• 幻森

【幻森】蝕斬の道

マスター:鷹羽柊架

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
6日
締切
2015/11/17 09:00
完成日
2015/11/23 15:06

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング


 幻獣の森を巡る争いは、『歪虚連合軍』と『幻獣王親衛隊』の激突という形へ発展した。
 幻獣を守るべく動き出した親衛隊は歪虚に対して有利な戦いを繰り広げ、敵をヤオト渓谷へ撤退させるまでに至った。
 ここで幻獣王チューダは敵の追撃を命じ、幻獣の戦士ツキウサギがこれに従って敵を追撃した。しかし、この撤退が敵の計略だと判明する頃には、ツキウサギら追撃部隊の退路は伏兵によって断たれていた。

 敵の計略で形勢が逆転する状況。
 危機的状況を招いた王チューダは、頭を掻きながら言い放つ。
「あー。えーっと……後はみんなで何とかすであります」


 敵をヤオト渓谷へ撤退させ、チューダより追撃攻撃の許可をもらったときのこと。
 チューダより許可を貰ったツキウサギは気合い十分に戦いへ挑んだ。
「ツキウサギ、やる気が十分なのはわかってるけど、落ち着いて」
 宥めるファリフが先を駆けるツキウサギを鎮める。
「気持ちが先走っているのは承知の上っす」
 ファリフやハンター達を待つようにツキウサギは駆け足の状態で足踏みをする。
「ナーランギ様は結界が弱くなっていくのを察すると、どんどんふさぎ込んでいったっす」
 キネを担いだまま話し出すツキウサギは足踏みを止めた。
「歪虚の動きも次第に見かけるようになると更に……」
 元気をなくしたようにツキウサギは頭を垂れる。
「悪循環ってやつだね」
 ファリフが言葉を汲むと、ツキウサギは頷く。
「ナーランギ様は戦うことを決めたっす。それが嬉しくて、歪虚を倒したことをナーランギ様に早く伝えたいっす!」
 テンションが上がっているツキウサギにファリフは微笑む。自身もまた、同じ行動をとる感情でもあるからだ。
「いこう、一緒に」
 ファリフが言えば、皆が先へ進む。
 そして、ツキウサギをはじめ、ファリフ、フェンリル、同行したハンターたちが渓谷で敵の奇襲に遭い、退路を断たれてしまった。



 スコール族の族長代理であるカオン・スコールはファリフが敵襲にあって、退路を断たれた状態であることを知らされる。
「ファリフ……!」
 青ざめるカオンであるが、今回の戦いの指揮官は誰であるか尋ねると、チューダという幻獣と言われた。
「幻獣が……? 追撃命令を出したのはオイマトの族長ではないのですね……」
 あの聡いオイマト族の長がそのような追撃をするとは考えられない。今回の救出の依頼がオイマト族の長の手配にカオンは安堵した。
 ファリフの手紙の中にあったチューダの存在はカオンも知ってる。
 人手が足りないので、来てほしいという話にカオンは儚げな様子を消して、厳しい表情でチューダのもとへと向かった。


「幻獣王チューダはどこにおられる!」
「ぎゃっ!? もう青木って奴が来たでありますか? 早くバタルトゥの側に行くであります!」
 青木の存在を聞かされてビビりまくるチューダは、バタルトゥに守って貰おうと必死でその姿を探す。
 そこへ華奢な少女が姿を現して、辺りを見回す。
「幻獣王チューダ! スコール族が長代理、カオン・スコールが参った! どこにおられるか!」
 臨戦態勢宜しく、声を張り上げるカオンはチューダを探している。
 当のチューダはカオンの足元にいるのに気付いていない。
「わ、我輩はこちらであります!」
 青木が現れた訳ではないと分かったチューダだったが、無視されることに不満を持ち、カオンに負けない声を張り上げた。
 カオンの鋭い視線に肩を竦めてしまうチューダだが、頑張って胸を張る。
「……え、幻獣王チューダ……?」
「そうであります!」
 カオンがチューダの姿を確認した事に満足したかのようにチューダはこれでもかと胸を張っている。
 ショックを受けているカオンはチューダがお腹まわりがたっぷりある老獪な人物であるというイメージしかなく、まさかのボール状のネズミとは思えなかった。
 確かに、お腹周りは更に大きくなりそうとカオンも同意できる。
「ふふ。さては我輩の窮地を聞きつけて助けに来たのでありますな!」
「……え?」
「あー、みなまで言うなであります。すべてを我輩は察したであります。
 では、早速指示を与えるのです。我輩の親衛隊と一緒に孤立したファリフ達を助けに行くであります!」
「親衛隊……?」
 目を見張るカオンにチューダは「まぁ、我輩よりは弱いでありますが、足は引っ張らないであります」と自身の能力を誇示するように得意げだ。
「幻獣のイェジドも貸してやるであります! さっさと助けに行くです!」
 とてつもなく偉そうなネズミにカオンは不安しか感じない。
 チューダの言う親衛隊がハンターの事と理解してないカオンはとりあえず、ハンターに協力を要請した。

リプレイ本文

 スコール族長代理のカオンの呼びかけに応じたハンター達は即座に幻獣の森へと集まった。
 今回、フェンリルの眷属であるイェジドがハンターを乗せて向かってくれるという話。
 緊急を要する事と、フェンリルとツキウサギを助ける為にチューダが手を回してくれたらしい。
 気が立っているような様子のイェジド達は戦いを今かと待ちわびているようだ。
 ケイルカ(ka4121)がイェジド達を見回し、一体のイェジドの前に立つ。
「この子に決めた」
 イェジドは個体差がそれなりにある。
 毛の色も銀や白銀の明るさから、灰色に近いもの、瞳の色もブラウン系が多く見られたが、他の色の瞳を持つものもいた。
 ケイルカが見つけたイェジドは銀の毛並みに赤い瞳のイェジド。
 身体の大きさでイェジドがケイルカを見下すようすであるが、ケイルカはにっこり微笑む。
「とても綺麗ね、素敵よ」
 彼女の誉め言葉が通じたのか、どこかまんざらでもなさそうな様子を見せる。
「短い間だけど一緒に戦う相棒だから名前を付けてあげる。
 ……イリヤ……どうかしら?」
 人間に名前をつけられてイェジドは驚いた様子を見せたが、目を細めて「生意気なやつだ」といわんばかりの様子へと変える。
「頑張ろうね、イリヤちゃん」
 ケイルカとイリヤのやり取りの他にネージュ(ka0049)もイェジドに挨拶をしていた。
「今回は、お願いします。移動や回避はすべてお任せします。私は乗っている限り背中にひっついていますから、思うまま走ってください」
 イェジドは見下しているようであったが、彼女は真剣な眼差しであった。
「早く、ファリフさん達を助けたいんです」
 ネージュの真剣な声音にイェジドは「乗れ」と言わんばかりに顎を振る。
「ところで、そのまま乗ってよいのでしょうか」
 今の所、鞍や手綱等の道具は渡されない。
「多分……」
 レイ・T・ベッドフォード(ka2398)の質問にグリムバルド・グリーンウッド(ka4409)が自信なさげに呟く。
 上泉 澪(ka0518)がそのまま乗ると、イェジドが周囲をたったか歩いてくれた。
「そのまま乗って大丈夫なようですよ」
「え、それって、毛がブチっといかない……?」
 心配するケイルカに「さっさと乗れ」と言わんばかりにイリヤが吠える。
「姉上……?」
 レイが気にかけるのはガーベラ・M・ベッドフォード(ka2401)だった。
 玲瓏とした美しい顔を崩さなかったが、どこか、心が此処に在らず……というニュアンスをレイは感じ取った。
「察する状況をどう、感じているのか……」
 ガーベラが指し示す相手が誰であるのかはレイは気付いている。
「……何だか、死ななそうな」
 あさっての方向を見て答えるレイにガーベラは口元を少しだけ緩める。
「嬉々として状況を楽しんでいるような気がするわね」
 けれど、告げられた状況は一刻を争う。
「迎えに行きましょう」
 ガーベラの言葉にハンター達が頷いた。
 ハンター達は恐る恐る乗ったり、淡々と乗りこなそうとしつつ、出発していった。


 イェジドに乗って救出に向かったハンター達は、イェジドが駆けるスピードの速さに発生する冷たい風と振動に最初は苦戦してしまう。
 力任せに握られたら嫌な様子を見せるが、程々の力で手のひら全体で捕まるようにするのは気にしない模様。
 雷鳴に気づいた澪が顔を上げると、自分達が向かっている方向のヤオト渓谷の奥の方より燃え上がる煙に気づいた。
「攻撃から繰り出したようなものではないと思う」
 ケイルカが言えば、レイも「左様でございますね」と同意する。
「火を使って、何かを燃やしたような煙にも見えますが、植物を燃やすには火が見えてません」
 ネージュが考え込みながら言う。
「もしかしたら、ファリフ達かもしれないな」
 煙を見上げつつ、グリムバルドが頷く。
「闇雲に探すよりは、その煙を手がかりにするのがいいわね。レイ、前に出て急ぎなさい」
 ガーベラは後ろを走るレイとイェジドに命令すると、レイがイェジドに声をかけるよりも早く、イェジドがスピードをあげた。

 前を走るレイとグリムバルドが前方遠くにオークが歩く姿を見つけた。
 巨体のオークはハンター達の方へと歩いており、ハンターの姿は即座に気づいたようだった。
 オークの側面から更に駆ける音に気づく。
 側面は傾斜となっており、道がある状態ではない。
 駆け落ちるかのように滑ってきたのは狼型歪虚が四体、オークを守るかのようにハンター達の前に立ちはだかる。
 敵の姿にレイは自分が乗るイェジドに声をかける。
「恐れながら、イェジド様。私は姉上を仲間たるハンターの皆様を守る壁でありたいと存じます」
 レイの言葉に「どういうことだ」とイェジドがレイを振り向く。
「イェジド様と共に飛び込もうと。お付き合い願えますか」
 レイの言葉にイェジドは牙を剥きだして愉快そうだ。
 承諾を得られたと感じるにふさわしく、イエジドは中へと突っ走る。
「参ります!」
 叫ぶレイと共にイェジドが跳躍し、狼の中へと飛び込む。
 餌が飛び込んできたと言わんばかりに狼はレイの方へと駆け込んだ。
 レイが構えているのは2メートルはあるハルバード「ヒュペリオン」。
 素早く、狼がレイへ噛みつくものが出てきても彼は怯まず、武器を大きく振りかぶる。
 大型武器の重量とレイが振るう衝撃で周囲の狼達が吹き飛ばされていく。
 更にレイはイェジドより降りてオークと対峙する。
「お見事」
 レイへ言葉をかけた澪が向かったのはレイに吹き飛ばされた狼達。
 致命傷にはなってないものもいたようであり、再びレイへ向かおうとしていた。
 イェジドに騎乗したまま、澪が大太刀を抜いた。
「このまま行きます」
 澪がイェジドに言えば、速度を落とすことなく突き進む。
 狼も澪に気づいたのか、方向をレイから澪へと駆けだした。
 深い渓谷にやっと届くような光を受けた澪の大太刀は虹色に煌めいていた。
 彼女は大きく構えることはなく、イェジドのスピードに身を任せた。
 無理な負荷は互いのためにならないからだ。
 刃を深く狼の首を押し当ててイエジドのスピードに合わせることと、祖霊の力を頼り、刀を引き抜く。
 その威力は高く、狼の首が跳ね飛んでいき、残った胴体は崩れ滑るように倒れた。
「足の速い奴らからやるぞ」
 グリムバルドがイェジドに言えば、敵を見つけた興奮で更に速度を上げている。
 振動で揺らぐイェジドにグリムバルドは必死に捕まってマテリアルを流し込むために剣を構える。
「レイ! 後ろをとれ!」
 グリムバルドの剣からあふれんばかりのマテリアルが循環されて炎を錬成しているようであった。
「承知!」
 オークと対峙していたレイがグリムバルドの言葉に気づき、ハルバードを薙いでオークの体勢を崩し、背後をとった。
「行くぜ!」
 グリムバルドが言えば、澪も気づいてイェジドの速度を落とすように願う。
 剣を経由して発動されたのは赤く燃える炎だ。
 燃え盛る炎は扇状に広がり、周囲の狼やオークを燃やしていく。
 レイは対峙していたオークが結果、盾となり熱に顔をしかめた。
 ふっと、レイが振り向くと、煙が上がっていた方向から爆発音が聞こえた。
 つぶやいたレイの言葉は誰にも聞こえなかった。
「……生きて帰ってきますね」
 レイはそう、確信し、オークにとどめの一撃を打ち込んだ。
「レイ、今は戦いの時、集中し、しとめなさい」
 ガーベラの言葉にレイは背筋をのばして返事を返した。命令と共にヒーリングスフィアが飛んできたのはありがたかった。

 異変に気づいたようなネージュはイェジドにしっかり捕まるように姿勢を低く、少々ごわついた毛に体をうずめて様子を見ていた。
 沢山の足跡の中だが、獣達や歪虚はあの煙のへ向かっている。
 先ほど現れた狼は上の方から来たのだ。
 その方向に敵のアジトでもあるのだろうか……。
 今回は他の歪虚の姿が見受けられており、方々にハンター達が向かっていた。
 他の歪虚の所にいた歪虚がこちらに回ってきたのかもしれない。
 徹底的に幻獣達を叩きのめす為なのか……自分達が乗ってきたイェジドが狙いなのかはまだ判断は出来ない。
 もし、歪虚の中で伝令役がいれば、確実にしとめなくてはならない。
 これ以上、歪虚が現れれば、こちらも潰れかねないからだ。
 ばちりと、ケイルカの目と合った。
 彼女もまた、同じ様子で伝令役を探していた。狼達をスリープクラウドで眠らせて、様子を伺う。
 起きて逃げられては意味がないので、ガーベラがセイクリッドフラッシュで動きを止め、更に動く狼がいるのであれば、ネージュが銃を撃ってトドメとする。
 スリープクラウドのガスが薄まっていくと、更に狼型、オークが姿を現した。
 狼は新たに現れたオークとは違う方向より現れ、、ネージュとケイルカを襲う。
「くっ……!」
 苦しげな声を上げたネージュは肩から腕にかけて狼の鋭い爪に皮膚を引き裂かれていた。
 ケイルカは狼に体当たりをされて、転げ落ちそうになるも、落ちまいとケイルカはイェジドにつかまっている。
 イリヤと呼ばれているイェジドは狼型歪虚に爪を立てて腕を捕まえて噛み付こうとしていた。
「……イリヤちゃん!」
 イェジドが自分を守ってくれるような動きに応える様にケイルカがワンド「ゴールデン・バウ」を振り、至近距離で一本の矢を狼へ繰り出した。
 狼は光の矢を下顎に受け、吹き飛ばされてしまう。
 乱戦の中を潜り抜けるように駆け出す兎の姿がネージュの視界に入って来た。
「いました! グリムバルドさんの横を潜り抜けました!」
 乱戦となっている場所で走っていた兎は、戦場を脱出するような動きをしていた。
「逃がさない……!」
 獲物を見つけたといわんばかりにケイルカが叫ぶと同時にイリヤが駆け出す。
 兎は傾斜を駆け上がり、他の部隊へ援軍を呼ぶようであった。イリヤがスピードを上げても間に合うか否かの状態。
 ケイルカは即座にマジックアローを展開して兎を狙うも、騎乗している状態から速さを合わせる事が難しく、足を掠り、軌道を変えた。
 イリヤはその軌道を抑えた上で最短距離で兎の首ごと噛み千切ってしまう。
「イリヤ……ありがとう!」
 ほっとしたかのようなケイルカの言葉にイェジドは目を細め、次の獲物を狙うが為に動き出した。
 ちらりと、後方の様子を見ていたレイはハルバードを軽やかに振り、オークへとその刃を向けた。
 獣型とは違うオークを複数相手をしているのは、機動力がある狼を先に倒してほしいということから、レイは壁役を引き受けていた。
 グリムバルドの援護はあれど、レイは敵からの攻撃を受けざるを得ない。
 敵の攻撃は一撃が重く、自身の自己治癒や姉のヒーリングスフィアで傷は塞がれど、攻撃を受けたという衝撃は瞬時に回復されるものではない。
「貴方達と私……」
 殴打による眩暈に耐えつつも、壁という役割を彼は手放したりはしない。
「どちらがより優れた肉壁か……」
 オーガ達もまた、レイの攻撃で消耗はしている。
「今一度……参ります」
 疲労の中、レイは再び、武器を振り下ろした。オークもまた、自身が持つ武器をレイごと打ち砕こうと振り下ろす。
 更に追加された敵に手こずっている弟を見つつ、ガーベラは戦局があまり芳しくない事に目を細める。
 現状、グリムバルドや澪が狼を潰す事に最優先しており、オークの相手をしているのはレイだ。
 レイとそのイェジドは今、壁役として十分に仕事を発揮している。
 早く、突破せねばとガーベラが思案している瞬間、彼女は気付いたかのように顔を上げると、渓谷の奥から轟音が聞こえる。
 追撃部隊は無事であると、察しさせるような音だった。
 狼がガーベラへ駆けようとすると、レイが即座に狼を突き刺す。
「はぁ……っ!」
 気合と共にレイは刺した狼をオークへと振り投げた。
「あね……うえっ! ご無事……ですか……」
 息を切らせるレイにガーベラは平気であることと、ファリフ達、追撃部隊はまだ大丈夫と言った。
「早く……迎えに行けるように致します……」
 ガーベラを守るために一度後退したレイに合わせるようにグリムバルドが光の三角形を自身の前に発動させてデルタレイを展開していく。
 光がオーク達の身体を貫こうと伸びても動きが鈍くなるのが精一杯。オークの強固な筋肉にグリムバルドが顔を顰め、イェジドにオークの方へと走ってもらう。イェジドは一体のオークにしっかりしがみつき、かぶりつく。
「どれだけ固いんだかな……!」
 これならどうだと言わんばかりに魔導刀「シュヴィングング」を掲げて、一気にマテリアルを魔導刀へ流し込む。
 イェジドが傷つかないように巨大化されたサーベルをオークの頭へと叩き付け、オーガは倒れた。
 グリムバルドがオークに集中している間、別のオークがグリムバルドへと向かっていく。
「行きます」
 気付いた澪がイェジドへ声をかける。
 同時に後方にいたネージュも澪と同じく、グリムバルドに向かうオークに気付いて銃を発射してオークの足を撃つ。
 動きを阻害された事に気づいたオークが澪の方へと向かう。
「肉壁は私の……役目です……」
 レイが前線に駆けつけてオークの棍棒とハルバードがかち合う。
 もう一体のオークが槍を振り下ろし、レイの肩を打ちつける。レイの背後からガーベラが発動した光の衝撃波が槍を持ったオークに襲い、吹き倒された。
 澪が更に追い、起き上がろうとするオーガへ一気に間合を詰める。
 風の流れに逆らわないように澪が大太刀を構え、イェジドが飛び掛った。
 自然に澪とオークとの距離が消え、澪の大太刀に祖霊の力が流れ込み、オークの頭を削り落とす。
 このまま行けば、レイが最後のオークを倒せるだろうと感じたネージュは更に念を押していた。
 皆、消耗し、怪我もしている。
 先ほど、一体見つけ、ケイルカが始末したが、まだいるのだろうか……と、ネージュは訝しげに周囲を見回す。
 右手の方へ駆ける姿を見つけた。
 兎だ。
「狩りましょう」
 ネージュの言葉に呼応したイェジドが走り出す。兎の側面へ銃で威嚇射撃をし、自分達の方向へ転換させる。
 兎はネージュの気配に気付いているのだろう。逃げ回ることで必死だ。
 追いついたネージュがショートソードを振るなり、兎は反射的に飛び上がってしまい、それがフェイントである事に気づく。
「教えに行かせません」
 ネージュがそう言えば、兎の腹を切り裂いた。

 最後のオークを倒すことに成功し、出てきた敵は全て倒せた。
「皆様を迎えに行きましょう……」
 レイが言えば、彼が乗っていたイェジドは支えるように彼の後ろの立つ。
 頑張ったと言いたいのかも知れない。
 ハンターもイェジドも皆、同意見のようで、皆はゆっくりとファリフ達……追撃部隊を迎えに行った。

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重体一覧

参加者一覧

  • 甘蜜の祝い人
    ネージュ(ka0049
    人間(紅)|12才|女性|疾影士

  • 上泉 澪(ka0518
    人間(紅)|19才|女性|霊闘士
  • SKMコンサルタント
    レイ・T・ベッドフォード(ka2398
    人間(蒼)|26才|男性|霊闘士

  • ガーベラ・M・ベッドフォード(ka2401
    人間(紅)|28才|女性|聖導士
  • 紫陽
    ケイルカ(ka4121
    エルフ|15才|女性|魔術師
  • 友と、龍と、翔る
    グリムバルド・グリーンウッド(ka4409
    人間(蒼)|24才|男性|機導師

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ケイルカ(ka4121
エルフ|15才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2015/11/17 08:20:48
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/11/11 19:27:08