射撃つ夜光

マスター:鷹羽柊架

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/08/01 09:00
完成日
2015/08/09 07:18

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 ドワーフ工房では連日試行錯誤にくれていた。
 エテルタやフェルツの仕事もほどほどに終わっているが、クレムトの方がまだ試行錯誤をしている状態だ。
 大体の形が見えているとはいえ、疲れがたまってしまう。
 作業場の隅で刻み煙草をキセルの中に詰め込んだシェダルは周囲を見回しつつ、火をつけた。
 紫煙を吐き出して一息ついて考えるのはこの後の人数の采配。
 半数は家に帰してもいいと考えているし、残りはできるだけ残ってほしい。
 シェダル自体は最初から残る気だ。
 クレムトのリーダーはまだまだテンションが高いので残る方向でいいだろう。
「なんつか、ヨアキムさんと変わんねーな」
 自分のところのリーダーを見つつ、冷静なツッコミを下すシェダルの言葉は聞こえてない。
 士気は下降気味だ。
 手っとり早くあげるのは一つ。
「作るか」
 ぽつりと呟いたシェダルは手が空きそうな若い者数人に声をかける。
 士気を上げるに手っとり早いのはうまい飯だ。
 荷物を若い者達に持たせて、自分はかさばるパン類を持って戻る。
 シェダルの指示のもと、若いドワーフ達が肉に下味をつけたり、肉を焼く網を用意したりしている。
 当人は手早く野菜の皮を剥いたりし始めた。
 ドワーフ達には適当に肉を切れと言っているので、豪快に肉が切れている。
 肉が焼ける時に薫る匂いに気づいたクレムトのメンツが、「飯かー」と休憩に入っていく。
 部屋の向こうが騒がしいと思ったシェダルが顔をそちらの方へ向けると、勢いよくフェルツ所属のフォニケが飛び込んできた。
「シェダルがお肉を焼くと聞いて!」
 更に走る音が聞こえてきて、次は工房管理官のアルフェッカとエテルタのリーダーのカペラが駆け込んできた。
「シェダルさんのご飯が食べれると聞いて!」
「食客増やしたの誰だよ」
 吐き捨てるようなシェダルのツッコミに誰も聞いてなく、クレムトのメンツは来客を喜んで迎えていた。

 食料多めの用意していたので、問題なく食事を始める。
 シェダルはドワーフ工房でも料理が美味く、修羅場となれば腕を振るっては他の班にメンバーからも食べに来るほど。
「キュジィ君と奥様にお祝い渡せた?」
 フォニケがカペラに尋ねると、カペラはばっちりと答えた。
「よかったな。しかし、ヨアキムさんは東方へ行ってたんだろ?」
 パンをかじりつつ、シェダルがカペラに尋ねると、彼女はため息をつく。
「東方の人に「超ドワーフ、ヨアキム」と名乗ったそうよ」
「なんだそりゃ、金髪にでもなるのか?」
 呆れるドワーフ工房のメンバーにカペラはスープを啜る。
「でも、話によれば、東方の鍛冶師と顔見知りになったみたい」
「なんだって!」
 カペラの言葉に全員が反応する。
 謎のヴェールに包まれていると過言ではない東方の国、エトファリカには高い製鉄技術があると聞いている。
 その技術者と縁を持つことができたヨアキムに全員が驚く。
「今は、東方の国に巣くう歪虚の討伐にハンター達が出向いてるみたいなの。解放された暁には、是非とも話を聞いてみたいわ」
「行けるものなら行ってみたいものだな」
 カペラの話を聞いて、クレムトのリーダーも頷く。
「東方の技術にときめくのもいいけど、あれはできたの?」
 フォニケが尋ねると、「もう少しだ」とシェダルが答えた。
 いくつかの銃身を作成しなければならなく、調整に追われているのが現状。
「エテルタやフェルツはどうなんだ」
「こっちは実験は成功終了してるわ。後は銃に載せた時にどうなるか」
「エテルタも準備万端」
 フォニケとカペラが言えば、アルフェッカがふむと考える。
「とりあえず、試作品が終わったら外に出て実践つきの試験を始めるか」
「じゃぁ、猟撃士のメンバーを集めなきゃね」
 カペラが言えば、アルフェッカは「必要ないでしょ?」と返す。
「誰がやるの?」
「ハンターでしょ? 会いたくないの?」
 更にフォニケが問えば、アルフェッカは即答する。
「会いたい!」
 カペラとフォニケが声を揃えて叫ぶと他のメンバーが笑う。
「じゃ、決まりだな。場所はテミスの近くで」
「お風呂! 仕留められたらお肉焼かなきゃ!」
 テミスはヨアキム所有の鉱山で湧き出た温泉地の名前。
 動物が現れるので食料の心配はないし、疲れたら温泉で癒せばいい。
「そういや、コテージが出来たそうよ」
「ますます娯楽施設となってるわね。楽しみー!」
 カペラの情報にフォニケは目を輝かせていたが、真顔となってシェダルの方へ向く。
「行かないの?」
「お前達が報告を纏めてくれればいい。面倒だ」
 肉を食むシェダルにフォニケは頬を膨らませる。
「それ、無責任じゃない? 一緒に行こうよっ」
「あんなところに資材持って行ったところで、時間かかるだろ」
 シェダルの言葉にフォニケもわからないでもない。
 その場で感想を聞けば、その場で改善しようものなら、予定通りに進まない可能性がある。
「ま、ま、留守は俺達に任せて、羽伸ばしておいでよ」
 アルフェッカがフォニケ達に言えば、「わかったわ」と承諾した。

リプレイ本文

 今回、ハンター達が指定された場所はドワーフ温泉【テミス】。
 そこにドワーフ工房の技師達が先に現れていた。
「炎天下の中、ご苦労様。少し休んでから打ち合わせよ」
 フォニケが暑さに閉口しているハンター達に声をかける。
 暑さにやられたハンター達はそのまま了承し、コテージへと入っていった。

 日よけの屋根がついた東屋は風通しがよく、体感温度を落としてくれる。
「あー、風が気持いいーー」
 屋根を仰ぎ、声を上げるのは恙祓 篝(ka5138)だ。
 炎天下の中を歩いてきたのだから、屋根と風で随分気持ちが楽になる。
 東屋の中には十人は座れそうなベンチとテーブルがあり、
「一ついいかな」
 先に声をかけたのはクドリャフカ(ka4594)。
「今回の試作品、疑問しか感じなかった」
 クドリャフカは更に言葉を続ける。
「普通ショットガンって近距離もしくは中距離の制圧に使う銃だと思うんだけどね。なんで遠距離の狙撃に使うライフルの射程をぶっちぎってるの?
 誤植かスペック比の勘違いかな?」
 カタログスペックだけで見れば、すべては過去の遺物となり、ゴミとなることだろう。
「暑さでボケてたって言うならその頭、風通しをよくしてあげようか?」
 淡々と並べるクドファリカの言葉が終わるタイミングでカペラが口を開く。
「そう思ってしまうのは仕方ないわ。書き方が悪くてごめんなさい」
 クドリャフカの言葉を受け止め、カペラが謝る。
「今回は現存の散弾銃より飛距離を変えたいっていうのが目的なの」
 フォニケが出してきた銃器三丁がテーブルの上に置かれた。
 無意識に少し身を乗り出したのはロベリア・李(ka4206)だ。
 自分が知る銃器の中では銃口が大きめであるが、全長も長いというか、大きい。
「情報が足りないのよね。あの飛距離は飛翔距離?」
 身を乗り出していたことに自身で気づいたロベリアは火をつけずにタバコを咥えて背すじを伸ばすがじっと銃身を見ている。
「ええ。有効射撃距離は四分の一より短めと見てるわ」
「弾薬は? 砲弾型?」
 クドリャフカの言葉にカペラは「ええ」と答える。
 置かれた真鍮の素材に近いだろう弾薬は典型的な砲弾型弾薬より長い。
「これがセイリオスね」
 ノアール=プレアール(ka1623)が銃身の下に取り付けているマテリアルに気づく。
「銃声は何か、特殊性ある?」
 ロベリアが視線を銃身からカペラへと向ける。
「どれも通常よりも大きいわ。爆発音に近く感じるかも」
 そうだろうねとロベリアが頷く。
「実際にフィールドへ出る前に射撃場で確認させて。ジャムった時の対処法も教えてほしいし」
「わかったわ」
 そう言って場所を変えた。

 射撃場といっても、簡易的なものであり、荒野を軽く整備して的と撃つ場所にひさしを立ててある程度。
 篝はそれでも射撃場を目にして、目をキラキラと輝かせている。
「随分と出来たものですね」
「色々とありますね」
 はーっと、ネージュ(ka0049)がため息をつきつつ、紫条京真(ka0777)が射撃場を眺める。
「撃てれば十分だけど……弾くれる?」
 ヘカーの重さに顔を顰めるクドファリカにカペラが弾薬を渡すと、クドファリカは素早く銃に弾装填する。
「耳塞いで口を軽く開けるといいわよ」
 ファニケが耳に詰め物をしている篝へ声をかけた。口を開いた瞬間にクドファリカが銃の引き金を引く。
 大きな音を立てて発射された弾丸は吸い込まれるように的へと当たるというよりも威力で的がボコボコになっている。
「装填不備とかになった時はここのコッキングレバーを……」
 ロベリアが持つセイリオスでフォニケが説明をしている。
「わかったわ」
 ファニケの説明が終わり、ロベリアは銃を構えた。
 ロベリアが集中すると共にマテリアルが輝きを増していき、頂点に達すると、一気に光が増して的を強い光で照らす。
「どんどん広がっているような感じですね」
 ネージュが目を瞬かせつつ言えば、目を眇めるノワールも同意の模様。
「輝きの頂点に達した時、反射がマグネシウムの発光にも似てるわね」
「そうだね」
 メモを取っているノワールとクドファリカが呟く。
「化学の実験みたいな話だな……」
 ポツリと篝が呟けば、「確かに」と京真が頷く。
 銃声は弾丸はヘカーよりは小さくも感じられたが、大差はない気がした。
 最後はサイフ。
 ネージュが長い銃身をしっかり構えて引き金を引けば、弾は的の中へ打ち抜いていく。火力はないといっていたので、音がライフル銃に似ているなと感じるものもいるようだ。
「重たいのですが……整備したてもあり、撃ちやすいですね。実践の時にブレがどう出るか分かりませんが」
「そう言ってくれるのは嬉しいわ」
 ネージュの言葉にフォニケが微笑む。
「とりあえず、夜まで休憩。日暮れ前に出るから、軽く寝てもいいわね」
 ノワールが二度手を叩く。
「では、食事も軽めで行きましょうか」
 京真が言えば、ネージュが頷く。
「食事はよろしく」
「私も!」
 ロベリアとフォニケは食べ専に徹する模様。


 夕食も兼ねた休憩の後、ハンターとカペラ達はフィールドへと出る。
「一緒に来るんだ」
 篝がカペラに言えば、彼女は頷く。
「道案内も兼ねてるし」
 ランタンを布で隠して明かりを最小限にしてカペラは目的の場所へ進む。
「鉱山の供給は大丈夫ですか?」
「現状は安定しつつあるわ。この周辺も暫くは立ち入った形跡がないから、探索も兼ねてるの」
 京真の言葉にカペラが答えた。
「もうそろそろ着きそうよ」
 出た時は日暮れの頃であったが、今は星がよく見える。
「空を見上げる星見もいいけどね。今夜はこの星の輝きを確認する夜だけど」
 風速計を用意したロベリアは風を計りだした。
 クドリャフカが無言で風速計にライトを当てる。
「助かるよ」
 ロベリアが声を出して風を確認し、周囲を確認すると、京真の長い髪が風に思うままに遊ばれており、暗いところ以前に顔が見えてない。
「結構強いけど、テストだし」
 数値を確認したロベリアは、ふむと思案しつつもそう言い聞かせる。
 ヘカーを持った篝は目を丸くしていた。
「重……!」
「銃器は金属の塊だからね。けど、これは重たいよ。腰痛めないように気をつけて」
「お、おぅ……」
 クドリャフカが篝に銃の持ち方を簡潔に伝授する。昼にも説明はあったが使い方も一通り教える。緊張しつつも篝はしっかりと話を聞いて姿勢を正す。
 機動力を重視する人にはキツイだろうと篝は思案するも、銃を持つという高揚感は否めない。
 肩を震わせたフォニケがある方向を見つめる。
「音が……聞こえるわ」
 フォニケは自身の獲物であるウィップを構える。
 カペラとフォニケは試作の銃を構えるハンター達の警護役。作動不良などがあった際に彼女たちが盾となる。
「セイリオスの真価を試す時ね」
 前に出たロベリアがそう言えば、銃を構えた。マテリアルを集中させると、一気に輝き出して周囲が昼のように照らし出す。
 岩山の向こうで影を見つけた。
 狼型の歪虚と確認したロベリアは即座に一発発射した。
 足の付け根に命中したが、銃の威力で狼は後方へと転げてしまう。
 効果時間があるようで、一度の照射で長くはもたない。
「昼間使ったときはこっちまで視界をやられそうだったし、光量押さえられないかしら?」
「確かにそうね。射撃場、フィールドと銃身自体は安定してるわ」
 後方へ下がって弾を装てんするロベリアにメモを取ってるノワールが声をかけ、ロベリアの体感もメモに書き加える。
「あ、西方向より鹿型雑魔が来てるから気をつけてね」
 ペンを指しつつ、ノワールが声をかけるとロベリアは「了解」と応え、素早い動きをする鹿型歪虚の動きを捉えて撃ち倒していく。
 セイリオスの照射には他の歪虚にも気づかれた模様。戦闘中というシチュエーションで篝の鼓動が高まっていく。
「ッヒャッハーーー! いっくぜぇ!」
 篝は敵の動きを把握して絶叫を上げて引き金を引く。爆発音に似た銃声を上げ、撃った反動の揺さぶりに篝は少し驚いてしまう。
 放たれた弾は鹿型歪虚の胴に当たり、中の散弾が歪虚の身体を抉っているのだろうか、意図せぬ身悶えに堪えられないように倒れこむ。
「当たった……」
 初めての実践射撃で当たったという事が篝のテンションをどんどん上げていく。
「よっし、次行くぜーーーー! あ、ペイント弾も試したい!」
「薬莢排出」
 ペイント弾を預かっているクドリャフカが声を入れた。
「照射時間はニ、三分ってところかしら。あ、次の弾を入れる時はマテリアルペイント弾を入れてもらえるかしら」
「わかりました」
 サイフを持った京真にノワールが声をかけて、預かっていたペイント弾を渡す。
 京真は銃身を折らせて、ペイント弾を装填する。
 再び銃を構える京真が狙った狼型歪虚は京真の狙いを気づいていたのか、音に反応して素早くかわしたが、耳の半分を吹き飛ばして歪虚の後ろにあった岩へと最終的に着弾した。
 「外してしまいましたか」
 銃自体の威力は弱いが、安定感があると京真は感じた。
「でも、岩に付着していますので、時間の経過でまた違うと思います」
 淡々としてても少し残念そうに呟く京真であるが、ネージュがフォローを入れる。
 歪虚は粗方退却してしまったか倒されてしまった。
「夜の深追いは危険だね。夜も更けているし、帰るのが得策だね」
 クドリャフカが言えば、全員が同意した。

 テミスに戻り、やたら大きな体のパルムが出迎えてくれた。
 皆は温泉で汗を流したり、そのまま寝て朝風呂にしようと決め込むものもいた。
 朝になってそれぞれで起きて食事を取る。
「セイリオスだけど、あれはライフルにしたほうがいい」
「ヘカーだけど、あれ重たいから、走ったりする人には向かないんじゃねぇかな」
「サイフもそうですね」
 ハンター達の意見を一旦取りまとめつつ、カペラとフォニケがメモをしていく。
「弾はあまり特殊すぎない方がいいと思うわ」
「そうね」
 メモをまとめつつ、カペラが頷く。
「工房に持って帰って、やり直しするわ」
「それには同意するけど、昼の実践もまとめてね」
 クドリャフカが言うと、「勿論」とカペラは返した。

 日が昇りきらぬ前に再び現場へとハンターとカペラ達が向かう。
「さーって、どうなってるかしらー」
 軽やかにノワールがペイント弾薬に付着した岩を見つめる。
 自身で付着部分に影を作って発光具合を確認。
「約十二時間でかなり薄くなってるわね」
 メモを書きつつ、ノワールが呟く。

 「来たようだね」
 軽やかに岩から降りたクドリャフカの手にはウサギの足が握られていた。
 血抜きしようとウサギの後足を縛ると、フォニケがこれ使ってとナイフを渡す。隣あっている高い岩の間にナイフを突き刺してウサギを吊す。
「さ、片づけよう」
「はい」
 ヘカーを携えたクドリャフカが前に出ると、ネージュもサイフを構える。
 耳が欠けた狼型歪虚を捉えたネージュは夕べの歪虚と確信した。
 欠けたところにマテリアルペイント弾だろう発光が見られた。
「色は虹色っぽいけど、他の色に変えられるのか?」
「複数の色でやれるように考えているわ」
 クドリャフカのガードに入った篝の問いにカペラが頷く。
 ネージュは耳がかけた狼を自身が倒そうと思い、サイフをしっかり構える。
 狼もまた、ネージュの気配を察知したのか、まっすぐ駆けていく。
 他の鹿型歪虚がハンター達に気づき、横から現れて走り出した。
 しかし、その動きはクドリャフカの視界に捉えられている。
 機動力を捨てた彼女は歪虚をしとめるため、集中していた。
 引き金を引くのは今と感じた瞬間、クドリャフカは一気にマテリアルを流し込む。
 轟音を放ち、射出された弾丸は更なる威力となり、歪虚の両前足の付け根の真ん中へ打ち込まれた。
 首はあらぬ方向へと折れ、右足が散弾でちぎれ、歪虚は地へ吹き飛ばされ、一度跳ねて歪虚は沈黙した。
 耳がちぎれた狼型歪虚とネージュは狙いを研ぎすませ、一騎打ちのような状態。
 狙いを澄ませたネージュはもう逃がさないとばかりに引き金を引いた。
 安定した地面であったためか、銃の反動で軌道がブレることなく弾は歪虚へと向けられる。
 歪虚は避けようと跳躍する前に弾が眉間へと入り、散った弾が狼の頭いっぱいに埋め込まれた。
 衝撃で体が空へと跳躍したように見え、そのまま落下した。
 更に鹿型歪虚が姿を現す。
「依頼案内の時より増えてるようね」
 ロベリアがセイリオスを構えて照準を歪虚へ合わせる。
「一気にやっちまうか」
 剣を構える篝の声が号令となって、皆で一気に歪虚を片づけた。

 テミスへ戻る前に周囲を確認したハンターとカペラ達は歪虚を討伐完了したと決めて戻った。
 その際にバッファローが現れたので狩って皆でもって帰る。
 肉の解体はテミスに待機していたドワーフがやってくれたので、料理組は火を熾したり、回ってきた枝肉を切ったりしてバーベキューの準備を進めていく。
「サイフの話を聞いてると、ライフル寄りよねー。反動を感じるのが少ないのは悪くないわ」
「大きい銃器ですとその分、違いますしね」
 話の内容は銃器の話。
 ネージュとノワールは串に肉を刺しつつ、銃器の話をする。メモが出来ない状態なので、只管喋って頭の中に留めておくようだ。
 タレの味付けは京真に任せている模様。
「向こうでミーティングが始まってますよ。こちらは任せていってらっしゃい」
 京真が言えば、ノワールは「お言葉に甘えちゃうわ!」と言ってミーティングの輪の中に入ると、何故か篝が「手伝えるけど……することある?」と言って京真とネージュに声をかけて料理組となる。
 ミーティングの内容はやはり、軽量化してライフルで運用した方がよいという方向で纏めている。
「セイリオスのあのマテリアルはまた改良が必要ね」
「眩しすぎたね」
「ま、やりすぎはよくない」
「セイリオスは銃身はおいといて、あのマテリアルを小型銃に取り付けて囮として扱うのもありと思うわ」
 ペイント弾に関しては色々な銃に対応できるとよいという話が上がった。
「さ、肉が焼けましたよ」
 京真達が大皿を持って食卓に並べる。
 未成年や下戸にも飲めるエールやブドウ酒で乾杯し、打ち上げが始まった。
 食べ盛りよろしくお腹一杯になった篝が風呂に入ろうとして迷子になりかける。
 テミスに住み込んでいるパルムに案内してもらったが、京真が即追いついてパルムを温泉に近寄らせないように配慮するという事態があった。

 手伝ってくれたハンターに感謝し、色々どっさり課題を抱えてカペラ達は工房へと戻る事になる。

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MVP一覧

  • 軌跡を辿った今に笑む
    ロベリア・李ka4206

重体一覧

参加者一覧

  • 甘蜜の祝い人
    ネージュ(ka0049
    人間(紅)|12才|女性|疾影士
  • 打鞠拳の哲学
    紫条京真(ka0777
    人間(蒼)|28才|男性|聖導士
  • マテリアル調査員
    ノアール=プレアール(ka1623
    人間(紅)|23才|女性|機導師
  • 軌跡を辿った今に笑む
    ロベリア・李(ka4206
    人間(蒼)|38才|女性|機導師
  • 遥か遠きプレアデス
    クドリャフカ(ka4594
    人間(蒼)|17才|女性|猟撃士
  • 熱い心は友を紡ぐ
    恙祓 篝(ka5138
    人間(蒼)|17才|男性|舞刀士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 試作品テスト
ロベリア・李(ka4206
人間(リアルブルー)|38才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2015/08/01 00:57:52
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/07/31 09:19:57