Co-sleeping

マスター:君矢

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/10/11 12:00
完成日
2015/10/18 22:04

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 崖に沿って作られた峠の道を、男の子が人形たちを引き連れてふらふら、ふらふらと歩いている。
 男の子はパジャマに三角形のナイトキャップという姿だった。ナイトキャップからはみ出した桃色の髪の毛が歩調に合わせて揺れている。その姿は自宅のベッドから寝ぼけて出てきてしまったようで、峠道の荒涼とした風景から浮いていた。
 男の子は一体、どこから歩いてきたのだろうか。男の子の足で歩ける距離に人家はない。

 男の子は、抱きしめた枕に顔をうずめながら、おぼつかない足取りで峠を歩いていく。
「…………い、…………いよ……」
 呟く声は枕に吸い込まれて消えてしまった。
 男の子はふらふら、ふらふらと歩きペタンと座り込んでしまう。そのまま眠ってしまいそうな雰囲気に、周りにいる人形たちが男の子を励まし立ち上がらせていた。



 狭い峠道は、片側は垂直に切りたった壁のようで地質が脆く触るとボロボロと崩れてしまい、反対側は足を踏み外せばどこまでも落ちていく崖、そして道幅は荷馬車が一台通れるくらいという悪路だった。
 峠の途中に崖の上に広く突き出した大きな一枚岩がある。この場所を通行する人々から貴重な休憩場所として重宝されていた。

 夜、美しく輝く満点の星の下、大きな一枚岩の上、旅人たちがここで一晩を明かそうと集まっていた。岩の真ん中にたき火を一つ用意する。寝る準備をすると、自然とたき火の周りに酒と食料を持ち集まっていた。
 旅の途中で偶然この場に居合わせた旅人たちで、酒がすすみ話に花が咲く。このひと時を楽しんでいる楽しそうな顔が赤い炎に浮かび上がっていた。会話は通ってきた村の事情であったり、旅の途中で目撃した珍しい物についてであったり、郷里に残してきた家族についてだった。
 ふと気配を感じて男が振り返る。夜の闇の中、枕を抱きしめた男の子が近寄ってくるのが見えた。
「お!? まだ子供じゃないか。ボウズ、親はどうした」
 男は立ち上がり子供に声をかける。
 素面であれば、こんな峠道にパジャマ姿の男の子がいることに違和感を持ったかもしれないが、雰囲気と酒に酔った男はパジャマじゃ寒いだろうなぁとのんきな感想を持っただけだった。
「……い。……」
「どうだ。火のそばに来いよ。あったかいぞ」
「うるさい! ねたいの!」
 男の子の叫び声に、たき火を囲んでいた旅人たちは何事かと驚いた。
「おい、どうしたんだ」
 男は少年を宥めようと近寄る。
「ミィ! やっちゃえ!」
 男の子は子供特有の甲高い声で叫び、付き従う人形たちに命じる。枕から上げた頭には、羊のような角が一対生えていた。
 男の子の声に反応した人形が素早く前に出る。
 男は足に激しい痛みを感じて倒れた。岩の上に男の足から流れた血がゆっくりと広がっていく。
「ぐ、ぐぁぁぁ……ぐ………」
 痛みにのたうち回っている男に人形が近寄り、ナタを男の頭に向かって振り下ろした。
 星空の下、骨が割れる音が響く。

 たき火の周りに集まっていた旅人たちは、炎の向こうに見える光景を呆然と見ていることしか出来なかった。
 楽しかった雑談と目の前の出来事の差が大きすぎて、現実だと呑み込めない。男の子の駄々をこねる声だけが夜に響く。
「ねたいのに……。ポトルのじゃまするなよぉ……」
 男の子は寝言の様な声を上げる。相変わらず枕を抱きしめている右手に香袋を持っていた。
 男の子が動けない旅人たちに向かって香袋を強く握りしめると、甘い香りが撒き散らされた。
「う…………」
 旅人たちは、甘くて美味しそうな香りに包まれて深い眠りの沼に落ちていった。



「峠の岩の上に人が倒れていると、通りかかった商人たちが目撃しました」
 ハンターオフィスの受付係が今回の依頼を説明している。
「目撃者によると、倒れている人を助けようとして近寄った仲間もバタリと倒れてしまったそうです。何が起こったのか分からず、不用意に近づいて犠牲者を増やすことも出来ないためハンターに依頼することにしたそうです。生死や詳しい状況などわかっておりません。峠道の安全確保と倒れている人たちの救助をお願いします」

リプレイ本文

 切りたった崖に沿うように作られた峠道を五人のハンターが歩いていく。土と岩ばかりで代わり映えのしない峠道は、青空と茶色のくっきりとしたコントラストがちっとも進んでいないような錯覚を起こさせた。
「さて、十中八九何者かの仕業だろうが……。歪虚の仕業だと断定するのは時期尚早だな」
 依頼内容は旅人たちの救出と安全確保だったなと思い返しながら歩くドワーフの聖導士ロニ・カルディス(ka0551)は、地形を確認するために崖を触ってみた。
 峠の地質は脆いらしく壁は手で触れた部分からボロボロと崩れ落ちてしまった。地面は、長い時間をかけて旅人たちが踏み固めてきたおかげか硬い道が続いている。
「実際に見てみないとわからないですよね」
 ロニの言葉にエルフの猟撃士ミオレスカ(ka3496)は同意した。
「あれがそうじゃないかな」
 足取り軽く先頭を歩いているエルフの霊闘士リューリ・ハルマ(ka0502)が峠の先を指さした。そこだけ色の違う大きく平たい一枚岩が峠道から谷へと向かって張り出していた。



「……なんだってこんな所で寝てるンだ、あの……歪虚っぽいのは……」
 呆れたように呟いたのは東方出身の鬼、格闘士の万歳丸(ka5665)だ。 彼の視線の先には一枚岩の上で横たわっている人影がある。
 一枚岩の上には複数の人影がある。そのほとんどは寝ていて、立っているのは人の膝くらいまでしかないような小さい何かだ。
「円をかくように横たわっているのが、依頼にあった旅人さんたちでしょうか」
 ミオレスカも一枚岩の上を観察した。たまに身じろぎしているので生きているのが確認できる。寝ているのだろうか。
「その内側にいるのは人形だよね。ナタを持っているみたいだし。歪虚だね」
 乗ってきた軍馬を安全な場所につないできた疾影士のアルト・ヴァレンティーニ(ka3109)が言った。素朴な外見と大きな瞳が可愛らしいが、ただの人形はナタを持って周囲を見張ってなどいないだろうし支えもなく立つことなどないだろう。
「中心で寝ているのも歪虚だろう。寝る子は育つというが、アレは育ちきる前にどうにかしないといけないな」
 ロニは、枕に顔をうずめて寝ている少年を見ていった。
「寝てる旅人には手を出してないから一緒に寝てくれる人が欲しいのかな?」
 万歳丸の隣に立って様子を見ているリューリの意見だった。
 その少年は人形に守られるように寝ているので細かいところはよく分からない。しかし、このような場所にいる少年が普通の少年であるはずがないというのが五人の共通した意見だった。
「たとえ相手があどけない少年の姿をしていても斬れる。特にそれが歪虚だと言うならね。ただ、まあ、気分は良くないな」
 幼少時から、例え身内でも敵として出会ったならば迷わず切れと教育されていたアルトは歪虚が少年の姿をしていると分かっても動じずに言った。

 相談の結果、左右二組に分かれて遠距離攻撃をし、歪虚たちを引きずり出そうということになった。
 右側に、リューリ・ミオレスカ・万歳丸。 左側に、ロニ・アルトという組み合わせだ。
「左右から同時に遠距離攻撃を仕掛けて、救助対象から敵を引き離す。引き離せたら戻れないように足止めしつつ追撃だ」
 ロニが手順を確認する。
「寄ってこなければ、寝ている人に近づき誘い出しを試みよう」
 アルトが補足した。



「寝ている旅人と歪虚の距離が近いし、攻撃に巻き込まないように注意しないとね」
 歪虚たちが横たわっている旅人を盾にするようなら素早く割り込めるように注意しつつリューリが言う。
「オレが守ってやらぁ。安心して狙いをつけな」
 万歳丸は、拳銃を構えたミオレスカの前に出て、遠距離攻撃で歪虚たちが殺到してきた場合に備えた。
「ありがとうございます。こういう時のために、射撃の腕を磨いています」
 ミオレスカは魔導拳銃エア・スティーラーにマテリアルを流し込む。マテリアルによって射撃精度を高めると限界射程を超えた場所から、人形の姿をした雑魔に狙いつけ連続射撃フォールシュートを放った。装填されていたすべての弾丸が一斉に発射され歪虚へ殺到する。

「今だ!」
 左側に配置についたロニは、ミオレスカの攻撃にタイミングを合わせてシャドウブリッドを放つ。影のような黒い塊が、弾丸と共に歪虚に降り注いだ。
 人形の雑魔は素早い動きで弾丸を避けるが、その内側で寝ていた少年は反応することも出来ずに弾丸とシャドウブリッドの両方をまともにくらってしまった。
「ギャァ」
 と少年特有の高い声で悲鳴が上がる。人形たちは心配そうに少年の顔を覗き込んだ。
「痛いよ! 見張ってろって言っただろ! 何してるんだよ!」
 少年は泣き声を出すと雑魔たちに怒鳴り散らした。雑魔たちは、少年に注意を払うばかりで反撃に出ようとはしない。
「おいおい、そんなシケた態度見せてンじゃねェよ!俺達ァお前らの敵だぜ?」
 雑魔たちが前に出てこないのを見て、万歳丸は距離を詰めると体内のマテリアルを練り上げ気功波を放ち、歪虚たちに攻撃を加えて煽る。
 リューリは自身にコンバートソウルをかけて戦闘能力を引き上げると、あえて歪虚たちの正面に躍り出た。わざと姿をさらすことで雑魔たちの注意を引きつける。
 アルトも道に近い位置に横たわっている旅人へ近づく。味方とタイミングを合わせて旅人を戦闘の邪魔にならない位置まで移動させるためだ。
 歪虚たちは、ナタを構えてハンターたちの動きに注視しているようだが動こうとはせずに、守りの姿勢だった。
「大丈夫? 起きて!」
 リューリは、旅人を動かせないだろうかと様子を確認した。
 旅人は、頬がこけていてだいぶ衰弱しているようだった。しかし、旅人はみな幸せそうな表情をしていてその衰弱ぶりと対照的だった。
「衰弱させるくらい寝かしちゃうのはダメだから、ぐーぱんちでお仕置きだよ!」
 リューリは改めて旅人たちを衰弱させたであろう歪虚に向き合う。
 ロニは歪虚たちが纏まっているのを見て動きを阻害するために、後方から静かにレクイエムを歌いあげる。
「うるさいな! お前たちも寝ちゃえ! ボクの邪魔するな!」
 近寄ったハンターに反応したのか、突然少年が叫ぶ。右手に持った香袋を近寄っていたリューリやアルトに向けて握りしめた。ふわりと甘く美味しそうな匂いが辺りに充満した。
「なっ」
「……っ」
 甘い香りに包まれたアルトとリューリは急な眠気に襲われた。二人は抵抗するが眠気に耐え切れずその場に倒れ込んでしまった。
 倒れた二人に人形の雑魔が集まる。四体がそれぞれの足や腕を引っ張って移動させようとする。
「不味いな」
 ロニは雑魔と二人の間に割って入ると雑魔が二人を引っ張って下がれないように足止めをする。
 万歳丸も二人に駆け寄り、頬を叩きながら揺さぶった。
「おい、起きろ!」
「さっきのご飯美味しそうだったのに!」
「……くっ……」
 美味しい物を食べる夢を見ていたらしいリューリは、ご飯と叫んで飛び起きた。
 アルトは頭を振りつつ立ち上がる。
「みなさん! 歪虚が逃げてしまいます!」
 拳銃からロングボウ「フェイルノート」に持ち替えたミオレスカが叫んだ。さっきまで癇癪を起していた歪虚は、枕をしっかりと抱きしめて一枚岩の上を走って行く。
 ミオレスカは弓でとどく限り逃走する歪虚に攻撃を加えるが、少年の姿をした歪虚は振り返らずに戦場から逃げ出してしまった。
「一太刀くらい入れたかったが救出優先だな」
 親玉に逃げられたことを残念に思いつつアルトは、残っている雑魔に向き直った。

 雑魔たちは歪虚が逃走したことに対して動揺せずに、むしろ追跡を阻むためだろうか横たわっている旅人を踏み越えてハンターたちに飛びかかる。
 雑魔たちに踏まれた旅人たちはどうやら目覚めたらしく、「うっ」「な、に……?」とうめき声を上げてもがいていた。
「動けねェ身体で下手に動こうとするンじゃねえ!殺されるぞ!」
 と、万歳丸が起き上がろうともがく旅人たちに大喝した。その命令が聞こえたのか、旅人たちは無理に動くのをやめたようだった。
「これ以上、歪虚の被害者を生み出すわけにはいなかいな」
 ロニは雑魔たちが動き出したのを見て、旅人たちに被害が出ないように雑魔と救助対象である旅人の間に割り込んだ。
 雑魔は連携をとるわけではなく、とにかく動くものに攻撃を加えることにしたらしい。
「こっちだ!」
 アルトは自分を狙ってきた雑魔を引き離すように誘いながら巧みに誘い出していく。
 一体がロニめがけて手に持っていたナタを振り回した。雑魔の大きさは人間の膝上くらいの大きさしかないため、攻撃は下半身を狙ってくる。
 ロニは、腕に固定されたフリーハンドバックラーでナタを受け止めると強く押し返した。雑魔の小さい体は押し返された勢いで地面にコテンと転がる。
 他の雑魔は起き上がったばかりのリューリとアルト、二人に手を貸していた万歳丸へと襲い掛かった。
「アルトちゃん! 後ろ!」
 リューリは大身槍「白鵠」で雑魔のナタを受け止めつつ、アルトに背後から接近する敵を警告する。
「ありがと、っ!」
 アルトはリューリの声かに反応すると、鮮やかな緋色の上着を翻して大きく跳躍し死角からの攻撃を避ける。そして、雑魔を旅人たちから引き離すように移動した。
「……ッシ、こっちに来なァ、雑魚共!」
 万歳丸は身を低く構えて掲げたシールド「トゥルム」にナタの刃を当てて攻撃を防いだ。ナタの刃が盾に弾かれる乾いた音が一枚岩の上に響く。
「人を眠らせるだけで、危害を加えない歪虚、ではないですね。起きられずに衰弱なんて、絶対阻止しないと、いけません」
 もしも、助けがなければ旅人たちは岩の上で眠ったまま衰弱死していただろう。ミオレスカはそんな無残な死に方をさせる歪虚に残酷さを感じた。
 ミオレスカは弓を引き絞り高加速射撃を放った。マテリアルによって加速した矢はヒュンッと音を立てて一直線に雑魔に突き刺さる。
 ロニは、雑魔が再び旅人たちに近寄らないように立ち回りながら、クロノスサイズを振るった。
 雑魔は鋭く振るわれたそれを回避しようとして、転倒してしまいロニの攻撃をまともにくらってしまった。
 鎌の刃でザクッと切り裂かれた雑魔は傷口から白い綿の様な物をはみ出させると動かなくなった。
 その間にも、雑魔はナタを振り回してハンターたちを攻撃するがどれも簡単によけられてしまう。
「カカッ、得体の知れねェ妖怪よりゃァまだまだてめェらの方がこかし易いぜッ!」
 万歳丸はナタを振り回している雑魔にひるむことなく、その小さな体を掴むと最小限の力で軽々と投げ倒した。
「悪いが私の敵になった以上、どんな見た目だろうと斬る」
 アルトは向かってくる雑魔に向けて試作振動刀「オートMURAMASA」を構える。技師である双子の妹と共にバランスを調整した一振りだ。その刀を構えて自身が得意とする疾さの剣、連華を放つ。その連続攻撃は固まって行動していた二体の雑魔に命中する。二体の雑魔は人形の体に詰められていた綿を血の代わりに撒き散らした。
「覇亜亜亜亜ッ!」
 投げ飛ばした雑魔に対して、万歳丸は体内の気を練り上げて攻撃力を高めた気功波を至近距離から放った。バトラー・グローブから放たれた気功波は起き上がれずにいた雑魔に直撃する。
 もがいていた雑魔にさけられるはずもなく胴体に一撃をくらうと人形の体からクタリと力が抜けて動かなくなってしまった。
「これでとどめ!」
 リューリは、祖霊の力を込めた白鵠を大きく振って雑魔を貫くクラッシュブロウを放つ。クラッシュブロウは、雑魔の急所を貫通した。
 雑魔は貫いた槍を引き抜こうともがくが限界だったのだろう、綿がはみ出てボロボロの体は動きを止めた。


「おはようございます。状況、わかりますか?」
「……ぉう……」
「もう大丈夫ですよ」
 ミオレスカは旅人たちに声をかけながら一人一人応急手当をして状態を確認していく。横たわって寝ていた旅人たちは、衰弱は激しいものの怪我はほとんどなかった。
「ミオレスカさん。火が起こせそうだよ」
 一枚岩の上に残っていたたき火跡を調べていたリューリが声をかけた。
「白湯の用意に、パンも温めましょう。もう少し、待っていてくださいね」
 ミオレスカは、温かい物を食べて衰弱した体を少しでも回復できるようにと用意を始める。
「動けない方は分担して運ばないといけませんね。どうしましょうか」
 ミオレスカはたき火の火を熾しながら言った。
「依頼主さんに迎えを頼んでみたから、そのうち来てくれると思うな」
 事前に依頼主に頼んでおいたリューリは火おこしを手伝いながら答えた。

 ロニと万歳丸は、念のため歪虚の残りが隠れていないか確認をしていた。倒された雑魔はすでになんの痕跡も残さず消えてしまっていた。
「とにかく、これで道の安全は確保できたな」
 一枚岩の上を見渡しながらロニが呟いた。そこへ、応急手当が一息ついたミオレスカがやってきて横に立つ。
「しかし、おかしなヤツだったな。往来のど真ん中にあらわれて何もしねェ……が、一つだけ、共感できる。野宿続きン時、多少固くても平たい一枚岩で眠りたくなる……その気持ちよく分かるぜ……」
 過去の何かを思い出しているのだろうか、万歳丸がしみじみと言った。
「逃げてしまった歪虚、珍しい感じでしたね。記録と、オフィスへの情報提供は、しっかりしておかないといけませんね」
 ミオレスカは逃走した歪虚が走って行った方角を見ながら言った。

 アルトは、亡くなってしまった旅人を軍馬に乗せて運ぶべく遺体を整えていた。街に戻ってからの事を考えて、ぽつりと呟く。
「街まで衰弱した方を送って、亡くなった人を埋葬して。それで、この依頼は終わりだね」
 いや、まだ逃走した歪虚が残っていると思いなおす。犠牲者に心の中で語りかけた。安らかに眠って欲しい。ボクが貴方に対し出来ることがあるとしたら、アレを殺して敵を取ることだなと。

依頼結果

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重体一覧

参加者一覧

  • 元気な墓守猫
    リューリ・ハルマ(ka0502
    エルフ|20才|女性|霊闘士
  • 支援巧者
    ロニ・カルディス(ka0551
    ドワーフ|20才|男性|聖導士
  • 茨の王
    アルト・ヴァレンティーニ(ka3109
    人間(紅)|21才|女性|疾影士
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカ(ka3496
    エルフ|18才|女性|猟撃士
  • パティの相棒
    万歳丸(ka5665
    鬼|17才|男性|格闘士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
リューリ・ハルマ(ka0502
エルフ|20才|女性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2015/10/11 10:09:48
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/10/10 18:21:10