タスカービレ~東方茶屋と鬼猿

マスター:深夜真世

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~7人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2016/07/11 22:00
完成日
2016/07/25 01:57

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 ここは同盟領の農耕推進地ジェオルジ。
「おお、春郷祭で見た東方茶屋そっくりじゃ」
 その南西奥地に位置する寒村「タスカービレ」で行商人がガラスの湯呑みに入った淡い琥珀色の茶を口に含んだ後、のんびりと言った。
「そしてこれが白茶か……うん、きりっとしとる中、甘い」
 先の行商人の連れも一緒に「東方茶屋」の暖簾が風に舞う軒先で一息。旨いのだろう。長椅子に並んで腰掛けたまま、目元をゆるめて空を見上げる。
「そっくりもなにも、ここが本家本元の東方茶屋ですから」
 着物を来た女性がにぎりめしと麦茶を持ってきつつにっこり。実は春郷祭の後に、タスカービレの玄関口たるこの場所に急いで空き小屋を改修し祭のときそっくりの店に整えて開店したのは内緒だ。
「ちょっと来ない間にええ雰囲気になっとる」
「これで昔くらい人が暮らしてれば商売として定期的に立ち寄ることもできるんじゃが」
「あ、人も増えてます。あそこで東洋の刀を振っているのが青竜紅刃流の門下生さん。サルバトーレ・ロッソからの移民を受け入れたんです」
 店員が袴姿で稽古に励む男の背中を指差す。すうっと背筋が伸び、姿勢が良い。振り下ろす刃は速く、陽光を一瞬跳ねまた元の姿勢に戻っている。
「リアルブルーの若者たちがいるんじゃあ、あっちの品を持ってくりゃあ喜ばれるかもしれん」
「護衛に雇ってもらってもいいですよ。道場は西の奥の方にあります。見学もできますよ」
 ふむぅ、と算段する行商人に、商売っけたっぷりの売り子。東方茶屋は村の入り口たる東にある。ここは観光案内も兼ねるようだ。
「今日は予定もないのに足を伸ばしただけ」
「急ぐんでもう行くが、次は仕事で来るし仲間にもここのことを話しとこう」
「ありがとうございます」
 立ち上がる行商人たちを見送る売り子。そこへ稽古をしていた若者がやって来た。
「ロミィ、今のでよかったのか?」
「うん。バッチリだよ、ジオ君。できればこっちで稽古してもらいたいくらい」
「村奥からここまでは遠いし、見世物でやってるわけじゃないよ」
 そんな浮ついた姿勢じゃ師範たちに怒られちゃう、とも。イ寺鑑(kz0175)らハンターで固める青竜紅刃流師範たちは、実戦重視のキビシイ師範揃いなのである。
「でもその師範たち、村を守るだけでなく護衛として派遣することで村を経済的にも守りたいとか話してたんでしょう?」
「ゆくゆくは、って話だよ」
「ね、ジオ君。次に師範さんたち来るの、いつ?」
「鑑さんが依頼に行ったから……もうしばらくしてから、かな?」
「そっかー。ここでたまにお酒を求められちゃうのよね。村で作るワインで何か東方茶屋らしいワインの出し方、アドバイスしてほしいのよね?」
「こっちの鬼猿の相談が先だけど、その後なら大丈夫かな?」
「ケチ!」
「ちゃんと話すっていうのにケチはないだろう」
「じゃ、こっちでも稽古してよ」
 なんだかロミィがつま先立ちでぷんぷんしたり、ジオが面倒臭そうに顔を歪めたり。
「ジオ君。私たちの方で取り組んでる白茶、少し製法を簡略化してみたの。道場のみんなにも飲んでもらって感想を聞きたいんだけど」
 ここで茶屋の隅から声が。
 白茶の製造開発技術者の女性、フィーネ・リスパルミオだ。
「あ。はい、リスパルミオさん。今度みんなできます」
「……美人に言われたら素直なのね」
 かしこまるフィガに唇を尖らせるロミィ。
「タスカービレ流のお酒の飲み方を新たに作ってそれで酒好きの人を呼び込むのもいいわね。ぜひそっちも師範さんたちの意見を聞きたいわ」
「ほら! ちゃんと聞いてよね!」
 とりなすフィーネの言葉に、ロミィは喜んでフィガの胸ぐらをつかんでぐいぐい揺らすのだった。

 そして剣術稽古にハンターたちが来た時。
「大変だ、鬼猿が出て道場を乗っ取られた!」
 村の入り口に位置する東方茶屋で白茶を飲んでいると、村の奥にある青竜紅刃流道場に残っていた門下生が逃げてきてそう叫んだ。
 幸い、鬼猿たちは二階建ての道場に立て籠もったようで村に被害はない。
 さあ、奪還戦の開始である。

リプレイ本文


「道場乗っ取られたぁー!?」
 タスカービレの入り口にある「東方茶屋」に第一報がもたらされた時、ウーナ(ka1439)はがたりと長椅子から立ち上がった。
「相手はどなたでしょう?」
 同じ椅子に座っていた多由羅(ka6167)は、そっと白茶の入った椀を盆に戻して大太刀「鬼霧雨」を手にした。腰に差さず虎皮布にくるんで持参したのは、あくまで今回の依頼が門下生への指導だったから。証拠に、肌も露わな普段着で防具を一切つけていない。
「その……鬼猿です」
「エテ公どもにバナナのようにむしり取られた、ってか?」
 門下生の言葉に、白米の握り飯を食べていたゾファル・G・初火(ka4407)がちょんちょん、と指先を舐めつつ聞き返した。
「数が多かったので……」
「良い選択です」
 身を縮めた門下生に、雀舟 玄(ka5884)が落ち着いた声で言った。先ほどまで茶屋を手伝う子どもに「わあっ。今日も一緒だ。黒猫さん、元気だった?」とか帯につけたぬいぐるみを撫でられていた。その姿を見詰めていた玄の優しい面差しは少しだけ引き締まっていた。
「じゃ、取られた道場は取り返すー、と」
 聞いていた超級まりお(ka0824)、ぴょんと腰掛けていた樽から跳ねて立つ。
「ん、それじゃあ正面から堂々と道場破りを破りに行くんだよ♪ あれ?」
 狐中・小鳥(ka5484)も、びよーんと伸ばし格闘しつつ食べていた餅を脇に置いて立ち上がり、何かに気付く。
「道場破りというか……道場破り破り、だな」
 傍で門下生に青竜紅刃流の基本を演じてもらい確認していた鞍馬 真(ka5819)が寄ってきて言う。
「それだよ、道場破り破り!」
 きゃい、と喜ぶ小鳥。
「その、すいません。応戦はしたんですが……」
 最後まで抵抗していた門下生たちが戻ってきた。体は張ったのだろう、結構やられている。
「んー、そりゃ死ぬまで戦えとは言わないけどさぁ……でもこれだけ言っとく。ばっかもーん!」
 ウーナ、彼らの努力を認め込み上げるものに耐えていたのだが、ついに爆発。
「すいません。俺たちも戦います」
 爆発する様子に慌てて門下生のジオが口を挟むが、その勢いが固まった。
「……では、殺(や)りましょうか」
 多由羅が得物を手に長椅子からゆらりと立ち上がったのだ。口から出た言葉とたたずまいにごくりと息を飲む門下生。
「よしとけ。今回の稽古は実戦を見ておくことだ。……こっちは私が付いておく」
 イ寺鑑(kz0175)、弟子たちを護衛しつつ遠巻きに見守るつもりだ。
「そんじゃ、早速行くじゃん」
 バトルジャンキーことゾファルが愛馬「黒船」に跨り急ぐ。
 これを追い、全員が道場のある村の奥、西へと向かった。



 森の木々を背に、二階建てのログハウスが佇んでいる。
 青竜紅刃流の道場兼屯所である。いつもと違うのは、窓から角のある猿が顔を出して周囲を警戒していること。
「道場に興味を引かれたのか、村へそのまま進行しなかったのは幸いだな」
 道場正面の森に隠れ、門下生を制しつつ鑑が呟いた。
「衛生面からも早めに取り返すのがいいでしょう」
 並んで隠れる玄が淡々と補足する。
 そこへゾファルがやって来る。
「黒船、隠してきたじゃん」
「もうちょっと待ってだよ。真さんとマリオさん、裏と横に回ってるからね。ウーナさんも帰ってこないし」
 小鳥が今にも出そうなゾファルを止める。
「大体分かったよ」
 そこへ周辺を回って音で敵を探っていたウーナが戻ってきた。
「部屋のあちこちで派手に音がしてる。いたずらし放題ってところ。ほっといていいの、鑑?」
「いいわけない」
 鑑、苦虫を噛み潰したような表情。
 そこですっと立ち上がる姿。
「……それでは死合(しあい)といきましょう」
 多由羅である。いつもと一緒だが、雰囲気が明らかに違う。しゅるり、と抱えていた包みを解くと大太刀「鬼霧雨」が姿を現す。ほどいた虎皮布はアクセサリーのように腰に巻いた。
 防具、全くなし。ゆっくりと前に歩く。纏った殺気に門下生たちが息を飲んだ。
 もちろん、この動きで鬼猿どもも気付いた。
 が、出てこない。
 多由羅をじっくり引き付けてから襲い掛かるつもりか、窓やテラスに鬼猿が集まっている。
 その、構わずゆっくり進む多由羅の横から一陣の風が出る。
「おらおらぁ、しつけの悪いエテ公どもはこのゾファルちゃんがお仕置きしてやるじゃーん」
 ゾファルだ。
 見事なダッシュで先頭に立ち一気に距離を詰める。
 が、途中まで。
 止まってばふっ、とソウルトーチで燃え上がる。ついでに重量感たっぷりのギガースアックスを頭上でぶん回す!
 出てこないとこれで建物ぶっ壊す、と言わんばかりのプレッシャー!
 静と思わせての急激な動に、待ち戦術を決め込んでいた鬼猿たちの腰も思わず浮いた。
 いや、ついに出戦に応じた。
 その時だった!
「Bダッシュ!」
 道場の横から帽子を被った赤い奴が――いや失礼、赤い影が出てきた。まりおである。
 そのままぴょーん、と飛んで道場の外壁に壁歩きでべったり着地。テラスの手すりに手を掛けひらり飛び越えると……。
「空中で1回転してスラッシュエッジ!」
 テラスから下りて下のゾファルを急襲しようとした敵の一部に前転斬りで奇襲。その動きは音速ハリネズミくさくもあるが、彼女がリスペクトしているのはあくまでも土管工ブラザーズの方だ。

 この時、道場の前庭。 
「外だったら心置きなく暴れられるじゃ~ん!」
 テラスから棍棒を振り上げつつ急降下した敵を補足したゾファルが渾身撃!
『ききぃいっ!』
 どすん、と質量を生かした一撃で敵の攻撃ごと吹っ飛ばした。その勢いは振り抜いた後地面に斧がグッサリ刺さってしまうほどの威力。確かに屋内だと床板ぶち抜き確定だ。
 が、敵も組織的攻撃は慣れたもの。
「あっ」
 森で見守る門下生たちが思わず小さな声を上げていた。
 ゾファルのパーフェクトな対空攻撃の一方、わざと一呼吸おいて一階から出てきた鬼猿たちが彼女の左右から迫っているのだ。
 その動きの、何とトリッキーで速いことか!
 ただし、ゾファルの両脇から追い抜く疾風がある。
「疾風剣……」
 半身のまま突っ込んできた多由羅が水平に腰溜めしていた太刀をずばっと振り抜く。ざざざ、と踏み込んだ足を勢いで滑らせる先に、棍棒のガードしたままの鬼猿が吹っ飛んでいく。
「どれだけ動きが早くても……攻撃の瞬間は近寄らざるを得ないよね、そこなんだよ!」
 反対からは小鳥。黒皮の戦籠手「災厄」で固めた拳をしっかり腰を落として伸身することで驚異的なリーチを見せる。その射貫くような一撃がゾファルを狙うことに集中していた鬼猿の脇腹を捉えた。
『ききっ!』
 こちらも吹っ飛ぶ。

「物理攻撃には慣れっこのようですね」
 ゾファルの背後にはさらに玄がいた。死角の影に隠れるようにしていたがすっと軸をずらして姿を現した。上品につまんでいた陰陽符「降魔結界」をふわっと宙に放つ。
 瞬間、玄を包んでいた淡い光の言葉に「このたびは ぬさもとりあえず 手向山」の文字が強く浮かんだ。
 ぴしゃん、と符が稲妻と化し多由羅の吹っ飛ばした鬼猿を襲う。
「……紅葉の錦、神のまにまに」
 玄、そう呟く。この度は稽古や特産酒で来たのに思いもかけず鬼猿退治をすることになったものだ、と少し感慨深い。
 一方、小鳥の吹っ飛ばした鬼猿はそのまま小鳥に向かっていた。
 手にした棍棒のリーチを生かし、先のように伸びてくる拳を警戒しながらの突撃だ。
「……くっ」
 小鳥、カウンターを狙わずに籠手で受けた。敵は続けて距離を取りつつ棍棒をぶん回し一方的に殴る。
 が、鬼猿の表情が凍り付いた。
「……腰の剣は飾りだと思ったかな? 残念、こっちが本命なんだよ!」
 一瞬の隙を付いてダンサーズショートソードを抜くと敵の保っていた間合いを一気に詰めて斬り込んだ。その後も水を得た魚のように躍りまくる。鬼猿、リズムの変わった攻撃に対処しきれず力尽きた。

「ここは俺様ちゃんに任せてくれじゃん」
 玄の攻撃した鬼猿と自らの吹っ飛ばした鬼猿の止めを引き受けたのは、ゾファル。
「真が裏にいるし、助かるよ」
 最後方から四人を一気に追い抜いてウーナが道場に取り付いた。数匹すれ違ったが外の仲間に任せる。
「……こちらが本命ですからね」
 多由羅も止めを狙わず続いていた。
 ばん、と稽古場に入る。



 時は若干遡り、道場の裏手。
「始まったか」
 森に隠れる真が、ゾファルの派手な叫びを確認した。
 道場のログハウスでは、窓際にいた鬼猿の影がなくなった。表側に移動したものと考えられる。
「せっかく裏口があるんだ。利用しない手はない」
 すっ、と問題なくログハウスに取り付くことができた。
 入った場所はキッチンである。ききっ、とそこにいた鬼猿がびっくりして振り向いた。
「確か銃も使うんだったな」
 すたん、と魔導拳銃剣「エルス」を撃ち込み牽制。弾丸は振りかぶった敵に命中するも硬い表皮に流れる。
「そして居合」
 大きく踏み込み試作雷撃刀「ダークMASAMUNE」で刺突一閃。雷撃を纏い確実にダメージを食らわせる。
『ぎいっ!』
「もう派手な音がしても問題ないだろう」
 がらんがらんと鍋などが転がる音が響く中、敵が捨て身で棍棒を振るってくる。真、かわさなかったのは決着を早めるため。魔導拳銃剣の銃口を敵にぐりりと押し付け発射。さすがに息の根が止まる。
 その時だった!
『ききっ!』
「何?」
 背後からの叫びと打撃に真の瞳が見開かれた。振り返ると新たな鬼猿がいる。
 森からの新手が二匹いた。
「成程。道場としては裏だが奴らにとっては森が表か」
 瞬時に気持ちを切り替えた。
 抜刀で踏み込み、威圧したところで射撃をするなど裏口の死守に専念する。

 さて、表からの突入組。
「稽古場にいたのが表に出たようだね」
「右、お任せします」
 ウーナの言葉に多由羅が一言残して食堂の方に走った。
「分かったよ、多由羅。こっちは確か……」
 ウーナ、右に。
 そちらには武器置き場がある。
 バン、と入るとびくっ、と鬼猿ども。手には銃やら木刀やら。
「それになにしてるの?」
 ごごごご、と怒りをこらえるウーナ。ぱん、と射撃。身を沈める。掠ったがひるまない。というか、許せない。
「それはあんたらを倒すものだからねっ、青竜紅刃流・射の型!」
 魔導拳銃剣「エルス」で撃って敵の懐に入る。が、横から木刀での打撃が来る。
 刹那、かたんかたんとエルスの側部にある刃が伸びて直刀モードに。逆手持ちでひらめかせ木刀の打ち込みを受けた。
 捻った身の背後に、先ほどけん制した鬼猿が銃を捨て使い慣れた棍棒で殴り掛かって来た。
「間際で使う勇気がないなら持つんじゃないよ!」
 叫ぶと同時にエルスの刃がくるんと元通り。左手でオートマチック「チェイサー」も抜き、二つの銃口がぴたりとそろう。
 ――どん、どん!
 吹っ飛ぶ鬼猿。同時に背中に打撃。
「青竜紅刃流・攻め崩し! こっちはあんたら倒すための武術なんだから、負けられないんだよね! 」
 敵のさらなる攻撃を射撃で妨害し、バックステップ。壁を背中に再びエルスを直刀にして構え臨戦態勢を取る。

 こちら、多由羅。
「立体的な攻撃は見事」
 すっ、と円舞で身をかわす。
 敵は食堂のテーブルを利用してジャンプし襲い掛かっていた。
「敵は二匹。囲まれるよりはマシでしょう」
 そして剣心一如。
 太刀を両手で中段に構えて集中する。滾るオーラにひるむ鬼猿たち。
「敵、小兵なれどなかなか歯応えのありそうな相手です」
 嬉しそうに言い、踏み込む。
 がしん、と敵が棍棒で受ける。耐えた。
「その棍棒、堅いですね」
 嬉しそうに言う多由羅。受けごとぶった斬る気だったのだが、想像以上の硬さだった。
 が、すでに鬼猿、ひるんでいる。
「普段着ですのであまり打ち込ませるわけにはいきません」
 言うや否や、直線一気。疾風剣で敵を倒す。
 太刀のみの装備に、ひらめく虎皮布。
 門下生のため奇襲を受けた時の戦い方を体現する。

 外では桜吹雪が舞っていた。
「二階に結構いるようですね」
 テラスから飛び降りてきた新手に、玄が桜幕符で視界を塞いでいたのだ。着物「銀蝶」の袖で口元を押さえ場所を空ける。
「ん、わたしが行ってくるんだよ」
 玄を追い抜きつつ一匹に裏拳を入れた小鳥、白いチャイナ服の裾を躍らせ突入。
「おらおら、しつけも悪いししつけーじゃん」
 びりり、とセーラー服が破れるがまったくお構いなしにとにかく下りてきた新手に攻撃攻撃。
「……着こなしも悪くなってます」
 玄は狙ってきた敵に冷静に身を引きつつ、雷撃。ゾファルの素肌の晒しっぷりも心配しつつ。
 そして突入した小鳥、稽古場にある階段を駆け上がる。
「ん?」
 上がった瞬間、身をひねる。どかっと棍棒が床を叩いた。
「あまり動かれると面倒だし、床に叩きつけて動きを止めさせて貰うね!」
 円舞で回り込むと電光石火で押し込み上から下に渾身の拳。開いた背中に一匹来るが、ショートソードを抜いて迎撃。さらに敵を求めて部屋の扉を開ける。
「トリッキーなのはどっちかな?」
 部屋の壁に張り付いていたマリオが、棍棒を振り下ろし着地したばかりと思われる鬼猿に上から一撃を見舞っていた。
「……なかなかいい部屋使ってるね」
 マリオ、ベッドに仁王立ちしながら広さのある部屋に感心していた。見ると、素足。ちゃんとテラスに靴を脱いで上がっていたようで。
 その時、背後から気配。
「どうだ?」
 入って来たのは真だった。
 どうやら敵はほぼ片付いたようだ。


「ほら、分かった?」
 戦闘後、ウーナが銃を構えて門下生を指導していた。射の型からの指導のようで。
「もう奪われるんじゃないよ!」
 ウーナの熱血指導のあちら側では。
「夏の時期ならさっぱりしたのの方がいいのかな? お酒、私が飲まないから飲む人はどうなんだろう、とは思うけど」
「ワインって、意外と和食と合うんだよな。煮物なんかと出せばいいんじゃないか?」
 タスカービレ流の酒の飲み方の提案に小鳥と真が知恵を絞っている。
「めんどくさーから「相撲大会」でもやっとけよ」
 やれやれ、と頭の後ろで両手を組むゾファル。破れた服に張り出す胸。もちろん見えているわけではないが。
「流派は銃も使うんですか」
 玄はしげしげと手にした銃を見ている。
 それにピンと来た小鳥。
「ちくわにキュウリを詰めても美味しいよ?」
「それだ。こっちに絶対ない」
 鑑、目の色を変えた。ちくわとは竹輪。西洋文化圏にあるわけがない。
「おでんとして煮込んでも冬にいける」
「おつまみなら、これを詰めてもいいのでは?」
 乗った真に、ここでも製造するチーズを手に言う多由羅。
「白身魚、捕れるか?」
 艦が聞くと、近くの川でマスの一種が捕れると聞いた。
 実際に一匹持ってきたので早速すり身にする小鳥と真。
 うまくいきそうだ。

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MVP一覧

  • 青竜紅刃流師範
    ウーナka1439
  • 笑顔で元気に前向きに
    狐中・小鳥ka5484

  • 鞍馬 真ka5819

重体一覧

参加者一覧


  •  (ka0824
    人間(蒼)|16才|女性|疾影士
  • 青竜紅刃流師範
    ウーナ(ka1439
    人間(蒼)|16才|女性|猟撃士
  • ゾファル怠極拳
    ゾファル・G・初火(ka4407
    人間(蒼)|16才|女性|闘狩人
  • 笑顔で元気に前向きに
    狐中・小鳥(ka5484
    人間(紅)|12才|女性|舞刀士

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • 和歌纏う者
    雀舟 玄(ka5884
    人間(蒼)|11才|女性|符術師
  • 秘剣──瞬──
    多由羅(ka6167
    鬼|21才|女性|舞刀士

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依頼相談掲示板
アイコン 道場破り歓迎対策本部
ウーナ(ka1439
人間(リアルブルー)|16才|女性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2016/07/11 22:01:14
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/07/10 07:54:37