Burn on to Karie

マスター:凪池シリル

シナリオ形態
イベント
難易度
普通
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2019/10/09 15:00
完成日
2019/10/18 09:46

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みやの

オープニング

 広場に大鍋を運び込んでセットする。
 確かめるように蓋を少しだけ傾けて中身を覗くと、零れていた香りがふわり、辺りに漂っていく。
 ぐぅ、と、これからに備えて空かせていたお腹が耐えきれないと不平を上げた。
 本日企画のカレーパーティー、これで一先ず自分の準備は完了、と顔を上げると、空の端から茜色が覗いているのが見えた。
(ああ……もう、こんな時間でも夕暮れになるんですねい)
 アン=ズヴォーは独りごちる。
 ほんの少し前まで、まだこんなに明るいのにもうこんな時間か、なんて思っていた気がするのに。
 時間というのは、酷く焦らしてくるようで油断しているとあっという間に追い抜いて置き去りにしようとする。
 これから大きく、世界は変わっていくだろう。
 受付嬢として嵐のような忙しさも去り、これを機にハンター業から離れて行く者も結構な数になるのだろう。
 ……これで良かったのだと思うのは間違いないのだが、やはり寂しさはある。
 いや。込み上げるのは寂しさだけではない。自分はこれからどうすべきなのか、このままでいいのか。変わりゆく空の色に、アンはそんな焦燥を覚えた。
 この街での生活には充実を得ていて、なんならここに骨を埋めるつもりですら居た。狭いコミュニティ故の高度な互助社会であった部族の暮らしに比べて、寂しさや全てを独りでやる不慣れさに泣きたくなることも多々有ったが、それでもハンターの皆が好きだ、やりがいはその辛さを乗り越えて余りあるものだと信じて疑わなかった。
 だが。邪神の侵攻を受けて、ズヴォー族も決して無傷では無かった。避難は間に合い、人的被害こそ少ないが、その為に遊牧民族であった彼らが置いてこなければならなかったものは軽微ではない。立て直しの為に皆奔走しているという。
 帰らない覚悟をした故郷でも。
 その故郷がどうなっていても全く気にならない、というのとは違う。
 自分も帰って、直接部族の手伝いをする方が良いのではないか。ハンターオフィスは、むしろこれから人手に余裕が出てくるだろうから、決して器用でも頭が良いわけでもない自分が居座るよりは。
 とはいえ、現金を稼げる、というのも今貢献する手立てとしては大きい。壊れたものはともかく、足りない物、無くなったものをどうにか出来るのはやはり通貨で、実際チィ=ズヴォーはハンターとしてもう暫く稼いでから部族に戻るつもりだと言い、一先ずはとこれまでハンター業で蓄えた金の多く──これは彼の金だけでなく、彼の相棒からもだという──を部族の為に提供したという。
 混ざり合う空の色は、定まり切らない己の心と移ろい行く時の早さの両方を浮かび上がらせた。
 どちらを選べばいい未来が来るのか、など分かるはずもない。なら、今どちらを選ぶことが納得できるのか、なのだろう。
 ……自分は、ハンターの皆が大好きだ。
 でも、ハンターの皆の方からはどうなのだろう。
 自分は少しでも役に立てていたのか。
 ……ここにいて、良かったんだろうか。
 零れ落ちてしまいそうなそんな言葉を、アンはブンブンと首を振ってから、グッと飲み込んだ。
 そんなんじゃない。そんなことを言うために、縋るためにこの場を設けたんじゃない。
 いずれ変化のときが来るとしても。今の自分はハンターオフィスの受付嬢で。目の前に居る皆は大好きな、尊敬するハンターたちだ。
 自分は変わらない道を選んだとしても、今ここにいる人にはこうして過ごせるのは最後の人もいるかもしれない。オフィスを……あるいはいずれ、この世界から去る人も居るのだろう。だからこそ。
「さあ、ハンターの先生様方! カレーパーティーといきやしょう!」
 これは。今は。
 いつも通り、ハンターを少しでも労う為の食事会。
 受付嬢として、在りたい自分の在り方。
 笑顔で、元気よく。
 復興に駆け回り、あるいはなおも戦いに赴く、それとも、一息ついたことで疲労を感じている皆に、僅かでも安らぎを。

 赤く染まる空。
 漂うカレーの香り。
 どこか名残を引くような、そんな風景の中で。
 変わるもの、変わらないもの。
 決断したもの、迷うもの。
 茜色からやがて藍に変わる空の中で、今何を思うだろう。
 想いを馳せてもいいし、ただ交流の機会を楽しんでもいい。

リプレイ本文

 次の一個を取ろうとした手が空を切る。
 メアリ・ロイド(ka6633)はキョトン、として手を伸ばした籠の方に視線を向けると、そこにあった野菜はいつの間にか空になっていた。再び視線を手前に落とせば、一口大に切られた人参、じゃがいも、それらの皮の山……。
 それなりに、綺麗に揃えて切れたと思う。手際も……まあ悪くない。
 以前は料理などしなかったのだが、少しずつ出来るようになっていることを実感する。この分なら、手伝いを申し出ておいて足を引っ張る……という心配は無さそうだ。
「メアリ先生、お疲れ様でさあ!」
 そのまま順調に作業を進めていると、アンが様子を見に来た。
「こんにちは。今回もお誘い有難うございます」
 挨拶を交わして、微笑む──この表情もそういえば、随分自然に出るようになっただろうか。
 と、何か不便や問題は無いかと見回していたアンが一つの皿の所で視線を止める。
「ああ、それ、擦り下ろしたリンゴですよ。隠し味です。味がまろやかになってお勧めですよ」
「へえ……そんなやり方もあるんですねい」
「ズヴォー族のカレーには、何かあるんですか? 隠し味」
「んー、手前どももカレーってやつぁこっち来てから知ったもんで、部族の味ってえと違いやすが……」
 部族で馴染んだ味というと乳製品だ。だから、アレンジするならバターを加えたり、削りたてのチーズを後乗せしたりするという。
「削りたてチーズ、良いですね。あとで貰いに行っても?」
「へえ、是非とも!」
 にこり、笑顔を交わしあいながら、カレーの準備が進められていく。



 また別の調理台でも、今。
 切り刻まれた各種野菜がまな板の上に転がっていた。
 ……まさに『切り刻まれた』、荒々しい様である。皮も剥かれておらず、形もサイズもバラバラで、それも全体的に大雑把だった。
 カレーとはどんな味なのか、という好奇心に負けて参加した緋袮(ka5699)が、あたしだってできらあ、とやってみた結果がこれである。
 幼い頃から傭兵として過ごしてきた、戦いしか知らないまさに生粋の戦士。柄では無いことなど分かりきっていた。そんな彼女が思わずこんなことに手を出した元凶は……。
「有難うございます、緋袮様」
 アルフロディ(ka5615)は、いつもと変わらぬ穏やかな佇まいでそう言って、切られた材料をボウルへと一旦どかしていく──左腕を力なく垂らして、片手で上手いことまな板のバランスを取りながら。
 【血断】作戦の折に負傷した後遺症だ。アルフロディの左腕は、非覚醒時は全体的に痺れを起こす事がある。
(あたしのせいだ……)
 彼が無理に戦い重い傷を負ったのは、自分の弱さのせいだ。緋袮は、そんな風に己を責めずにはいられない。
 アルフロディもまた、今は材料を刻んでいる。補助器具を使って固定してどうにか片手でやって。緋袮に合わせて皮付き、大きめで刻んでいるが、形とサイズは彼女より余程揃っている。
「最近は片腕でも出来る料理のレパートリーが増えたんですよ」
 何気なさそうに、彼はそう言った。
 緋袮に気にするな、と言っても難しいだろう。彼女を庇って負った怪我なのだから。しかし、だからこそ──利き腕で無くとも片腕が動かないというのは日常生活にかなりの不便を伴うわけだが──彼の方はこの怪我の事を然程気にしていなかった。
 大切な人を守れた結果だ。そも、彼女が居なければ己はとっくにこの世から居なくなっていたのだから。その恩が片腕で少しでも返せたというならむしろ安上がりとすら言える。
 そんな気持ちでいるから訓練も苦痛ではないのか、実際彼の手付きは片手での調理に大分慣れていた様子が伺えた。いざとなれば覚醒すれば動かせるのだから、そこも気楽といえば気楽である。
 ……が、それでも。やはり両手が使えた頃と比べたら、遥かに不器用だ。ずっと彼を傍で見て来た緋袮ははどうしてもそのころと比較してしまって。モヤモヤした気持ちが湧き上がるのを抑えられない。
 内心、腕が動かないことが辛くて苦しいのに無理してるんじゃないのか。
 無理にフライパンや鍋を扱ってひっくり返して火傷なんかしたら──
 そんなあれこれがつい思い浮かびはするものの、それを素直に口にして手出しが出来る性分でも無い。
 かくして、表に出る態度としては、無意識にアルフロディの腕を凝視するばかりになるわけで。
「大丈夫ですよ」
 流石に無視するのも無理があると思わざるを得ない強い視線に、アルフロディはそれだけ言って微笑んだ。
 そうして……彼のことをずっと見つめていた事を自覚して、緋袮の顔が真っ赤に染まっていく。
「だ、誰も心配なんかしてねえ!!」
 思わず怒鳴りつけて、ぷい、と視線を反らして……勢いのまま野菜に向き直り、再び材料を切り始める。
 ダン! と激しく叩きつけられた包丁は、まな板ごと叩き切るのでは無いかという勢いだった。
 非覚醒だったのも幸いして、流石に実際にまな板が破壊される事は無かったが、衝撃に跳ね上がった人参が転がり落ちそうになって、咄嗟にアルフロディが右手でキャッチする。
「……」
 ますますバツの悪い感じになってしまった緋袮だが。
「お怪我にだけは気をつけて下さい。包丁とはいえ刃物ですから」
 アルフロディはやはり、穏やかな佇まいを崩さずにそう言うだけだった。
 完全に拗ねたような表情の彼女だが……アルフロディからすれば、そんな様子すら愛おしいと思う。
 共に来てくれた。不器用になった自分を気遣い手伝ってくれた。一緒にカレーを作れて、同じ時間を過ごせる。ただそれだけの幸福。
 ……己の有様に、きっと彼女の方が苦しんでいるのだろう。その気持ちが少しでも晴れるよう、美味しいカレーに仕上げたい。
 そうして夕陽が傾くころ、彼らのカレーも完成した。
 味はオーソドックスな家庭的なもの。だが丁寧に味見して調整したそれはホッとする味ながらも完成度の高いものだ。
 ゴロゴロと野菜が転がっている見た目はパッと見ちょっとあれだが、きちんと火は通っているもののしっかりとした歯ごたえを残すものになっていて、これはこれならではの食べごたえがある。豪快な料理を好むものにはこちらの方が合うかもしれない。
「……ん、うめえ」
 緋袮にとっては初めてのカレー。ホクホクとした野菜の食感と共に味わうその風味に、彼女は満足げな言葉を零す。
「気に入って頂けて良かったです。私も……緋袮様と作ったカレー、とても美味しいですよ」
 そのアルフロディの言葉には、緋袮はなんとも言えない表情を浮かべるばかりだったが。
 スプーンが進むごとに気が晴れていくような様子に、アルフロディは微笑んだ。
 夕陽がさらに傾いていく。空の色が変わっていく。時間は確かに過ぎ去って行くようで……それでも。
 今二人の時間は、ゆっくり、穏やかに過ぎいてっているように、思えた。



 ──正直なところ、今あまり多くの者と関わるのは得策では無いと思っている。
 クィーロ・ヴェリル(ka4122)──本来はこう名乗るのも本意ではないが、浸透しきってしまっているものを訂正して回るのも面倒なのでこの世界にいる限りはこのままにしている──は自覚していた。
 それでも思わずここに来てしまったのは、『カレーパーティー』と聞かされたからだ。瞬間、頭の片隅に引っ掛かる記憶があった。……『誰かに作ると約束したカレー』がある、と。
 覚えがない、俺には関係ない、と一蹴しようとしたその記憶はしかし今日この日まで剥がれ落ちて消えてくれることはなくて。モヤモヤしつつも、「だったら兎に角、誰にでもいいからカレー作ってやりゃあいいんだろ」とこの機会を利用することにしたわけである。
「昔は良く作ったな」
 そうして作業をしながら、ポツリと漏らす。なんだかんだで、気分転換としては悪くない気もしてきた。元々料理は良くやっていたのだ。開けた場所、順調に進む作業は己を確立させてくれる……なんて少し上がりかけた気分は。
「あ、アンさんこんにちは! 今回も企画とお誘い有難うございます」
「お! 神代先生、お疲れ様でさあ! よく来てくだせえやした!」
 ……聞こえてきた、今の己にとっては煩わしいことこの上ない声と名前に一気に吹き飛ばされた。
 げ、と小さく漏らした呟きが聞こえたとでも言うのか? まさにそのタイミングで神代 誠一(ka2086)がクィーロの方を見る。
「まさかここで会うとはな」
「……ああ。俺はやっぱり来るんじゃなかったと思ったとこだぜ」
 不快感を露わにしているのにお構いなしに笑みを浮かべてくる相手に言ってやるが、堪えた様子もなく、無遠慮に作業台をしげしげと見回してくる。
「お。やっぱ料理上手いんだな!」
「は? やっぱとかお前は俺の何を知ってるんだよ。きめぇ」
「いやあ、いつまで暑いんだ、なんて思ってたらすっかり秋だなあ。そういや今年も柿の実がなってな……」
「知らねえよ興味もねえ」
 重ねての拒絶にめげる様子も無く。しまいには無視して作業を再開させたクィーロに、手出しするわけではなく、しかし離れもせず誠一はそばに居続けた。
 無駄にベラベラと喋りながら。その中で誠一が「クィーロ」と、その名を口にする事は無い。
 ……面倒だからこの世界ではクィーロで通してはいるが。知らない者に改めて聞かれれば名乗る別の名はあった。だがそれを、誠一にだけは絶対に教える気は……しない。
 一際、こいつに対してはそこに引っ掛かりを覚えるのは。
 ……こいつには、どっちで呼ばれるのも結局、不愉快な気がするからなのか。
(……違う。うざくてムカつくから嫌がらせしてやってるだけだ)
 浮かびかけたそれを、即座に否定する。
 そうだ。だから、煩わしいなら、こっちから立ち去ればいい、離れればいいという問題でもないのだ。それをしないのは……。
「いちいち俺に構うな。お前は俺の何だ? 恋人だったか? だったらすまねぇなこの通りお前の恋人はもういねぇよ」
 ……自分から離れたってそれで終わりとは思えないからだ。向こうから諦めて、認めて離れていくことを確認しないと安心できない……それだけの、こと。
 だから。何度でも。はっきりと。
 きっぱりと拒絶の意思を。クィーロは誠一へと向けて、睨み据える。

 ……躊躇いの気持ちが、無い訳が無かった。
 拒絶は苦しい。自分を知らないと嘘偽りなく伝えてくる眼差しは煩わしさを伴っていて、それは実際、己の急所を刺し貫いてくる威力があった。
 関わらない方が余程お互いの為じゃないか。その方が俺も傷付かないし彼も煩わされない。常に己の心に浮かび上がりそうなその言葉は先回りして握り潰す必要があった。固く握り続けた掌には汗が滲んでいる。
 それでも。
「いいんだよ、今までがどうであろうと。俺は“君”と話してる、そうだろ?」
 表面上は穏やかに。不安も動揺も押し隠して、笑い続けて側に居てやると意地を張る。
「……俺には、お前と関わる理由は無え。俺と、お前が知ってる奴は別物だ。お前と俺には今、何の繋がりも無えんだよ」
 そうして、何かに抗うように言ってきた彼の言葉に。ふと閃くものが誠一にはあった。
「繋がりが、無い? 言い切るじゃないか。どうしてそう言える?」
「……何だと?」
「お前には分かっているのか? 繋がってる、或いは途切れたって言えるのがどういう事なのか。繋がりがないと言い切る前に、まずそれを説明できるか?」
 すっと、誠一の顔が真剣な物へと変わっていく。その表情を見て、クィーロは何か警戒するように後退る。
「俺にははっきりと言えるぞ。繋がっているっていうのがどういう事なのか」
 そうして誠一は、そんなクィーロに挑むように睨み返して、不敵に笑って言った。
 緊張が漂う中、すうと誠一が息を吸う。そして、堂々とそれを告げた。

「xが点x0に限りなく近づく時、f(x)の値がf(x0)に限りなく近づくならば、関数f(x)はx0において連続しているという」

「………………はぁ?」
 色んな意味で理解に時間がかかったようだった。そりゃそうだろうな。ここでネタバラシ、とばかりに、思い切り意地の悪い笑顔を浮かべてやる。
「てっっっめえ!? 単におちょくってやがるな!?!?」
 気付いたクィーロが怒りの声をあげて、そして、
「思えば急にクソ真面目な顔しやがったときから嫌な予感がしたんだ! どうせまたくだらねえ事考えてんだろうと思ってたからな!?」
「──……へえ?」
 クィーロのその反応に、誠一は一瞬目を細めた。
「なん……だよ」
 クィーロはそうして、何だか決まり悪そうにたじろぐと、もう知らん、と言ってそこから誠一を無視するように作業に没頭し始める。
 ……結局そこから、誠一を追い払うことも出来ずに。
 そうして誠一はそのまま、クィーロのカレーにありつくことに成功した。
「うん、美味い! 最高!」
 何度もご馳走になった味。忘れるわけがない。
 ……今も料理が得意で、好きなのか。その事を感じて嬉しく思う。
 絶賛する誠一を、クィーロは相変わらず無視して黙々と己の皿を空けているが……。
(あ。やっぱ食い方の癖も同じなんだな)
 些細な同一点。……f(x0)の近傍点。
 冗談で思い浮かべた筈のそれをふと思う。あの日あの時点。f(x0)で二人の関係は不連続になったのか。
 ……元に戻ってほしいとか言えるわけがない。だけど。それでもあいつは──幻じゃない。仮初めじゃない。どちらが本物で偽物だとか、そんな話にはしたくない。あいつが居たこの世界があって、今この時に繋がっているんじゃないのかと。
 連続か、不連続か。どちらにしたって、それをはっきりと確かめるには。
 ……xはx0に限りなく近くなくてはならない。
(……なんてな)
 無理矢理に考えながら、誠一は逃げたい気持ちをまた握り潰す。



 そうして、事前に集まった者たちが用意するカレーが次々に出来上がっていく。
 夕陽が頭を見せ始めたその刻、食べるために集まった人たちもぼちぼちに集まりだして。
 メアリは連れて来たオートソルジャー、メルキセデクに命じて大きなトレイに大量のカレーを乗せて広場を巡回していく。
「あ、こんにちは」
「……おや。こんにちは」
 メルキセデクと共に歩くメアリに声をかけてきたのは鞍馬 真(ka5819)だ。
「宜しければ、おひとついかがですか。……まだ、料理は修行中の身ではありますが」
「ありがとう。是非。……いい匂いだね。美味しそう」
「有難うございます。味もそうだと良いんですが……そちらは?」
 カレーの皿を真に差し出しながらメアリが示すのは真が連れて来たイェジド、レグルスの事だ。
「……イェジドってカレー食べるのかな。……食べるんだ?」
 レグルスの様子を見て、欲しがっていることを理解する。まあ、イェジドじゃなくてレグルスだけかもしれないが。幻獣たちとは長らく一緒に暮らしているし、そうするうちに実は人間の食べ物に興味津々なのかもしれない。
 その様子を見てメアリがメルキセデクに促すと、オートソルジャーがイェジドにカレーを配給するというこれまた珍しい光景が完成した。人間用のカレーの皿がやたらと小さく見える。なんだこれ色んな意味でなんか可愛い。真とメアリは思わず顔を見合わせて互いにクスリと笑った。
「それじゃあ、改めていただきます。……うん。味もしっかり美味しいよ」
 にこりと笑って真が言うと、メアリはほっと安堵の息を小さく漏らした。
 それから真は、口の周りの毛がカレー塗れになったら大変そうだ、と、レグルスにも彼がスプーンで掬って食べさせてやる。レグルスも満足そうに尻尾を振って、そうやって、仲睦まじくカレーを食べ合うのを見送りながら、メアリは手を振って配膳を再開するのだった。



「おう、有難うな」
 笑ってカレーを受け取って、少し人心地突いたところでアーサー・ホーガン(ka0471)はふぅ、と空を見上げて、思う。
(この先どうしたもんだろうな)
 リアルブルーに帰る、というのはもう、彼の心の中で確定している。
 邪神は討ち果たした。大精霊リアルブルーが守護者を求めた理由にはもう応えている。
 ならば、何もしなくても文句は言われないのだろう──が、それでも己は守護者だ、という自意識は残っていた。
 そこからさらに考えて……苦笑したくなる。何もしなくても文句は言われない。言われるならばむしろ「下手なことをした」時だろう、と。
 一時でも、どこかの特定勢力に肩入れするわけにはいくまい。いくら自分は中立だ、ただの傭兵戦力の一人だ、と主張したところで……自分が権力者ならば、雇った者の肩書が利用できるならば大いに利用するだろう。「見よ、神の代弁者たるものが我が行いこそを正義と認めたのだ」と。守護者というものはそれだけの影響力が出かねない。
(うっかりお偉いさんと握手も出来ねえかもな)
 面倒くさそうに笑って、またカレーを一口。素朴な味わいだ。悪くない。特に今みたいな気分の時には。
 くさくさしそうになる気分をそれで切り替えて、改めて考える。
(……となれば、全体の利益のために動くことになるか)
 リアルブルーならば一先ず思いつくのは宇宙開発か。常人には耐え切れない環境や精密なCAMの操作。覚醒者の力が発揮できる部分はあるだろう。
 一旦はクリムゾンウェストの汚染領域浄化を手伝ってもいい。覚醒者としての力の根源は大精霊クリムゾンウェストだ。まだそれくらいの義理は残っている。
 ……が、あくまで活動の主体はリアルブルーに置きたい。
 異世界交流絡みのあれこれ……も、次第に落ち着くか。
 そこまで考えて。
 闇色が顔を見せつつある空をまた見つめる。塗り替えられていく。時は動いていく。
 ──……今考えたどれも、一生の仕事とは言い難い。
 いずれ、もういいと思える時が、必要とされなくなる時が、来るだろう。
 当面は良くても……考えておくべきだろう。一生付き合い続ける、メインの仕事と言えるものを。
(個人として何か始めてみるか?)
 ふと思うそれに、具体的なプランが今ある訳では無かった。
 そうするうちに、空の茜と藍の割合はどんどん比率を逆転させていく。
 ……が、まあ。
 今すぐ焦って何かを決めるような事でもないのだろう。
 別に、この空の砂時計がタイムリミットを迎えて、今すぐ何が起こるわけでもない。
 破滅がすぐそこに迫っているとか、投票期限がいつだとか。そんな話からはようやく全て解放されたばかりなのだ。
 ゆっくり考えればいい。
 ゆっくり──しっかりと。納得のいくまで。
 そう思えば、アーサーはならば今はと、カレーを味わう事に決めた。



 Gacrux(ka2726)が広場を訪れたのは、ふらりカレーの香りに誘われてだった。
「どうも」
 軽く挨拶して夕食ついでにとカレーを貰う事にする。
 張り合いというものを無くして気力が途切れると、ただ生きていくための最低限の事すら中々に煩わしいと気付かされる。ともすれば食べること自体が面倒になりかねない中で食事の準備が一回さぼれるというのは結構有難いことだったりして。そんなわけでGacruxは、今日はこの集まりにご厄介になることにした。
 和やかに談笑する人たちの邪魔にならぬようにと隅の方に座って、受け取ったカレーにスプーンを差し込んで……そのまま、暫し思案に沈む。
(思い返せば、──「さよなら」の言葉を掛けた事はなかった)
 考えるのは、もう居ない『彼女』の事。今はもう、その存在を意識していない時の方が少ないのではないかとすら思う。
 その言葉を。言うべきタイミングは、幾度かあった。むしろ他の人たちより、その時ははっきりしていたとすら言えて……一度ではないその度に、言えずに来ていたのだ。
 墓を建てようかと考えたこともあった。
 だが……それも出来ずにいるのは、彼女はもういないと認める事になりそうだからだ。
 ──薄々は自覚していた。
(1年以上前から……俺は……彼女の消滅を受け入れられてはいなかった)
 ぼんやり、空の色が目に入る。緋く染まる空。暗がりが降りてきて、今はまだ見えつつもあいまいになっていく人々の輪郭。
(何処かでは、逢魔が時と……言うのでしたかね)
 ふとそんなことを考える。交わらざる二つの世界が行き交う時間。まるで異界を思わせるこの色は、確かにそんな錯覚も引き起こして。
 やがてその時も藍色に染め直されて終わりを告げるならば。その時こそがふさわしいのではないだろうか。
 生ける者と死せる者、その境界があいまいになるその時を終えて。眠りの時間がやってくる、その時にこそ……──。
 空が移り変わっていく。闇の帳が降り、もうすぐ完全な星空になる。
 彼女は……──
 ──ホントウニ モウ イナイトイイキレルカ?
 寸前。
 思考は滑り込んでいく。
 だって見ていない。確認していない。彼女は最後どうなったのだ?
 邪神が消滅した後。新たな世界が誕生する、そこに巻き込まれたというのならば、その世界で、もしかして……──
 彼女の消滅を否定する思考は。ひとたび思い浮かぶと、あっという間に意識を埋め尽くして。Gacruxの表情が強張っていく。
 カシャン、と。
 我に返ったのは、足元のそんな音でだった。
 手元から滑り落ちたスプーンがカラカラと転がっている。
 受付嬢の一人が慌てて駆け寄ってきた。
「ああ、何でもありません……」
 気分が悪くなったとかではなく単に手が滑ったのだと、そう言ってスプーンを交換してもらう。
 静かに息を吐いて、認めた。まだ、なのだ。自分は。今は。それでも……。
(いつか受け入れられる日が来るだろうか……)
 時が、過ぎ去っていく。視覚でそれを感じながら、Gacruxは思う。
 一足飛びでは前に進めない。ただ一歩ずつ前に進むしかないんだと。



 一通りの巡回を終えたメアリが戻ってくると、アンとエステル・ソル(ka3983)が会話している所だった。
「成程、エステル先生が用意したのは甘口のカレーですかい」
「はい。辛いのが苦手な人も食べられるようにです」
「流石のお気遣いでさあ! 優しい味がしまさあねえ」
 その「辛い物が苦手な人」にはつまり、エステル自身も含むのだろうが。勿論アンはそんなことをあげつらったりはしない。甘口のカレーも味わいがあると、エステルのカレーを味わって絶賛している。
「悲しく辛い時間が長く続きました、こういった楽しい催し物はとっても大切なのです」
 この時間が長く続くように力を尽くしたい。エステルはそう言って、訪れる人誰にも笑顔で接しながらカレーを配る。
 メアリもそんなエステルに一礼して、そうして、それで思い出したという風に目を細めた。
「素麺にチキンにお餅に……楽しかったですね。行事の企画や、依頼に送り出していただいていつもありがとうございました。リアルブルーに戻っても、アンさん達の事は忘れません」
 自然に、感謝の言葉を伝えたいと、そう思った。メアリとアンは言葉を交わすこと自体は少なかったが、きっと顔を見る度安心していたのだろう。
 真に、エステルに、行き交う人々に。視線を送りながらメアリ自身もカレーを味わって……やはり、一人でよりみんなでの方が美味しいなと思う。
 そんなメアリの様子に。
「どうか、したんですか?」
 アンの、嬉しそうにしながらもどこか複雑な態度を感じ取って、エステルがアンの顔を覗き込む。じっと、見通すような、しかし決して詮索するのではなく優しく見守るような視線に促されて、アンはポツリポツリと、己の現状を吐き出す。
「変わっていくこと、変わらないこと……色々あると思います」
 それを聞いて、エステルはゆっくりと語り始めた。
「それでも、どんな自分でありたいかが一番大事なのだと思います」
 すっと、彼女の目が細まって、遠くを見るようなものに変わる。
「わたくしは辺境に住まいを移して、辺境の平和の為に力を尽くそうと思っています。……あの人と約束したからというのもありますが、わたくし自身もそうしたいのです」
 あの人。言いながらまず思い出すのは、背中だった。必死で言葉を尽くしてかけ続けた、けど、はっきりと応えてはくれず。最後まで、置き去りにするように独り、戦場を駆け抜けてしまったあの人。
 その望みは、心の内の本当のところは最後まで分からない。こうして自分の人生の一部に彼の面影を引き摺ることは、あの人の本意ではないのかもしれない。
 それでも。
 それでも──わたくし自身の、望みは。
 微かに揺れるエステルの瞳の色に、メアリは直感的に何か感じるものがあった。
 不意に……思う。メアリにとっての「あの人」は、生きていたらここに居ただろうか。誘ったらなんだかんだ理由を付けて来てくれた気もする。自分のカレーの味については……「まあまあですね」なんて言われるんだろうか。
 想像だ。ちょっと微笑んでしまうような、ただの想像。だけど……料理の味も幸せを探して未来を行くのも、また会った時に「良いんじゃないですか?」って言ってもらえるぐらいにはなりたい。だから……。
 そんなことを考えていると、今度はエステルがこちらを見ていることに気が付いた。そうして……お互い何かを察し合って、微笑み合う。頑張りましょう、何時か胸を張って向こうで会える、その為に。勝手にそんな想いをメアリは込めたりなんかもして。
 そう、だから……。
「アンさんも出来る事より、したい事を考えてみては如何ですか?」
 エステルがそう言葉を締めくくると、アンは礼を言って頭を下げながらも、表情は何処かまだ浮かないままだった。したい事、が、成し遂げられること、とは限らない。世の中、ままならないことはある……が。
 そこに、レグルスに引っ張られるようにして真がやってきた。タイミングに、少し気まずい表情を浮かべている。
「前に一緒に過ごして褒められたこと、レグルスは覚えてたみたいで」
「へえ? あんときゃあ……乗せていただきありがとうごぜえやした」
 真の言葉にアンも思い出したのか、ふにゃりと笑顔を浮かべてレグルスに眼差しを向けると、レグルスはまた嬉しいような落ち着かないようなそわりとした様子を見せて。
 ちょっと和んだ、その空気が惜しいな、と真は思わないでも無かったが……。
「それで……聞き耳立てるつもりじゃなかったんだけど」
 それでも、聞こえたことは無視できなかった。
 変わりゆく世界への寂しさ。未来をどうしようかという不安。真にはどちらもよくわかるから。
「正直、アンさんの受付嬢としての能力がどうなのかは、私にはわからない」
 こういう時、真は根拠のない励ましは言わない。
「だけど。私たちのために色々と工夫してくれたことは知っている。能力とかは関係ない。その気持ちが、とても嬉しかったよ」
 だからこそ偽りのない本音が伝わると思うから。
 ……依頼で神経をすり減らして帰ってくることは時々ある。そんな時に、純粋な好意を向けて迎えてくれることが、どれだけ嬉しいか。
「私は、変わらずハンターを続けるつもりだから、これからもオフィスに来る機会は多いだろうけど……その時に、きみが出迎えてくれたら……私も、レグルスも、嬉しいと思うよ」
 伝えながら。
 真には、アンがどう決断しようがどうこう言うつもりは無かった。ただ思ったことを、ありのままに言っておきたかっただけ。
「有難う……ごぜえやす。嬉しいでさあ」
 真の言葉は、温かい。ただ一般的に進路に悩む人間に与える助言、ではなく、アンという個人を見てきて、自分だけへの言葉として伝えてくれたものだと分かるから。
 メアリやエステルにも改めてお礼を言って。それでもどこか悩みを吹っ切り切れずにいるアンに。
「アンさん素敵なカレーパーティありがとなの……あれ?」
 そこで、新たに近づいてきたのがディーナ・フェルミ(ka5843)だった。

「ディーナ先生……」
 気まずそうにディーナを呼ぶアンに、ディーナはにこりと笑みを浮かべて、手にしたカレーを一口、スプーンで掬ってアンに差し出す。
「主催者だって食べないと元気でないの。はい、あーん」
「へ、へえ!? いえ……」
 アンはびっくりして咄嗟に遠慮がちに退くが、ディーナが有無を言わせない気配で更に近づくと、照れくさそうにしながらぱくりとそのまま食べさせられる。
「お腹減ると良い考えも浮かばないの」
 大人しくアンがカレーを食べると、ディーナは満足げに更に笑みを深めて、それから言った。
「私はタスカービレで結婚するけど、依頼はこれからも受け続けるし王国の聖導士学校で子供達に教えたりもするの」
「へえ……そいつぁ……これからのディーナ先生の増々のご発展と活躍が楽しみですねい」
 ディーナが述べた近況にアンが祝辞を言うと、ディーナはしっかりと頷いて続ける。
「アンさん達の部族の生き方は風なんでしょう? 一度部族の復興状況を見に行くのは良いことだと思うけど、そのまま部族の中だけで過ごすことに意味はあるのかな? 自分で意味を作れるのかな? 部族内で外貨を稼ぐのは難しいと思うの。中で出来ることはいっぱいあるだろうけど、外で出来ることもいっぱいあるの」
「自分で……意味を……」
 ディーナの言葉を、アンは繰り返す。誰かの為ではなく、為すべきこと、為したことは、自分自身にとってどんな意味を持つのか。
「私、将来ハンターを目指す子供達が人間領域を増やすために働く場所を得られるように聖導士学校に行くの。子供達が南征にも北征にも関われるようにするために、自分も南征や北征に関わるの。その子達がハンターの仕事を始めた時、アンさんがオフィスで子供達に優しくしてくれたら、私はうれしいの」
「手前どもが……ディーナ先生のお弟子さんにですかい?」
 口にして。想像してみて。
 知らず暖かいものがこみ上げてくるのをアンは感じた。もしその子らに激戦時代のディーナの活躍を聞かれたら、自分はどんな話が出来るだろう。覚醒者でない自分にどんな態度で接して、どんな言葉をくれたか……自分の言葉がその子たちの勇気ややる気に少しでもなれたら、その恩を少しでも返せるだろうか。
 積み重ねてきた時間。時の流れはただ残酷なだけじゃない。その間に築き上げられたもの。点から線になって繋がる縁。
「ね、アンさん、一緒に乗ろ?」
 少しずつ上を向いてきたアンに、ディーナが導くのは己が連れて来たリーリーの元だった。タンデムして、広場を駆け抜けてジャンプして、そのまま星空が瞬きはじめた夜に舞う。
「わあ……!」
 風を切る感触に、高くなる景色に、アンが歓声を上げた。広場に集まった人たちが一斉に二人を注目する。
 その表情……!
「今日のみんなの笑顔はアンさんが作ったの。これからもそうならうれしいの」
 上空からは。煌々と証明に照らされる人たちの表情が良く見えた。そこには確かに、笑顔がある。アン一人の力じゃない、カレーを作ってくれた人、笑顔で配ってくれた人、集まって、賑やかに過ごしてくれた人。
 でも。
「手前ども……手前どもは……」
 今日、この時に限っては。
 見たかったものはこれだ。成し遂げたかったものは。
 今日、ただ、一歩だけど。
 好きな場所で、思い描いたものを実現させることは、確かに出来ていたのだ。
「ディーナ先生……手前どもは、先生様方に会えて、幸せでさあ……」
 きゅう、とリーリーの背で、アンはディーナの裾を握りしめる。
「素敵な出会いがありやした。この世界で、沢山、沢山。手前どもはだから……この場所が、大好きなんでさあね」
「うん!」
 漸く答えを得たようなアンの言葉に、ディーナは満面の笑みで応えた。
 夜空をぐるりとめぐって、リーリーが着地する。
 楽しい時間。
 終わってしまうけど、じゃあ要らなかったなんてことは決してない、かけがえのない一時。
 にぎやかに、穏やかに。
 カレーパーティは進み、そして閉会した。













 ハンターの先生様方。
 間も無く、この場所を、この世界を離れてく方もいらっしゃるんでしょう。
 けど。
 手前どもはこれからも。
 ロビーを毎日綺麗にして。
 季節の花を飾りながら。
 思い出のたくさん詰まった資料室は、時間をかけて整理してお待ちしておりやすんで。
 ふと懐かしくなったそん時なんかは、どうぞ遠慮なく、またハンターオフィスを訪れてくだせえ。
 その折には。

「ハンターの先生様方、お疲れ様でさあ! 今日はどうしやした?」

 手前どもは笑顔で元気よく、先生様方をここでお迎えしてえと思っておりやす。
 いつになっても。何度でも。

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参加者一覧

  • 蒼き世界の守護者
    アーサー・ホーガン(ka0471
    人間(蒼)|27才|男性|闘狩人
  • その力は未来ある誰かの為
    神代 誠一(ka2086
    人間(蒼)|32才|男性|疾影士
  • 見極めし黒曜の瞳
    Gacrux(ka2726
    人間(紅)|25才|男性|闘狩人
  • 部族なき部族
    エステル・ソル(ka3983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 差し出されし手を掴む風翼
    クィーロ・ヴェリル(ka4122
    人間(蒼)|25才|男性|闘狩人
  • 今はただ貴女の傍に
    アルフロディ(ka5615
    エルフ|17才|男性|聖導士

  • 緋袮(ka5699
    鬼|17才|女性|格闘士

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • ユニットアイコン
    レグルス
    レグルス(ka5819unit001
    ユニット|幻獣
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • ユニットアイコン
    リーリー
    リーリー(ka5843unit001
    ユニット|幻獣
  • 天使にはなれなくて
    メアリ・ロイド(ka6633
    人間(蒼)|24才|女性|機導師
  • ユニットアイコン
    メルキセデク
    メルキセデク(ka6633unit002
    ユニット|自動兵器

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン カレーと夕焼け(雑談卓)
鞍馬 真(ka5819
人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2019/10/05 22:23:05
アイコン 質問卓
鞍馬 真(ka5819
人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2019/10/06 00:16:34
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/10/09 13:53:02