• 不動

【不動】希望のために

マスター:猫又ものと

シナリオ形態
イベント
難易度
やや易しい
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/05/27 22:00
完成日
2015/06/10 09:16

このシナリオは3日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●戦いの果てに
 辺境東部で南下する怠惰に籠城戦を仕掛けた『マギア砦籠城戦』。
 CAMの戦力投入を持って怠惰に打撃を加えた『ナナミ川撃滅戦』。

 そして――。

 辺境にて聖地として慕われる『リタ・ティト』を取り戻すべく大規模な反抗作戦を試みた『聖地奪還』。

 聖地は奪還できたものの、三度の戦による犠牲は、想像を絶するものだった。
 特に……CAM実験場と開拓地ホープ。
 無傷で――というわけにはいかなかった。災厄の十三魔・アイゼンハンダーの激しい攻撃を受けた影響で、何れも甚大な被害が生じている。
 しかし、曲がりなりにも歪虚を撤退させることができた――これは紛れもない事実で、結果だけを見れば人類側の勝利、なのだろう。
 大きな犠牲の上の、紙一重の勝利なのかも知れないが。
 ともあれ。この地での活動を再開するためには、大規模な復興作業が必要だった。

●希望のために
「……という訳でですね。皆さんに、開拓地ホープの復興作業をお手伝い戴きたいんです」
 ハンターズソサエティに現れた赤毛の青年。
 オイマト族の一員で、バタルトゥ・オイマト(kz0023) の補佐役であると名乗った彼は、極めて明るい口調でそう切り出した。
「ホープってほぼ壊滅状態なんだっけ……」
「ええ。集会場も、コテージも、皆破壊されたって聞いたわ」
 ため息をつくハンター達。
 ホープは開拓途中であった為、元々そんなに大きくはない――小さな村のような状態だった。
 これから先、開拓を進めて更に大きくしていく予定だったのに、振り出しに戻ってしまった……。
「……確かに、今回の被害は甚大でした。流れた血も少なくはない。でも、いつまでも下を向いてはいられないんです。『俺達は……立ち止まっている暇はない……』って族長も仰ってましたしね」
 急に顔をキリッとさせて、バタルトゥの物真似をした青年に、沈んでいたハンター達もたまらずにぶふーっと噴き出す。
「……お前、面白い奴だな。名前は?」
「あ、申し遅れました。イェルズ・オイマトと申します」
「無口なバタルトゥがこんな子を補佐役にするなんてね……」
「そこはほら。無口だからこそだと思いますよ!」
「……要するにお前、うるさいってことか」
「さすがハンターさん。よく分かってますねぇ」
 万事軽い調子のイェルズに、くすりと笑うハンター達。
 ――そうだ。落ち込んでいる暇があるのなら、今困っている人達を助けなくては。
 自分達の力は、その為にあるのだから……。
 破壊しつくされたホープに散乱する瓦礫の撤去。
 コテージ再建に必要な物資の運搬。
 簡易医療施設の設置。
 集会場の再建……。
 やることは沢山ある。
「復興したら、ホープを部族会議の拠点とする話も出てるんです。だから、頑張って復興しないと……皆さんの力を貸してください」
「分かった。まず何から手伝えばいいかな」
「優先すべきは瓦礫の撤去と、簡易医療施設の設置と集会場の再建ですかね。仕事が速く終わったら、皆さんに猪肉をごちそうしますよ! 昨日大物を仕留めたので」
 イェルズの一言に、目がギラリと輝くハンター達。
 馬にニンジン。ハンターに肉。
 彼らは大張り切りで作業に乗り出した。

リプレイ本文

 開拓地ホープに吹き抜ける風。
 散乱する瓦礫から、土埃が舞い上がる。
 足元に転がるそれは、元々コテージだったものだろうか。
 元々そこにあったはずの集会場、医療施設などは全て破壊されて……ホープの地は、随分と見晴らしのいい場所になってしまっていた。
 ――随分酷く壊されちゃったんだな。
 出せない声の代わりに、しょんぼりとした表情を見せるエヴァ・A・カルブンクルス(ka0029)の肩を、シリル・ド・ラ・ガルソニエール(ka3820)がぽんぽん、と叩く。
「護りきれなかったのは痛恨であるが、今は出来る事を考えよう」
「ホープ……希望は何度でも蘇る、皆の手で。そう言う事ですよね」
 励ますような彼の声と、決意に満ちたエステル・クレティエ(ka3783)に、こくりと頷くエヴァ。
 ――そうだ。皆の手でやれば、きっと。今までより素敵な『希望』が生まれるに違いない。
「歪虚に壊された場所を、ずっとそのままにはしておけないもんね! 頑張ろう!」
「だね。まずは食事前の運動なのだ♪」
「うっし、いっちょやりますか」
 ぐっと握りこぶしを作るアルフィ(ka3254)に、ぶおんぶおんと腕を回すネフィリア・レインフォード(ka0444)。
 鉢巻よろしく額にタオルを巻くハルワタート・M・マーライカ(ka4557)に、エーディット・ブラウン(ka3751)がおずおずと声をかける。
「あの……ハルワタートさん。その格好は……?」
「えっ? 東方の職人の由緒正しい格好だって聞いたんだけど」
 真顔で受け答える彼は裾の大きく広がったニッカボッカに地下足袋、タンクトップに頭にタオルを巻いていて……。
「それは東方の格好じゃなくて、リアルブルーの『鳶』じゃないか……?」
「トビー? 何だい? それ」
「トビーじゃなくて鳶、だ。高い所での作業を専門とする大工のことだよ」
 リアルブルー出身のシリルのツッコミを、ふむふむと聞き入るハルワタート。
 そんな二人のやりとりに、エーディットがくすくすと笑う。
「僕、こう見えて力持ちだし、大きな瓦礫を見つけたら呼んで貰えれば飛んでいくのだ♪」
「うん。ありがと。それじゃ、皆がんばろ!」
 笑顔のネフィリアとアルフィ。仲間達はそれに頷くと、思い思いの場所に散って行く。


「よいしょっと……」
 早速集会場の瓦礫を片付け始めたエミリー・ファーレンハイト(ka3323)。
 重そうな柱を引き摺ろうとしている彼女を見て、時音 ざくろ(ka1250)が走ってやってくる。
「はわ。キミ、大丈夫? 手伝おうか」
「あら。ありがとうございます」
「時音さん、早速ナンパですか?」
「ざくろんったら手が早いんだから」
「ち、違うよ! 大変そうだったからお手伝いしようと思っただけだよ!」
 呆れたように言う白漣(ka4703)とアルラウネ(ka4841)に、アワアワと慌てるざくろ。
 エミリーはにこりと笑うと、三人を順番に見つめる。
「ここを早々に片付けて、竈と簡単な台所を用意しようと思っているので、お手伝い戴けると有難いです」
「竈……?」
「ええ。仕事が終わってから猪肉を調理するのでは時間が掛かりますし、『食は人間の基本だ』と父が言ってましたしね」
 小首を傾げるざくろに、こくりと頷くエミリー。白漣とアルラウネがあぁ……と納得したように首を縦に振る。
「そうですよね。お料理するのに必要ですよね」
「分かった。お手伝いするよ。主にざくろんが!」
「ええええっ!?」
「いいじゃないですか、ほら。皆の笑顔の為にがんばりましょ!」
 友人のあまりの扱いにガビーン! となったざくろの背を、白漣がぐいぐいと押して……4人は仲良く集会場の瓦礫を片付け始めた。


「うぬぬぬぬ……!」
「アルフィちゃん、そんな持ち方したら危ないよ」
 土まみれになりながら、大きなレンガを持ち上げようとしたアルフィをそっと手伝うハルワタート。
 そこに、馬を連れたエーディットとエヴァがやってくる。
「大きいものはこの子達に運んで貰いましょう。喜んでお手伝いしてくれると思います」
「わぁ! お馬さん可愛い! ……じゃなかった。ありがと! 助かる!」
「僕もいるのだ~!!」
 笑顔のアルフィにこくこくと頷くエヴァ。その後ろからぬっと現れたネフィリアが巨大な丸太を担いでいる彼女を見て、アルフィが目を丸くする。
「わぁ。ネフィリアお姉さんすごーい!」
「むふふ。重いものは任せろなのだ♪」
「力持ちって本当なんだねー!」
「うん! ちょっとこれ置いてくるから待ってて欲しいのだ!」
 得意気な笑顔を見せてばびゅーん! と走り去るネフィリア。
 そんな彼女を見て、エーディットがくすりと笑う。
「じゃあ、小さい瓦礫は集めて袋に入れようか」
「そうですね。それだとネフィリアさんもこの子達も運びやすいと思います」
 頷くエーディット。エヴァが麻袋を持ってやってくる。
 二人は馬が引けるよう、荷車やロープを手配していたのだが、瓦礫が散乱している現状では走らせることが難しい状態だった。
 あまりにも瓦礫が多くて、終わりが見えないけれど……。
「一個づつ片付ければ、すぐに元の姿になるさ」
 そんな彼女の思いを読んだかのようなハルワタートの言葉。
 笑顔で頷くエーディットを、彼はまじまじと見つめる。
「どうかなさいました?」
「いや。何だかエーディットちゃんと初めて会った気がしなくてね。どこかで会ったっけ?」
「いいえ? 初めまして、だと思いますけれど……」
 彼の様子に、んん? と小首を傾げるエーディット
 確かに、初めて会った気がしないというか、どことなく懐かしい気がするような……。
「はいはーい! ごめんなのだー! ちょっと通してほしいのだー!」
 3人が細かい瓦礫を集めている間に、巨大な石を持って走り去るネフィリア。
 小さな身体の彼女は、思いもよらぬパワーを秘めているようだった。


「あの、こういう時何から始めればいいんでしょう……」
「そうですね。まずは道となる場所の瓦礫の撤去から始めましょうか」
 おろおろとするシフォン・ヴィヴィワール(ka4076)に、優しく微笑みかけるシャルロット・F・グリエルモ(ka4304)。
 医療施設、集会場への道、主だった運搬経路を確保するようにすれば、荷車も通れるようになるし運搬がし易くなるはずだ。
「あーあ。お洋服汚れるの嫌いなのにぃ……」
「これだけの被害が出ているのですよ。きちんとした働きを見せて下さいな」
「分かってるわよ~」
 ぶつぶつとボヤくリーリル・V・プラトーネ(ka4154)を窘めるレイレリア・リナークシス(ka3872)。
 そんな若者達を見て、セドリック・L・ファルツ(ka4167)が申し訳なさそうにため息をつく。
「私はちょっと力仕事は難しそうだ。腰を痛めてしまいそうでね」
 うら若い乙女に力仕事をさせて申し訳ないんだがね……と呟く彼に、シャルロットは笑顔を向ける。
「分かっています。再利用できる瓦礫を集めている方達がいるそうですので、そちらを手伝って差し上げて下さい」
「承った」
「シフォンはこちらへおいで。足元に気をつけるんですよ」
「はい、お姉様」
 シャルロットの背をとことこと追いかけるシフォン。
 リーリルは腕をまくりながらレイレリアを振り返る。
「さて、こちらはどうしよっか、お姉様」
「あまりに大きな瓦礫は運びにくいですから、小さくしましょうか」
「はーい。ただ砕けばいいの?」
「再利用に困らない大きさにすれば良いでしょうか。注意を払ってくださいね」
「えー。そこまで加減できるかなぁ」
 そう言いながらも、瓦礫に手をかけるリーリル。
 何だかんだ言いつつもやる気はあるようで……レイレリアは安心したような穏やかな目を向ける。


「……何故組むことになったのでしょう?」
「何か仰いました?」
「いいえ。別に」
「そうですか? では張り切って仕分けをしてしまいましょう」
 首を捻るシルディ(ka2939)に明るい笑顔を返す藤峰 雪凪(ka4737)。
 彼らの目の前には、開拓地中から集められてくる瓦礫の山。
 バラバラになってしまったそれらにも、再利用できそうなものが沢山ある。
 それを見つけ出して仕分けをしようと思ったのだが……これはなかなか骨が折れそうだ。
 シリルが地面に大きく仕切りの線を入れると、二人に向き直る。
「これで良し、と。木材はそこ、煉瓦はそこに。土台に使えそうな岩はそこに置いて貰えるか」
「金属類はどうします?」
「それはそちらに」
「了解です」
 頷くシルディ。再利用しやすいようにレンガの接合部分を切り離そうとして、屈んだ途端、ぽんぽん、と肩を叩かれる。振り返ると、短い丸太を手にした雪凪が立っていて……。
「何です? 雪凪さん」
「シルディ様。これは使えますか? どこに置けばいいでしょう」
「……ハイ?」
「わたくしには鑑定眼がありませんから、シルディ様に教えて戴かないと! でも運搬のお手伝いはできますよ!」
 適材適所ですよね! と胸を張る雪凪。
 自分と組むことになった理由に思い当たって、シルディははあぁ……とため息をつく。
 シリルは笑いを噛み殺すと、小柄な少女を覗き込む。
「まずは原形を留めているものとそうでないものに分けて貰えるか?」
「分かりました! えっと、木屑とかはどうします?」
「チップにして焚き火などに使いましょう。今日もバーベキューをするようですから、火付けの役に立つでしょうし」
「じゃあ、細かい石くずはどうしましょう?」
「それは砂利として再利用できる。また基礎を作る時に使えるから、袋にまとめておこう」
「なるほど、分かりました! シルディ様もシリル様も色々ご存知で凄いですねえ……!」
 二人の分かりやすい的確な指示に、パァッと顔を輝かせる雪凪に、無言で笑顔を返すシルディ。
 きっと思うところは色々あるのだろうが、口に出さないあたり紳士だ。
「セドリック殿が資材の目録を作成してくれるそうだから、なるべく分かり易くして貰えるかな」
「あ、じゃあ何がいくつあるのか、大きめの紙に書いて貼り付けておきますね!」
「ああ、よろしく」
「分かりました! がんばりまーす!」
 言い聞かせるようなシリルに、張り切る雪凪。
 シルディはそんな彼女に、生がつく暖かい目線を送っていた。


「……こんな感じか?」
「もうちょっと右にお願いします」
 ミオレスカ(ka3496)の声に応えて、柱の位置を微調整するラディスラウス・ライツ(ka3084)。
 医療施設があった場所の瓦礫をアリオーシュ・アルセイデス(ka3164)と共テキパキと片付け、廃材の柱を運んで来て、天幕用の柱をあっと言う間に立ててしまった彼に、ミオレスカは尊敬の眼差しを向ける。
「さすが騎士様。力持ちですね。すごいです」
「いやいや、これくらいどうと言うことはない」
「いえ……私一人じゃとても無理でしたから。ありがとうございます。あとは天幕を張って、ベッドなどを運び込めばいいでしょうか。これなら医療施設の復旧は早くできそうですね」
 次にやることを整理しつつ、はにかんだ笑みを浮かべるミオレスカ。
 真正面から褒められて居心地が悪いのか、ラディスラウスは目を反らし……ふと、後方にいる甥を見やる。
 アリオーシュはここに到着してからずっと、立ち止まることなく目まぐるしく動き回っている。
 今回の被害状況や、実際に必要であったものを今後常設すべき物品や設備に反映できるように、ホープにいる者達から聴取して回っていたが……怪我人や具合の悪い人を放っておくことが出来ず、医療道具や包帯を洗濯していたエステルと共に問診を開始していた。
「包帯が圧倒的に足りませんね……。あと綿も」
「そうだね。多めに仕入れるように書いておかないとね」
「あ、アリオーシュさん、これ薬草です。薬の代わりになると思うので使ってください」
「ありがとう。色々なのがあるんだね」
「はい。効能も色々あった方がいいと思って。これも置いておけるようにしたいんですけど……」
「だったらビンがいるかな」
 真剣な表情のエステルとアリオーシュを見守るラディスラウス。
 頑張る若い二人はとても微笑ましいが……甥の顔色が優れないのが気にかかる。
「……アリオーシュ。疲れてるんじゃないのか?」
「え? そんな風に見えましたか?」
「見えるから言っている。無理はせず適度に休めよ」
 相変わらず心配性な叔父に苦笑するアリオーシュ。
 でも、叔父の顔を曇らせるのは本位ではなく……。彼はこくりと頷く。
「そうですね。少し疲れているのかもしれません。……飲み物でも淹れましょうか。叔父上もいかがですか? エステルさんとミオレスカさんもご一緒に」
「ああ、相伴に預かろうか。お前がちゃんと休むか監視してやろう」
「すみません。お気遣いありがとうございます。……仲が良いんですね」
 ラディスラウスにそう言われてしまったら、きちんと休憩せざるを得ない。
 叔父と甥のやり取りに、くすくすと笑うエステル。申し訳なさそうなミオレスカが続く。
「あの、天幕を張ってしまいたいので……私は後で戴きますね」
「ああ、気付かなくてごめんなさい。俺も手伝わないとね」
「アリオーシュ、そこは俺がやるから……」
 慌てて立ち上がろうとするアリオーシュを制止するラディスラウス。そこにエルシス・ファルツ(ka4163)がひょっこり顔を覗かせる。
「あー。そこはあたし達がやるから、ちゃんと休憩して。休憩も大事だよ? ミオレスカ。あたしで良ければ手伝うよ」
「ありがとうございます。そちらの布を持って、引っ張って戴けると助かります」
「了解ーっと。じゃあ、ニケとショコラはあっちの備品の整理お願いして良い?」
「分かった」
「任せてちょうだいな」
 友人の指示がある前からキビキビと動き回っていたニケ・ヴェレッド(ka4135)に、気合十分で頷くショコラ・ヴィエノワ(ka4075)。
 ニケの後ろを仔猫のようについて行くショコラを見送って、リアンユ・ヴェレーノ(ka4118)は赤毛の同僚を振り返る。
「エルシスさん、私も備品の整理で良いですかね」
「リアンユは適当にやっといて」
「了解ですよ」
 彼女の適用な扱いも気にせず頷くリアンユ。
 ここに置く備品も医療品を扱うのは、流石に知識がない者では難しい。
 自分は幸いある程度医療知識があるし、ニケやショコラをサポートすることも出来る。
 求められているのはそういうことだろう……。
「ショコラ、あまり重いものは持たなくていいからな?」
「私は大丈夫ですわ♪ お姉さまこそ……ご無理はいけませんのよ?」
「ああ、ありがとう」
 ニコニコと笑いあうニケとショコラ。
 そこに、淡い紫の髪の少女が静かに歩み寄る。
「ごきげんよう、ニケ様」
 呼ばれて振り返るニケ。レイレリアの姿を見てぺこりと頭を下げる。
「レイレリア様か。こんにちは」
「我が王から贈り物を預かって参りました。ニケ様にどうしても渡して欲しいと仰られましたので……」
 そっと目を伏せ、純白の花束を差し出すレイレリア。
 ――可哀想で、お気の毒な我が王の妹御。
 これで、少しでも心が癒えると良いのですが……。
「綺麗だな。ありがとう」
 ぱっと輝く笑顔を見せたニケに、ほっとする彼女。次の瞬間、背後からじっとりとした目線を感じて身構える。
「おや。レイリィではありませんか。今日も可愛らしいですねぇ」
「…………っ」
 リアンユの嘗め回すような目線に苛立ちを覚える彼女。
 この男は性懲りもなく……!
 そこにすっと、リーリルがレイレリアを守るように立ち塞がる。
「ごきげんよう、リアンユ様。僕のお姉様に不埒なストーカー行為はお止め戴けますかしら?」
「ストーカーだなんて失礼な。ただ見つめているだけでしょうに」
「それが気持ち悪いって言ってるんですのよ。お分かりになられるかしらぁ?」
 にーっこりと笑顔を作るリーリル。しかしその目は笑っておらず、人が殺せそうに鋭い。
 リアンユはどこ吹く風で、それをどこか楽しげに受け止めていて……。
「コラッ! リアンユ何やってんの! 人様にご迷惑おかけしちゃダメでしょー! もーすみません……」
「エル! エルじゃないか。頑張っているかい?」
 言いかけたエルシス。聞き慣れた声にギクリとする。
 ああ、もう。何だってこんな時にこの男が……!
 養父……セドリックの方を見もせず、リアンユを引っ張って走り去る彼女。
 彼の上げかけた手が寂しく行き先を失う。
「……あの。失礼だが、エルシス様のお知り合いの方か?」
「エルシスのお友達かな? 娘がお世話になっているようで……」
 言葉を選んで声をかけるニケに、丁寧に頭を下げるセドリック。
 彼女はああ、と短く呟くと、恭しくお辞儀を返す。
「お父上でいらっしゃったか。こちらこそお嬢様にいつもお世話になっている」
「娘は何か迷惑をかけていませんか」
「……そんなことないわ。エルシスは……とても、優しいもの」
「そうですか……。皆さんと仲良くして戴けているようで良かった。これからもよろしくお願いしますね」
「えぇ…わかったわ」
 見上げながら小さく頷くショコラに、穏やかな笑みを返すセドリック。
 物腰柔らかく、優しそうなおじさま。こんなに素敵な人なのに、エルシスはイヤそうな顔をしていた。
 一体どうしてなのだろう……?
「何をしているのです?」
「待ってください、お姉様……」
「あっ……」
 つかつかと歩み寄るシャルロットの後ろから現れたシフォンに、短く声をあげたショコラ。
 それは間違いなく――引き裂かれていた双子の片割れで……。
 同じ親から生まれてきたはずなのに、育ってきた環境があまりにも違いすぎて……今更何を話していいのか――。
 本人達が望んでそうなった訳ではないけれど。それは、二人の心の奥底に蟠りとして渦巻いて……お互いに、ぷい、と顔を背ける。
「私はニケ様にお届けものを……」
「シャル様! 聞いてよ。お姉様を狙う不届き者を追い払っていたの」
「娘の友人にご挨拶をと思いまして……」
 続く三人三様の言葉に、シャルロットは深々とため息をつく。
「長話は場を改めましょう。我々は復興にきた身。それ以下となってはいけません。ニケ様、我が同胞が作業の邪魔をしてしまい、大変失礼致しました。どうぞご容赦を」
「いや。こちらこそリアンユが迷惑をかけた。気にしないで欲しい」
「ありがとうございます。では、私達はこれで」
 ニケに深々と頭を下げその場を辞するシャルロット。それに、白の同胞達も続く。
 彼らを見送ったニケは、受け取った花束にメッセージカードが添えられているのに気付く。
 それに目を落とした彼女は、心臓が飛び上がったような息苦しさに襲われる。
「…………ッ!!!!!」
 次の瞬間、花束を地面に叩きつけるニケ。
 カードをビリビリに破り、投げ捨てる。
 荒く息を吐きながら、地面を睨みつける彼女。
 いつもとは違う様子に、ショコラが心配そうにニケを見上げて……。
「……お、お姉さま……?」
「……いや。何でもない。大丈夫だ。さあ、ボク達も作業を続けよう」
 ショコラの目線に、何事もなかったかのように、爽やかな笑顔で応えるニケ。
 地面に散らばったカードが、まるでニケの心のようで……。
 ショコラは何とも言えない不安に襲われた。


 瓦礫が綺麗に撤去された集会場の片隅から立ち上る煙。
 竈からは、肉の焼けるいい匂いがしてくる。
 ハンター達の頑張りのお陰か、開拓地ホープを埋め尽くしていた瓦礫はほぼなくなり、仮で設置した医療施設は、その機能を十分果たせるまでになっていた。
「ふー。ここも大分綺麗になったね」
「皆でがんばった成果なのだ♪」
「……そろそろ第一陣のお肉が焼けます。皆さんを呼んで来て戴けますか?」
「あっ。ざくろ行ってくるよ」
 ふんふ~ん♪ と鼻歌を歌いながら猪肉を切り分けるネフィリアに、牡丹鍋を混ぜながら言うエミリー。
 火の番をしていたざくろが立ち上がりかけると、そこに魚篭を抱えたアルラウネと白漣が戻ってきた。
「ただいまー」
「お魚沢山連れたよー!!」
「あーっ! アルラも白漣もどこ行ってたんだよ!」
「だから、魚とか食べられそうなもの調達してくるって言ったじゃない」
「もう! ざくろとエミリーちゃんだけで竈作るの大変だったんだからね!? 途中からネフィリアちゃんが手伝ってくれたから良かったようなものの……!」
「まあまあ、美味しい魚釣って来たから許してよ。ね?」
「ざくろんが頑張ったなら問題ないよ」
 がるるるると吼えるざくろを、まあまあと宥める白漣とアルラウネ。魚篭を覗き込んだネフィリアが目を輝かせる。
「わ。お魚いっぱいなのだー♪」
「川魚は今が旬ですから美味しいでしょうね。串を通して塩焼きにしましょうか」
「えっ。塩焼き!?」
「賛ー成!」
「たべるー!」
「じゃあ、準備しておきますから皆さんを呼んで来てくださいね」
 ざくろと白漣、アルラウネの反応にくすくすと笑うエミリー。
 三人はこくこくと頷くと、仲間達を呼びに綺麗になった開拓地を走っていく。


「エヴァ殿。猪肉が焼けたそうだ。食べに行かないか?」
 シリルの声に振り返り、嬉しそうな笑顔を浮かべて何度も頷くエヴァ。
 そうしている間も手を止めない彼女を覗き込み、シリルは目を丸くする。
「……瓦礫に絵を描いたのか?」
 こくりと頷くエヴァ。
 彼女は、瓦礫に色々な絵を描いていた。
 本当は使い物にならない瓦礫をキャンパス代わりにして書く予定だったのだが、再利用できるものが思いの他多かった為、イェルズに許可を取った上で煉瓦や柱などにひとつひとつ丁寧に絵を入れていた。
 色鮮やかな様々なベースに描かれた、数々の朝顔。
 ――咲き誇る朝顔は朝日に望む『希望』の花であり、日が昇る方向である『東方との縁』を意味し、新しいホープの地に希望が溢れるように……というエヴァの願いが込められている。
『ただ建て直すだけじゃ、ちょっと寂しいでしょ?』
「そうだな。いいアイデアだと思う」
 紙にペンを走らせて筆談をするエヴァに、頷く彼。
 この煉瓦を使って再建されるコテージは、きっと素晴らしく美しいものになるだろう。
「出来るなら、この廃材を使って再建されたホープを見てみたいものだな」
 シリルの呟きに、飛び上がってガクガクと首を縦に振るエヴァ。
 ――ここの再建全てに関われる訳ではないけれど。
 もう一度、この希望の地に来たい……と思う彼女だった。


「ハンターがお肉で動くと思っているなら、正解ですよね」
「まってました!」
「わーい! お肉お肉ー! あっ。お魚もあるー!」
「どれも美味しそうですね~♪ 楽しみにしてたんですよ♪」
 うんうん、と頷いているミオレスカに、大喜びでやって来たハルワタートとアルフィ。
 その近くで、エーディットが馬達に野菜をプレゼントしていて……。
 ざくろ達と、いい匂いに誘われて、仕事を終えたハンター達が続々と集会場に集まっていた。
「味付けって何があるのかな? 胡椒? レモン?」
「両方用意してあるのだ! ガーリック風味もあるのだぞ♪」
「野菜と一緒に醤油味で似た鍋もありますからどうぞ」
 小首を傾げるアルフィに配膳しながら答えるネフィリアとエミリー。
 ミオレスカとエーディットが感嘆のため息を漏らして、上品に両手を合わせる。
「これぞまさに致せり尽くせりですね……! 戴きます」
「んん……! 美味しいです……!」
「あちっ。あちちちっ!」
「大丈夫ですか? これで口を冷やしてくださいね」
 肉にがっついたと思ったら口を押さえて暴れだしたハルワタートに、慌ててハーブティを差し出すエステル。
 それを一気に飲み干した彼は、はあぁ……とため息をつく。
「あー。助かったよ。ありがと、エステルちゃん。俺猫舌だったんだった」
「……ご自分で忘れてらしたんですか?」
「だって肉が美味そうだったからさ! 肉が俺を呼んでたんだよ!」
 ハルワタートの主張に、ぷっと吹き出すエステル。
 周囲も堪えきれずに、どっと笑いが漏れる。


「うん。この魚美味しいね!」
「そりゃあもう、私達がとってきたからね。山菜もあるから食べてよ」
「ありがとう。流石エルフ、自然の事詳しいんだね」
「美味しいかどうか保障はないけどね」
「ええええ!?」
「だって普通に美味しいものじゃ面白くないじゃない」
 にこやかな白漣に青ざめるざくろ。絶対、ハズレは引かないぞ……! と思いつつ、ちらりとアルラウネを見る。
「そういえばさ、アルラ」
「なに?」
「その……覚醒した時の格好、アレで大丈夫なの?」
「何が?」
「何がって……だ、だって……」
 しどろもどろになって慌てるざくろ。それに、アルラウネはキョトンとする。
「……? 覚醒した時、服装指定なしって言ったのざくろんじゃない? それに、肌と同じ色の水着着てるし……」
 そこまで言われて、彼が何を恥ずかしがっているのか思い至ったアルラウネ。
 要するに、裸に見える……ということなのだろう。
「あぁ、だからビキニアーマーも同じ色に勧めたのね」
「えっ。そういうことなの?」
「そういうことでしょ。嬉しそうにしてたもんね。えっちぃ~」
「ち、ちがっ……! う、嬉しいとかそんなこと……!」
「ないの?」
「本当に?」
 アルラウネと白漣に畳み掛けられて、うぐぐ、と言葉に詰まるざくろ。
 誤魔化すように山菜を口にして……そのあまりの苦さに轟沈する。
「あ、あはは。ハズレ引いちゃった?」
「ある意味アタリかもねえ」
 悶絶するざくろに水を渡す白漣。アルラウネはそんな二人を眺めてくすくすと笑っていた。


「俺、食べないで帰ろうと思ってたんですけどね……」
「シルディ様ったら、折角の差し入れなのに食べないのは失礼ですよ!」
「分かりましたから耳元で叫ばないで……」
「はい、これ! 足りなかったらまた取って来ますから。ちゃんと食べてくださいね」
 雪凪に肉を押し付けられて、力なく頷くシルディ。
 彼女はとにかく世話焼きで、いつもこんな感じだ。
 有難いような、困るような……。


「叔父上、生姜焼きを作ってみました。ビールと一緒にいかがですか?」
「おお、これは美味そうだ。戴こう」
 アリオーシュに勧められるままにビールで乾杯をするラディスラウス。
 美味しそうにごくごくとビールを飲んでいる甥っ子を止めようとして……彼がもう、酒が飲める歳であることを思い出す。
 ラディスラウスの中では、アリオーシュはまだ片手で抱えられるような小さな少年のような気がしているのだが、気がつけば自分の背に迫るくらい大きくなった。
 ――いつまでも子供だと思っているのは、俺だけかもしれないな……。
「叔父上、どうかしましたか?」
「ん。いや、お前の作った生姜焼きは美味いと思ってな」
「そうですか? それは何よりです」
 ラディスラウスの目に映るのは甥っ子と、日が暮れかけたホープ。
 あちこちに松明の灯が点り……人が生きる力を感じる。
「思ったより作業が進んで良かったな。全てが元通りになるにはまだ時間はかかるだろうが……」
「……皆の力で復興した場所だからこそ希望も宿るでしょう。人は、強いですから」
「そうだな。……ところでアリオーシュ。お前、目にクマが出来ているぞ」
「ええっ!? そうですか!?」
「全く。何もかも抱え込もうとするのはお前の悪い癖だ。少しは自分を労われ。お前は一人ではないのだから」
「……はい」
 金糸の髪をくしゃくしゃと撫でられて、笑顔になるアリオーシュ。
 ごつごつとした叔父の手は、昔と変わらず大きくて暖かかった。


「あー。おなかすいた。お肉食べに行こうよ。リアンユは妙なことしないでよ!」
「妙なこととは失礼な。私は至って真面目ですのに」
『ショコラちゃんもいこう?』
 今日起きた嫌なことを振り払うように明るく言うエルシスに、しれっと言い返すリアンユ。
 エヴァの筆談に頷いたショコラは、とたたたとニケに走り寄る。
「あの……お姉さまもご一緒に……」
「……ああ、分かった」
 そっとニケの手を取るショコラ。
 ――憧れのお姉様があんなに取り乱したのを初めて見た。
 自分が、何の役に立てるか分からないけれど……お姉さまには笑っていて欲しい。そう思う。


「疲れたー! 僕、お肉には興味がないから、甘いもの食べたい!」
「おやおや。では頑張った子にチョコレートをあげようかね。疲れた時には甘いものが一番だろう?」
 土埃にまみれたリーリルに、そっとチョコレートを差し出すセドリック。
「さあ、シフォン嬢もどうぞ」
「あ、ありがとうございます」
 泥だらけの自分に不思議な喜びを覚えていたシフォンは、彼からお菓子を受け取りつつぼんやりと考える。
 ――いつだったか、誰かにこんな風にお菓子を戴いた。
 あれは、誰だったかしら……?
「さあ、戻ろりましょう。長居は無用です」
「そうですね。アレに再び会いたくありませんし」
 テキパキと後片付けをするシャルロットとレイレリア。
 白の兵達は後ろを振り返ることなく、希望の地を後にする。


 アルフィのオカリナと、ミオレスカの楽器が響く賑やかな開拓地。
 人々の明るい笑い声が木霊する。
 ホープの復興は始まったばかりだけれど、ハンター達の手によってひとまず生活に支障がないレベルに戻すことは出来た。
 これから更に時間をかけて良い場所へと変わっていくだろう。
 この地が、ハンター達と辺境の者達の希望である限りは、きっと――。

依頼結果

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参加者一覧

  • 雄弁なる真紅の瞳
    エヴァ・A・カルブンクルス(ka0029
    人間(紅)|18才|女性|魔術師
  • 爆炎を超えし者
    ネフィリア・レインフォード(ka0444
    エルフ|14才|女性|霊闘士
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • おっとり紳士
    シルディ(ka2939
    エルフ|22才|男性|疾影士
  • 安穏を願う道標
    ラディスラウス・ライツ(ka3084
    人間(紅)|40才|男性|聖導士
  • 誓いの守護者
    アリオーシュ・アルセイデス(ka3164
    人間(紅)|20才|男性|聖導士
  • 星々をつなぐ光
    アルフィ(ka3254
    エルフ|12才|女性|聖導士

  • エミリー・ファーレンハイト(ka3323
    人間(紅)|15才|女性|機導師
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカ(ka3496
    エルフ|18才|女性|猟撃士
  • もふもふ分補充完了
    エーディット・ブラウン(ka3751
    エルフ|20才|女性|魔術師
  • 星の音を奏でる者
    エステル・クレティエ(ka3783
    人間(紅)|17才|女性|魔術師
  • 的確な分析
    シリル・ド・ラ・ガルソニエール(ka3820
    人間(蒼)|25才|男性|聖導士
  • 六水晶の魔術師
    レイレリア・リナークシス(ka3872
    人間(紅)|20才|女性|魔術師

  • ショコラ・ヴィエノワ(ka4075
    人間(紅)|11才|女性|魔術師

  • シフォン・ヴィヴィワール(ka4076
    人間(紅)|11才|女性|魔術師

  • リアンユ・ヴェレーノ(ka4118
    人間(紅)|28才|男性|機導師

  • ニケ・ヴェレッド(ka4135
    人間(紅)|15才|女性|闘狩人

  • リーリル・V・プラトーネ(ka4154
    人間(紅)|18才|男性|聖導士
  • 不撓不屈の黒き駒
    エルシス・ヴィーノ(ka4163
    人間(紅)|24才|女性|疾影士
  • 仮面紳士
    セドリック・L・ファルツ(ka4167
    人間(紅)|40才|男性|聖導士

  • シャルロット・F・グリエルモ(ka4304
    人間(紅)|22才|女性|疾影士

  • ハルワタート・M・マーライカ(ka4557
    エルフ|27才|男性|機導師

  • 白漣(ka4703
    エルフ|18才|女性|聖導士

  • 藤峰 雪凪(ka4737
    人間(紅)|13才|女性|舞刀士
  • 甘えん坊な奥さん
    アルラウネ(ka4841
    エルフ|24才|女性|舞刀士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
レイレリア・リナークシス(ka3872
人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2015/05/23 23:58:56
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/05/27 19:20:06