• 龍奏

【龍奏】龍虎、宴に見え

マスター:神宮寺飛鳥

シナリオ形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2016/06/28 19:00
完成日
2016/07/09 18:27

このシナリオは3日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

『いや~、この試合も接戦でしたね~!』
『カウンターマジックは強力だが、回数制限が難点だな。まあ、ここぞという時に使うには……』
『スメラギ……おぬしなんでそんなに詳しいのじゃ?』
 ハンターらが暮らす冒険者の街、リゼリオ。
 ここは今武闘大会とそれに伴う様々なイベントで例年以上の盛り上がりを見せていた。
 街頭に並べられた魔導スクリーンには各地で行われる試合の様子が中継され、多くの人々が足を止めていた。
「ナディアめ、急にいなくなったと思ったらこんなことをしていたのか。スメラギの君も、苦労が絶えないね」
「ナディアさんはソサエティの最高責任者ですからね。スメラギ様はなんかもう大変なんだと思います」
 篠原 神薙(kz0001)の答えに笑みを浮かべたのはアズラエル・ドラゴネッティ。すなわちナディアの兄であった。
 彼がリゼリオに足を踏み入れるのは人生初の事。彼にとっての西方の記憶は300年以上も途切れたままで、まさかこんな事になっているとは夢にも思わなかっただろう。
 そしてリゼリオ初体験はもう一人。ラヴィアン・リュー中尉……地球から北方へ転移したという軍人だ。
「すごい人ね……。この世界にこれだけの文明があるだなんて……」
「北方はほとんど壊滅してたからね。ラヴィアンにとっては龍園だけがクリムゾンウェストの全てだ。驚きは当然だろう。かくいう僕も驚いたよ。とっくに歪虚に滅ぼされたと思っていたからね」
 アズラエルは龍園では実は青龍に次ぐ立場であり、神官としては最高位に座する。
 そしてラヴィアンは地球転移作戦のきっかけとなる、トマーゾ教授の使者。その二人をリゼリオに連れ出すのには骨を折った。
 もともと二人共あまり人類に友好的ではなかったのだ。誘いをかけるのも、神薙を除いて他にいないだろう。
「しかし、武闘大会とはね。西方の文明は野蛮じゃないのかい?」
「いや、これはたまたまですよ。というか、初の催しだと思いますけど」
「これ、地球の技術も使われてるわよね? いいのかしら……異世界に勝手に技術を伝えて」
「いや、ラヴィアンさんはこっちの技術持ち帰るのが任務ですよね?」
 アズラエルは青龍に仕える神官であり、ナディアの兄。
 ヒトに向けた冷たい眼差しは悪辣を憎む正義から生まれるもので、彼は相応の悪事を見つめてきた。
 尤も、自分もヒトである以上は“正義”を口にするのはむず痒い。すると、自己肯定の逆、他者批判が自然と増える。
「だからいちいちトゲがあるんだよなあ」
 ラヴィアンは異世界の力を借りろというある意味キャパシティーオーバーの任務を帯び、異世界のヒトを疑っていた。
 信じたい気持ちと、それが原因で地球の情勢が混乱する可能性。責任感から吟味に伴い、やはり懐疑的な眼差しを持つに至る。
「ずっと眉間にシワよってるんだよなあ」
「何か言ったかい?」
「何か言ったかしら?」
 同時に口を開き、顔を見合わせる二人。ラヴィアンはそっぽを向き、アズラエルは笑みを浮かべる。
 態度は正反対だが考えは同じ。要するにこいつらは、ソリが合わない。
「こんな所で油を売っていていいのかい、ラヴィアン。リアルブルーに帰るとあんなに息巻いていたじゃないか」
「あなたこそ、ゲートの資料を集めろと青龍に命じられたばかりでしょう」
「資料集めは難航していてね……龍園以外がほとんど雪と氷に沈んだ国だ。有史と言えるのは随分と近年のことでね」
「私も結局ナサニエル頼りだから、手伝える事があまりないのよ」
「僕は可愛い妹がしっかりやれているか確認しに来たという正当な理由があるわけだけど」
「私は地球文明が悪用されていないか確認するという、重要な……」
「あの~~、せっかくのお祭りなんだから、もう少し楽しみません?」
 二人の間に挟まれた神薙は両腕で互いを遠ざけるように割り込みながら声をかける。
「そうは言うけれどね、篠原君。本来私達は遊んでいられる立場ではないのよ。今こうしている間にも、地球の人々はVOIDに苦しめられて……」
「じゃあ今すぐ地球に戻って戦えるんですか?」
「そ、それは……」
 腰に手を当て悩むラヴィアン。その様子にアズラエルは笑う。
「子供に論破されているようではまだまだじゃないか、ラヴィアン」
「アズラエルさんも300歳超えてますよね? 大人なんだからもう少し相手に合わせてください」
「ぬぐ……神薙の言う通りだ。僕はラヴィアンと違って素直だからね。肝に銘じよう」
 眼鏡のブリッジを押し上げながら笑みを浮かべるアズラエル。神薙は二人の前に立ち。
「今日は西方の文化を正しく吟味し、立場の違う国家・世界がそれぞれ手を取り合うための学習会と考えてください!」
「確かに、今後は西方と北方の国交を回復させる必要もあるね。その先端と心得よう」
「……まあ、この街にはLH044の難民も暮らしているみたいだしね。彼らが無事に過ごせているか、興味があるわ」
 二人共厳格ではあるが、悪い人間ではない。神薙は付き合いの中でそう確信していた。
 誤解は実際に晴らしていけばいい。せっかく北伐作戦が終わったのだ。
 これからはより、立場の違う人々がお互いを信頼できる世界にしていきたい。
 北伐の旅の最中で倒れて行った多くのヒトの願いは、きっとそこにあったのだから……。

リプレイ本文

「篠原くん……まーた濃い二人連れてきたねぇ」
 炭酸飲料を投げ渡しながらキヅカ・リク(ka0038)が目を向けた先には並び立つ二人の姿がある。
 ラヴィアン・リュー、そしてアズラエル・ドラゴネッティ。どちらも龍奏作戦に携わった重役だ。
「あの二人って水と油じゃないの? カナギはどうして一緒に連れてきたのかしら?」
「ふむ……これは憶測に過ぎないが、二人の相互理解を狙ったのではないだろうか」
 キサ・I・アイオライト(ka4355)の疑問に銀 真白(ka4128)が予想と共に神薙視線を投げる。
「その通りだよ。あの二人、本質的には似た者同士なんだけどね。お互い立場もあるから、素直になれないんだ」
「だからって平然と厄介事に飛び込んでいくのは性分?」
「性分ね」
「性分であろうな」
 キヅカの言葉に女子二人が頷くと、神薙はマンガのようにずるりと滑った。
「ですが、ラヴィアンはあれでなかなか女性らしいところもある方ですよ。神官殿の方はわかりませんが」
 Gacrux(ka2726)の視線の先には腰を落としてチョココ(ka2449)に笑いかけるラヴィアンの姿がある。
 北方での作戦での縁もあるが、特にラヴィアンは子供が好きらしい。
「そういう意味ではアズラエルさんも同じでしょう。可愛い妹の働きぶりを心配してきたわけですしね……」
 天央 観智(ka0896)が語ると、皆が納得したように頷いた。
「さて、理屈としてはその通りであろうが、私は人心を探るは不得手ゆえ……普通の案内くらいしか思いつかぬな」
「ふふん、こういう時こそ西方各地を旅している私に任せなさい。リゼリオは飲み屋にも詳しいんだから」
「え~? キサって未成年じゃないの?」
「エルフなんだから見た目そのままじゃないわよ……」
 へらりと笑う神薙に溜息を零すキサ。その様子に真白は小さく笑みを浮かべ。
「では、ここはキサ殿を頼りにさせてもらうとしよう」
「ええ。まあリゼリオの真面目な説明とかはカナギがやるでしょ」
「え、俺なの!?」
 キヅカはそんな様子を真剣に見つめて思った。
(こいつ……ナチュラルに女子といちゃついている……)

「なんだい、この騒々しい飲み物は?」
「炭酸飲料よ。そんな事も知らないの?」
「知らないのではなく知る必要がないのだよラヴィアン君?」
「ラヴィアンお姉さま、アズラエルお兄さま、けんかはだめですのー!」
「しかし現実問題として、間にチョココがいないと常にモメていますね」
 キヅカが二人に炭酸飲料を渡し、歩き始めたは良いがこの始末。
 Gacruxが言うようにチョココがいるから二人は本格的に争わずにいるが……。
「さながら安全装置、ですね……」
 苦笑する観智。互いの興味を互いに向けないよう、どんどん案内したほうがよさそうだ。
 まずは服を新調する事になり、アパレル関係の店をめぐる事になった。
 二人共露骨に冬服だが、リゼリオは南にあり、比較的温暖な気候だ。祭りの熱気もあり、このままでは歩けない。
「思考を柔軟にさせる為には新鮮な刺激を取り入れるのが一番です。何事も形からです」
「それもそうだね。郷に入れば郷に従うべきだろう」
 Gacruxに言われ服を選ぶアズラエル。真白もラヴィアンに促す。
「私も洒落た事は解らないが、服装からもその土地に生活する人々の様子が垣間見えると思うのだ」
「確かにそうね。地球とはセンスが少し違うけど……せっかくだし、付き合ってもらえる?」
 ラヴィアンは真白やキサにも当たりが柔らかい。彼女にとってのカテゴリーは、「愛らしい子供」なのだろう。
 その認識は二人にとって本意ではないが、あえて訂正するのも面倒なので、そのままに付き合う方が良さそうだ。
「なかなか悪くない雰囲気ですね……」
「そうですね。アズラエルさんの方も……ぶっふぉ!?」
「どうかし……んっ!?」
 試着室から出てきたアズラエルは極彩色の形容しがたい服を身に纏っていた。単刀直入に言うと、
((服のセンスが極端にダサい……!))
「個性的な選択ですね……」
 キヅカと神薙は落ち着いた笑顔の観智に目を向け、アズラエルと交互に視線を往復させる。
((個性的……?))
「神官殿、そのコーデもなかなかですが、この流行のシャツは如何です?」
「うん? “流行”ってなんだい?」
((あいつ流行って言葉を知らないぞ!?))
「マストでナウい服ということです。さあ、こちらへ……」
 Gacruxが煙に巻いて試着室へ連れて行くと、一気にまともな服装に変わった。
「こちらの帽子も如何でしょう?」
「Gacruxさんグッジョブです……!」
「僕達あの方向性に迷った舞台役者みたいなのと歩くところだったのか」

 着替えを済ませたら(余談だが全額アズラエル負担)今度は遅めの昼食を取る為、通りに面したオープンカフェに向かった。
 店のチョイスはキヅカで、西方諸国の様々な料理が楽しめるように選んだようだ。
「ここなら色々な国の料理が食べられますよ」
「そうなのかい? では……すまないがこのメニューの料理をすべて……」
「あ、あー……ごめんなさいね。コレと、コレと……コレをお願い」
 冷や汗を流しながらキサが注文を訂正する。
 冷静に考えればアズラエルは何百年もヒトの文明に触れていない、最高位の神官なのだ。
「他人にとやかく言えた立場ではないが、常識には疎いようだな……」
「まあ、全額奢ってくれるんだし、いいけどね……」
 真白とキサが苦笑を浮かべる頃、観智はナディアの事について話し始めていた。
「私見ですが……ナディア総長はハンターたちに受け入れられていますよ」
 その証拠にと、彼は連合軍総司令官選挙の話を切り出す。
 そして選ばれた司令官がナディアだったこと、彼女が北伐作戦を推し進めた事などを話した。
「それは彼女にとって不本意だったろうね。人前に出る事は望まなかったはずだ」
「かもしません。しかし、総長の何事も強要しないというスタンスは、ハンターズソサエティの気質と合っていたんですよ……」
「反発だろうね。彼女は青龍の巫女として産まれ、個としての自由は与えられなかったから」
 コーヒーを口にしながら目を瞑るアズラエルの横顔は、ごく普通の一人の兄のようだった。
 観智の話を茶化すこと無く真剣に耳を傾けている。
「武闘大会は、北伐戦で消耗してしまった財力を立て直す手段でもあったのではないかと……」
「成る程ね。地球でも同じような取り組みはあるのよ。でも、野蛮な殺し合いじゃないわ」
 ラヴィアンが口を挟むと、観智は腕を組み。
「どうでしょうか? 野蛮ではあるかもしれません。ただ……スポーツと一緒で、それがヒトの限界を塗り替えていく側面もあると思います」
「自らの可能性を知る行いか……。ありがとう天央君。とても参考になったよ。それに、君たちが北方へ至るまでに無茶をしたこともね」
「僕はこれまでの大きな作戦に参加してきてるから、どれだけ無茶をしたのかよくわかってます。沢山、命もなくなりました」
「それでも何故、北方を目指したんだい? 君たちは300年前の約束を知らなかったのに」
 それはキヅカにもよくわからない。結局、その答えは未だに訊けないままだ。
「知っている人もいたのかもしれません。北に助けを待ってる人がいるって」
「痛みを重ねたからこそ、今は祭りが必要であるように思う。私は武人であるが故に、野蛮という感想に返す言葉はない。だが、こんな時勢であるからこそ、楽しみは大切だ」
 真白が会話を締めると、キサは背負った鞄を開き、中身をテーブルに取り出す。
「さてと。とりあえず各地の品々を持てるだけ持ってきたわ。何かお二人が興味を惹かれる品があればいいけど」
「何かしらこれ……おにぎり……草?」
「色々と教えてもらって感謝しているが、せっかくだし我々に訊きたい事はないのかい? これでも、君たちよりは世界の仕組みに近い場所にいると自負しているが」
 アズラエルの言葉にキサは首を横に振る。
「語りたいなら止めないけどね。でも、リグ・サンガマもリアルブルーも、いずれ自分の足で旅するつもりだから。ここで話を聞いたら楽しみが半減しちゃうでしょ?」
 キサの答えにアズラエルは納得するように頷く。
「誰かに聞いた話より、自分の目で見て手で触れた方がきっと真実に近い。今はカナギやマシロたちと一緒にお祭りが楽しめればそれでいいの」
「成る程。そういうものなのかもしれないね……自由というのは。この街は僕の知らないことばかりだ。想像の中のヒトの世界とはまるで違う」
「心の余裕は新たな物事を生み出しますの。発見がありますのー。きっとそれが、この街にはありますの」
「あんた達も気楽に観光すればいいんじゃない? お祭りってそういうものでしょ?」
 チョココに続いてキサがそう言うと、アズラエルとラヴィアンは顔を見合わせ苦笑を浮かべた。

 そこからはまるで普通の観光のようだった。
「神官殿の事ですから、大量の本を買い込むでしょうし、馬車を手配しました」
「君は実に有能だね。では片っ端から買い込むとしよう」
 手綱を操るGacruxに連れられ、アズラエルは古本屋を跋扈する。
「これは購買力が我々とは違いすぎるな」
「俗に言う大人買いですね……」
 真白と観智はそれに伴い、馬車に揺られて本屋をめぐる。
 アズラエルは当初歴史書のみに興味を示していたが、今はそれ以外にも文化の手がかりになるものはなんでも好んでいた。
「東方の歴史書もあるだろうか」
「東方……って、なんだい?」
「……東方を知らぬのか……。リゼリオから海をまたいで東側に大陸が続いていて……」
「そこから説明なんですね……」
 一方、ラヴィアンはリゼリオに移民した地球の人々の様子を見に来ていた。
 服装の感じがそれ以外の場所とは異なるが、それ以外は皆ごく自然にリゼリオに馴染んでいるように見えた。
「実は僕も受け入れてもらえるか不安だったんだ。でも、受け入れてもらえた。他にも色んな種族と分かり合ったり、そうできない事もわりとあるけど、そんな事を繰り返しながら今リゼリオは、僕らは此処にいる」
 そう言って顔を上げたキヅカが見たのは、優しいラヴィアンの横顔だった。
「青い考えって思いますか?」
「そうね。でも、笑ったりはしないわ。だって私も、希望を捨てられずにこの異世界に来た愚か者だから」
 ラヴィアンはキヅカの肩を強く叩く。その眼差しは真っ直ぐに澄んでいる。
「彼らを守ってくれて、ありがとう」
「一見すると何事もなく、退屈に感じる時間は……かけがえのない、とても大切なモノですわ。特に一般の人々にとっては」
「そうね。それを守るのが軍人の仕事よ。でも、私はあまりにも多くのモノを守れず、いつの間にか諦めていたのかもしれない」
 苦笑を浮かべながらチョココの頭を撫で。
「あなた達が闘う姿を見るのが辛かった。でもそれで怒るなんて筋違いよね。だって、本当に憎むべきは、私の弱さなのだから……」
「ラヴィアンお姉さま……」
「少しは息抜きになったみたいね」
「そうだね。やっぱり連れて来てよかった」
 少し離れた場所で見守る神薙は嬉しそうに笑う。その隣でキサも微笑むのだった。

「……って、いくらなんでも買いすぎじゃない?」
 ジト目のキサの視線の先には馬車に満載の本があった。
「田舎の金持ちはやることが大雑把ね」
「仕方ないだろう? ラヴィアンと違って僕にこれから西方の人々に北方のことを知ってもらわねばならない。そのためにはまず彼らの文化を知る必要がある。失礼があっては、青龍様の名に傷がつく。僕はそういう立場なんだ」
 両手に開いた本を視線左右に動かしながら高速で読み進めるアズラエルに皆は微妙な表情だ。
「そんな神官殿にはこちらを。リアルブルーの携帯ゲーム機です。なんでも物語を読みながら登場人物を恋愛ができるそうですよ」
「恋愛とはなんだいGacrux君?」
((文字通り恋を知らないんかい))
 不安げなキヅカと神薙の前でGacruxは恋愛について熱弁する。
「良くわからないが、コミュニケーションの訓練用ツールという事か。龍園にはシミュレーション技術もある。これを再現できれば……ありがとうGacrux君」
((二次元に入ろうとしてる))
 熱くGacruxと握手する様にキヅカと神薙は白目になった。
「ちょっと、地球を誤解されるでしょ?」
「誤解だなんて……リアルブルーの文化は実に素晴らしい。“クールブルー”です。ロッソは当時俺達の憧れでした……搭乗できるだけでステータスです。そういえばロッソから民間人が降りる際にクーデターが起きましたね」
((なぜこの終盤でその話を……))
「そうでした。ラヴィアンのポートレートがあるのですが、記念にサインを頂いても……?」
「誰が作ったのよ!? まあ、別にサインくらい構わないけど」
((構わないんだ……))
「こ、これは……小さな箱の中に人間が……いや、これはつまり人間ではない……精霊を閉じ込めた非道なる装置!?」
((収拾つかなくなってきた))
「せっかく武闘大会の開催中に訪問したのだ。少し様子を見ていかないか? 私個人としても興味があってな」
「武闘大会ねぇ……どうせ私は賑やかし担当よ……」
「キサ殿も出場していたのか?」
「そういうマシロはどうなのよ?」
 真白とキサがそんなやり取りをしていると、観智は頷き。
「丁度、総長が実況をしているはずですよ。様子を見に行く価値はあるかと……」
「お二人も一緒に行きましょうー!」
 チョココはサインを終えたラヴィアンと本を読んでいるアズラエルの間に入り、二人の服の裾をつかむ。
 しかし二人は顔を見合わせ、改めてチョココの手を取った。手を繋いだ三人はチョココに引っ張られるように進んでいくのだった。

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重体一覧

参加者一覧

  • 白き流星
    鬼塚 陸(ka0038
    人間(蒼)|22才|男性|機導師
  • 止まらぬ探求者
    天央 観智(ka0896
    人間(蒼)|25才|男性|魔術師
  • 光森の太陽
    チョココ(ka2449
    エルフ|10才|女性|魔術師
  • 見極めし黒曜の瞳
    Gacrux(ka2726
    人間(紅)|25才|男性|闘狩人
  • 正秋隊(雪侍)
    銀 真白(ka4128
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人
  • 境界を紡ぐ者
    キサ・I・アイオライト(ka4355
    エルフ|17才|女性|霊闘士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 【相談卓】龍虎御一行の闘祭
キサ・I・アイオライト(ka4355
エルフ|17才|女性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2016/06/28 09:16:29
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/06/25 20:34:37