【壊神】バロワーズ村の黒神父

マスター:草なぎ

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2016/06/01 19:00
完成日
2016/06/05 18:41

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 グラズヘイム王国西方、リベルタース、バロワーズ村。あなた方ハンター達は、村の一つが襲撃されたという報告を受けて、この地へ飛んでいた。あなた方と同行している傭兵たちの中に一人のイェーガーがいた。名をジューク・マシガンと言った。
「…………」
 村は静まり返っていた。ジュークは愛銃ドラゴンブレスと名付けているライフルを構えながら前進していく。
 キイ……バタン……キイ……バタン……。
 一軒の家の扉が風にあおられている。ジュークはトランシーバーを取り出した。
「ジュークだ。一軒家に踏み込む」
 ジュークはトランシーバーをしまい込むと、銃口を向けてあおられている扉を押さえた。そのまま銃で扉を開けて、中に入っていく。
 血の匂いがする。ジュークはマシンのような動作で進んで行くと、家の広間に踏み込んだ。
 惨状が広がっていた。家族は全員やられていた。ジュークは踏み込む。
「…………」
 室内を見渡し、ジュークは何かを待っていた。どうやら、ここはすでに制圧されているらしい。トリガーに指を掛け、待った。

 ドガアアアアアアアアアアアアア!

 黒面の異形と化したアイテルカイトの雑魔が壁を突き破って飛び込んで来た。
 キシャアアアアアアアアア!

 ジュークは無機的にトリガーを引いた。ズドン! 雑魔は至近距離から銃弾を浴びて胸に風穴が空き、壁に叩きつけられた。虚無の塵となって歪虚は消滅した。

 パリイイイイイイイイイン!

 窓ガラスを割って次なる歪虚が飛び込んで来た。ジュークは舌打ちしながらマシンのような動きで次弾を装填するとライフルを放った。アイテルカイト雑魔は壁を蹴って天井に張り付き、弾丸をかわした。

 ガアアアアアアアアアアアアアアア!

 歪虚はジュークに飛びかかって来た。ジュークはすでにリロードしており、歪虚の胸を数センチの至近距離から撃った。雑魔の胸に風穴が空き、人外は天井に叩きつけられて虚無の塵となって消えた。
 ジュークはトランシーバーを手に取って、走りだした。家から飛び出す。
「こちらジューク。ハンター、聞こえる者はいるか」
「ジュークか。あちこち歪虚で溢れてやがる」
「全くひどいことになった。とにかくも、こいつらを全滅させないと。それから、生き残っている村人たちを探し出さないと」
「了解」
 ジュークはライフルから二丁拳銃に持ち替えると、戦場の勘を頼りに動き出した。
 歪虚が二体姿を現した。二丁拳銃が火を噴く。バン! バン! バン! バン! バン! バン! バン! バン! ジュークは正確無比な射撃で雑魔を滅した。リロード。
「地獄のクロスロードへようこそ、てか。畜生」

 ……リベルタースは治安が酷い。生きるためにエクラ教に真に救いを求める人々がいる。そのような信仰心を利用して近づき、人々を誑かし、歪虚にしてしまうアイテルカイトがいる。契約して堕落者にするのではない。負のマテリアルを流し込み、もはや雑魔にしてしまうのだ。そしてそうして従えた歪虚に近隣の村々を襲わせるのだ。
「ハンターですか? 傭兵か、騎士か。間に合いましたか」
 黒衣の神父らしき姿をした歪虚を、カーゼスと言った。アイテルカイトであり、シヴァの麾下であった。顔に黒い文様があり、金の角を生やしていた。帯剣し、アサルトライフルを持っている。
「ふっふっふ……さて……余興の始まりと行きましょうか」
 カーゼスの背後にいた歪虚達が動き出した。強制的に魔力によって歪虚雑魔とされた人々である。さながら死人使いであるが……。

 バロワーズ村である攻防が始まろうとしていた。

リプレイ本文

「危険を感じたら即撤退‥‥かぁ。下手なハンターより、ずっと堅実かもね」
 十色 エニア(ka0370)は、村の中をゴースロンに騎乗して進みながら、鎌を握りしめた。
 ガサ……。
 エニアは、殺気を感じて振り返った。
 ガサ……ガサ……。影が数体駆け抜ける。
 エニアの心臓が高鳴る。警報が鳴っていた。この村は……おかしい。何か変だ。
 刹那。黒面の異形が二体飛び出してきた。
 エニアはギュン! と鎌を一閃した。雑魔の首が飛んで塵と化す。更にもう一体、エニアは回避して、鎌を繰り出す。雑魔を両断した。歪虚の死体は塵になっていくが、ぼろとなって残った。
「……どういうこと?」
 ぐるぐる頭の中で何かを求めて思考が回転する。死体が残るということは雑魔化して日が浅いということ……そして……つまり……これは……歪虚に殺された人々なのか……。
 エニアは、なぜか、沸騰するような怒りが込み上げてきた。
「何なのよこれは!」
 
 シェリル・マイヤーズ(ka0509)は出現する雑魔を次々に切り捨てて行く。そして、彼女も同じ疑惑に辿りつく。最初の一体は完全に塵となって消えた。だが、後数体、歪虚の死体の残骸の塵が残る。
「これは一体どういうことなんだろう……」
 シェリルは、金色の瞳で険しい顔で残骸を見下ろした。
「……雑魔だよね……。雑魔……。だけど……これは……」
 歪虚の死体が残る理由。その答えを求めて、シェリルは立ち上がった。だが、見当は付く。要するに、雑魔化したってこと。それが、ごく最近のことだということ。
 ひどい話だな。何て場所だ……。イスルダ島か……。リベルタース。現在進行形のデンジャーゾーン。

 ザレム・アズール(ka0878)は試作型重機関銃「恵方撒」を連射する。凄絶な銃撃が雑魔を破壊していく。殺到する雑魔。ザレムは正確無比な戦闘マシーンとなって重機関銃の猛威を振るう。
 ザレムはすでに雑魔の死体の一部が残っていることに疑惑を抱き推測していたが、明確な答えは得ていなかった。無論、カーゼスが生きている人間を雑魔化したなど、推測出来ようはずがない。
 と、クイクイと裾を引っ張られる感触。
 パルムだ。
「どうした」
 パルムが一つの家を指さす。
 何かいるのか。ザレムは家の中へ入って行った。
 銃口を下ろして、「誰かいますか! ハンターです!」と叫ぶ。
 すると、奥から村人が数人姿を見せた。
「おお……ハンターですか?」
「大丈夫ですか? 怪我はありませんか?」
「ええ……。いきなり奴らがやって来て……怖かった」
「ここにいて下さい。周辺は制圧しておきます」
「あ、ありがとうございます……」
 ザレムは頷くと、家を出た。

 エルバッハ・リオン(ka2434)――エルは、雑魔をファイアーボールで焼き払うと、その現象に、思案した。
「…………」
 つまりは、そういうことだ。
 エルは戦馬を進めた。
 だが、ここはいかに目が行き届かないとはいえリベルタースである。エルには、どうしてもここ最近のシヴァ(kz0187)戦のことが脳裏によぎってしまう。リベルタースは雑魔が発生していて珍しい地域ではない。だが、これは、何者かによって雑魔化されたということだ。何者か……。
「シヴァ麾下のアイテルカイトが、歪虚騎士ではなく雑魔を引き連れていますか」
 と呟きながら、疑念を抱く。それしかないだろう。他にこのような邪悪な所業を行う者がいるだろうか? それとも、イスルダ島から新しい歪虚が新規にやって来た? 無論それはあり得る。王国西方とは言え広大な地域であり、何もかもシヴァのせいで事態が悪化しているわけではない。しかし……。
 エルは首を振って吐息した。
「とにかく生存者を捜しましょう」
 
 不動シオン(ka5395)は雑魔を切り捨てると、刀身の塵を払って、煙草に火をつけた。
「今度もこの私を楽しませてくれるのだろう、壊神とやら?」
 シオンは煙を吐き出すと、オートマチックに弾丸を装填して、ホルスターに収めた。シオンは歩き出す。
 この狂ったような村の空気は、シオンの心を逆に落ち着かせた。久しく忘れて懐かしい。だが……。
「この歪虚は……謎が多いな。シヴァ麾下として、まあ、ここにいるのかどうかも分からんが、死人使いか……?」
 シオンは襲い掛かって来た雑魔を銃で撃ち抜くと、家の中へ入った。
「うわあああ!」
 少年が木の棒を持って殴りかかってきた。シオンは棒を受け止め、少年を落ち着かせた。
「おい、おい」
「わあああ!」
「おい!」
 シオンは少年の目を見据えて、揺さぶった。やがて、少年は正気を取り戻した。
「あ、う……」
「しっかりしろ。私はハンターだ。助けに来たぞ。他に生存者はいるのか」
「は、はい! ハンター!? ハンターだ! 良かった~! もう死ぬかと思った! こっちです! みんな隠れてる!」
 少年の案内で、シオンは部屋に案内された。女子供や老人がいた。シオンが来たことを伝えると、みな喜びの声を上げる。
「これでもう安心じゃ……。くわばらくわばら……。神はわしらを見捨てておらなんだ」
「御老体、このようなことは、恒常的に起こっているのか」
 シオンの問いに、老人は首を振った。
「このような大規模な攻撃は初めてです。雑魔が湧いて出ることはありますが。このように徒党を組んで突如襲い掛かってくるなど……ありませんでした」
「なるほど」
 シオンは人々に待機しておくように伝えると、家を出た。
「今一つ、まだ分からんことがある」

 鞍馬 真(ka5819)は、村の教会の扉を開けた。大勢の村人が避難していた。鞍馬の姿を認めると、村長の男が一同を収め、進み出て来た。
「ハンターの鞍馬です。ここにいるのは、ほぼ全員ですか」
 鞍馬の言葉に、村長は頷いた。
「ええ……。避難は無事にほぼ間に合っておりましてな。まだ取り残されている者もいますが……。ですが、こうしてハンターの方が来て下さった。もう安心でしょう」
「気になることがあるのですが」
「何でしょう?」
「ここ最近、近くで歪虚に攻撃された村などはありますか?」
「ああ……」
 村長は顔を落とした。
「隣村が……。少し前に攻撃を受けたと……。逃げてきた隣村の人々から、恐ろしいことを聞かされました」
「恐ろしいこと?」
「ええ。生きている人間を、雑魔に変えてしまう黒装束の歪虚に襲われたのだと」
「何ですって?」
 いや、待て。それはつまり、堕落者にした、契約者にした、ということか。
「隣村は……その、歪虚崇拝だったのですか? あるいは、すでに歪虚の勢力下であった……とか」
「いえ、そう言うことでは」
「では……」
「見た者の話によると、まるで言霊のような言葉で人々を引き付け、支配し、そして……」
 村長は震えた。
「まるで、邪悪なエネルギーを流し込むかのように、歪虚に手を触れられると、人が黒く染まっていき、異形に……なってしまったと」
 絶句する鞍馬。
「つまり……契約も段取りもすっとばして、一般人をただ負のマテリアルで圧倒し、汚染して、生命力を圧殺し、歪虚化した……ということか」
 鞍馬は拳を握りしめた。許せん。
「稚戯のつもりか。ほう、なるほど。確かに歪虚は悪魔でも黒魔術でも無い。契約の段取りなど、パフォーマンスで儀式に意味は無いのだろう。そういういかれぶっ飛んだ奴も中にはいるということか……」
 鞍馬は吐息して、肩をすくめた。
「その歪虚、ここに来ているのですか?」
「そ、それは分かりません……」
「みなさんはここにいて下さい」
 鞍馬は村人たちに優しい言葉を掛けると、教会を後にした。

 マリィア・バルデス(ka5848)はマシンガンを連射していた。
「あーら、随分熱烈なお出迎えね……全員あの世へ送ってあげる」
 マリィアがからくりを知るのは後のことだが、容赦なく雑魔を撃ち抜いて行く。
「フフ、わざわざマシンガンを持ち込んだ甲斐があってうれしいわ……私の勘もそれなりよね」
 ガンスミス。トランシーバーでジュークと連絡を取る。
「同じ猟撃士だもの、攻撃阻害は得意でしょう? それに貴方のチームは貴方が指揮した方がうまくいくでしょ? 行動阻害とそっちの仲間のフォローはよろしくね、ジューク」
「了解したマリィア。だが気を付けろ。鞍馬と合流した。何でも、襲ってくる雑魔は隣村の人々だった者で、歪虚に殺されて雑魔化された存在らしい。高位歪虚がどこかにいるかも知れん」
 ジュークから経緯を聞くマリィア。しかめっ面で頷く。
「オーライ。アメコミの世界に紛れ込んだみたいね……全く……達が悪いんだか狂ってるんだか……もう」

 雑魔を討伐したハンター達は、合流すると村の捜索を開始した。そして、村の郊外の荒地で、黒い法服姿の歪虚を発見した。角が生えていたので、一見して歪虚と判別できる。歪虚――カーゼスは、帯剣してアサルトライフルを持っていて、数体の雑魔を引き連れていた。
「歪虚の癖にアサルトライフルとか本当にムカつくわね……」
 マリィアが言った。ぎたぎたにいわして地面に叩き伏せたい。マシンガンを構える。
 エニアは、指で銃を作ってカーゼスを撃った。
「見かけにそぐわないのは、お互い様だね」
「騎士ではない……ハンターですね?」
 カーゼスは口を開いた。
「話は聞いたよ。ふーん……て感じ。泡沫の塵にしてあげる!」
 シェリルは不快感全開。
「黒神父にでもなったつもり……? うさんくさそう……。よくこんなにたくさん……集めたね? 面白いの……? マテリアルは命の源……生かすも殺すも使い手次第……。でもね……君は……人形遊びでも……してるようなものなのかな……」
「私はね……お嬢さん。尊厳なるアイテルカイトにとって、死を操るのもまた玩具、矮小なる人間を超越した歪虚に許された、神の意志なのですよ。矮小なる人間は、歪虚の手足にすぎません」
 ザレムは内心傲慢の芝居には慣れているのだが、まずは敵の舞台に上がった。
「名前くらいは聞いておこうか歪虚」
「私は、カーゼスと申します。黒神父……良い響きですね」
「なぜ村人たちを歪虚にした? 何の為にだ」
「私ですよ? 私の場合はね、こういうやり方なんですよ。武器で殺そうが魔法で殺そうが同じでしょう。歪虚は堕落者を作って雑魔兵隊に出来るのに、いちいち理由がいるのですか? それはね、強いマテリアルを有する覚醒者などは無理でしょう」
「あのなあ……こんな事を命じるなんてお前の上司はイカレてやがる」
「ああ……シヴァ様はね。まあ……シヴァ様にしてみれば、雑魔化兵隊作成など、部下のお遊びでしょう。御存じないですよ。私がどのような攻撃を仕掛けるか」
「よおく分かったぜ、このいかれ傲慢。ロジカルいかれ傲慢!」
「そこまで言われなくても良いでしょう……」
 カーゼスの顔は引きつった。
 エルは吐息した。
「腹立たしいくらい悪趣味ですね。しかし、こうなってしまっては始末するしかないですね」
 エルは碧眼をカーゼスに向けた。
「あなたも、ここで後悔なさい。無に帰してあげましょう」
 シオンはMURAMASAとオートマチックを構えた。
「貴様が強者を名乗るのなら、その実力を証明せよ。さもなくば私の前から消え失せろ!」
「逃げて良いんですか? 簡単に終わるなら逃げますよ」
「お前……私を差し置いて逃げようとは、無礼者が!」
「くくく……そうですよねえ。相対する者同士、戦いますよねえ……? これは運命。神が用意したゲーム盤ですよ」
 ……と、何やかやしているうちに鞍馬は移動していた。仲間たちと視線を交差させる。もう何だかんだするのはいい。この歪虚を逃がすわけにはいかないのだ。カーゼスはやり取りにややのめり込んでおり、鞍馬の移動に全く気付いていなかった。
 マリィアがトリガーに指を掛ける。
「そろそろ……始めましょうか……」
 カーゼスがアサルトライフルを持ち上げた刹那、背後から鞍馬が二刀流で切りつけた。吹っ飛ぶカーゼス。
 マリィアは銃撃を開始した。エニアはライトニングボルトを叩き込んだ。エルがアイスボルトを撃ち始める。
 そしてシェリルは加速。MURAMASAをカーゼスに突き立てる。
「トドメは……味方がさしてくれる……傷は気にしない。ヒトリじゃない……強みだよね……中途半端だと……仲間が危ないから……倒しきる為にも……踏ん張る……」
 ザレムは跳んだ。ジェットブーツ。カーゼス背後へ一気に抜ける。アサルトライフルを刀で弾き飛ばす。
 シオンも突撃した。MURAMASAからマテリアルの閃光が爆発する。カーゼスを切り裂く。
「傲慢の王よ! 来たれ!」
 カーゼスが叫んだ。無論王など来ない。しかし、ハンター達は金縛りになった。
「ふっふっふ……ちょっと、遊んだ方がいいですよね」
 カーゼスは言うと、剣を抜いて、誰にするか狙いを定めた。
 直後、シェリルのMURAMASAが爆ぜた。カーゼスの腕が飛ぶ。
「強制? ……私なりに……いろいろ視て考えてきた……。誰の指図も……受けない……。選び取った道……そう簡単に……見失ったりしない……」
「小娘……ごときが……!?」
 全員の強制が解除された。全員フルスキルで攻撃。
 カーゼスの肉体が発光する。
「これぞ、コンバット! おお!」
 闘気爆発破。マテリアルの攻撃波動が炸裂する。
 吹っ飛ぶハンター達。
 ザレムが立ちあがり加速。カーゼスに攻性防壁。吹っ飛ぶ歪虚。パラライズした。
「おお! じゃねえんだよ!」
 盾ごとぶつかるように地面に押し付け、刀でカーゼスの胸を貫く。
「逃がさん……!」
 そして、連撃が続き、最後にシオンが閃火爆砕でカーゼスの首を刎ねた。
 カーゼスは遂に塵と化して消えた。

 シェリルは墓標に祈った。
「争いに疲れて救いを求めた先……。ヒトの世は不条理に溢れている……ね……。それでも……希望を求める人がいるなら……刀を振る……。人を救うのもまた、人……そうじゃなきゃ……世界は……真っ黒なままだ……それは、イヤだ……な……」
「…………」
 ザレムは吐息すると、村人たちのもとへ向かった。鞍馬もまた村へ戻っていく。
 マリィアはシェリルの肩を叩いた。
「全員消えちゃうなら諦めはつくのよ。どう頑張っても間に合わなかったんだから仕方ないって。でも、そうじゃない時は悔しいわね。もう少し早く辿り着けたらって、やっぱり思ってしまうんだもの」

……マリィアは笑ってジュークたちに声を掛けた。
「そっちもこういう時は、生き残ったことに乾杯するんじゃないの? 多少なら奢るわよ?」
「いやいや、こっちが奢るよ。ハルトフォートに安くてうまい酒が飲める店がある。行こうや」
「じゃ、お互いさまってことで。割り勘でどう?」
 マリィアが笑うと、ジュークは肩をすくめた。彼らはそのままハルトフォートの夜の街へと消えていく。
 ハンター達はリゼリオへ帰還した。また、一つ、戦いは終わった。

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重体一覧

参加者一覧

  • 【ⅩⅧ】また"あした"へ
    十色・T・ エニア(ka0370
    人間(蒼)|15才|男性|魔術師
  • 約束を重ねて
    シェリル・マイヤーズ(ka0509
    人間(蒼)|14才|女性|疾影士
  • 幻獣王親衛隊
    ザレム・アズール(ka0878
    人間(紅)|19才|男性|機導師
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • 飢力
    不動 シオン(ka5395
    人間(蒼)|27才|女性|闘狩人

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
鞍馬 真(ka5819
人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2016/06/01 18:12:48
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/05/31 20:26:57