【審判】飲み相手募集 by ヘクス某

マスター:ムジカ・トラス

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~8人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
3日
締切
2016/01/27 22:00
完成日
2016/02/03 02:08

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング


 黄昏も過ぎた宵の口。空は既に群青に霞み、冷たい大気が王都を包み込もうとしていた。
「わざわざ見送りなんかしなくてもいいのに、さ。カリギリス大司教。もう良い歳なんだから……」
「いえ。ご多忙の中での多大なご協力、感謝致します、シャルシェレット卿」
「や、こちらこそ」
 厚い法衣は、老人の枯れ枝のような身体には重かろう。それでも丁寧に腰折り告げる老人に、ヘクス・シャルシェレット(kz0015)も礼を返した。
「御老体に無茶させちゃったかな」
 ――本当に、小さくなったね。
 言いながら、老人の姿にヘクスは内心でそう零し、世話になった幼少時代を省みる。
 同時に、頭の片隅で護衛も他の聖職者も引き連れず一人で見送りに出た老人の意図を推し量ろうとする自らの在り様に、苦笑が溢れた。
「貴方は、無理はなさっていませんか?」
 顔を上げると、老人の静かな目がヘクスを見据えていた。
 数日間にわたって言葉を交わした後だ。見慣れた顔が、少し違う色を含んでいるように見える。
 事実上の異端審問であった――と、物証がないにもかかわらず強気の尋問を受けたヘクスは思っている――が、この老人は終始温厚にして平静であった。老体に鞭打って間に入ったのは、ひょっとしたら、ただただ底なしの善意によるものかもしれない、とへクスに思わせるほどだ。例えば、老人にとっての教え子を、守るための。
「卿が仰るように、この数日は流石に堪えましたね。私が光の元にいく日もそう遠くは無いかもしれませんな」
「はは、いま君がいなくなったらセドリックの天下になっちゃうんじゃないかい?」
「彼は優秀ですから」
 それに、と。祈り手を組みながら、「この身が朽ちたとしても、それもエクラのお導きでしょう」と告げる。
「まあ、なるようにしかならないよね。……さて」
 白い吐息が風に流れていくのを眺めながら、老人の背中に手を添えた。
「これ以上は本当に身体に堪えるよ。見送りありがとう。本当に、身体には気をつけてね」
「ええ、ありがとう御座います。ヘクス様はこれからどちらに?」
「んー」
 つ、と路地を眺めながら、ヘクスは微笑んだ。
「ちょっと、飲みにね」


 見送るカリギリスを無理やりに聖堂教会に押し戻し、その場を後にした。約束の酒場は3番街区にある。決して近くはないが、凝った体をほぐすには丁度いい。
 想起するのはカリギリスの事だ。他の有象無象は兎も角、あの老人の真意については材料が不足しており結論は出せていない。短くはない付き合いすらも、ヘクスの判断を鈍らせる。ひょっとしたら、あの老人はただの善人、正真正銘の聖人候補かもしれない、と。
 けれど。
「……怨むのなら、馬鹿正直なエリーを恨むんだよ、カリギリス」
 今はこの刃を突き立てよう。予定通りに、粛々と。そうでなければ、鉄火場を放り捨てて此処まで足を運んだ意味がないのだから。

 荒ぶ冷風が、今はやけに心地よく感じられた。


「やあ! よく来てくれたね!」
 1時間後。ヘクス・シャルシェレットは分厚いソファに身を沈めながら、とある店を訪れたハンター達を諸手を挙げて迎え入れた。居並ぶ面々に着座を促しながらヘクスは嬉しげに語る。
「此処は焼き料理が絶品でね。同盟と辺境、最近では東方からも、クセの強いスパイスや香草を取り寄せていて……とにかく、酒に合う。食事も色んな国のものを出してくれるんだ」
 成る程。言われてみれば店の各所におかれた調度品は国際色豊かである。店に居る人間もさまざまで、辺境部族と思しき褐色の肌の女や、同盟の商人達の飛び交う声に、新人店員と思しき赤毛の少女がその中を慌ただしく走りまわっていた。店のカウンターでは吊るされたパルムがくるくると回され、その様子に他の客が連れて来た商売女たちが嬌声をあげている。
 実に酒場らしいと言えるが、何とも騒がしい。
 それらを背にヘクスは快活に笑い、店員を呼びつけた。
「いやー、来てくれて助かったよ。我ながらかなぁぁぁり鬱憤が溜まっててさ。とにかく飲みたかったのさ。外は寒かったろ? 大丈夫、料理はすぐに出てくるから、とりあえず、まずは――」
 乾杯だ、と。ヘクスは心底うれしげに、そう言った。



 その日、オフィスに依頼が出されていた。

《求む、飲み会メンバー by ヘクス・シャルシェレット》

 参加資格は特になく、年齢、男女も問わない。
 会費はZERO。
 集合場所は依頼を受けたものだけに明かされるという。

 あなたはこの依頼(?)を受けたハンターだ。
 思う様、心行くままにふるまうと良い。酒の席では無礼講、というものである。

リプレイ本文


 焼ける肉の香りと油と肉汁の爆ぜる音、器の奏でる華やかな旋律に、弾ける笑い声。その中で、ウィンス・デイランダール(ka0039)は不機嫌な顔を隠しもせずに棒立ちしていた。
「いるのかよ」
 言葉は足元に落ちて、木板の床に吸いこまれて消える。視線の先ではヘクスが他のハンター達に対して話しかけていた。渾然とした心中を持て余していると、その背を叩かれた。
「オイ」
「あ?」
 ジャック・J・グリーヴ(ka1305)だった。
「チンタラしてねぇで、行こうぜ……って」
 剛毅に笑いながらの声にウィンスは頷きを返して歩き出した。応答を返さなかったところを見るに、いまだ溜飲は下がっていないらしい。
「ったく……よう、俺様にはエール酒で頼む!」
 呆れながらも、ジャックはその背を追いながら陽気に手を上げエールを注文した。
 ――まじで、どうなってんだ、こりゃぁ……?
 その胸中では懸念に疑念が渦を巻いているが、それをおくびにも出しはしない。さすがは商人、というべきか。向かう先では、ユージーン・L・ローランド(ka1810)はヘクス対して丁寧な一礼をしていた。
「ユージーン、と申します。ヘクスさん、今宵は宜しくお願いいたしますね」
「やあ、ようこそ。さ、座って座って。君はお酒は?」
「それでは、ワインを」
「オッケー! お嬢さん、一番良い赤ワインを!」
「えっ!? あ、はい、毎度あり……です」
 先に腰掛けていたフラメディア・イリジア(ka2604)や鵤(ka3319)達に酒を持ってきた赤髪の少女店員に、ヘクスは言った。
「いやァ、いいものじゃのぅ、この空気!」
 フラメディアは店中に満ちる香りを味わいながら、喜悦を滲ませている。
「今宵は宴じゃ! 心ゆくまで呑みあかそうぞ!」
「あっはっは、そうだねぇ……あ、おたくがヘクス君とやらぁ? いやータダ酒とは気前がいいじゃないのぉ。ご相伴あずかりどうもってなぁ?」
「よく来てくれたね。綺麗どころが来てくれてうれしいよ……あ、君も楽しんでくれよ?」
「あぁ、勿論さぁ。じゃあ、ほら、さっさとしなさいよそこの幹事。こちとらさっさと飲みたいのよおわかりぃ?」
 グラスを掲げて陽気に言う鵤に、さすがのヘクスも苦笑が零れたようだった。だが、
「いや、ちょっと待ってくれ。ちょっと立て込んでるみたいでね」
 そう言って視線を向けた先、ユーリヤ・ポルニツァ(ka5815)が店員と揉めていた。
「だーかーらー……!」
 どうやら、酒を求めたユーリヤがその見た目のために留められていたらしい。身分証明書を不審げに見つめ返されたユーリヤはすっかりご機嫌斜めである。「レディーに対して失礼子供扱いなんて失礼しちゃうよね……!」という彼女の背を宥めるように叩いた文挟 ニレ(ka5696)は、薄く笑っていた。
 ――ハンターになってこちら、それなりの数の依頼書を眺めてきたつもりで、変な依頼を見つけたとおもったら……。
 ユーリヤと共に座りながら、ヘクスと視線をあわせる。
「いやはや、ここまで単純明快、尚且つ豪快で爽快な仕事ってのは早々見かけないと思って来たんだけどさ」
「お眼鏡にはかなったかな?」
「ああ、こりゃぁ楽しめそうだね」
 ぐるりと見回す。内装や料理、酒、ヒト――細かやかな所は随分と違う。
「よゥ、どうだい、こっちは」
「お?」
 グラスを掲げたヴェンデルベルト(ka3717)がこちらを見下ろしていた。壮健な男だが額には角はない。それでも声を掛けたこの男を好ましく思いながらニレは、
「どうもこうも、西も東も変わらねえ。全く以て騒々しい」
 つい、とグラスを掲げる。
「ま、そいつが良いんだがね」
「違いねえ!」
 ヴェンデルベルトは立ち上がると、大きく声を張った。
「さァ、メンツも酒も揃った! 始めようぜ!」


「……んぱーい」
 乾杯と同時、店員達が続々と食事を持ち込んできた。切り分けられた鶏の丸焼きにはたっぷりと香草が載せられており、皿が置かれるや否や香ばしさが鼻腔を擽る。ケ、と。つまらなさげに鼻息を吹き出しながら、ウィンスはグラスを大きく呷るようにして呑み干した。
「おォ、良い飲みっぷりじゃねェか! 嬢ちゃん、同じモン2つだ!」
 ウィンスはヴェンデルベルトの声に不機嫌そうに俯きながら、横目でヘクスを見る。
「あーヤッパ始めの一杯最高だわぁ……ところでそんなペースで大丈夫かい、ウィンス君ー?」
「問題ない」
「ならいいけどねぇ……これ食べる? 空腹だと余計酒が回るぜぇ。あ、お店のおねえちゃーん?」
「はっ、はいっ!」
「……お嬢ちゃーん。おっさんさっぱりしたもんも食べたいんで、野菜系でなんかよろしくぅ」
 鵤は年長者の義務感か、それとも別のものからかウィンスに声をかけつつ肉を押し付ける。
「お、そんじゃ、あっしの分もどうぞ」
 同じく肉はいらじとウィンスに押し付けたニレは酒を舐める。口に程よい刺激と辛み、鼻腔には淡く甘い香りが広がり、味わうように飲み下した。
「いい酒だねえ。肴も上々とくりゃあ、うん、いいもんだ」
 嘯きながらどしどしと肉を押し付ける。ウィンスの前にはあっという間に肉が積み上がっていった。
「……上等だ」
 ウィンスはそう言ってグラスを仰ぐようにして飲み干したのだった。

「確かに、お酒に合いますね」
「だろう? 粗野だけどさあ、だから好きなんだよねえ」
「ええ、美味しいです」
 ユージーンの酒の進みは上品かつ緩やかなものだが、味わうように、言う。良き生まれの彼にも合う味ということは相応の品なのだろう。味や空気に、その顔が柔らかくほころんだ。
 ――ケッ、いいねぇ大貴族様は太っ腹でよ。こちとら必死こいて商いに励んでるってのにクソが。
 こちらも貴族であるジャックは舌鼓を打ちながらも、内心で不満をこぼさずにはいられなかった。一体なんだ。この肉一つ、ワイン一つでいくらだこれ。
「や、レディー、そちらはどうだい?」
「おいしいよー」
「むあおッ?!」
 ジャックはヘクスが視線を送った先――つまり自らの隣にユーリヤが居ることに気づき、鶏肉を喉に詰まらせた。
「はっは! 飯も酒も美味いからって焦りすぎだぜ!」
「気持ちは分からんでもないがのぅ!」
 ――ちげぇよ……!
 イエーイ、と新しく運ばれたエールで乾杯をしながら言う二人、ヴェンデルベルトとフラメディアに対して怒りの声も上げられず咽び苦しむジャック。
「だ、大丈夫ー? はい、これ水だよー」
 元凶であるユーリヤ(女性)はそれと気付かず、コップを差し出した。慌てた様子のジャックはそのまま流し込みながら――気づいてしまった。
 ――……このコップ、こいつの……!
 これが使用済みか未使用かは解らない。『そう』かもしれないと思ってしまっただけで、意識してしまう。思春期まっさかりレベルのジャックには、いささか刺激が強すぎたか。空腹に酒を叩き込んでいたところで一気にのぼせ上がってしまい――ジャックの意識が、暗転する。

「……3次元は……だ……」

 ずるずるとソファに身を預けながら――薄れゆく意識の中で、夢を見た。


『ヘクス、か……集合場所まで伏せるってのもおかしな話だよな』
 依頼の内容を怪しい、と考えたのは、『青の諜報員』としての自覚があったからかもしれない。
 参加する旨をオフィスの窓口に伝えてすぐに、ゲオルギウスに伝えようと連絡をとろうとした。
 集合場所に行くまでに応答が帰れば上々――そう考えての事だったが。伝えられたのは『踊っておけ』、という一言のみ。ゲオルギウスはジャックにまで情報を下ろす気がないのか、はたまた、何らかの意図があってのことか。
 ――あるいは試金石のつもりなのか。
 解らない。だが。
『……俺様が使えるって事しっかりアピールしとかねぇとな』

 そんな夢を、見た。


 ジャックが志半ばに轟沈して間もなく。
「大事ないのぅ、寝かしておけぃ」
「はー、よかったよー」
 昏倒したジャックを素早く介抱したフラメディア。応急手当の心得が有ったためか、手慣れた様子での処置に安堵したユーリヤはほっと胸をなでおろす。
「これ、ボクのせいかなー?」
「あっしにはこの御仁が悪いようにみえるけどねえ」
「じゃのう。のぼせただけ、じゃ。さて、さて」
 酒を舐めながら笑うニレに、フラメディアも似たような顔で頷く。二人の手には既に酒盃が握られていた。
「にしてもやはり、タダよりうまい酒はないのう!」
「いやぁ、まったく。……そういえば、なんでいきなり飲み会なわけぇ?」
「あー……言ってなかったね」
 既に酒の気配溢れる吐息を零すフラメディアに鵤は頷きながら、ヘクスへと水を向ける。行儀悪く手づかみしたチーズを口元に放り込みながら、
「聞いてくれよ! 嫌な事があったのさ!」
「嫌なことォ……? 愚痴があるのならどんどん言うがよい!」
「おっさん機嫌いいから幾らでも聞いてやっても良いぜぇ? ほれほれ全部酒に流しちまいなこの若人ぉ」
 フラメディアはおかわりを要求し、鵤は新たな酒をヘクスの杯に注ぎながら言うと。
「そうだよー、おねーさんが話聞いてあげるからさー、大変だったこととかムカついたこととかこれから心配なこととか、洗いざらい言っちゃいなよー」
 ユーリヤが続いた。久々の酒に頬を染める様は童顔と合わさり、狭い業界ではサービスショット感満載である。
 それでもまあ、控えめに言っても少女らしさが残るおねーさんである。
「あー、ドモ、ドモ。そうだねえ……実は」
 エール酒に喉を鳴らしたヘクスは、こう結んだ。
「異端審問に、かけられちゃってさぁ」


「まぁーじでぇー? そいつは大変でしたねぇあっひゃっひゃっひゃ! あ、おねえちゃーんお酒おかわりぃー」
「あっしはこっちの流儀をよく知らないけど、そんなもんなのかい」
 ドツボにハマったのか、大笑する鵤に、ニレは苦笑を返した。
 一通りヘクスの愚痴を聞きながら、ヴェンデルベルトはツマミを頬張りながら、ポツリと思う。
 ――愚痴ひとつとっても、オレらなんか気楽なもんだ。それがどうだ。国のお偉いさんともなると、それが、こう、いっきに重くなる。
 当たり前だがな、と頷きながら酒を味わう。洋酒だが、ヴェンデルベルトにはどこか懐かしい香りがした。
 ――国が掛かってるんだからなぁ……とはいえ、だ。
「にしちゃあ、軽すぎねえか」
 杯を掲げつつ言うと、直ぐに手が返った。ヘクスは杯を交わしながらくすりと笑い。
「重くなりすぎても仕方ないからね。それに、もう終わった事だから!」
 こみ上げる笑いを抑えられず、ヴェンデルベルトは一息に酒を飲み干した。聞いた感じ、理由はヘクスにあるようにしか思えないのだが。それでも、王国は軍事的には弱国と言っても良い。問題も山積みな所に襲ってきたこれは、青天の霹靂には違いあるまい。
 なら。ヴェンデルベルトとすれば、するべきは一つだ。乾いたそばから酒を注ぎ、自らの器を満たすと。
「そーいう話なら、酒飲んで吹きとばさねーとな! おうヘクス、飲み比べでもするか!」
「えー、やだよ! 君滅茶苦茶飲めそうじゃないか」
「がっはっは、冗談だ!」

 ――異端審問と言ったか?
 ひょっとしたら、届いていたのか、と。実感と共に熱っぽい頭でウィンスは思う。あの時居たのが教会の人間だったのかは解らない。だが、結果としてヘクスにまで『届いた』。
 ――なのにコイツはなんでこんなに飄々としている。
 隙を晒さず、どこぞへと手を回し続けているように見えるヘクス。エクラ教の異端審問に掛かったというのに。それでもなお、ウィンスには打ち込む『隙が見当たらない』。
 その事実を欠片だけでも認識したとき、一息にウィンスの心中を灼き尽くす業火となった。
「……だいったいなあ!!」
 椅子を倒すようにして立ち上がった。声を張りグラスを木製のテーブルに叩きつけながら、空いた手の指をヘクスへと向ける。
「気に食わねえんだ、お前は! 気に食わねえ! 気に食わねえ気に食わねえ気に食わねえ!」
「おいおい、穏やかじゃねえな」
「そうだよぉ、酒の席で熱くなっちゃぁだめだぜぇ?」
 ヴェンデルベルト、鵤がその肩に手を置いたが、ウィンスは右手で力強く払い退ける。どうしたことか、力加減が効かない。
「うっせえ! あのクラベルがオーラン・クロスを追っていた理由だって、お前が原因だって考えりゃ辻褄が――」
 処置なし、といわんばかりに肩を竦めるヴェンデルベルトと鵤にヘクスは苦笑を送るとウィンスの瞳をまっすぐに見つめ返した。
「……へえ、辻褄が合う、か。それで?」
「あァ?」
「そんなの、僕以外の誰だって『辻褄は合う』だろう? クラベルに操られた事を言ってるのかな。じゃあポチョムやヴィサンも怪しいね。オーランだってその辺の村人だって――君たちハンターだってそうだ」
「……」
「大体さぁ」
 言いながら、帽子の上から頭を掻く。へらへらと笑いながら、こう言った。
「法術陣って、何のことだい?」
「はァァ……?」
 怒りに頬を引き攣らせながら怒気を吐き零すウィンス。ヘクスはそのままゆっくりと立ち上がると、テーブルを回ってウィンスの近くに至る。
 転瞬。
「てめェ!」
「待て待て……っておい、手伝えよ!」
 掴みかかろうとするウィンスを、今度こそヴェンデルベルトが止めた。一方、鵤は自分の酒を手に真っ先に避難している。
「やだぁ、おっさんには無理無理ぃ〜」
「おい! ったく、落ち着けよ、坊主」
「……ッ!」
 力強いヴェンデルベルトの静止にウィンスの手が止まる。
「だめだよー、お酒入りすぎてるんじゃないのー……? はい、これ、お水」
「……ちっ」
「ふふ。じゃあ、ちょっとお花を摘みにいってくるね! 好きなもの頼んどいてくれよ」
 騒動の様子は気にも止めず、ヘクスは鷹揚に片手を挙げてその場を後にした。大人げないが、確かに沈静化の為にはそれが一番良かったのだろう。俯いたウィンスは、激情を飲み下すべく目を閉じる。
 それでも。

 ――存外、つまらないね。君は。

 ヘクスの囁きが憤怒の業炎となってウィンスの胸を焼き尽くす。ヴェンデルベルトの制止と、鵤のにやけ面が無ければ収まりは付かなかったかもしれない。
「――くそったれが……ッ!」
 ウィンスは無理やりにグラスの中身を飲み干し――気を紛らわせる事しか出来なかった。
 つと。その器に、新たな酒が注がれた。琥珀色の液体の香りが立ち上る。刺激に、少しだけ顔を顰める。
「なァ、そういう気分に浸りてえならもっと洒落た店を探すか、おうちに帰ってからにしなよ」
 声が、降ってきた。ニレだ。ウィンスは視線を合わせない。
「飲んで食って騒いで笑う。酒場ってのはそういう場所さ」
「……」
「笑えねえ、ってか」
 そりゃそうか、とニレは嘆息した。凝り固まった少年を解きほぐす言葉を探す気分には、どうにもなれなかった。


 ヘクスが戻ってくるとニレは軽く手を掲げたのち、傍らの座席を示した。
「いやはや、変な事になっちまったね」
「そうかい? 刺激的で僕は好きだけど」
「酒の席、だからねえ。じゃ、口直しにひとつ、どうだい」
「あ、占いー?」
「おう、興味あるかい?」
「恋愛運!」
「……レディだねえ……」
「こっちとは作法が違うかもしれねぇが……じゃ、ひとつ」
 札をしゅらしゅらと並べるニレに、真っ先にユーリヤが食いついた。ヘクスはそんな様を愉しげに見つめている。
「やはり、こうして皆で騒ぎ楽しみながら呑む酒はいいものじゃのう?」
「ああ、いい子が集まったねぇ。楽しいったらありゃしない」
 傍ら、フラメディアが杯を掲げた。肉野菜パン米とありとあらゆるを皿に載せている。ちらちらと占いの様子を横目に見ながら、ヘクスにこう言った。酒で潤んだ瞳で、悪戯っぽく笑みながら。
「審問、とはまたなぁ。まぁ、お主はどことなくうさんくさいくうきがあるからのう……?」
「――まあ、火のないところに煙は立たぬ、っていうしね」
 ぶっふ、と吹き出す音。目を覚ましたジャックに水を勧めていた鵤とヴェンデルベルトだ。
「なんだ! よく解ってんじゃねぇか!」
「あっはっは、そうだねえ。あ、おたくもお代わりいるぅ?」
 ヴェンデルベルトは、もう遠慮を無くしたのだろう。大笑しながらヘクスの背を叩くと大きくむせ返った。
「あ……? どうした、どうなった?」
「おう、実はな――」
 頭を抑えるジャックに事の運びをヴェンデルベルトが説明しはじめると、フラメディアは「次は頼むかのう」とニレの占いの方に耳目を向けていた。
「あいよ、何を占えば?」
「良い『相手』と巡り会えるか、とかがいいのう!」
 はて、どういった相手か――と、一方その頃。
「いやぁ、大変だったんだよぉ。君無駄に身体でかいしさぁ」「お、おゥ……すまねぇな」
「誠意、見せてくれるよねぇ?」
 つ、と鵤が指示す先に、ジャックはそれを見た。安っぽいが、頑丈そうな作りの舞台だった。


「いいぞー!」「脱げー! 早く脱げー!」
「俺様の筋☆肉を見たけりゃ出すもん出しなァ!」


 ジャックの大胸筋が多いに店内を湧かす中。
「審問とは、大変でしたねえ」
「お、ありがとう!」
 ユージーンはヘクスの傍らに座すと、そう言った。手には既に酒はなく水。酒に呑まれすぎぬよう配慮したのだろう。
「神様をたてに人が人を責めるだなんて……僕は聖職者としての自覚が足りないのでは、と思ってしまいますね」
「……おや、そうかい?」
「あ、これ内緒でお願いいたしますね?」
 怒られそうですね、と微笑みながら片目を瞑る。こうすると年齢相応に見えヘクスは頬を緩ませた。
「こんな事言うと方々から怒られそうですけど……僕は、神は個人を救いもしないし断罪もしない、と思っています」
 手元の水が揺れる様を眺めながら、零す。自らの裡に、問いかけるように。
「神はいと高き場所へ御座すだけの存在、それを見詰め、祈る事で、どうしようもない悲しみや怒りを受け容れ、癒す助けとなるのが宗教だ、と……宗教が人を追い詰めるなど本末転倒です」
「きれい事、だねえ」
「――残念ながら、ですね。本来、神の意志を人が代弁してはならないはずなんですけどね。神のご威光を自分の権力と勘違いする聖職者が多いのは悲しいことですね」
「使う分には優秀な道具、だしね」
「その側面は否定できません……本当にこれ、内緒にしておいてくださいね?」
「んー」
 少年らしい微笑みと苦笑に、ヘクスはついと手元のグラスを回す。
「もう少し、飲んでくれたら、かな?」
 言葉に、ユージーンは柔らかく微笑み。
「……お断りします」
 ごくごく爽やかに、こう言った。


 ふぃー、と。ポージングで舞台を沸かせたジャックが席に戻ってくると、鵤がへらへらと笑い、「ナイスファイト!」と迎えた。手にはおしぼり。さらの品、ということは、鵤が頼んでおいたのだろう。
「拭きなよぉ」
「おぅ!」
 なお、上半身裸である。ジャックの巨体を受けた椅子が鈍い音と共に軋む。
「鍛えてるんだねえ」
「あまり羽振りはよくねぇのさ」
 ひとくさり汗を拭くと裸の肌の上にシャツを引っ掛け、エール酒で口を湿らせると、
「そういや大貴族のヘクス様なら知ってっかね」
 こう、問うた。
「法術陣、て奴をよ」
 物問うジャックの視線にヘクスはナッツを頬張り、こう言った。

「ああ、知ってるよ」


 ――俺も大概だけどさぁ。
 どうにも愉快になって、鵤はくつくつと笑う。
 ――こいつも、結構、大概だねぇ……。
 ちらりとウィンスを見ると、壁に向かって掴みかかろうとしているのをユーリヤやフラメディアに笑われている。
 先程のウィンスとの一幕もあり、ヴェンデルベルトに至っては大げさにため息までついて「あんまりからかいすぎんなよ……」と注意する始末である。温まっていた筈の場だが、冷たい視線がヘクスに突き刺さっていた。
「いや、ゴメン、ゴメンって……! で、何か知りたいのかい?」
「国の金を使ってまで維持させる巡礼、その先の法術陣ってのは――一体なんだ」
 乱れた髪を手櫛で整えながら、ジャックは言う。
「王国で生まれ育っちまったからか今まで意識しなかったが、変な話だよな」
「さて、ねえ。僕としては、聖堂教会の金が文字通り王国中に巡ってるように見えるけど?」
「あー」
 告げられた中身にジャックはぽり、と頬と掻く。他ならともかく、その目線はジャックとしては心苦しさが勝った。
「それは……そうかもしれねぇ……が」
「国を巡る法術陣が何のためか、ってことについては僕は知らないな。ただ、あれがあればこんな感じにはならなかった――っていう人はいるみたいだけど」
「それはどいつが?」
「セドリック、とかね。彼は別に非難しているわけじゃあなかったみたいだけどさ」
 ――国政の実質トップが、ねえ。
 セドリック・マクファーソン(kz0026)。挙がった名に、ヴェンデルベルトは胸中で感嘆と共に呟いた。この国の転機点はホロウレイドの戦いに他ならない。ヘクスが告げたのはその結末を変え得たということだ。ならば、法術陣――巡礼の先にあるというその法術陣に、意味がない筈がない。
 とはいえ、それ以上を掘り下げることは難しいだろう、とも思う。その線引きを、ヘクスがしているように感じられた。
 どれ、と。立ち上がる。
 深く追求するのは都合が悪かろうというのもあったし……ウィンスのほうがそろそろ怪しげな塩梅だったからだ。

「もひとつ、テスカ教のベリトってのは知らねぇか? ホロウレイドを予知したとか真っ黒過ぎな奴らしいんだが…」
「んー、『それ』は知らないなぁ……」
 


 それは柱に頭を押し付けながら、虚空を睨みつけている。瞬きを忘れているものだから、赤い目は充血し切っていた。
 ウィンスである。
「ふぁ? らいじょうぶー?」
 ユーリヤが覗き込んで手を振るが、一切の反応は返らなかった。フラメディアの占いをしながら、ニレは呆れた息を零す。若い酒飲みは見る分には面白いが、そろそろ危険域かもしれない。
「だいぶ出来上がってるねえ……」
「楽しげで良いことではないか、それで、どうじゃ!」
「良縁、とは言い難そうだねえ……喧嘩別れにご注意、だと」
「ほーう! それは楽しみじゃのぅ!」
「えぇ……?」
 周りの愉しげな様子には一切気づくこと無く、ウィンスは虚空に瞬くそれを見つめる。白い歯を輝かせたヘクスの幻影と――彼によく似た誰か。いずれにせよ、仮に素面だったとしても気持ちの良いものではない。
「あのクラベルがお前に『強制』を使った。事もあろうに殺さなかった。命じた事は時間稼ぎだけか? あいつの罪は『馬鹿』じゃねえ……」
 譫言のように、ずっと同じことを繰り返している。喉が乾く。固く握ったグラスの中身はとうの昔にカラッポだったが、惰性で口元に運んでいた。
「あー……ホントしょうがないなぁ……」
「はい、どうぞ」
「ありがとー! よ、と……」
 ユーリヤはユージーンから手渡された水差しを手に、器用にウィンスのグラスに注いでいく。周りの人間にも注ぎつつ、最後に自分の分を用意し、
「はい、カンパーイ」
 優しく、遠慮するようにウィンスのそれと合わせる。ユージーンやニレもグラスを重ねた。軽い音と刺激に、ウィンスは廃人のような表情のまま、口元に運んだ。
「お前は……『あいつ』と同じ目をしてやがるんだよ……」
「……もう寝とけ」
 ウィンスが最後にそう呟いた時、ヴェンデルベルトがその場に現れた。男はウィンスの両目をその分厚い手で覆うと、無理やりに目を閉じさせる。
「頼って……みろよ……」
 すぐに高い寝息が零れるのを、ヴェンデルベルトは父親のような目で見つめて太く笑う。その手から冷えたグラスを取り上げると、机を整えうつ伏せ寝をさせる。手慣れているのは、数多の宴会を渡り歩いたからか――はたまた。兎角、ウィンスは抵抗しなかった。
「彼も色々、溜まっていたんですかね」
 唯一自制しているユージーンが、水を味わい野菜スティックを頬張りながら言うとニレは細い顎に手を当てた。
 ――馬鹿騒ぎがしたい連中だけが釣られたってわけでも無さそうだあな。
 はてさて、望むものが得られたかどうかは解らないのだが――と、そこまで考えた時。ちり、と思考が巡った。
「……釣り、か」
 ウィンス。そして――質問し倒しているジャックを見やる。
「物好きだねえ」
 なるほど。どうやらそういう釣り針もあるらしい。だとしたら貴族というものは大層因果な生き様らしい。



 一くさり聞けて満足したのだろう。ジャックは何処か満足気な顔でぬるくなったエールを飲み干した。ぐるりとヘクスに向き直ると――。
「最後にひとつ、いいか」
「ジャックくんも大概、聞きたがるねぇ……」
 度重なる質問にヘクスも流石に呆れ顔だった。ジャックにしても自覚はあるのだろう。バツの悪さを不機嫌な表情で塗りつぶす。
「うるせえ、ちゃんと聞け……その、なんだ。てめぇにとって守りてぇモンあっか?」
 ブフー、と鵤が吹き出した。ユーリヤもけらけらと笑う。
「なにそれぇ」「告白みたいだねー」
「茶化すな! マジな質問なんだよ!」
 酒場の茶々を怒声で振り切ると、ジャックはヘクスを見た。「……で?」と言いつつ上気した頬を隠しきれていないが、瞳そのものは真摯そのもの。
「そうだねえ」
 目を細めたヘクスは、心持ち声を落としたようだった。聞き漏らすまいとジャックが前のめりになる、と。
「例えば、君とかかな。『グリーヴ』君」
「は、ハァァッ!?」
「あっはっは!」
 顔を真っ赤にしてのけぞるジャックに、その場に居た一同が笑いに包まれた。酒の余興としては丁度良い塩梅である。
 ジャックははだけていたシャツを抑えながら、苦しげにこう零した。
「ホ×は……だめだろ、常識的に考えて……」


 さて。その後も酒宴は続いたが、脱落者がいることもありお開きとなった。
「いやァ、おかげでいい酒が飲めたぜ!」
「いい酒ばかり飲んでくれたみたいじゃないか」
 ウィンスを背に抱えたヴェンデルベルトが快活にそう言うと、ヘクスは目を細めて、やはりこちらも笑った。
「にーちゃんは楽しめたか?」
「思ってたよりも、ね」
 ならいいじゃねえか、とヴェンデルベルトは大笑し、ヘクスの背を叩いた。夜闇に清々しい快音が響く。
「有事の際には協力するぜ!」
 俺も、こいつもな、と背負ったウィンスを揺らしながら、店を後にした。
「それじゃあ、僕達もこれで」
「……おゥ」
 ユージーンと連れ立って、ジャック。疑惑を懸念しているのか、ユージーンの影に立っていた。尤も、大いにはみ出してはいるのだが……。ユージーンは微笑しながら、ぴしり、と礼をした。見るに心地よい筋の通ったそれに、ヘクスは吹き出すように笑った。
「酒の席だよ?」
「それでも、お世話になりましたから」
「律儀だねぇ……」
 思わずそう零した、そこに。
「いやー愉しかったぜヘクス君とやらぁ?」
「え、今なの? 今僕の名前知ったの?」
「ん? や、名前くらいは知ってたけどねぇ……ま、また機会があったら奢ってちょうだいよ」
 ひらりと掲げた手には酒瓶。見れば、ポケットにも酒瓶が詰まっている。
「随分とまぁ……お酒、そんなに好きなのかい?」
「えぇ?」
 不意な言葉に咥え煙草が揺れる。口元の紫煙は風に流され、消えていった。
「……どうも、一人だと飲み過ぎちゃうみたいでねぇー。駄目なら、返してくるけどぉー?」
「それには及ばないさ。どうぞ、味わって」
「だよねぇー!」
「……ふふ。それでは、私達はこれで」「……オゥ」
 にっし、と笑う鵤と共にユージーン、ジャックが去っていくのをヘクスが見送っていると、少しふらついた足取りのユーリヤと、彼女と並び立つフラメディアとニレが出てきた。
「送っていこうか、レディー?」
「えー……どうするー?」
「あっしはやめておいた方がいいと思うけどねえ」
 ふわついたユーリヤにニレが小さく耳打ちをする。
「狼になるかもしれないよ?」
「聞こえてるよ、ニレ君……」
 ヘクスが呟くと、ニレはに、と笑った。
「おおかみー……? だいじょうぶだよー、出たらボクが退治するしー!」
「……ダメだこりゃ。それじゃ、帰るとしますかねえ……じゃ、今日は楽しかったよ」
「ありがとー」
 ふらつくユーリヤを支えながら、ニレはその場を後にした。中々面倒見のよい為人であるらしい。
「……君は行かないのかい?」
「うむ、帰るぞ」
「はは、だよねー」
 フラメディアはヘクスを見上げなら、ほう、と酒気の混じった吐息をつく。男は、一時の感情でこういう会を催す割には、あまりに自立しすぎているように見えた。無頼、というべきか。
 ――はて、これじゃとへクス殿がいわゆる、ぼっちというやつに思えてくるの?
 ヘクスを見上げたまま、フラメディアはフン、と鼻を鳴らした。そして。
「無理にとは言わんが、困ったことがあれば頼ってくれても良いからの?」
「お。どうしたんだい」
「我でなくとも、ハンターというものは大きな戦いであるほどむしろ勢いよく向かっていく者たちじゃろうから、の?
 ……もっと積極的に巻き込んでしまえばよいじゃろうて、のぅ」
「それはどうも。そうだねぇ、困った時は頼らせてもらうよ。ハンターには気のいい人が多いのは、よく解ってるつもりだし」
 ――ウソっぽいのぅ。
 そう思いはしたが、とりあえず、飲み込んでおく。あまり引き止めるのも、本意ではなかった。
「うむ。それならよいのじゃ。それじゃあ、の」
「ん、気をつけてね」
 その言葉を背に、フラメディアは背を向けて歩き出した。空を見上げれば、冷気の満ちた夜天に、星が瞬いている。
 帰ったら星を肴に一献やろうか、と。そんなことを思いながら、彼女は帰路についた。


















 巻き込む、ねぇ。

 ――もうとっくに、巻き込んでるさ。

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参加者一覧

  • 魂の反逆
    ウィンス・デイランダール(ka0039
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • ノブレス・オブリージュ
    ジャック・J・グリーヴ(ka1305
    人間(紅)|24才|男性|闘狩人
  • はるかな理想を抱いて
    ユージーン・L・ローランド(ka1810
    人間(紅)|17才|男性|聖導士
  • 洞察せし燃える瞳
    フラメディア・イリジア(ka2604
    ドワーフ|14才|女性|闘狩人
  • は た ら け
    鵤(ka3319
    人間(蒼)|44才|男性|機導師
  • 傭兵魂
    ヴェンデルベルト(ka3717
    ドワーフ|34才|男性|闘狩人
  • 豪放なる慈鬼
    文挟 ニレ(ka5696
    鬼|23才|女性|符術師
  • ヨイナ村の救世主
    ユーリヤ・ポルニツァ(ka5815
    人間(紅)|16才|女性|魔術師

サポート一覧

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ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/01/26 08:52:40