急いで行こうー」
 ハンターたちは、街道を急いだ。

 天ノ都から大きな街道を進む間は道の荒れ方は特に気にならなかった。師岬に向かう方に入った瞬間、道が変わる。
 踏み固められているといえ、凸凹がきつかった。
 それであったもスピードは落とさない。何もないところでは何もないだろう。何かあるとすれば、街道を急いでいけば出会えるはずだ、その何かに。
 里まで到着でき、何事もなければそれでいい。徒労にも見えるが、何もなかったことの確認も重要な仕事の一つなのだから。

 スピードはある程度ばらける。その中で遅くとも、通常の往復に比べて、非常に速いことには違いなかった。

●狂気
 ところどころに草が生える荒地。その中に、甲殻類のようなものがところどころにいる。ある程度まとまっているようにも、散開しているようにも見える。
 そこに真っ先に到達したアルトは、軍用双眼鏡で周囲を見渡す。それらがどのような歪虚か、それ以外に動くものなどがあるか、戦闘の跡はあるかなどを見る。捜索対象やそれ以外でもいそうにはない。
 連絡を取ると、一番近くにいるハナとレイアに先に行くことと敵のことを告げた。そして、アルトは先に進む。職員の憂慮もあるため、師岬まで行くことを優先する。

 レイアとハナは後続を待つ。二人で対応するには敵は多い。
 かといって放置はできない。後方から狙われる可能性もある。
 敵の状況を見て、ハナは後続に連絡する。
 オウガが追いついた時点で、ハナは攻撃開始を提案する。
「こうしている時間ももったいないですぅ。敵は散開していますしぃ」
 ハナの言葉にレイアとオウガは否はない。集団でいる敵ではなく、散開しているということはこちらも対応しやすかった。危険ならば、後続を待つことも視野に入る。
「行くぞ、レイア」
「無論だ」
 三人は街道に近い敵に向かう。オウガは【コンバートソウル】を用い、レイアは【ソウルトーチ】を用いる。後者は少しでもマテリアルに気づいてくる可能性はあるから必要だ。
 目前のモノはオウガとレイアに向かい、少し離れたところにいた敵は、仲間かマテリアルの動きかで気づいたらしくやってくる。
「歪虚はブッコロですぅ【五色光符陣】」
 二体が巻き込まれ、抗議を示すようにぎちぎち音を立てる。その音は嫌な気分にさせる。
「お前の相手は私だ」
 レイアが剣をたたきつける。敵の固さを感じる。
「行くぞ」
 オウガは魔斧を大きく振るった。そのあとに近くにいるレイアに対し【シンクロナイズ】で【コンバートソウル】の効果を与える。
 連携を取り、二体は難なく倒す。
 しかし、周囲の敵が気づいたらしく、近づいてくる。その歩みは速くはないが、どこか威圧を感じる。
 ギチギチギチ、という音がやけに耳につく。
「狂気と推測するとぉ」
 ハナは眉をしかめる。音が自分たちへ何か影響があるかもしれないと考えたからだ。
 そうこうするうちに、ハンターたちが追いついてきた。
「先に行くやつは行け」
 ルベーノの問いかけにハナは「任せましたぁ」と告げると魔導ママチャリを師岬に向けた。
「今まで戦闘痕がなかったことから考えて、何かあったとしてもあれが原因ではあるまい。もしくはあれが原因だったとしたら、これより先の師岬側で戦闘があったということになる」
 先に行ける人は行かせる理由だった。
「要救助者を救うためにも、一層急がねばならん」
 ルベーノの言葉にレイアはうなずく。
「任せていいか? 私とオウガは先に行く」
 レイアとオウガは魔導ママチャリの方向を師岬に向ける。近づく敵がそろそろ接敵しそうだ。
「探すことも考えて、私も残ります」
「後ろから狙われることは困りますよね、任せてください」
 クリスティアと智里が臨戦態勢を整える。
「任せた。レイア、行こう」
 オウガとレイアが出発した。
「狂気だよね、なら……あれ?」
 メイムは首を傾げた。
「どうかしたか?」
 ルベーノに問われたメイムは「なんでもない」と応じる。【歌曲】を用いるための前提のスキルがなかったのだった。
 どう敵に向かうか、簡単な会話の後、四人で立ち向かう。

 ルベーノが近づく敵に向かう。その背後から、クリスティアの【ファイアーボール】や智里の【デルタレイ】が飛ぶ。それにより倒れたものもあるが、すべてではない。弱った物に対し、ルベーノがこぶしを振るう。その場から、一旦銃に切り替えた。この先何があるかわからないため、スキルや体力の温存は必要だし、相手の数や攻撃の手の内がわかっているわけではないため、用心もいる。
 歪虚がエネルギーを発射する攻撃をしてきた。音は妙に気になり集中が途切れそうになる。
「何か嫌な音です。馬が影響受けるなら、離れて攻撃をするだけです」
「それはそうですが、魔術も射程がありますし」
「私は気合で抵抗します!」
「結果的にそうですよね」
 クリスティアと智里は至極まじめに会話をしていた。防げなかった場合、危険はあるかもしれないが、ルベーノとメイムが治すに必要なスキルは所持している。最悪なことが起こる前に倒していきたいところだ。なぜなら、追いかける必要もあるから。
「気落ちしても仕方ないね。煌めけ、【レセプションアーク】!」
 途切れたところでやってくる歪虚に向かって放った。範囲魔法を使う常として、多くを巻き込みたいところだが、なかなか難しい。二体巻き込めたことは幸いな方だろう。
 接敵を許す前に、次々とハンターたちの攻撃がなされる。
 そして、周囲に敵がいないと判断できるようになるまで、若干時間はかかった。
「捜索はどうしますか? いるならば、隠れられるような倒木や灌木は見ていきたいですね……」
「地図を見るとくぼみと言いますか、地面のアップダウンがあるところもあるみたいです」
 クリスティアと智里が提案を出す。
「探すのは戦闘痕を見つけた後で良かろう。行くぞ」
 ルベーノは進む。
「草地にいないかくらいは……飛んで、あんず」
 メイムは【ファミリアアイズ】で街道の反対側の草地を少し確認する。もしいるなら、見つけてくれる可能性も考えた。
「吉備さんー、ご無事ですかー」
「いらっしゃるなら、返事を下さい!」
 念のため、智里とクリスティアは声をかける。見つけられなくとも、隠れいている人たちに状況が変わったことに気づいてもらえればいいと考えた。
 まだ、すべては終わっていないため、ルベーノを追って一行は出発した。

●シェオル型
 アルトが進むとふわりと浮かぶ異形がいた。【ナイトカーテン】を用い、慎重に行動する。
 これがどこから来たのか、どこに進もうとしているのか。足元が不安定なところもあることに気づき注意する。
 アルトが見ていると、師岬の方から人が来る。夜が迫る中、明かりも持っている。
 スピードを落とし見守る。

 師岬を出た松永 光頼は待機してくれていたハンターたちと、後詰となる他の兵を率いていた。基本的には自分およびハンターたちでの対応となる。
(一つ一つの事案を片付けて行かないとならない。余力は残さないとならない、とはいえ、相手がどの程度の強さを持つかわからない。その加減により、危険が増えるかもしれない)
 指揮官として考えることは守ること。
 光頼はシェオル型の先に、何かを見つけた。

 アルトは【ナイトカーテン】再度かけると、用心してシェオル型に用心しつつ、光頼たちの方に行く。
 シェオル型はふわりふわりと一定のところにとどまっているが、アルトが通った直後、何か探るような様子を見せる。
 気づかれたのかもしれないし、光頼たちが来たことで動きが変わったのかもしれない。
「師岬の……」
 声をかけると驚かれたが、アルトの姿を認めると師岬の者はほっとした。
 アルトは簡単にハンターオフィスからの依頼について告げた。
「灯世殿が行方不明?」
「ここまでに見てないから、歪虚やシェオル型を見て隠れた可能性はある」
「あるな」
 ならば、安全を確保してから捜索しないとならない。アルトの魔導スマートフォンが着信を告げる。狂気を止めた後、追いかけたハナたちがあと少しで追いつくということだった。
「……早く探す必要もあるから行こう」
 アルトは魔導ママチャリから下り、臨戦態勢を整えた。
「光頼、私は奇襲をかけるつもりだから、そのあと、攻撃してほしい」
「了解した。協力、痛みいる」
 アルトはうなずくと【ナイトカーテン】を用いる。刃を握る手にはドールリングが存在感を増す。攻撃範囲に入ったところで、指輪や武器に込められた能力を意識しつつ、【焔舞】、【立体攻撃】そして【連華】と移っていく。
 初撃は見事に敵に当たるが、当てづらさを感じる。微妙に高い位置にいる影響だった。
 後方から射撃武器による援護があった。
 敵は攻撃するために体勢を変えた。しかし、その爪はアルトには届かなかった。

「追いつきましたー」
 ハナの声が響く。
「加勢する」
 レイアの声がする。
 ただし、まだ距離はある。それでも、師岬で雇っているハンターたちは気持ちに余裕を持ち、行動することができるようになったようだった。

 アルトは光頼が前に出たことに気づいた。
「こちらは後方の者たちの守りに徹する。動きを邪魔しかねないから」
 光頼は太刀を構え、敵の動きを見ていた。後方から、魔法や銃弾などが飛んでくる。
 アルトは再度攻撃を仕掛ける。当たらなくはないが若干不安が残る。
 シェオル型が羽ばたく。甲高いような低いような、異様な音が響いた。
「っつ」
 アルトは眉をしかめる。脳を揺さぶられるような嫌な物だった。
 それに対してアルトは【焔舞】の効果がある中で【無我】を用いる。敵への集中を行い、片をつけるために攻撃を仕掛ける。
 徐々にシェオル型を追い込んでいる手ごたえはあった。
 目の前を符が舞い、光が走る。
「追いつきました」
 ハナが声をかけ、レイアが【ソウルトーチ】を用いる。
「こっちにもいるぞ、と」
「倒してから、話だな」
 オウガはシェオル型に向かうまでに【コンバートソウル】で力を引き出した。
 シェオル型は範囲の攻撃を持っていたが、幾度かの攻撃のやりとりの末、数で優るハンターたちの攻撃に無に返るのだった。

 情報交換後、捜索を行う。
 ハナは占いを試す。
「吉備さまー、どこにいらっしゃいますかー」
 クリスティアは灌木や倒木など隠れやすい場所を声をかけながら探した。
「吉備さんー、歪虚は倒しましたー」
 一方で智里はそれ以外の窪地があるところに向かう。
「漠然としているからなぁ……」
「入り込んだ手がかりがあればいいけどねー」
 ルベーノとメイムもそれぞれ探すが、難しい。
「いるなら返事してほしいー」
 アルトは魔導拡声器を使い、声をかけつつ移動していく。
「あの大きさなら気づくだろうなぁ」
「まあな」
 オウガとレイアは街道で敵がこれ以上いないか様子を見て待機する。
「安全そうですねぇ」
 ハナが占いの結果、目を向けたとき「吉備さんたちを見つけました」と智里から連絡が入った。
 疲れがうかがえるが、灯世と五来は怪我もなく無事のようだった。

●師岬
 大江 紅葉(kz0163)は連絡を受け、吉備家に急いだ。
「光頼、師匠、皆さん!?」
 紅葉が驚いて一同を見渡す。
「無事でよかった。実は……」
 アルトがここに来た経緯を話すと、紅葉は目を見開いたあと、大きく息を吐いた。
「皆さま、本当にありがとうございました。あの方にも礼を述べないとなりませんね」
 紅葉はここにいる者たちと依頼を出してくれた職員について礼を述べる必要を感じていた。
「それより、紅葉さんたちも無事でよかったですぅ」
 ハナは紅葉がいつも通りに見えてほっとする。
「紅葉さん、とりあえず、休憩は必要だと思うよ」
「そうだな、移動するにしても、もう夜だし、休息してからで良かろう」
 メイムとルベーノに言われ、紅葉はハンターたちの宿の手配もする。
「私たちも天ノ都には行きますので、吉備さんたちもご一緒する、ということでいいでしょうか」
 智里の提案に灯世たちが「頼む」とくたびれた顔で言う。
「皆様、本当、何から何までお世話になります。せめて、本日はゆっくりお休み下さい」
 紅葉が挨拶をしたのだった。
「これで一件落着だな」
 オウガはまだ余裕を持ってここにいる。
「紅葉の顔も見られてほっとした」
 レイアは里が変わらずあることにも安堵していていた。
「馬の世話をまずはしましょう」
 クリスティアはここまで頑張ってくれた馬にねぎらいの言葉を掛けるのだった。

 翌日、ハンターたちと一緒に、灯世と五来は出かけることになった。

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  • 古塔の守り手
    クリスティア・オルトワールka0131
  • 茨の王
    アルト・ヴァレンティーニka3109
  • 私は彼が好きらしい
    穂積 智里ka6819

重体一覧

参加者一覧

  • 古塔の守り手
    クリスティア・オルトワール(ka0131
    人間(紅)|22才|女性|魔術師
  • 援励の竜
    オウガ(ka2124
    人間(紅)|14才|男性|霊闘士
  • タホ郷に新たな血を
    メイム(ka2290
    エルフ|15才|女性|霊闘士
  • 茨の王
    アルト・ヴァレンティーニ(ka3109
    人間(紅)|21才|女性|疾影士
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 我が辞書に躊躇の文字なし
    ルベーノ・バルバライン(ka6752
    人間(紅)|26才|男性|格闘士
  • 私は彼が好きらしい
    穂積 智里(ka6819
    人間(蒼)|18才|女性|機導師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
クリスティア・オルトワール(ka0131
人間(クリムゾンウェスト)|22才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2019/07/16 22:04:24
アイコン 【質問卓】
メイム(ka2290
エルフ|15才|女性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2019/07/14 11:40:55
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/07/15 12:02:16