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  • 龍奏

【龍鉱】ダウンタウンの暗躍

マスター:瑞木雫

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2016/03/21 22:00
完成日
2016/04/05 01:17

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出? もっと見る

-

オープニング

●まさかの依頼
 共に北方王国リグ・サンガマに行き、龍鉱石の採掘に協力して欲しい―――。それは、まさかのダウンタウンから出された依頼内容だった。

●ダウンタウンが何故?
 ―――龍鉱石とは。北方王国リグ・サンガマ西部、カム・ラディ遺跡周辺地域で採掘できる『死んだ龍が石となったマテリアル鉱石』のことである。
 今現在判明している事でも龍鉱石がもたらしてくれる力というのは、人類が喉から手が出る程欲しい力だった。転移門の強化、それからカム・ラディ遺跡のバリア機能の復活の鍵、そして汚染領域での活動を可能とする浄化。それだけでも十分凄い事なのだが、まだまだ解明されていない点も多く、また新たな発見があるかもしれない。

 それだけのマテリアル鉱石が発見されているのだ。様々な組織が、勢力が、国家が、注目するのは当然の事である。
 だが、自由都市同盟の『ダウンタウン』が今回の龍鉱石に纏わる事で熱心に関与し、密かに貢献している事については少々意外であるだろう。

「何か企んでるのかって? ……ふ、まさかな」
 ジャンことジャンルカ・アルベローニ(kz0164)は聴かれた質問に対して、くつくつと笑いつつ煙草を吹かした。彼はダウンタウンの実質的リーダー・ヴァネッサ(kz0030)の右腕を名乗っている、ダウンタウンの狂犬と呼ばれている男――今回ヴァネッサの指示でリグ・サンガマに向かうダウンタウンの精鋭チームを纏めているようである。
「……まぁ、安心しなよ。俺らの考えていることなんてそう難しいことじゃない」
 そう告げながら、微笑みを浮かべて宣言した。
「俺達はただ、『ダウンタウンで楽しく暮らせればそれでいい』」
 そしてジャンの後ろに立っていた弟分であるカークも、お願いする。
「内情についてあまりお話できず、申し訳ございません。ですが兄貴の言った通り、俺達の願ってる事は『ダウンタウンで楽しく暮らせればいい』というのは本当デス。兄貴はめっちゃ怖いですし乱暴ですし悪人デスケド、姐さんを慕う気持ちとダウンタウンを愛する気持ちだけは本当なんで!」
「おい、カーク。喧嘩売ってンのか?」

 ――ダウンタウン精鋭チームの仲間になってほしい。
 それは同時に今回の依頼では『ダウンタウン勢として力を貸して欲しい』という約束を意味した。

 勿論、手を貸してくれるなら報酬はたんまりと払う。
 成果次第では、それ以上に。

 だがダウンタウンが一体何を望み、何を得られるのか――それは今の時点では未だ明確に語る事ができない。

 そしてそれを引き受けるか引き受けないかは、貴方次第である。

○水晶の森の奥地
 ――幻想的な静々とした奥地に、水晶のような輝きを放つ龍が居た。
 その勇ましき佇まいに、きっと誰もが息を飲む。
 もう動く事は無くなってしまった龍は、長い刻をこの場所でずっと待っていたようだった―――。

 その付近にも、もう一体。
 全身がクリスタルの如く美しく、丈夫過ぎる程の硬い皮膚が陽の光を浴びて輝く石化した龍の姿――だがこちらは、ぎし、ぎし、と何やら軋む音を響かせて、ぎこちなく動き始めた。

●リグ・サンガマにて
 ――ダウンタウンの精鋭達は水晶の森に足を踏み入れていた。
 探索するのは勿論、龍鉱石を掻き集める為である。地道にコツコツと掻き集める事は必要だし、大事な事である。だがジャン的には、もう少し派手でわかりやすい、目玉になるような貢献も欲しかったところだ。あわよくば―――。
(龍のサイズぐれえのでっけぇ奴を見付けてぇなぁ……)
 ジャンは鮮血色の眸をギラギラと光らせていた。

リプレイ本文

●依頼は成立する
「ダウンタウンとは初めて聞いた。もっと世界を知らねばな」
 辺境に身を置く事の多いリュカ(ka3828)は、同盟領のダウンタウンに興味を示す。
 そして同盟に身を置く者の力になれるのなら――
「尽力しよう」
 リュカの快諾にダウンタウンの精鋭達は胸を撫でおろし、彼らを率いるジャンルカも礼を言った。
「ありがとう……恩に着るぜ」
 此度の探索に協力すると応じてくれたのはリュカを含めて8名。
「ボクはレオン=M=エゴロフ。よろしくね」
「あたしの名前は愛梨。よろしくね」
 友人同士なのだと言うレオン(ka5108)と愛梨(ka5827)が挨拶をすると、ジャンルカが握手を求める。
「ジャンルカだ。ジャンでいい。……宜しく頼む」
 そしてボルディア・コンフラムス(ka0796)にも手を伸ばした。
「おう、俺はボルディアだ。ま、よろしく頼むぜ」
 精鋭達は「良かったぁ!」と安堵していたり、「ありがとうございます!」と感謝していたり、浮かれる反応は様々。
「至らぬ点ばかりの身ではありますがどうぞよしなに」
 丁寧に云った金鹿(ka5959)に「こちらこそ」と返すジャンも、心なしかほっとしているように見えるだろう。
「何というか……精鋭部隊って、いい響きだね!」
 藤堂研司(ka0569)が感じたままに零すと、パトリシア=K=ポラリス(ka5996)はこくりと頷いて人懐っこい笑顔を浮かべた。
「みんなデ、ガーッといって、バーっとやって、たったらー! できたら良いデスネ♪」
 そんな明るい純真さに、ジャンは微笑む。
「あぁ。ヴァネッサ姐さんから特命を受けた精鋭の名に恥じぬ功績を残したいもんだ……。頼りにしてるぜ」
 そしてパトリシアは彼らとすぐに打ち解け、友達になるだろう。ダウンタウンのジャン達は雰囲気こそ悪党のようではあるが、話してみれば案外友好的だった。転移してからずっと同盟の人々と縁があり、ダウンタウンの彼らとも仲良くしたいと思っていたから、一緒に仲良く冒険できる事を、とても嬉しそうに微笑む。

 ――その一方で、
(どうも気になるんだよなぁ)
 ジルボ(ka1732)は奇妙に思っていた。龍鉱石の件でダウンタウン勢力がこんなにも必死になって協力している理由が……。そう感じ てジャンを横目で窺う。
 するとその視線に気付いたジャンは目を細め、意味深な笑みを浮かべるだろう。やはり少なからず、何か考えがあっての“ダウンタウンの暗躍”であるらしい。しかし今は敢えて、問い詰めたりはしない。ジルボが今回依頼を引き受けたのにはもう一つ理由があるからだ。
 ジルボの職は便利屋。同盟のダウンタウンなら仕事の話は事欠かないだろうと踏んでいる。特にダウンタウンの狂犬・ジャンなら、そういう話は幾らでも持っている筈。
(仕事柄、同盟に顔を売っておきたいしな)
 先ずは営業の為にも、依頼の完遂が目標だ。それにどのみちダウンタウン勢力の腹を探れるのはきっと、その後の事なのだろうから――。

●二つの龍鉱石
「やっぱり森は落ち着くわー♪」
 愛梨は故郷を想い出しながら、森を眺めていた。その隣をレオンが歩みながら目を細める。
 ――龍鉱石を求めて、水晶の森を進む一行。
 
「さて、どうやって探そうか」
 レオンが皆に訊ねると、金鹿は提案する。
「ただ闇雲に探すよりは、何か良いことが起こりそうな方角を占じてみるのも宜しいかもしれませんわね」
 当たるも当たらぬも八卦……ちょっとした気分転換ついでに視野が広がれば僥倖だ、と愛梨を見た。
 水晶の森はリザードマンがよく徘徊しているらしい。なのでその危難を避ける為の占いは金鹿が、予知の占いを必要とするなら愛梨が担当する事になっていたのだ。
 愛梨は猫のような悪戯っぽい微笑みを浮かべて、「任せて!」と八重歯を覗かせる。
 まずは符を四方に配置し、そして木の枝を中心に立て――
「えい」
 愛梨が手を離すと枝はぐらりと倒れた。
「あっちよ!」
「よし、あっちだ。行くぞ」
「ハイ!」
 愛梨の占いの結果を受け、ジャンが精鋭達を連れ乍ら従う。
「あ、でも占いなんて基準にしかならないし外れても恨まないでね?」
 愛梨が言うと、ジャンは紫煙を吐きながら微笑んだ。
「恨まねぇさ。あんたらに縋ってるのは俺らの方だからな」
 精鋭達も笑っていたが、それは何処か憂いを帯びる。どうやら、どうも最近は龍鉱石の回収に行き詰まっているらしく、今回ハンターの力を借りたのだって、今の現状をなんとか打開してくれないかなぁという切実な期待を持っての事だったのである。
「もう探すのはへとへとっす……。占術が当たってるといいなぁ」
 カークが思わず溜息を漏らす。
「当たってるかはまだ分からねーけど、俺もこの先に何かいい事がある気がするな」
 ジルボが直感で言うと、彼は表情を緩めた。
「マジですか!? だといいなぁ。もう探索しなくてもいい位のでっかい龍鉱石とか置いてあったりしないすかね!」
 いや、そんな人生うまくいくもんじゃないですけどね。
 アハハ。

 ――と、冗談で言っていたのが数分前。
「ぇぇぇえ!? 本当に置いてあったよ!?!?」
 まさかの吉報!
 ダウンタウン勢でさえ発見した事の無かった規模の龍鉱石が目の前に――!
「凄いよ、愛梨!」
 当たりどころか大当たりな大活躍。 レオンの言葉に、愛梨はえっへんと誇らしげだ。

「ふぁぁっ! おっきなキラキラ……!!」
 パトリシアの翡翠色の眸も好奇心できらきら。
 迫力のある勇ましい龍の原型をそのまま残す巨大な龍鉱石を目の前にして、おおはしゃぎで近寄っていく。
 龍達の見た世界はドンナだったろう。何を思って暮らしていたんだろう。
 パトリシアは龍に怯える事も無く想いを馳せながら、むしろ楽し気にぴとっとくっついた。
 丈夫で冷んやり♪
「あん時の小さな欠片じゃねぇ、フルサイズか……何か、圧倒されちまう……」
 研司は驚愕を覚えていた。
 この龍鉱石は自分が知っていたサイズとは比べものにならない位にデカい。
 ジルボも不思議なものだと思いつつ、興味津々に見上げている。
 そして巨大龍鉱石の発見を何より喜んでいたのは、ダウンタウン勢力だっただろう。
「やったぜー!!」
「今迄たいへんだったけどようやく報われたのねー!!」
 ガッツポーズ&ハイタッチ!
「龍鉱石、このまま持って帰るデスヨー!」
 パトリシアも彼らと一緒に、わーいと喜びを分かち合う。
 ジャンはパトリシア達を見守るように微笑んでいた。
 ――その時。

「――」
 リュカは森のざわめく声が聴こえて、背後を振り返る。葉を宿す枝の様となった耳は、音や空気が突如変化したように感じながら。大樹の精霊の力をその身に宿しつつ、吹き抜ける風を受けた髪が葉と成りさざめく。
「……この声は、穏やかではないな」
 何者かは分からない――だが何かがやって来る。
 その警告を聴いたダウンタウン勢力も浮かれるのを止めて気を引き締め、緊迫した空気に包まれる。
「ま、お宝の周りには相応の障害があるもんだ」
 警戒態勢のジルボは慎重に周囲を索敵。
 リュカも同様に周囲を注意しながら、金鹿に視線を送る。
「金鹿」
 脅威の存在が居るならば前衛としていち早く駆けつけたいからこそ、索敵は仲間にお願いしたい。
「分かりましたわ」
 頷いた金鹿は禹歩を行う。
 そして襲い来る何かを感知しその元凶の方角を見出す――。
「何やらあちらの方角から嫌な予感がしますわね……」
「敵か? ま、それは行ってみたら分かるか」
 ボルディアは青白い炎のオーラを沸き立たせながら、不敵に微笑んだ。細かい事はどうだっていい。障害があるなら全て潰せばいいだけなのだから。
 龍鉱石を守る係として残るパトリシアは、前衛の仲間に守護の力を秘める符を貼り付ける。それは龍鉱石と、精鋭達にも例外無く。
「ありがとね、パティちゃん!」
「龍鉱石の方は任せたぜ。お前らもしっかりやれよ!」
 ジャンにとって最優先なのは龍鉱石の安全確保だ。精鋭の数名をパトリシアと同じ護衛に残しつつ、あとのメンバーで嫌な気配のする方角へと既に向かっているハンター達に続く。
 気をつけてと手を振るパトリシアにジャン達はサムズアップ。
 信頼関係で結ばれた彼らの周りに、蛍のような淡い光が、パトリシアの眸に映っていた。

 ――そして走りだしていた研司とジルボは、直感視で括目する!
「こいつは……」
 前方を見据えたジルボが、眉を潜める。
「……おい、まさか……敵もフルサイズ、だと……?」
 研司も発見した対象の凄まじさに、思わず目を疑っていた。
 ズシン、ズシン、と大地を揺らす龍――
 レオンは息を飲んだ。
 先程の龍鉱石と同等のサイズの結晶龍が、前進を図ってきている!
 これより先にはあの龍鉱石がある……
 もしこんなのが本気で突っ込んでくるならば、あの龍鉱石も流石にひとたまりも無いだろう。
「壊されてしまうのはもったいないよね」
 なるべく接近させないようにするべきであると、レオンは即座に判断した。
「ぶっ壊してやる」
 ――そしてジャンは直ちに精鋭へ総攻撃の号令を掛けようとした。が。
「お待ちくださいませジャンさん。敵の動きのぎこちなさ……少し気になりますわ」
「ぎこちなさ?」
 金鹿の言葉にジャンは首を傾げる。
 結晶龍の足は大地を響かせる程逞しい。……しかし逆を言うならば、動いているのはその足の部位だけであると窺える。
「もしかしたら消えない類のヤツかもしれないな」
 研司が推測すると、ジルボが同意した。
「部分的な歪虚化だと見ていいと思うぜ」
 ――だとしたら、歪虚化していない部位は……?
 ボルディアは笑みを深め、犬歯を覗かせる。
「こういうのを、蒼じゃ『カモネギ』っつーんだろ? うん、違う?」
 ――きっと、龍鉱石だ。
「結晶の方から歩いて来てくれるなんざ幸運以外の何物でも ねぇ。だろ?」
 戦斧を背負いつつ駆け抜けるボルディアに、リュカが共に続く。ボルディアはこれまでも幾度か依頼を共にした、同職の頼れる猛者である。
 そして彼女達が到達する前に、研司は陽光の弾幕を張った。
「外さねぇっ!」
 矢を番え、延々と繰り出す妨害。
 幾ら寄られようとも同じこと! 生半可な火力を足すくらいなら、ただ妨害を続けるのみ!
 動かなくなるまで撃てば動かん! そういうことだ!! ――と。
 その場で縛ることに最大限徹した明快な制圧射撃は功を奏する。
 そしてその隙にボルディアは遠心力と重さを活かした一撃を足の部位に振るい、リュカも連携しながら懐へと潜り込むと魔力を込めた一撃を放った。
 部分的な歪虚化であるならば浸食を防ぐ為にも早期決着が望ましい。何故なら歪虚化した部位は必ず消滅してしまう一方で、浸食されていない部位については消滅しない一縷の望みが残っているからだ。リュカは前衛として十二分に耐えてみせねばと気を引き締めつつ、出し惜しみはせずに全力で臨む。
 そしてジルボも狙いすました射撃を続けた。
 ――結晶龍と化した龍鉱石は龍鉱石の中でも特に頑丈だった。しかし覚醒の力を思い切り振るえば削れてしまうようで、故にハンター達の猛攻撃により削れた箇所を狙うジルボの追撃は良策だ。結晶龍の足元が段々とおぼつかなくなっていくだろう。
「さ、おいで。相手にはボクがなってあげるから」
 レオンは静かに敵に相対し、マテリアルを蒼い炎の様に立ち上らせて結晶龍の注意を自身に引きつけた。標的とされても、守りの構えで防ぐ手も確り考えている。
「女の子に怪我させるわけにはいかないからね。騎士としてはさ」
 彼女の盾となって守り抜き、万全の状態で、愛梨のひっくりかえし作戦を全力でサポート。
 金鹿もその作戦に支援し、結晶龍の視界を桜吹雪の様な幻影で塞ぎ行動を阻害した。
「よーしっ。女は度胸!」
 悪戯っぽく微笑む愛梨は、そんな二人の協力を得乍らゆっくりと忍び寄り、結晶龍の足へとロープを引っ掛ける事に成功。
「よし、引っ張って」
 そしてそのまま精鋭達に協力を求め、一緒に引っ張った。
 削られておぼつかなくなっていた足だ。結晶龍はデカさに見合った重さがあったが、転倒させる事は十分可能である。しかし、その勢いで愛梨達の方へと転倒しようとする。
「愛梨!」
 レオンは咄嗟に楯となろうとした。仲間に、友達に、傷を負わせたくないという気持ちで動く。
「させねぇっ!」
 研司も愛梨達が下敷きにされてしまわないよう支える為、いざとなれば庇う為に動く。
 恐るべき勢いで倒れ込もうとしてくる8m以上もある巨大な鉱石。
 しかしその頭部をジルボが方向転換を狙い、狙撃した。仲間達も加勢して、連続の軌道修正を繰り返し――……

 ドォォォ……ンッ!!!!

 水晶の森に爆音が響く――。
 愛梨達も無事で、龍の巨体が横転。やはり自らの力で起き上がる事は難しい様子である事は狙い通りで、パトリシアが守る龍鉱石への到達を完全に阻止す る事が出来、その上ハンター達の攻撃も優位となる状況を作る事が出来るだろう。
「一の矢、焔舞! いけー!」
 愛梨は幻影の弓を出現させると、先端に赤く光る符を貼り付けて矢を番え放ち、足を焼き焦がした。
 そしてリュカは心の中で想いを巡らせる――。
(この空間に存在した2匹の龍――。もしかしたら、かつてのつがいか、親子だったのかもしれないな……)
 その事を知る術は無く、あくまで想像であるが。けれども本当にそうだったという可能性は勿論ある。かつての血族が歪虚と化してしまうのは悲しかろう。だからこそ、歪虚化が深くなる前に……。
 リュカは渾身の力で、魔力を込めた一撃を放った。すると結晶龍の足は微かに砕け欠片が飛び散るが――しかしそれは森の 風に攫われて融けていくかのように儚く消滅した。リュカの攻撃がとどめとなったのだ。
 そして結晶龍の足以外の部位はというと――、
「良かった。消滅しないままだったよ!」
 レオンが嬉しそうに報告する。
 消滅は最低限に抑えられ、少々傷もあるが、特に問題が無い程度である。
 彼らが巨大な結晶のまま残す事が出来たのは非常に大きい功績だった。ハンター達の機転があったからこそであり、攻撃の際、敵の様子を着目する事で歪虚化していない部分を龍鉱石と見破り、全員が足だけに狙いを定めていたからである。
 ダウンタウン勢力は暫く放心していた。
 しかし、全ての状況を飲み込んだ時、溢れる喜びを隠すことはできないだろう。
「最高過ぎるぜ、アンタ達!!」
 斯くして 巨大龍鉱石を二つも入手することに成功したのだから!

 ――こうして、無事に獲得した二つの龍鉱石。それはのちに、『遺跡防衛戦』において重要な特殊イニシャライザーとなって、ハンター達と再び、邂逅する事となるだろう。

●ダウンタウンの打ち上げ会!
 リグ・サンガマから帰還した夜のこと。彼らはダウンタウンの酒場にて宴を開いた。功績を祝い、健闘を称えあい、飲んで食べての楽しい打ち上げ会だ!
「「「乾杯!」」」
 軽く当てたグラスの音が鳴った。
 美味い酒は探索で疲れた体によく沁みるだろう――。
「やっぱ仕事が終 わった後の酒ってのぁいいモンだぜ!」
 ぷはーっと良い飲みっぷりのボルディア。
 研司もほっと一息ついている。
「ふぅ~、龍鉱石にしろ歪虚にしろ、でっけぇってのは肝を冷やすぜ。怪獣映画を思い出しちまう」
「そうだったのか? 肝を冷やしてるっていうふうには見えなかったぜ」
 ボルディアがそう言うと、研司は笑った。
「肝っ玉は人並よ人並。俺も向こうじゃ軍人だったが、何しろ在籍期間半年も無ぇ新兵だったからなぁ」
 だから本当はひやりとしていたそうだ。
 けれども研司の足止めに徹したおかげもあっての大成功である。その際の勇気を、レオンは凄かったよと称えていただろう。
 次々と運ばれてくる料理はどれも美味しそうで、店内は活気に満ち溢れて賑わっていた。
 そんな様子を興味深そうに見渡して、金鹿は学ぶ。
「なるほど、酒場とは斯様な……」
 実は酒場は初めてだという金鹿。
 このような雰囲気も素敵だと零すならジャンが「だろ?」と、にっと笑った。すると、まだ一口しかつけていない金鹿の小さな盃に酒を注ぎだす。
「あの……」
「あ! 金鹿さん困らせちゃ駄目ですよ兄さん」
「分かってる」
 ジャンはそう言っているが、カークは本当かなぁとその言葉を信用していない様子でじとー……と見つめていた。
(打ち上げ、か。考えてみれば、ハンターとなってからこちら、あまりこういう機会はなかったかもしれない)
 リュカは恵みに感謝するように酒を味わいながら双眼を細める。
 そんな穏やかな表情を見て、パトリシアは柔らかくほころんだ。
「楽しいデス?」
「ああ。懐かしいものだと思ってな」
 二人の周りがほんわり。
 そこにレオンが奏でるハープの音色が流れると、益々ほんわりするだろう。
 ――しかし。
 飲み会が和やかだったのは此処までなのだった……。
「確か『朱鍋』っていうのがあるんだったよね」
 レオンが切り出した発言に、精鋭達は「え」と思わず顔を上げた。
「そうそう、何でも名物なんだって? それを楽しみに頑張ってきたんだぜ!」
 料理人としてそういうのには飛びつきたくなってしまう!
 と、研司は情熱を胸に云って、
「どのようなものかはまだ解りませんが心惹かれますわ」
 金鹿は期待に胸を膨らませている。
 精鋭達は動揺していた。ハンター達の反応を見る限り、どうも朱鍋がどういうものであるのかを、知っているというような雰囲気ではないのである……。
「兄さん……もしかして……」
 精鋭達は恐る恐るジャンを窺うと、彼はにこにこしていた。その瞬間、お察しだ。
 ――そしてハンター達は朱鍋が運ばれてくると、度胆を抜くだろう。
「これが朱鍋?」
 愛梨は皆が頼んだソレを覗き込みながら、驚いた。
 そして皆が同時に同じ事を想い抱くだろう……。
 あ……赤いッ!
 見た目だけでヤバイというのがひしひしと伝わってくる!
 これは絶対激辛であるという事が、一目瞭然なのである。
「……しかし、この赤いスープは、その、すごいな。人間はこんなものを食べているのか」
 ――野菜や果物、パン、肉を焼いた程度の素朴なモノ。普段はそれらを摂取しているリュカにとって、この衝撃は地味に大きかった。
 朱鍋を見つめているリュカにパトリシアは、「食べてないデスヨ……!」と首を横に振る。
「パティの本能が危険だと訴えかけてくるんダヨ!」
 とても美味しそう。だけど、脳内の危険信号が止まないそんなレベルの赤さだったから。
「で、でも見た目はこんなに辛そうだけれど、もしかしたら食べてみるとそうでもなくて、なかなか美味しいのかもしれないよ」
 レオンが僅かな希望を捨てずに皆に言った。
 そう、まだ辛いのだと決まった訳ではない。
「そ……そうデスネ。みんなで食べればこわくない!」
 パトリシアはちらっと研司を見ると、彼は頷いて合図を送る。
「よし、せーの……っ!?!?」
 意を決して、せーのでぱくりっ!
 そのお味は……、
「……ってコラァ! やっぱメチャクチャ辛ぇじゃねえかコレフザけんな!」
 見るからに激辛な朱鍋は、やはり激辛だったお知らせ。ボルディアは叫びながらジャンを見る。
「……謀りましたわね」
 金鹿も、あまりの辛さに驚きつつ口の中がひりひりしながら、ジャンを睨むように見た。
 ハンター達に朱鍋を薦めた張本人・ジャン。彼はとても楽しそうに笑っていた。
 一方。
「……こ、ここまで とんがった料理は……嫌いじゃ、ないぜ……! レシピ欲しい……!」
 燃える研司の料理人魂。強者のリアクション。この程度ではくじけないのである。――ただし。
「でもおれあしたやすむ」
「とーどー……!」
 無理をしていないとは言っていない!
「はぁ……笑った……」
 楽しそうに腹を抱えていたジャンは満足したように深呼吸すると、
「おいカーク、代わりに食ってやれ」
「俺っすか!?」
 兄貴分の悪戯の尻拭いをさせられそうになる弟分。しかし。
「いいえ、お気遣いなくですわ」
 金鹿はそれを断り、好き嫌いは致しません、と黙々と食べ始めた。
 研司もあまり噛まずに飲み込む事にして、根性で食べ進める。
 ボルディアも仕方なく食べ続けた(なお、 そのうちに段々と辛さと旨味がやみつきになっていったもよう)。
 パトリシアも辛さにひーひーしつつ、どこか楽しそう。
「「おぉ」」
 そんなハンター達の根性に目を見張るジャン達。
 なんだかんだと完食したのを見て一目を置くだろう。
「凄いな、あんたら」
 ジャンはまるで他人事である。
 ――しかしそれは許されない。
「さあさ、ジャンさんもご遠慮せずに朱鍋を頼まれては如何でしょう?」
「え?」
 金鹿はにこっと笑った。
「ジャンさんが頼まれていないのが少し気になりまして……お召しあがりになってくださいな」
「ああ、……いや、俺はいい」
「どうしてですの? もしや勧めておいてご自身は辛いものが苦手だとか……」
 微かに目を伏せつつ、ジャンをじとー……と見て。
「私でさえ頂けましたのに男が廃れますわね。悪戯紛いのことまでしておきながらこれでは……お可哀想に」
「……」
 ジャンは驚いたように固まっていた。
 金鹿は敢えて格好つけたいであろう皆にも聞こえるように発言し、仕返しをしているのである。一人勝ち逃げはさせない、と。
「男が廃れるらしいっすよ」
「笑うな」
「いてっ!」
 にやにやしていたカークを軽く小突いた後、ジャンは腹を括る。
「そう言われちゃあな。しょうがねぇ……。いいぜ、乗ってやろうじゃねえか」
「そうだ、旦那。折角なら俺と勝負しねぇか?」
「……勝負?」
 ジルボは提案を持ちかけた。
「俺が負けたら飯代を受け持ってやるさ。でも勝った暁には教えてくれよ。アンタらが何を企んでるのか」
 ――まさか、アンタらがソサエティの為だけにタダで動くわけがねぇよな?
 そんなふうに問いかけると、
「あんた、面白い事を言うな」
 ジャンはどこか嬉しそうに不敵に微笑んだ。
「確かに、考えている事はある。そうだな……アンタが勝ったら教えてもいい」
「……!」
 案外あっさりと勝負にノってきたものだから、ジルボは目を丸くする。
「スゲェ。面白い事になってきたな!」
 早速の展開に研司が燃える。
 ……勝負を前に、ジルボは気持ちを整えて。
(もう後には引けねぇ。根性で勝負!)
 そうしてジルボとジャンによる朱鍋早食い勝負が開幕した。
 カラい、美味い、だがまじでツラい!
 そんな朱鍋の早食い競争――
 序盤からお互い一歩も譲らない白熱した戦い。その勝負の行方は――、
「引き分け……のようだな」
 リュカは判定を告げながら首を傾げる。
 早食い競争で同着とは珍しい、と。
(あともうちょっとだったのに……!)
 ジルボは水を目一杯飲みながら悔しがっていた。
 負けないように本気で粘っていたジャンも、かなりきつそうである。だが勝敗はさておき、どうやらジャンはジルボの事を少し気に入ったらしい。
「あんた……確か便利屋だったな」
「そうだけど?」
「覚えておこう……」
 すると今度はボルディアが続く。
「よーし、次は俺の番だ! 手早く勝負をつけようぜ。この店で一番強ェ酒頼むぜ大将ォ!」
 決闘の波に乗っかって、ジャンに『飲み勝負』を持ちかけた。
「おいおい、言っとくが俺は強いぜ?」
「おう。その方が張り合いがあるってもんだ」
 うわばみであるジャンは強気だったが、ボルディアだって自信があるから挑むのだ。
 負ける気はしていない――。
 それにさっきの鍋のこと……実は根に持っているというのも此処だけの話。
 そこへ、
「ね。私も参加していい?」
 愛梨が参戦を名乗り出る。
「お嬢さんが?」
 ジャンは意外そうにきょと、とした。
 すると愛梨はウィンクして挑発する。
「お酒じゃ母さんにしか負けた事ないのよ♪」
 どうやら彼女も酒の強さに自信があるらしい。

「また凄い事になってきたぞ……! 皆頑張れ! でも俺も真相を知りたいし、ボルディアさんと愛梨さんに勝ってほしい気も……!」
 研司が言うと、ジルボは同意する。今回の飲み勝負も、さっきの賭けが継続しているのである。
 ――斯くして始まった二回目の決闘・飲み勝負。
 しかし三人とも酒が強すぎるあまり再び決着はつかず……
 ――だが。
 ジャンを機嫌よくさせ交渉しやすい状況を作るという意味では成功したようで、ジルボはすかさず詰め寄った。
「考えてる事はそう難しいわけじゃねーんだろ? だったら教えてくれよ。龍鉱石だってデカいのが2つも手に入ってるんだし良いじゃん」
 ジルボの交渉はバッチリ。
 依頼成功をネタに、ジャンに見事『まぁ、喋ってもいいか』と言う気にさせたようだ。

 そうしてジャンは、ダウンタウンの暗躍の裏にある事情を語り始めた――。

「――あくまで推測の域だが。今は他国と共同で龍鉱石を扱ってるみてぇな所があるが、ゆくゆくは各国に配られて扱えるようになるもんなんじゃねェかなと思ってる」
 龍鉱石は莫大な力を秘めた、素晴らしい鉱石である。更には現状でも全てを解明しきれておらず、未知なる力はまだ眠っているとも噂されているような代物。
 それは即ち、今後も人類の役に立つような力が発見される可能性も十分に高いという事。ならばその恩恵に預かりたいと思うのは、自然な事だろう。
「……で、だ。もし将来的に各国に配られるとしよう。そうしたら、ヨソは知らねぇが、ウチ(同盟)じゃあ内部駆け引きが勃発するだろうってヴァネッサ姐さん(ダウンタウンの実質的リーダー)は踏んでるんだ」
「内部駆け引き……? 同盟で揉め事が起きるという事だろうか?」
 リュカが問うと、ジャンは微笑した。
「ああ。と言っても同盟じゃ、揉め事みてぇな衝突や交渉の類はしょっちゅうだぜ。だからその辺は日常茶飯事だし、全然大した事じゃねェんだが……ただ今回はブツ的に、ダウンタウンの俺らも恩恵を受けられるかどうかっていうのは大事でさ」
「なるほど。つまり今、その駆け引きってのが勃発するかもしれねーから、龍鉱石の恩恵を受ける為の主張を堂々としやすいように貢献してて、ソサエティにがっつり恩を売ってるっていうのも、いざとなった時はソサエティに後ろ盾になって貰おうって魂胆のわけね」
「はは、よく分かってんじゃねぇか。ま、そういうこと。それだけの話だ」
 ジャンの話を聴いてジルボは大分読めてきたかも、と呟くように零す。
「そうか……龍鉱石を巡る駆け引きが、将来的に同盟で起きるかもってわけか。まだ確定した訳じゃないだろうけど」
 研司が顎に手を置きながら、ふむと考える。
「そういう事だったんだね……。なんだか大変そうだね」
 レオンも考えるように零した。
 だが金鹿は首を傾げる。
「それにしても……随分お楽しそうな顔をしますのね」
 そう言われると、ジャンはにやりと笑んだ。
「ああ。衝突するにせよ手を組むにせよ、これから同盟の癖の強い都市間でわやわやすんだろうなって思うとわくわくしてしょうがなくってね。これだから同盟は面白い! な、パティ」
「デスヨー♪」
 ご機嫌さんなパトリシアが良い返事。顔を赤くしてふわふわ笑っている。
 ノンアルコールで雰囲気に飲まれ、ほんのりと酔っているようだ。
「同盟の裏事情は大体わかったわ。でもところで、そもそもの話、ダウンタウンってどういう所なの」
 愛梨は首を傾げた。ジャン達が暮らしているというダウンタウンはポルトワールに点在するそうだが、詳しくは知らない。興味本位であり、これも縁だし仲良くやっていきたいという気持ちでもあり、物怖じせずに聞いてみる。
 するとパトリシアもこくこくと頷いた。
「ドンナところかパティも知りたいデス♪」
 二人は興味津々。ジャンは目を細めつつ答える。
「ダウンタウンはポルトワールの裏の顔代表って感じだな。素性の知れない違法の入国者、盗賊、お尋ね者、ストリートチルドレン、訳アリで流れ着いた住民……そんな彼らも受け入れて構築されている無法地帯のコミュニティーってやつだ」
 なんとも薄暗い雰囲気を漂わせる紹介だ。――だが。
「皆、今日を生き抜こうって必死である意味元気なもんだぜ」
 住めば都の結構楽しい所なんだ、と。――そして。
「あとダウンタウンつったらやっぱリーダーのヴァネッサ姐さんだよな!」
「「……」」
 ジャンは突然スイッチが入ったかのように姐さんの事を語り始めた。
 姐さんの偉大さだとか、素晴らしさとか、エクセトラ。
「俺ぁ単なる野良犬だがよぉ、テメェはどうして『番犬』になったんだ? ……って思ってたが、アンタもしかして『飼犬』か?」
 ボルディアは思わず口から零れる。
「ヴァネッサ姐さんガ大好き、ネ?」
 一方でパトリシアは、ほっこりしながら微笑んだ。
 するとジャンは咳払い。
「ま、まあ、脱線しちまったが。ダウンタウンを知るのは遊びに来るのが一番早ぇだろ。いつでも遊びに来るといいぜ。もしくはまた力を貸してくれるとありがてぇが」
 そう言うと、精鋭達もすかさず頷いた。
 そして研司、ボルディア、ジルボ、リュカ、レオン、愛梨、金鹿、パトリシアに向けて、
 また一緒に何かしようゼ! と言わんばかりの熱烈なアピールをしていたことだろう。

 ダウンタウン勢力として仲間に加わった今日一日。
 アットホームな温かな繋がりを感じ取れて、パトリシアは笑顔と共に、密かにほくほくしていたのだった。

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MVP一覧

  • 龍盟の戦士
    藤堂研司ka0569
  • ライフ・ゴーズ・オン
    ジルボka1732

重体一覧

参加者一覧

  • 龍盟の戦士
    藤堂研司(ka0569
    人間(蒼)|26才|男性|猟撃士
  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムス(ka0796
    人間(紅)|23才|女性|霊闘士
  • ライフ・ゴーズ・オン
    ジルボ(ka1732
    人間(紅)|16才|男性|猟撃士
  • 不撓の森人
    リュカ(ka3828
    エルフ|27才|女性|霊闘士
  • 死者へ捧ぐ楽しき祈り
    レオン(ka5108
    人間(紅)|16才|男性|闘狩人
  • アヴィドの友達
    愛梨(ka5827
    人間(紅)|18才|女性|符術師
  • 舞い護る、金炎の蝶
    鬼塚 小毬(ka5959
    人間(紅)|20才|女性|符術師
  • 金色のもふもふ
    パトリシア=K=ポラリス(ka5996
    人間(蒼)|19才|女性|符術師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/03/17 19:41:05
アイコン 質疑応答
鬼塚 小毬(ka5959
人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|符術師(カードマスター)
最終発言
2016/03/19 23:21:26
アイコン 相談しまショ!
パトリシア=K=ポラリス(ka5996
人間(リアルブルー)|19才|女性|符術師(カードマスター)
最終発言
2016/03/21 21:48:46