荷馬車は進むよ

マスター:神宮寺飛鳥

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
少なめ
相談期間
5日
締切
2014/06/17 15:00
完成日
2014/06/19 03:02

みんなの思い出

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オープニング

 帝国領に存在する数少ない港町、交海都市ベルトルード。同盟領から荷物を輸出しに載せてくる大型船も停泊できる大都市では、今日も商人たちが物資のやり取りに追われていた。
「よお、景気はどうだい?」
「ぼちぼちだね。これから積み荷をチェックして出発だよ」
 荷馬車を二つ用意し荷物を積み込んでいた所、顔見知りの商人に声をかけられた。海路を使った同盟との取引は殆どがこの町を経由する為、馴染みの同業者は多かったのだ。
「偉いねぇ。わざわざ領内の田舎町を周って生活雑貨や食料品を降ろしてるんだろう?」
「バルトアンデルスへ行くついでだがね。いかんせんこの国は地方の生活格差がひどすぎるよ。帝都への街道上はともかく、外れにある田舎町じゃ物も買えない」
「高く売りつけられる相手だろうに。少しは足元見ないとこの仕事はやっていけないぜ?」
 肩を竦める同業者に対し、商人の男は顎鬚をいじりながら苦笑を浮かべた。
 この帝国で生まれ育ち家業を継いでもう何年になるか。確かに働いても働いても裕福になるどころか生活が厳しくなっていくばかりだ。
「だけどねぇ。やれる人がやらなきゃいけない仕事だからね。私が商売をやめちまったら困る人もいるから」
「しかし、整備された街道から外れたら危険だろ? あんたみたいな善良な国民くらい、きちんと帝国軍が護衛してくれりゃいいのにな」
 ベルトルードは大都市だが、その住民全てが富裕層ではない。地方の生活に困窮し流れて来た貧困層は場合によっては商人狙いの賊に身を落とす事もある。
 街そのものは帝国軍第四師団が駐留し警備している為治安も問題ないが、彼らの庇護の対象は同盟からやってきた商人である。地方へ商品を降ろす商人にぴったりついて護衛などはしてくれない。
 その為警備のない街道から離れた途端、盗賊や敵性亜人、野放しになった雑魔等と遭遇する危険性が跳ね上がる。とても護衛なしで荷馬車を進められる状況ではなかった。
「護衛の費用がまた負担でねぇ……治安がもう少し良くなればいいんだけどねぇ」
「第四師団の連中、同盟からの商人は手厚く保護するんだがな。もうちょい俺達にもサービスしてほしいぜ……っと。それなら護衛にハンターを雇ったらどうだ? ホラ、あの例の大規模転移。噂くらいは聞いてんだろ?」
「ああ……大量の転移者が来て、ハンターがかなり増えたとか聞いたねぇ」
「それだけ増えたなら少しは割安で仕事を請けてくれるかもしれないぜ? 覚醒者をいちいち雇う何て貧乏商人にゃちと辛いが、新人のハンターなら少しはマケるだろ?」
 確かに新人のハンターなら安い報酬でも引き受けてくれるかもしれない。実力には不安が残るが、なんといっても覚醒者だ。そこらの盗賊や雑魔くらいなら相手にならないはず。
「うぅん、それもそうだね。出発までに依頼を出してみるよ。ダメなら帝国軍にお金を払うしかないねぇ」
「あんたみたいなお人好しがいるんだ、ハンターにも似たようなのがきっといるって」
 肩を叩いて立ち去る同僚を見送る。荷馬車を襲われた事は一度や二度ではない。それで損失が出るのは勿論、荷物が届かなければ困る人達がいる。
 男は荷物の積み込み準備を終えると、ハンターを雇うべくオフィスに依頼を飛ばすのであった。

リプレイ本文

 進路を阻む様に姿を見せた四匹のゴブリン。先頭を進む荷馬車を護衛していたヒース・R・ウォーカー(ka0145)は真っ先に前に出ると嘶く馬を片手で制し、抜刀した。
「またゴブリンですかっ!?」
 横に並んだのは同じ馬車を護衛するラズリー・クレエステル(ka1349)、そして燈京 紫月 (ka0658)の二名だ。
 ゴブリン達は棍棒を振り回しながら甲高い声で喚いている。恐らくは積み荷が目当てなのだろう。直ぐに襲ってこないのは、脅せば人間が逃げる可能性を知っているから。
「……つまり、常習犯って事ですね。強奪に味をしめたゴブリン……うぅ、緊張しますよう」
「悠長な奴らだな。こっちとしては助かるが」
 やや遅れ、後続の馬車から懐剣(ka1410)が、続いてメル・アイザックス(ka0520)も戦列に加わる。
「他に敵はいないみたいだね」
「このくらいの相手なら全員馬車を離れる事もないか。セレンは周囲を警戒しててくれ」
 懐剣の声に馬車から離れず頷くセレン・コウヅキ(ka0153)。そうこうしているうちに業を煮やしたゴブリンが二体駆け寄ってくる。
 勢いよく飛びかかるゴブリンの棍棒を避けきれず受け流すヒース。更にもう一体飛び込んでくるも、これは背後に跳んで回避する。
「意外と素早いなぁ。だけど、今度はこっちの番だぁ」
 駆け寄ると同時にゴブリンを切り付けるヒース。更に懐剣が剣を叩き付けるとゴブリンはあっさり悲鳴を上げて倒れた。まさか覚醒者が護衛についているとは思わなかったのだろう、狼狽えるもう一匹のゴブリンにラズリー、紫月が弓を放ち片付けると、残りのゴブリンは慌てて逃げ出すのであった。



「なんだか、襲撃が多い気がするのですが……気のせいでしょうか?」
 二つ目の町に荷物を降ろしている間、ハンター達は警戒を緩め一休みしていた。溜息を零す紫月、その隣でセレンが腕を組む。
「いえ、気のせいではないと思います。初日にして既に三度も襲撃されているのですから」
 ベルトルードを出て直ぐ盗賊を撃退し、それから二度ゴブリンと戦っている。この国の治安はどうなっているのだろうか……セレンも溜息を隠せない。
「販路は行商人の命綱みたいなものですからね。もうちょっとちゃんと警備してくれないと困ります……あ、はいこれ、どうぞっ」
 住民から分けてもらったミルクを仲間に差し出すラズリー。懐剣は憂鬱そうな顔で空を仰ぎつつ受け取る。
「すっかり幸運の女神さまにそっぽ向かれちゃったみたいだな。この調子で襲撃が続いたら覚醒なしで戦う事も視野に入れるべきか」
「理論上は帝都に近づく程治安は良くなるはずだからね。後半の方が安全だと思うよ」
 商人の荷卸しを手伝っていたメルが木箱を運びながら会話に入ってくる。その様子に懐剣は肩を竦めた。
「仕事まで手伝ってるのか?」
「何事も体験だからね。身につく事もあるかと思ってね」
「タフだな……。ま、確かに危険地帯の峠は越えたと見ていいだろうな。ベルトルードの商人もそんな事を言ってたし」
 ミルクを飲み終え、血の付いた剣を磨き始める懐剣。ラズリーはメルに駆け寄り、一緒に荷物を持ち上げる。
「これから馬車の点検をするつもりなんですが、よかったら一緒にどうですか?」
 二人は話しながら馬車に向かった。襲撃はあったが、今の所は問題なし。セレンは傾き始めた日差しを見上げ呟く。
「道中は危険でした。とても護衛なしで安全に移動できる状況ではありません。それでも荷を運ぼうと言う彼の思いは無駄に出来ませんね……」
「立派なもんさぁ。リスクを承知の上で自分の出来る事を定め、実行しているわけだぁ」
 壁に背を預け、いそいそと働く商人の横顔を眺めるヒース。セレンは頷き、ミルクに口を付けた。

 完全に日が暮れるまでに先を急がなければならない。商人を護衛し、ハンター達も夕暮れの道を急いだ。
 夜になっても暫くは移動し、適当な場所を確保して休憩に入る。馬を休める必要があったし、夜中の移動は効率も悪い。夜明けまで休まなければ商人も持たないだろう
「簡単な物で申し訳ないですが、料理を作りますからね。少々お待ちを」
「いや、ボクは自前のパンがあるから」
「皆さんがいなけれはとっくに荷を奪われていました。少しくらいはお礼をさせてください」
 小太りの中年商人は笑顔で料理の支度を始める。ヒースは取り出そうとしていたパンをしまい、頬を掻いた。
「それなら私も手伝うよ」
「ぼ、僕も手伝います! 料理は得意ですし……それに、商人さんの料理に興味があるんです」
 メルと紫月が料理を手伝う間、セレンとラズリーは周囲を警戒する。ここは道半ば、何が起こるか分からない。
「何かいるのですか?」
「そういうわけではないのですが、今のうちに暗闇に目をならしておこうと思いまして……っ」
 ジト目で闇を睨むラズリー。セレンはしばらくその横顔を見た後、自分も一緒にジト目で暗闇を睨んだ。
「……あの二人、何を見てるんだ?」
「さてねぇ。幸運の女神様とかじゃないかぁ?」
「肝心な時に微笑んでくれない女神なんて、探す気にはならないな」
 剣を抱えるようにして座り、焚火に当たるヒース。懐剣はパイプをくゆらせながら周囲に視線を巡らせる。
「み、皆さん出来ましたよ。海鮮風のスープ……でしょうか、これ?」
「ごっちゃ煮だったからね……でもおいしい」
 味見するメル。紫月は器に装ったスープを皆に手渡していく。
「く、暗闇を見ていたのでまぶしいですっ! 申し訳ないのですが持ってきてください!」
「あ、はい。今行きますね」
「おまえらも休める時に休んだらどうだぁ? 見張りならボクが交代するよぉ」
 食べながら暗がりに移動するヒース。セレンとラズリーは目をしょぼしょぼさせながら紫月からスープを受け取った。
「んーっ、おいしいですっ!」
「お口に合いましたか?」
 親指を立てるラズリーの隣でセレンはこくりと頷く。紫月は胸の前で手を組み、照れくさそうに微笑んだ。
「……何か?」
「あっ、ご、ごめんなさい! ただ、どうしてコウヅキさんは男性のような恰好をしているのかなって……」
「ひらひらした服が苦手だからですが……武の道とは元々そういう物なのです。女々しさで成せる正義は多くないでしょうから」
「そ、そうなんですか。確かにコウヅキさんと比べると、僕は男らしくないですよね……うぅ」
「何言ってるんですか? 可愛くていいと思いますけど?」
 スープを食べながら首を傾げるラズリー。紫月は苦笑を浮かべ真実を耳打ちする。別に隠すような事ではないのだが……。
「ど、どういう事ですか!? 趣味……ですかっ!?」
「ち、違います! これには色々深い事情があって……!」
 大体こうなるのが悩みである。セレンは二人のやり取りを不思議そうに眺めていた。



 夜明けが近づくと出発し、休みを挟みながら町から町へ。夜が深まるまで移動し、闇をやり過ごし朝日と共に旅立つ。
 二日目は初日が嘘のように快適な旅だった。一切の襲撃なく三日目を迎え、一行は最後の町を目指していた。
「線路は続くよ、どこまでも……は違ったか」
「歌いたくなるくらい快適なのはわかるけどな。あの襲撃ラッシュはなんだったんだ」
 二番目の馬車に揺られながら口ずさむメル。懐剣はすっかりぴかぴかになった剣が弾く光に目を細めながら愚痴っていた。
 そんな時だ。後方から複数の馬が駆けてくるのが見えた。これまでも何度か街道をゆく別の商人などとはすれ違ったのだが、何か様子がおかしい。
「荒野の幌馬車隊……とはまた違うか?」
 馬はかなりの速度で馬車を追い立ててくる。と、次の瞬間馬に乗っていた男が矢を放った。矢は荷台に突き刺さり、ハンター達はすぐに得物を構える。
「いきなり撃ってくるとはね」
「……おい、襲撃だ! 後方から三人……!」
「いえ、左右から二名ずつ。囲まれています」
 セレンの指摘に舌打ちする懐剣。見れば確かに言う通り、前方以外の逃げ道が封鎖されてしまっている。
 襲撃に気づいて馬車は速度を上げるが、荷がある分振り切るのは難しい。こちらに攻撃はしてこないが、大声を出したり銃声を鳴らしたりして馬を追い立てている。
「おいおい……これはベルトルードで聞いたぞ。馬を止めろ! 罠に追い込まれてる!」
 懐剣の声は前方の馬車にも届いているが、商人はどうすればいいのか困惑して動けない。ヒースは荷台を移動し、商人の傍についた。
「と言っても今止まったら囲まれるなぁ……進路を横に反らせるかぁ?」
「み、道を外れようにも横に盗賊が……!」
「聞いた話の通りなら、この先には罠がある筈です! 僕達で追い払いますから、何とか逸れてください!」
 紫月とラズリーは荷台から並走する盗賊を攻撃し距離を離す。すかさずヒースの合図で道から逸れると、通過した道中にトラバサミのような罠が置いてあるのが見えた。
 二番目の馬車も同様に回避に成功。すると盗賊は直接攻撃にかかる。二番車に近づく馬に狙いを定めセレンは銃撃。二人転倒させるが、残りの馬から賊が飛び移ってくる。
 振り下ろされた剣を受け止める懐剣。蹴飛ばして距離を置くと、背後からタクトを振るう。
「お帰り頂こうか」
 杖から放たれた光を受けた盗賊は転倒、地面を転がり遠ざかっていく。だが直ぐに新たな盗賊が馬に乗って現れた。
「おい、数が多いぞ……どうなってる?」
「本当は罠にかけた後、仲間を呼んで囲むつもりだったのかな?」
「……上に登ります。二人は後続の敵をお願いします」
 荷馬車から身を乗り出し、颯爽と屋根の上に飛び乗るセレン。片膝をつき、激しく揺れる中で周囲を見渡す。
 敵の割合は先頭の馬車の方が多い。こちらを倒せば後続も倒れると判断したのだろう。銃を構えるセレン、その視線の先で依頼人に放たれた矢をヒースが剣で弾くのが見えた。
「ひ、ひぃい!」
「頭を低くしてなぁ。ちょっと道を開いてくる。依頼人を頼んだよぉ」
 頷きアルケミストデバイスを操作するラズリー。すると青白い光がヒースの身体を包み込む。
 正面を移動し、頭を抑えるように布陣する盗賊。ヒースは足元に光を収束させ、大きく跳躍する。突っ込んできたヒースを迎撃しようとする盗賊だが、それよりも早く切り付けた。
「嗤え」
 主を失った馬は転倒し、隣を走る盗賊も巻き込まれる事になった。着地し、馬車に駆け寄るヒース。そこへ紫月が手を伸ばす。
「ウォーカーさん!」
 紫月の手を取り馬車に戻ったヒース。遠ざかる盗賊を眺め小さく息を吐いた。
「選択の結果、だろぉ。奪うのなら奪われることも覚悟しておくべきだったねぇ」
 一方後方車。セレンが荷台の上から馬を狙い転倒させ、隣接してきた盗賊には懐剣が剣で対応する。
「ハンターに喧嘩売るなんて、ノーマルの癖にいい度胸だ……切り刻んで皆殺しにしてやる」
 メルの攻性強化を受けた懐剣の一撃は仮に受け止めても馬上で耐えられるものではない。そのまま乗員が吹っ飛んでいく。
「ったく、しつこいな……」
「しかも馬上だから狙いづらいね」
 タクトの先端に光を集め、矢として放つメル。その攻撃は空振りだったが、馬の目の前を通過したのが僥倖だった。驚いた馬が転倒したのだ。
「お? これってもしかして使えるんじゃないかな?」
「なるほど……そんなやり方があったのですねっ」
 攻撃を見ていたラズリーもデバイスを操作し機導砲を連射する。命中はしなくてもいいのだ。近くを光が通過すれば馬は混乱する。
「機導砲の乱射を受けるが良いのですっ! とりゃーっ!」
「うぅ、まぶしいです……」
「滅茶苦茶だが、効果覿面だなぁ……」
 目を細める紫月とヒース。殆どの盗賊を追い払ったが、ここまで来ると意地なのかまだ馬が近づいてくる。
 かなり距離があったが、その段階でセレンと紫月が迎撃。もう無理だと諦めたのか、すっかり盗賊の姿は見えなくなった。
「境遇はお察ししますが……弱者を襲う事が正当化されるわけではありませんよ」
 荷台の上で銃を降ろすセレン。風に髪を靡かせつつ、小さな声で呟くのであった。

「皆さんのお蔭でなんとか振り切る事が出来ました。本当にありがとうございます」
「いえいえ、お気にならさらず! 私も商いを営む者です、困った時はお互い様ですからっ!」
 最後の町に到着した一行。商人は出発時より随分やつれて見える顔で深々と頭を下げた。ラズリーは自分の胸を叩き、えっへんと応じている。
「それにしても、商人さんのお仕事は随分物騒なんですね」
「いえ、普段はこんなに襲われる事はないのですが……運が悪かったのでしょうか」
 苦笑する紫月に不思議そうな顔をする商人。懐剣は納得いかない様子だ。
「流石に疲れたな。あんなに襲われるとは……。普段は結構ついてるんだけどな、俺」
「まあ、そんな時もあるさぁ。当たるもハッケ、当たらぬもハッケってねぇ」
 ヒースのいい加減な慰めに肩を竦める。セレンは商人の具合を窺うように顔を覗き込んだ。
「今回は運が悪かったとしても、またいつ危険があるとも限りません。必ず護衛を雇うようにした方が良いですよ。全ては命あっての事ですから」
「ええ……本当に助かりました。皆さんのようなハンターが護衛してくれるのなら、こんなに心強い事はありません。また是非お願いしますね」
「……さてと。まだもう少し依頼は続くんだ。念の為荷馬車の点検をしておこうよ」
「ですねっ! お馬さんにも怪我がないかちゃんと見てあげないと……ねーっ?」
 馬を撫でながら笑いかけるラズリー。メルはそれを横目に微笑み、馬車へと向かうのであった。

 最後の町で無事に仕事を終えた荷馬車は帝都バルトアンデルスを目指す。
 元々の想定通り、帝都に近づけば近づく程人通りは増え、街道には警備の帝国兵の姿も見えるようになった。ここまでくれば一安心だろう。
 帝都に到着したハンター達が目にしたのはこれまで通過してきた僻地の村とは明らかに異なる豊かで力強い大都会の姿だ。これには色々と思うところもある。
 地方の寂れた町。職や家を失った野党。それに怯えながら働く商人。そんな事はお構いなしに、今日も大都会は人で賑わう。
「それでは私はこれで。そうそう、皆さんが使ってくれた道具ですが……こちらを持って行ってください」
「いいのかぁ?」
 渡された袋の中には新しい松明が入っていた。夜間警護の為にハンター達が持参し、消費したものだった。
「大した事ではありませんが、ほんのお礼です。追加報酬をお支払いできないのが申し訳ないですが」
 黙って首を横に振るメル。紫月は美しい姿勢で頭を下げ、笑顔を向けた。
「気を付けて行ってらっしゃいませ」
 商人は手を振り、荷馬車と共に人の中に消えて行った。その背中を見送り、ハンター達も三日ぶりにゆっくり眠る為、帰路に着くのであった……。

依頼結果

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MVP一覧

  • シークレット・サービス
    燈京 紫月ka0658
  • 懐に過去を偲ぶ
    懐剣ka1410

重体一覧

参加者一覧

  • 真水の蝙蝠
    ヒース・R・ウォーカー(ka0145
    人間(蒼)|23才|男性|疾影士
  • 蒼の意志
    セレン・コウヅキ(ka0153
    人間(蒼)|20才|女性|猟撃士
  • 「ししょー」
    岩井崎 メル(ka0520
    人間(蒼)|17才|女性|機導師
  • シークレット・サービス
    燈京 紫月(ka0658
    人間(蒼)|15才|男性|猟撃士
  • 尽き果てぬ商人魂
    ラズリー・クレエステル(ka1349
    人間(紅)|10才|女性|機導師
  • 懐に過去を偲ぶ
    懐剣(ka1410
    エルフ|21才|男性|闘狩人

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談の場所、なのですっ!
ラズリー・クレエステル(ka1349
人間(クリムゾンウェスト)|10才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2014/06/17 02:43:34
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/06/12 00:07:16