ゲスト
(ka0000)
【空の研究】粉雪と共に踊れ
マスター:紺堂 カヤ
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/02/24 22:00
- 完成日
- 2016/02/28 17:21
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
そろそろ暖かくなるきざしが見え始め、春も近いかもしれない、などと浮かれた途端。そうは簡単に終わらせるものかと、冬の冷え込みが戻ってきた。オリヴィアは、薄着で出かけた昼間の自分を呪いながら、襟元を掻き寄せて夕暮れの帰路を急いだ。近道に、と思って足を踏み入れた森は、いっそう寒さが身にしみる。
ただただ必死に足を動かし、前へ進んでいたが、しばらくして、ふと気が付いた。
いつまでたっても、森から出られないでいることに。
「おかしいわ……、そろそろ村へ出てもいい頃なのに」
いつのまにか、すっかり日が落ちて、辺りは暗くなっていた。迷ってしまったのだとしても、もう正しい道がわからない。それでも、足を止めるのはもっと恐ろしくて、オリヴィアは歩き続けた。
すると。
パッと目の前が開けて、小さな原っぱのような場所へ出た。夜の暗さは変わらないが、空の星が見える分、少しは明るいような気がする。
「おーや。こんな時間にこんなお若い方が。危ないですよーお」
「きゃあああ!?」
その原っぱから、突然声がして、オリヴィアはとびあがった。
「ああ、すみませんねーえ。驚かせてしまったようで」
よくよく見ると、フードをすっぽりとかぶった謎の人物がオリヴィアの目の前に立っていた。フードもローブも何もかもが黒一色であったため、夜に同化してしまい、気が付かなかったのである。
「どうやら、迷ってしまったようですねーえ……」
「え、ええ……」
独特な語り口のその人が話すと、息が白く靄を作った。外気の寒さもあるだろうが、吐く息が随分熱を持っているように感じられた。
「ああ、怪しい者ではありません……、と言っても信じてもらえないでしょうがねーえ……、お嬢さん、森を抜けた村へお帰りですか? ここは迷いやすい森ですからねーえ。いい感じに磁場とマテリアルが狂っていますから……」
「はあ」
「とはいえ、格段に雑魔が出やすいというわけではなさそうですけどねーえ。狂っているのは主に正のマテリアル……、いや狂う、という言い方が良くなかったですかねえ、渦巻いている……、うーむ、これもちょっと違うのですけどねーえ」
「な、なるほど」
正直、少しもわかってはいなかったが、とりあえず頷いておく。彼か彼女かもわからぬこのフードの人物は、いかにも不審に見える人物だったが、オリヴィアは不思議と怖くなかった。妙な語り方の所為かもしれないけれど。
「どうにも説明が下手で申し訳ないですねーえ。とにかく、お嬢さんが無事に帰れるように、この方位磁針をあげましょーう。磁場が狂っているところでも、狂わず使える魔法の方位磁針です。南へ真っ直ぐお進みなさい。じきに村へ帰れますよーお……」
「で、でも、あなたはどうなさるんですか? 一緒に村へ行きましょう、なんだか、具合も悪そうだし」
「私は、もう少し、ここで確かめなければならないことがありましてねーえ」
「確かめる?」
オリヴィアが首を傾げると、そのひとは口元だけを見せて笑った。そして、歌を口ずさんだ。
「おどる、おどる、皆おどる」
それは、オリヴィアの村で昔から歌われている童謡であった。釣られて、オリヴィアも歌う。
「ふわふわ 空をみあげて おどる」
「きらきら 老いも若きも獣も鳥も」
「どんなにどんなに寒くても ふわふわ きらきら 皆おどる」
「……お上手に歌われますねーえ」
「この歌が、どうかしたんですか?」
フードの人物は空の奥へ視線を向けた。そこには、ゆるゆると流れてくる雪雲らしき影が浮かんでいた。
「……本当に、皆、踊るかもしれないんですねーえ」
オリヴィアは、結局、ひとりで村へ帰ってきた。フードの人物は決して、そこを動こうとはしなかったからだ。
「私を心配してくださるなら、ハンターをよこしてくれませんかねーえ。その方位磁針を渡せば、たどり着けるでしょう。ただし、気を付けてくださいねーえ。その方位磁針の魔法の効果は、夜のうちだけですからねーえ」
オリヴィアが、村へ戻るのにかかった時間は三十分ほど。まだ時間はあるはずだ。オリヴィアは、ハンターオフィスへと走った。走りながら思い出した。
「そういえば、あの歌は、森で歌ってはいけないのだったわ……」
ただただ必死に足を動かし、前へ進んでいたが、しばらくして、ふと気が付いた。
いつまでたっても、森から出られないでいることに。
「おかしいわ……、そろそろ村へ出てもいい頃なのに」
いつのまにか、すっかり日が落ちて、辺りは暗くなっていた。迷ってしまったのだとしても、もう正しい道がわからない。それでも、足を止めるのはもっと恐ろしくて、オリヴィアは歩き続けた。
すると。
パッと目の前が開けて、小さな原っぱのような場所へ出た。夜の暗さは変わらないが、空の星が見える分、少しは明るいような気がする。
「おーや。こんな時間にこんなお若い方が。危ないですよーお」
「きゃあああ!?」
その原っぱから、突然声がして、オリヴィアはとびあがった。
「ああ、すみませんねーえ。驚かせてしまったようで」
よくよく見ると、フードをすっぽりとかぶった謎の人物がオリヴィアの目の前に立っていた。フードもローブも何もかもが黒一色であったため、夜に同化してしまい、気が付かなかったのである。
「どうやら、迷ってしまったようですねーえ……」
「え、ええ……」
独特な語り口のその人が話すと、息が白く靄を作った。外気の寒さもあるだろうが、吐く息が随分熱を持っているように感じられた。
「ああ、怪しい者ではありません……、と言っても信じてもらえないでしょうがねーえ……、お嬢さん、森を抜けた村へお帰りですか? ここは迷いやすい森ですからねーえ。いい感じに磁場とマテリアルが狂っていますから……」
「はあ」
「とはいえ、格段に雑魔が出やすいというわけではなさそうですけどねーえ。狂っているのは主に正のマテリアル……、いや狂う、という言い方が良くなかったですかねえ、渦巻いている……、うーむ、これもちょっと違うのですけどねーえ」
「な、なるほど」
正直、少しもわかってはいなかったが、とりあえず頷いておく。彼か彼女かもわからぬこのフードの人物は、いかにも不審に見える人物だったが、オリヴィアは不思議と怖くなかった。妙な語り方の所為かもしれないけれど。
「どうにも説明が下手で申し訳ないですねーえ。とにかく、お嬢さんが無事に帰れるように、この方位磁針をあげましょーう。磁場が狂っているところでも、狂わず使える魔法の方位磁針です。南へ真っ直ぐお進みなさい。じきに村へ帰れますよーお……」
「で、でも、あなたはどうなさるんですか? 一緒に村へ行きましょう、なんだか、具合も悪そうだし」
「私は、もう少し、ここで確かめなければならないことがありましてねーえ」
「確かめる?」
オリヴィアが首を傾げると、そのひとは口元だけを見せて笑った。そして、歌を口ずさんだ。
「おどる、おどる、皆おどる」
それは、オリヴィアの村で昔から歌われている童謡であった。釣られて、オリヴィアも歌う。
「ふわふわ 空をみあげて おどる」
「きらきら 老いも若きも獣も鳥も」
「どんなにどんなに寒くても ふわふわ きらきら 皆おどる」
「……お上手に歌われますねーえ」
「この歌が、どうかしたんですか?」
フードの人物は空の奥へ視線を向けた。そこには、ゆるゆると流れてくる雪雲らしき影が浮かんでいた。
「……本当に、皆、踊るかもしれないんですねーえ」
オリヴィアは、結局、ひとりで村へ帰ってきた。フードの人物は決して、そこを動こうとはしなかったからだ。
「私を心配してくださるなら、ハンターをよこしてくれませんかねーえ。その方位磁針を渡せば、たどり着けるでしょう。ただし、気を付けてくださいねーえ。その方位磁針の魔法の効果は、夜のうちだけですからねーえ」
オリヴィアが、村へ戻るのにかかった時間は三十分ほど。まだ時間はあるはずだ。オリヴィアは、ハンターオフィスへと走った。走りながら思い出した。
「そういえば、あの歌は、森で歌ってはいけないのだったわ……」
リプレイ本文
「寒い夜ですね」
掌を口元にやりつつ、カティス・ノート(ka2486)がはあっと白い息を吐いた。
「そうなんです、昼間は暖かかったんですけど」
オリヴィアが肩をすぼめて頷いた。
「すみません、あのフードの人のところへ、私も行きたいところではあるんですが……」
「いいえ、オリヴィア様はご自宅へ戻った方がよろしいですよ。お体が冷え切っているようですから」
申し訳なさそうな顔をするオリヴィアに、ライラ = リューンベリ(ka5507)が優しく微笑みかける。六人のハンターたちは、オリヴィアから、森で迷ったのを助けてくれたというフードの人物について話を聞いたところであった。
「そのフードの人物は、何か確かめなきゃいけないことがある、って言ってたんだよな? そして、その村に伝わるという歌を気にしていた?」
ザレム・アズール(ka0878)が丁寧に訊き返すと、オリヴィアは、はい、と頷いた。
「私、あとで気が付いたんですけれど、あの歌は森では歌ってはいけないと言われていたんです」
「それは、なんでなんだろう?」
マチルダ・スカルラッティ(ka4172)が訊くが、オリヴィアはその理由までは知らない、と首を横に振った。考え込むふうに顎を引きつつ、ディーナ・フェルミ(ka5843)も尋ねた。
「これまでに歪虚による被害があったかどうかを知りたいの。もしくは疫病の流行や変な事件は?」
「私が知る限りでは、特に……」
オリヴィアが困ったように眉を下げる。
「もう少し情報を得てから森へ入りたいところではあるけど、オリヴィアさんの話では、フードの人物はちょっと具合が悪かったみたいだし、急いだ方がいいよな。俺が村で少し聞き込みをしてからバイクで追いつくから、皆は先に森の入り口へ向かっててくれないか」
ザレムの提案に頷き、外待雨 時雨(ka0227)がオリヴィアの前へ進み出た。
「では……、方位磁針を私が預からせていただきます……」
オリヴィアは方位磁針を時雨に手渡し、森へと向かう一行の背中を、見送ってくれた。
村から森の入り口までは歩いて十分。暗闇いよいよ深まる、といったふうな森を見据え、たいまつやランタンなどの光源の準備を整えていると、バイクのエンジン音がして、ザレムが追いついてきた。
「待たせて悪いな」
「いいえ、聞き込み、ありがとうございました」
ライラが丁寧に頭を下げる。無事全員揃ったため、一行は時雨が持つ方位磁針の示す方向へ歩き出した。時雨の手元と足元を、カティスのたいまつが照らす。
「はゎ。と、とっても暗いのです。灯りの先が見えないのです、よ」
カティスは行く先である森の奥に目を凝らして、身を震わせたが、ゆっくりと深呼吸をして気持ちを落ち着けることができたようで、時雨と共に森の中へ歩みを進めた。
「それで、聞き込みの成果はどう?」
マチルダが首を傾げると、ザレムはうん、とひとつ頷いて話し始めた。
「ディーナが言っていたように、歪虚が関係してる可能性があると思って訊いてみたんだけど、少なくとも過去三十年はそういう被害やおかしな現象はなかったらしい」
「あの歌を森で歌ってはいけない理由については?」
ディーナが真剣な面持ちで尋ねると、ザレムはうーん、と首を傾げた。
「もちろんそれも訊いてみたけど、はっきりしないんだよな。歌うと森から帰ってこれなくなるぞ、と親に言われて育った、っていう話は皆してたけど。単に、子どもが無暗に森へ入らないようにするための脅しだと思った、って言う人がほとんどだったよ」
「でも、フードの人は単なる脅しじゃないと考えてるからこそ森にいるってことだよね」
マチルダが考え込むように言った。マチルダばかりでなく、誰もが首をひねり、唸りつつ、歌や森について考えていた。どんどん冷え込んでくる夜の、不穏な空を見上げて、時雨が呟く。
「……「おどる」……ですか……」
「皆が踊る、ってどういうことなんでしょうね」
カティスが時雨の呟きを受けて、そう言った。歌に繰り返し使われている「おどる」という言葉が鍵であることは容易に推測できた。だが、それはどういう意味なのか。それに関する意見交換が始まろうとした、そのとき。ハンターたちの目の前が急に開けた。
「どうやらここみたいなの」
ディーナが辺りをぐるりと見回して言うのに、皆が頷いた。時雨も、方位磁針を再度確認して同意を示す。
「フードの人は、どちらに?」
ライラがきょろきょろと人影を探す。他の面々も同じくフードの人物の居場所を探ったが、姿が見えないばかりか、気配すらも感じられない。
「道を間違えたのかな?」
ザレムの言葉に、時雨が首を横に振った。
「それはないと思います……。方位磁針のとおりに……、進んできましたから……」
「皆さん、わーざわざ、ありがとうございます」
突然、そう声が響いて。
「きゃああ!」
驚いたカティスがとびあがった。
「ああ、すみませんねーえ。さっきのお嬢さんも驚かしてしまったばかりなのにねーえ」
黒いローブのフードを目深にかぶったその人物は、音もなくハンターたちの前に現れた。
「アメリア・マティーナと申します。はじめまして、ですねーえ」
「私はディーナ・フェルミと言うの。あなたの話や想いを聞きたいの」
真っ先に名乗り、澄んだ声ではっきりと告げたディーナに、フードの人物──アメリアは口元だけを見せて微笑んだ。
「そうですねーえ、私もあなた方の考えが聞きたいですねーえ」
そして、原っぱの西の端の方を指差した。
「あちらで話をしましょう。大きな切株がありましてねーえ。腰を下ろすにもちょうどいいですから」
そう言うアメリアの吐く息はことのほか白く、体温が高そうな様子がはっきりと伝わってきた。オリヴィアが、体調が悪そうだった、と言ったのはこのことであろう。
「そうしましょう。アメリア様、温かい紅茶はいかがですか?」
ライラは柔らかく微笑みつつもアメリアを気遣って、先に立って切株へと歩いた。全員が切株の周囲へ落ち着き、自己紹介を済ますと、ディーナがスキルを使った治療をアメリアに申し出た。だが、アメリアはやんわりと首を横に振ってそれを制す。
「大丈夫ですよーお。心配ご無用です。紅茶だけで、充分です。それより皆さん、あの歌について、特に「おどる」ということについて、どうお考えですかねーえ。早速お聞かせ願いたいのですけどねーえ」
アメリアがハンターたちの顔を見回すように顔を動かし、ぴたり、とカティスの前で動きを止めた。相変わらず口元しか見えぬ状態の微笑みを、カティスに向ける。
「えっ、えと……。この場所のマテリアルの流れとか……わかりますか?」
カティスはいささか緊張した様子で、考えを述べる前にアメリアに質問を返した。
「マテリアルの流れ、ですか?」
「あ、その……踊る原因は、森の磁場とマテリアルかな、って思ったのです。歌は、マテリアルの変化を促すキッカケで、そのマテリアルの変化が生き物に影響を与えたのかな、って」
「森を歩きながらマテリアルの渦を探ってたけど、竜脈のような力の流れがあるな」
アメリアが答えるより先に、ザレムがそう言った。アメリアはそれに頷いて、マテリアルの流れについては正しい読みであると示す。そして、カティスの考えを再度面白そうに反芻した。
「つまり、カティスさんは、踊るのは生き物だ、と考えるわけですねーえ」
なるほど、と嬉しそうに何度も頷いている。
「……生物、という点では……、私の考えも、そうです……」
静かに口を開いたのは、時雨だ。
「空を見上げ、という歌詞から考えて……、それは空を飛ぶ存在……。皆その存在を歓迎するように踊って……、歌もその存在を湛えるもので……。その存在もその歌が好きだったのでは……と。けれど何時しかその生物は温厚な存在ではなくなり……、皆おどる、が、その存在から逃げ惑う様の比喩になったのでは……。歌うことを禁じたのは、その存在を呼んでしまうからでは……」
「呼んでしまうから歌わない、というのは私の考えと重なるところがあるの」
時雨の考えをふむふむと聞いていたアメリアを、ディーナが射抜くように見た。アメリアが無言で頷いて先を促すと、ディーナは淀みなく語り出す。
「歌は感動や勲を歌うの。でも災厄の記憶を消すためにも忘れるためにも歌われるの。歌うことを禁じられる歌は忌歌、封じ歌であることも多いの。少なくともその時その場所で歌われるのを禁じられた歌は。村にとって封じておきたい物って何だと思う? 都合の悪い罪の記憶? 倒せなかった歪虚? 隠した財宝? 幻獣の居所へ通じる道?」
ディーナはそこで一呼吸置いて、続けた。
「より磁場の狂う冬にこの森で浄化陣のトランスに入ることを禁じる……封じるべき物を正しく開封する手掛かりがここにあるからって思えるの。封じているからこその磁場やマテリアルの乱れに思えるの」
「……とても面白い考えですねーえ。ああ、愉快という意味ではありませんよ、興味深いという意味です」
アメリアは何度も頷いてそう言った。すると、皆の話を熱心に聞いていたライラが、感心したようにため息をつく。
「私は単に雪が舞うことと人が迷うことを踊るとかけていると思っていましたけれど、そう聞くとなんだか不気味な歌ですわね」
「そうだね。……うん、封印説、一理あるよね」
マチルダも頷く。アメリアはその一理ある、という表現を見逃さなかった。
「でも、マチルダさんには違う考えがあるようですねーえ」
「ええ……。森に渦巻く正のマテリアルが、その歌で増幅されて更に渦巻いたら、私たちも目が回ったように混乱して方向感覚を失う。そうなると、千鳥足みたいになって踊るかも、って。それに、ライラさんが今言ったけど、雪が関係してるのかも。歌ったからか分からないけど、雪雲が来てる。歌えば歌うほど近づいて、この原っぱに雪が舞って、更にマテリアルの影響で吹雪みたいに荒れ狂って、生き物は逃げ惑うけど、迷い森ってのもあってこの空間でぐるぐるするしかないのかも」
マチルダが一息に言い切ると、アメリアは口元の笑みを深くした。
「素晴らしい。これだから、ハンターの皆さんにお仕事を頼むのはやめられないのですねーえ。皆さん素晴らしい考えと行動で、魔法の可能性と実用性を私に示してくれる! これは決して、私ひとりでは得られない研究結果です」
急に興奮した調子で話し始めたアメリアに、皆は一瞬呆気に取られた。すぐに目を鋭くさせたのは、ザレムとディーナだ。アメリアがこれからどういう行動に出るのかを、油断なく見ている。
「皆さんの考えは、どれも、ちょっとずつ正しくて、ちょっとずつ誤りなんですねーえ。総合的には、マチルダさんが一番私の考えに近いですがねーえ」
アメリアがニヤリと笑う。マチルダが驚いてぱちりと瞬きをした。
「……アメリアさんは……、すでに答えを知っていると……いうことなのですか……?」
時雨が問うと、アメリアは首を横に振った。
「知っている、というわけではないんですねーえ。ただ、ある程度の予想はつけられましたからねーえ」
アメリアは、くすくすと笑って、立ち上がった。
「何をする気なんですか?」
素早く立ち上がったザレムが、厳しい声音で問う。その隣にディーナも立った。
「知りたいことは罪じゃないの。考えることも罪じゃないの。努力することも罪じゃないの。罪なのはただ一つ……結果を想像して行動したかしないかだけなの」
ディーナの瞳はまっすぐだった。何か悪しきモノを封印から解こうとするならば協力はしない。その決意が手に取るように見えて、アメリアは微笑んだ。
「結果の想像はね、しましたよーお。想像だけでは不十分ですから、確信とも呼べるくらいに検証をしました。何かが封じられている説は、私も考えましたが、それはないようです。こうした調査に数週間かかりましてねーえ。おかげで、寒さに体調を崩されてしまいましたが、まあ、それも都合がいいかも……」
アメリアはそこでひとつ、くしゃみをした。
「それだけ強い目をしている方々ですから、きっと心配ないと思いますがねーえ。ひとつお願いです。皆さんは、踊らないように、気持ちをしっかり持っててくださいねーえ」
「え? 踊らないように?」
カティスが首を傾げたのに頷いて、アメリアは続けた。
「マチルダさんの考えと私の予想で食い違うのは、一点。歌が雪雲を呼んだ、という点です。そうではなく、雪と歌と、そしてこの森のマテリアルの狂いが、おどりを呼ぶのです……、ああ、降り出しましたねーえ」
最後の一言を合図に、全員が空を見上げた。真っ暗な空から、白く細かなものが、ふわふわと、きらきらと、降ってきた。
「雪……」
時雨が、呟いた。
「さあ。この場で生まれる魔法を、皆さんの目で確認してください」
そして、アメリアが歌った。あの、歌を。
「おどる おどる 皆おどる」
すると。
森の木々が、不自然に揺れた。夜には姿を現さないはずの鳥も、いつの間にか出てきておかしな動きで旋回する。野ウサギや、リスも。
そして。
「あああ、やはり! 粉雪が何もかもを踊らせるのですねーえ!」
アメリアも。
両手を広げ、ぐるぐると踊り始めた。白い粉雪と、歌と、渦巻くマテリアルの流れ。幻想的で美しくもあったが、それはとても見惚れていられるような美しさではなかった。
「頭が、くらくらする!」
マチルダが耳を塞ぐように頭を抱えた。ハンターたちを眩暈のようなものが襲う。
「これが、粉雪の魔法……! このままではいけません、アメリア様を止めましょう!」
ライラがそう叫んで、ザレムとカティス、ディーナが三人がかりでアメリアの身体を止めにかかった。驚くほど熱い身体だ。熱があるのだ。
「森を……、出ましょう……。方位磁針は、まだ使えます……」
時雨が先導し、ハンターたちはアメリアを引きずるようにして、森を出た。
森を出た時には、もう明け方で、方位磁針の効力はギリギリ間に合ったといったところだった。
「皆さん、ありがとうございました。うーん、面白い魔法でしたが、実用的ではないですかねーえ」
アメリアはひとつお辞儀をすると、ぶつぶつ呟きながら早々にハンターたちに背を向けて立ち去ろうとする。自分の考えに没頭しているようだ。
「待って!」
マチルダが呼びとめ、ライラが問いかける。
「貴方が、他のお天気の依頼を出すように動いたのですか? 一体何が目的なのですか?」
「良かったら何か教えていただけませんか?」
ザレムも尋ねた。
アメリアは、首だけで振り向いた。
「目的はもう少し、秘密にしておきますねーえ。大丈夫。悪いことにはなりませんよーお」
そしてアメリアは、もうすっかり降りやんでしまった粉雪の名残と共に、舞うような足取りで去って行った。
掌を口元にやりつつ、カティス・ノート(ka2486)がはあっと白い息を吐いた。
「そうなんです、昼間は暖かかったんですけど」
オリヴィアが肩をすぼめて頷いた。
「すみません、あのフードの人のところへ、私も行きたいところではあるんですが……」
「いいえ、オリヴィア様はご自宅へ戻った方がよろしいですよ。お体が冷え切っているようですから」
申し訳なさそうな顔をするオリヴィアに、ライラ = リューンベリ(ka5507)が優しく微笑みかける。六人のハンターたちは、オリヴィアから、森で迷ったのを助けてくれたというフードの人物について話を聞いたところであった。
「そのフードの人物は、何か確かめなきゃいけないことがある、って言ってたんだよな? そして、その村に伝わるという歌を気にしていた?」
ザレム・アズール(ka0878)が丁寧に訊き返すと、オリヴィアは、はい、と頷いた。
「私、あとで気が付いたんですけれど、あの歌は森では歌ってはいけないと言われていたんです」
「それは、なんでなんだろう?」
マチルダ・スカルラッティ(ka4172)が訊くが、オリヴィアはその理由までは知らない、と首を横に振った。考え込むふうに顎を引きつつ、ディーナ・フェルミ(ka5843)も尋ねた。
「これまでに歪虚による被害があったかどうかを知りたいの。もしくは疫病の流行や変な事件は?」
「私が知る限りでは、特に……」
オリヴィアが困ったように眉を下げる。
「もう少し情報を得てから森へ入りたいところではあるけど、オリヴィアさんの話では、フードの人物はちょっと具合が悪かったみたいだし、急いだ方がいいよな。俺が村で少し聞き込みをしてからバイクで追いつくから、皆は先に森の入り口へ向かっててくれないか」
ザレムの提案に頷き、外待雨 時雨(ka0227)がオリヴィアの前へ進み出た。
「では……、方位磁針を私が預からせていただきます……」
オリヴィアは方位磁針を時雨に手渡し、森へと向かう一行の背中を、見送ってくれた。
村から森の入り口までは歩いて十分。暗闇いよいよ深まる、といったふうな森を見据え、たいまつやランタンなどの光源の準備を整えていると、バイクのエンジン音がして、ザレムが追いついてきた。
「待たせて悪いな」
「いいえ、聞き込み、ありがとうございました」
ライラが丁寧に頭を下げる。無事全員揃ったため、一行は時雨が持つ方位磁針の示す方向へ歩き出した。時雨の手元と足元を、カティスのたいまつが照らす。
「はゎ。と、とっても暗いのです。灯りの先が見えないのです、よ」
カティスは行く先である森の奥に目を凝らして、身を震わせたが、ゆっくりと深呼吸をして気持ちを落ち着けることができたようで、時雨と共に森の中へ歩みを進めた。
「それで、聞き込みの成果はどう?」
マチルダが首を傾げると、ザレムはうん、とひとつ頷いて話し始めた。
「ディーナが言っていたように、歪虚が関係してる可能性があると思って訊いてみたんだけど、少なくとも過去三十年はそういう被害やおかしな現象はなかったらしい」
「あの歌を森で歌ってはいけない理由については?」
ディーナが真剣な面持ちで尋ねると、ザレムはうーん、と首を傾げた。
「もちろんそれも訊いてみたけど、はっきりしないんだよな。歌うと森から帰ってこれなくなるぞ、と親に言われて育った、っていう話は皆してたけど。単に、子どもが無暗に森へ入らないようにするための脅しだと思った、って言う人がほとんどだったよ」
「でも、フードの人は単なる脅しじゃないと考えてるからこそ森にいるってことだよね」
マチルダが考え込むように言った。マチルダばかりでなく、誰もが首をひねり、唸りつつ、歌や森について考えていた。どんどん冷え込んでくる夜の、不穏な空を見上げて、時雨が呟く。
「……「おどる」……ですか……」
「皆が踊る、ってどういうことなんでしょうね」
カティスが時雨の呟きを受けて、そう言った。歌に繰り返し使われている「おどる」という言葉が鍵であることは容易に推測できた。だが、それはどういう意味なのか。それに関する意見交換が始まろうとした、そのとき。ハンターたちの目の前が急に開けた。
「どうやらここみたいなの」
ディーナが辺りをぐるりと見回して言うのに、皆が頷いた。時雨も、方位磁針を再度確認して同意を示す。
「フードの人は、どちらに?」
ライラがきょろきょろと人影を探す。他の面々も同じくフードの人物の居場所を探ったが、姿が見えないばかりか、気配すらも感じられない。
「道を間違えたのかな?」
ザレムの言葉に、時雨が首を横に振った。
「それはないと思います……。方位磁針のとおりに……、進んできましたから……」
「皆さん、わーざわざ、ありがとうございます」
突然、そう声が響いて。
「きゃああ!」
驚いたカティスがとびあがった。
「ああ、すみませんねーえ。さっきのお嬢さんも驚かしてしまったばかりなのにねーえ」
黒いローブのフードを目深にかぶったその人物は、音もなくハンターたちの前に現れた。
「アメリア・マティーナと申します。はじめまして、ですねーえ」
「私はディーナ・フェルミと言うの。あなたの話や想いを聞きたいの」
真っ先に名乗り、澄んだ声ではっきりと告げたディーナに、フードの人物──アメリアは口元だけを見せて微笑んだ。
「そうですねーえ、私もあなた方の考えが聞きたいですねーえ」
そして、原っぱの西の端の方を指差した。
「あちらで話をしましょう。大きな切株がありましてねーえ。腰を下ろすにもちょうどいいですから」
そう言うアメリアの吐く息はことのほか白く、体温が高そうな様子がはっきりと伝わってきた。オリヴィアが、体調が悪そうだった、と言ったのはこのことであろう。
「そうしましょう。アメリア様、温かい紅茶はいかがですか?」
ライラは柔らかく微笑みつつもアメリアを気遣って、先に立って切株へと歩いた。全員が切株の周囲へ落ち着き、自己紹介を済ますと、ディーナがスキルを使った治療をアメリアに申し出た。だが、アメリアはやんわりと首を横に振ってそれを制す。
「大丈夫ですよーお。心配ご無用です。紅茶だけで、充分です。それより皆さん、あの歌について、特に「おどる」ということについて、どうお考えですかねーえ。早速お聞かせ願いたいのですけどねーえ」
アメリアがハンターたちの顔を見回すように顔を動かし、ぴたり、とカティスの前で動きを止めた。相変わらず口元しか見えぬ状態の微笑みを、カティスに向ける。
「えっ、えと……。この場所のマテリアルの流れとか……わかりますか?」
カティスはいささか緊張した様子で、考えを述べる前にアメリアに質問を返した。
「マテリアルの流れ、ですか?」
「あ、その……踊る原因は、森の磁場とマテリアルかな、って思ったのです。歌は、マテリアルの変化を促すキッカケで、そのマテリアルの変化が生き物に影響を与えたのかな、って」
「森を歩きながらマテリアルの渦を探ってたけど、竜脈のような力の流れがあるな」
アメリアが答えるより先に、ザレムがそう言った。アメリアはそれに頷いて、マテリアルの流れについては正しい読みであると示す。そして、カティスの考えを再度面白そうに反芻した。
「つまり、カティスさんは、踊るのは生き物だ、と考えるわけですねーえ」
なるほど、と嬉しそうに何度も頷いている。
「……生物、という点では……、私の考えも、そうです……」
静かに口を開いたのは、時雨だ。
「空を見上げ、という歌詞から考えて……、それは空を飛ぶ存在……。皆その存在を歓迎するように踊って……、歌もその存在を湛えるもので……。その存在もその歌が好きだったのでは……と。けれど何時しかその生物は温厚な存在ではなくなり……、皆おどる、が、その存在から逃げ惑う様の比喩になったのでは……。歌うことを禁じたのは、その存在を呼んでしまうからでは……」
「呼んでしまうから歌わない、というのは私の考えと重なるところがあるの」
時雨の考えをふむふむと聞いていたアメリアを、ディーナが射抜くように見た。アメリアが無言で頷いて先を促すと、ディーナは淀みなく語り出す。
「歌は感動や勲を歌うの。でも災厄の記憶を消すためにも忘れるためにも歌われるの。歌うことを禁じられる歌は忌歌、封じ歌であることも多いの。少なくともその時その場所で歌われるのを禁じられた歌は。村にとって封じておきたい物って何だと思う? 都合の悪い罪の記憶? 倒せなかった歪虚? 隠した財宝? 幻獣の居所へ通じる道?」
ディーナはそこで一呼吸置いて、続けた。
「より磁場の狂う冬にこの森で浄化陣のトランスに入ることを禁じる……封じるべき物を正しく開封する手掛かりがここにあるからって思えるの。封じているからこその磁場やマテリアルの乱れに思えるの」
「……とても面白い考えですねーえ。ああ、愉快という意味ではありませんよ、興味深いという意味です」
アメリアは何度も頷いてそう言った。すると、皆の話を熱心に聞いていたライラが、感心したようにため息をつく。
「私は単に雪が舞うことと人が迷うことを踊るとかけていると思っていましたけれど、そう聞くとなんだか不気味な歌ですわね」
「そうだね。……うん、封印説、一理あるよね」
マチルダも頷く。アメリアはその一理ある、という表現を見逃さなかった。
「でも、マチルダさんには違う考えがあるようですねーえ」
「ええ……。森に渦巻く正のマテリアルが、その歌で増幅されて更に渦巻いたら、私たちも目が回ったように混乱して方向感覚を失う。そうなると、千鳥足みたいになって踊るかも、って。それに、ライラさんが今言ったけど、雪が関係してるのかも。歌ったからか分からないけど、雪雲が来てる。歌えば歌うほど近づいて、この原っぱに雪が舞って、更にマテリアルの影響で吹雪みたいに荒れ狂って、生き物は逃げ惑うけど、迷い森ってのもあってこの空間でぐるぐるするしかないのかも」
マチルダが一息に言い切ると、アメリアは口元の笑みを深くした。
「素晴らしい。これだから、ハンターの皆さんにお仕事を頼むのはやめられないのですねーえ。皆さん素晴らしい考えと行動で、魔法の可能性と実用性を私に示してくれる! これは決して、私ひとりでは得られない研究結果です」
急に興奮した調子で話し始めたアメリアに、皆は一瞬呆気に取られた。すぐに目を鋭くさせたのは、ザレムとディーナだ。アメリアがこれからどういう行動に出るのかを、油断なく見ている。
「皆さんの考えは、どれも、ちょっとずつ正しくて、ちょっとずつ誤りなんですねーえ。総合的には、マチルダさんが一番私の考えに近いですがねーえ」
アメリアがニヤリと笑う。マチルダが驚いてぱちりと瞬きをした。
「……アメリアさんは……、すでに答えを知っていると……いうことなのですか……?」
時雨が問うと、アメリアは首を横に振った。
「知っている、というわけではないんですねーえ。ただ、ある程度の予想はつけられましたからねーえ」
アメリアは、くすくすと笑って、立ち上がった。
「何をする気なんですか?」
素早く立ち上がったザレムが、厳しい声音で問う。その隣にディーナも立った。
「知りたいことは罪じゃないの。考えることも罪じゃないの。努力することも罪じゃないの。罪なのはただ一つ……結果を想像して行動したかしないかだけなの」
ディーナの瞳はまっすぐだった。何か悪しきモノを封印から解こうとするならば協力はしない。その決意が手に取るように見えて、アメリアは微笑んだ。
「結果の想像はね、しましたよーお。想像だけでは不十分ですから、確信とも呼べるくらいに検証をしました。何かが封じられている説は、私も考えましたが、それはないようです。こうした調査に数週間かかりましてねーえ。おかげで、寒さに体調を崩されてしまいましたが、まあ、それも都合がいいかも……」
アメリアはそこでひとつ、くしゃみをした。
「それだけ強い目をしている方々ですから、きっと心配ないと思いますがねーえ。ひとつお願いです。皆さんは、踊らないように、気持ちをしっかり持っててくださいねーえ」
「え? 踊らないように?」
カティスが首を傾げたのに頷いて、アメリアは続けた。
「マチルダさんの考えと私の予想で食い違うのは、一点。歌が雪雲を呼んだ、という点です。そうではなく、雪と歌と、そしてこの森のマテリアルの狂いが、おどりを呼ぶのです……、ああ、降り出しましたねーえ」
最後の一言を合図に、全員が空を見上げた。真っ暗な空から、白く細かなものが、ふわふわと、きらきらと、降ってきた。
「雪……」
時雨が、呟いた。
「さあ。この場で生まれる魔法を、皆さんの目で確認してください」
そして、アメリアが歌った。あの、歌を。
「おどる おどる 皆おどる」
すると。
森の木々が、不自然に揺れた。夜には姿を現さないはずの鳥も、いつの間にか出てきておかしな動きで旋回する。野ウサギや、リスも。
そして。
「あああ、やはり! 粉雪が何もかもを踊らせるのですねーえ!」
アメリアも。
両手を広げ、ぐるぐると踊り始めた。白い粉雪と、歌と、渦巻くマテリアルの流れ。幻想的で美しくもあったが、それはとても見惚れていられるような美しさではなかった。
「頭が、くらくらする!」
マチルダが耳を塞ぐように頭を抱えた。ハンターたちを眩暈のようなものが襲う。
「これが、粉雪の魔法……! このままではいけません、アメリア様を止めましょう!」
ライラがそう叫んで、ザレムとカティス、ディーナが三人がかりでアメリアの身体を止めにかかった。驚くほど熱い身体だ。熱があるのだ。
「森を……、出ましょう……。方位磁針は、まだ使えます……」
時雨が先導し、ハンターたちはアメリアを引きずるようにして、森を出た。
森を出た時には、もう明け方で、方位磁針の効力はギリギリ間に合ったといったところだった。
「皆さん、ありがとうございました。うーん、面白い魔法でしたが、実用的ではないですかねーえ」
アメリアはひとつお辞儀をすると、ぶつぶつ呟きながら早々にハンターたちに背を向けて立ち去ろうとする。自分の考えに没頭しているようだ。
「待って!」
マチルダが呼びとめ、ライラが問いかける。
「貴方が、他のお天気の依頼を出すように動いたのですか? 一体何が目的なのですか?」
「良かったら何か教えていただけませんか?」
ザレムも尋ねた。
アメリアは、首だけで振り向いた。
「目的はもう少し、秘密にしておきますねーえ。大丈夫。悪いことにはなりませんよーお」
そしてアメリアは、もうすっかり降りやんでしまった粉雪の名残と共に、舞うような足取りで去って行った。
依頼結果
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マチルダ・スカルラッティ(ka4172)
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依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/02/22 12:33:24 |
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相談卓 外待雨 時雨(ka0227) 人間(リアルブルー)|17才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2016/02/24 21:55:46 |