• 闇光
  • 龍奏

【闇光】神秘を求めて

マスター:大林さゆる

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~7人
サポート
0~16人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2016/03/15 07:30
完成日
2016/03/22 16:43

このシナリオは3日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 カム・ラディ遺跡。
 クリムゾンウェスト連合軍から魔術師協会へも協力要請がきていた。
 魔術師協会に所属する魔術師スコットの護衛として、マクシミリアン・ヴァイス(kz0003)の姿もあった。
「……困ったヤツだな」
 溜息をつくマクシミリアン。
「小型のイニシャライザーを使って、浄化地域を広げるためには、もっともっと龍鉱石が必要なんだ」
 スコットは淡く輝く龍鉱石に魅せられて、時折、作業の手が止まることもある。
「手を休めるな」
 マクシミリアンの言葉で、我に返るスコット。
「す、すまない。拠点防衛のためにも、龍鉱石をたくさん集めないとな」
 龍鉱石はカム・ラディ遺跡防衛の要であったが、使い捨ての鉱物だったため、できるだけ多く集める必要があった。つまり、龍鉱石を集めれば集めるほど、カム・ラディ遺跡の防衛を強化することになる。
 イニシャライザーを起動させて、とにかくひたすら龍鉱石を集めまくるのだ!
 とは言え、龍鉱石は『マテリアル』で構成されている。魔術師であるスコットの知的好奇心は、龍鉱石を見れば見るほど高まってくるのだ。
「スコット、本来の仕事を忘れるな。おまえも魔術師協会の一員ならば、しっかりやれ」
 マクシミリアンは護衛で来たのだが、いつの間にかスコットの見張り役になっていた。
「ご、ごめんよ。龍鉱石を回収するのも、立派な任務だものな」
 スコットはイニシャライザーを使い、次々と龍鉱石を集めていく。
 同行していたハンターたちも、結晶化した山沿いを削りながら手際良く作業を続けていた。
 3時間ほど作業した後、休憩を取ることにした。



 そろそろ作業を再開しようとした時である。
 二足歩行の黒いドラゴンが、作業現場に現れ、スコットたちの妨害に入ってきた。
「やはり歪虚が来たか」
 マクシミリアンがロングソードを構えると、ドラゴンの背後からリザードマンの集団がスコットたちに襲いかかってきた。
「この奥には、大きな龍鉱石があるのに……」
 スコットは後衛から援護に回った。
 と、その刹那。
 後方から、鎧騎士3体が出現し、スコットの背中を切りつけた。
「スコット!」
 マクシミリアンがスコットの元へと駆け寄ると、歪虚たちが群がってきた。
「……どうやら、鎧騎士は人形のようだな。偵察に来たか?」
 強欲の歪虚たちの動向が気になり、嫉妬の歪虚が偵察に来ている可能性もあった。
「本命の龍鉱石を手に入れるには、歪虚は全て狩った方が良いだろう」
 マクシミリアンは鋭い眼差しで、呟いた。
「……龍鉱石は、カム・ラディ遺跡の防衛には欠かせない物なんだ。ここで負ける訳にはいかない」
 スコットは怪我を負いながらも立ちあがった。
 人類のため、母国のため、様々な想いを抱えて、ハンターたちが勇ましく武器を構えた。
 果たして、ハンターたちは歪虚を倒し、本命の龍鉱石を守り切ることができるのか。

 カム・ラディ遺跡を守るため、本命の龍鉱石を取り戻すのだ!



■注意事項
歪虚を全て退治しなくても、龍鉱石の回収はできますが、
作業場の奥にある大きな龍鉱石(本命)は、歪虚を全て倒さないと手に入りません。
そこら辺に転がっている龍鉱石を手に入れることは可能ですが、母国に持ち帰ることはできません。
この依頼ではカム・ラディ遺跡の『拠点防衛の後方支援』として、龍鉱石の回収をしています。
回収した龍鉱石は、カム・ラディ遺跡へと運ばれます。
そのため、無断で龍鉱石を持ち出すのは禁止となっています。ご注意下さい。

リプレイ本文

 カム・ラディ遺跡の周辺にある山沿いで、龍鉱石を回収する作業を再開しようとした時、見計らったように歪虚の集団が出現した。
「まさか挟撃されるとはねぇ」
 鵤(ka3319)は気怠そうに言いながらも、戦況を冷静に見据えていた。
「スコットくんだっけぇ? 怪我してるようだから、さっさと脱出した方が良いんじゃない?」
 歪虚に囲まれていても、普段と変わらない鵤だった。
「さあ、先手必勝、踊りなさい!」
 ウーナ(ka1439)は銃による『バレットダンス』で、範囲内に居るリザードマンたちを翻弄する。この場からスコットたちを逃がし、ハンターたちは協力して歪虚を倒すことにした。
「スコットさんの仇は絶対に討つわ」
 ティス・フュラー(ka3006)は目の前で魔術師のスコットが青銅の人形に背後から斬りつけられた場所に居合わせて、すぐさま攻撃体勢に入る。ティスは『聖銀の水弾』を解き放ち、人形一体に狙いを定めると、六つの水球が着弾前に合流し、一つの塊となって叩き付けるように人形の胴部に命中した。
「人形が体勢を整える前に」
 玉兎 小夜(ka6009)は日本刀「骨喰」を抜いたと思いきや、レガース「エダークス」で蹴りを繰り出す。人形一体は攻撃を食らい、消滅するが、残りの人形2体はすでに後方へと下がっていた。
「スコットさん、逃げて」
 ティスの叫びに、スコットは敵の合間を潜り抜け、彼を護衛するため、マクシミリアン・ヴァイス(kz0003)がロングソードで人形の放った矢を払い除けていく。
「目つきの悪いあんちゃん」
 小夜はマクシミリアンをそう呼び、傷だらけのスコットを見た。
「ぼろぼろのあんちゃんを守って」
 小夜の言葉に、マクシミリアンが頷く。
「任せておけ。そっちは頼む」
「おんやー、トカゲの歪虚くんがドラゴンくんの壁になってるじゃなーい? まっ、まとめて攻撃できるから良いけどねぇ」
 鵤は前方に向かって『ファイアスローワー』を放った。射程内にいた敵全てに攻撃を与えることができたが、消滅したのはリザードマン7匹……ドラゴン・ナイト「ノアール」は、足止めに来た時音 ざくろ(ka1250)とレイア・アローネ(ka4082)に気付いて咆哮をあげた。
「この奥には大事なお宝があるんだ。レイア、気合入れていくよ」
 ざくろが『デルタレイ』を放つ。魔法剣「レヴァリー」を掲げて三角を描くと、魔導書「アルス・パウリナ」により活性化された光の三角形が現れ、その頂点一つ一つから伸びた光がノアール1体、リザードマン2匹を貫く。
「リザードマン2匹は消滅したが、ドラゴンはしぶといな」
 レイアはいつの日か龍と対等に渡り合うことを胸に秘め、『守りの構え』で防御に徹していた。
 そのおかげもあり、シルヴェイラ(ka0726)は『ジェットブーツ』で飛び、作業場の奥へと入ることができた。
「やはり、それが目的か」
 シルヴェイラの予想通り、リザードマンたちが本命の龍鉱石を破壊しようと侵入していたのだ。
 見れば、2メートルほどの龍の形をした龍鉱石があった。これが本命だ。
 ノアールはシルヴェイラの動向に気付き、狙いを定めて攻撃をしかけるが、シルヴェイラの『攻性防壁』が発動……ノアールは衝撃で後退し、光の障壁による雷撃で麻痺して身動きができなくなった。
「よっし、スコットたちは離れたし、これでしばらくはリザードマンに集中できるね」
 ウーナはオートマチック「チェイサー」と「アレニスカ」を構えて『ダブルファイア』で攻撃をしかけた。2匹のリザードマンが消滅するが、生き残っているリザードマンたちは作業場の奥へと進んでいく。
 青銅の人形2体が作業場の奥にいるハンターを狙い、弓矢で『ダブルシューティング』を放った。
「ここは私の見せどころっ!」
 小夜は『受け流し』で矢を払い除けた。ティスは八卦鏡「止水」で矢を受け、一本は払うことに成功したが、二本目の矢によって腕に掠り傷を負った。
 それでもティスは仲間たちを守るため、『聖銀の水弾』で反撃する。
「好き勝手なこと、させないから」
 淡い銀の光を帯びた6つの小さな水球が、人形の眼前で一つになり着弾した。
 ティスの魔法は命中し、人形1体にかなりのダメージを与えることができた。
「……もう1体の人形、先には行かせないよ」
 小夜が『居合』による『紅蓮斬』を繰り出すと、別の人形は隙をつかれて足を砕かれた。
 その場で崩れ落ちる人形……だが、膝で体勢を取り、防御していたこともあり、まだ膝から上は残っていた。
 2体の人形は周囲を警戒するように、何故か攻撃をしてこなかった。
「人形の狙いはなんにせよ、これ以上、先にはいかせないわ」
 ティスが『聖銀の水弾』を放つと、人形が一体消滅。小夜は『居合』からの『紅蓮斬』で人形を斬りつけ、赤い剣筋が見えたと同時に、人形は粉々になり、消えていった。




 一方、作業場の奥では乱戦になっていた。
 ノアールは行動阻害の効果が切れて、レイアたち目がけて『乱刃』を放った。
「奥に入る気か。だが、そうはさせない!」
 レイアは懸命に魔剣「シーガルスホルム」でノアールの大剣を受け止める。敵の刃がレイアの腕を切り裂き、血が飛び散った。そして、ざくろにも敵の刃が襲いかかった。
「甘く見るな! お前の攻撃は見切った!」
 ざくろの『攻性防壁』が発動し、ノアールは出入り口から弾き飛ばされ、またもや身動きが取れなくなった。
「敵の狙いは本命の龍鉱石を破壊すること……それだけは阻止せねば」
 シルヴェイラは龍の形をした鉱石の前に陣取り『ファイアスローワー』を噴射して、リザードマンたちの行く手を阻んでいた。
「20匹どころじゃないねぇ。それだけ敵も必死ってことぉ?」
 鵤も援護で『ファイアスローワー』でリザードマンの群れを焼き尽くしていく。
 戦闘前の目視では20匹のリザードマンを発見することができたが、実際に奥まで入ってみると30匹ほど群がっていた。
「もう、こうなったら、撃てる限りやっちゃうからね」
 ウーナは『クイックリロード』で充填し『バレットダンス』を繰り広げる。リザードマンは奇声を発しながら消滅していく。
 外にいたティスは弾き飛ばされたノアールに気付き、『アイスボルト』を放つ。氷の矢が1本、ノアールに突き刺さり、冷気が纏わりついていた。
「ノアールが氷結したわ。今のうちに」
「遠慮はしない、ヴォーパルバニーが刻み刈り獲らん!」
 小夜は『居合』と『紅蓮斬』を駆使して、ノアールを斬りつけた。
 敵はダメージを受けてはいたが、なかなか消える気配はない。
「ここから狙えるか」
 レイアは巨体のノアールに『渾身撃』を叩き込む。敵の胴部から砕ける音がしたが、ノアールは防御の構えを取っていた。
「輝け、ハイパー機導剣! ここは絶対に進ませないと言った筈だよ」
 ざくろの掌から光の剣が出現……『機導剣』が煌めき、ノアールの頭部から両断することに成功。
 切り裂かれたノアールは真っ二つになり、衝撃によって塵と化して消滅していく。
 その様子を見ていた小夜が、棒読みの声援を送った。
「きゃー、ざくろさんかっこいー、すごいー」
 ノアールは倒せたが、リザードマンの集団は龍鉱石を破壊しようと奥へと移動していく。
「トカゲくんが最後に残るとはねぇ。おっさんに近付いても、良いことないよぉ?」
 鵤は敵の前に立ちはだかり、逃げる様子もない。
 リザードマンが鵤に『強打』をしかけるが、雷撃の壁に阻まれて、後方へと押し流されていく。
「だから言わんこっちゃない」
 鵤の『攻性防壁』によって、敵が弾き飛ばされたのだ。
「まだまだ油断は禁物です」
 シルヴェイラは短弓「白蓮」を構えて矢を放ち、鉱石に向かってくるリザードマンたちを牽制していた。
「ここは死守するのみ」
 ウーナは『ダブルファイア』で確実にリザードマンを撃ち抜いていく。
「出入り口は一つだから、敵も上手い具合に並んでるわね」
 ティスは後方から『ライトニングボルト』を放った。一直線の雷撃が迸り、射程内にいたリザードマンたちが砕けるように消滅していった。
「残りの一匹、片付けちまうよっと、ほら」
 鵤の『機導剣』によってリザードマンが切り裂かれ、消滅すると、辺りは静まり返った。



 ハンターたちの連携により、歪虚を全て倒すことができた。
「これが本命の龍鉱石」
 シルヴェイラは龍の姿をした鉱石を目の当たりにして、しばらく興味深く眺めていたが、トランシーバーでマクシミリアンに報告した。
「龍の形をした鉱石を発見。敵の狙いは龍鉱石の破壊だった模様」
『了解だ。本部に連絡しておこう。本命の龍鉱石は回収してくれ』
 マクシミリアンから返答があり、シルヴェイラは皆に龍鉱石の回収を伝えた。
 それを聞いたティスは安堵した。
「これで作業も再開できるわね。イニシャライザーを起動させて、本命の龍鉱石は形を崩さないように運びましょう」
「おっさんも運ぶのぉ? 腰きっついわー」
 鵤は自分の腰を軽く叩きながらも、作業場の外まで運ぶのを手伝うことにした。
 本命の龍鉱石を回収すれば報酬も上がるからだ。
「土台になってる龍鉱石をスライスすれば、運べるよね」
 小夜は楽しそうにイニシャライザーで土台を削っていく。
「慎重に足元だけ削らないとね。大事なお宝だから」
 ざくろも冒険家としての魂が騒ぐのか、ワクワクしながらイニシャライザーを起動させて、小夜の手伝いをしていた。
 レイアは龍の形をした鉱石を見て、魔術師協会が今回の依頼に関わっているのも納得できた。
「スコットが見惚れるのも分かる気がするな」
 不思議な力が秘められた鉱石ならば、魔術師たちが興味を持つのも想像がつく。
 ウーナも魔術師協会の助太刀として、参加していた。
「地面にも、所々に小さな龍鉱石があるね」
 イニシャライザーを使って、一つ一つ龍鉱石を拾い集めていく。
 レイアも龍鉱石の回収作業に協力することになった。
 ティスは作業をしているスコットに声をかけた。
「スコットさん、もう動いても平気なの?」
「ああ、すっかり良くなったよ。これもティスさんたち、みんなのおかげだ。ありがとう」
「どういたしまして」
 ティスが微笑むと、スコットは照れ笑いを浮かべた。隣で回収作業をしていたウーナが、とびきりの笑顔を見せた。
「スコットが無事で良かったよ。本命の龍鉱石も取り戻せたしね」
 ウーナにそう言われて、スコットはさらに赤面していた。
「どうやらスコットくんは、カワイ子ちゃんに弱いみたいだねぇ。誰かさんはウトイみたいだけどー」
 鵤がケラケラと小さく笑っていた。『誰かさん』とはマクシミリアンのことであった。
 それからハンターたち全員で、本命の龍鉱石を作業場の外へと運んでいった。
 最終日には回収作業が終わり、鵤は両肩を交互に軽く回していた。
「おっさん、疲れたわー。帰ったら酒でも飲んで寝よっと」
 シルヴェイラは検分のため、本命の龍鉱石に触れて、古代への想いに馳せた。
「実物の龍鉱石は本当に美しいものだな……龍が結晶化すると、このような形になるのか」
 ふと見遣ると、天を見上げる龍の彫像のようにも思えた。
 その後、回収された龍鉱石は、カム・ラディ遺跡へと輸送された。
 これで拠点防衛も強化されるだろう。


 神秘なるもの。その名は龍鉱石。
 人類にとって、未来はどのように変化していくのか。
 不思議な輝きは、一筋の希望にも見えた。

依頼結果

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  • 時の手綱、離さず
    シルヴェイラka0726
  • ツナサンドの高みへ
    ティス・フュラーka3006

重体一覧

参加者一覧

  • 時の手綱、離さず
    シルヴェイラ(ka0726
    エルフ|21才|男性|機導師
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 青竜紅刃流師範
    ウーナ(ka1439
    人間(蒼)|16才|女性|猟撃士
  • ツナサンドの高みへ
    ティス・フュラー(ka3006
    エルフ|13才|女性|魔術師
  • は た ら け
    鵤(ka3319
    人間(蒼)|44才|男性|機導師
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 兎は今日も首を狩る
    玉兎 小夜(ka6009
    人間(蒼)|17才|女性|舞刀士

サポート一覧

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依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/03/13 09:09:02
アイコン 作戦相談卓
玉兎 小夜(ka6009
人間(リアルブルー)|17才|女性|舞刀士(ソードダンサー)
最終発言
2016/03/13 23:52:35