魔法公害のミシニア 其の二

マスター:天田洋介

シナリオ形態
シリーズ(続編)
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,300
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2016/08/16 22:00
完成日
2016/08/24 05:40

みんなの思い出

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オープニング

 その町『ミシニア』はグラズヘイム王国南部の伯爵地【ニュー・ウォルター】に存在する。
 ミシニアは鍛冶を主体とした工場の町だが、機導術への感心は薄かった。
 そもそも王国全体が他国に比べて機導術の導入が遅れ気味である。思案したタオリ町長は各地から指導者を呼んで機導術の工房を立ち上げた。
 一朝一夕にはいかないが、生活を大きく変える冷蔵庫等の日用品や畑を耕す農耕魔導機械を独自生産。一歩一歩技術力を高めていった。
 機導術の魔導機械にメンテナンスが不可欠である。少しずつ機導師等の職人によるアフターケアを充実させる。
 町に新たな道を拓いたタオリ町長だが、喝采ばかりを浴びたわけではない。彼の強引なやり方を非難する声があったのも事実だ。
 そのタオリ町長が半年ほど前に亡くなった。深夜の大通りにて、心臓にナイフを突き立てられて殺されたのである。
 官憲によって捜査は行われたものの、未解決のまま終了してしまう。その後、新女性町長としてノリアが就いた頃からミシニアの雰囲気が変わった。
 煙害が酷くなり、さらに雑魔が出没する騒ぎが起こる。
 煙については元々が鍛冶の町なので程度の問題だとしても、誰もが気にしていたのが雑魔の出没だ。工場に未処理の鉱物マテリアルの残滓が溜まっていて、魔法公害が発生しているのではないかと誰もが心配した。
 やがてスライムに襲われて、ついに人死がででしまう。それでもノリア町長は工房に問題なしと、町の人々からでていた調査の要望を頑なに拒んだ。

 二人の目撃者が前町長タオリの殺害を目撃していた。
 その後、裁縫店を営んでいた女性ミッシルは身の危険を察して失踪する。もう一人の男性リストンは官憲に掴まって郊外の牢獄に囚われた。
 事態を重く捉えたミニシアの有志達はハンターに協力を求める。酒場を訪ねたハンター一行に有志代表の青年ガナイが情報を提供した。
 一行は目撃者双方と接触。ミッシルとリストンの身柄を安全なハンターズソサエティー支部に送り届ける。二人によって前町長タオリの殺害状況が詳しく語られた。
「聞こえてきたの。ここまでよくやってくれたと。女の声で、これから先はもう用済みだってタオリ町長に話しかけていたのよ」
 ミッシルはタオリにナイフを突き刺した犯人の言葉を覚えている。
「俺が居た場所は遠くて、会話は断片的にしか聞こえなかったんだ。でもミッシルさんがいっていたことは正しいと思うよ。……あの犯人の声に聞き覚えがある。ノリア町長とそっくりだ」
 リストンは犯人の声質をはっきりと覚えていた。
 殺人犯はフードを深く被っていて、顔の特徴については二人ともわからない。
「そうだ。もう一つ。死ぬ寸前のタオリ町長がいっていたの。機導術の魔導機械に仕掛けたとか」
「俺にも聞こえていたが、最後の部分が小さすぎてよくわからなかったよ」
 ミッシルとリストンの証言はこれですべてである。

 前回依頼の終了後、青年ガナイと有志達は得られた情報を基にして更なる調査を続けた。
「タオリもまた、清廉潔白ではなかったということか……」
 酒場の席でガナイが呟く。殺害された前町長タオリは、いくつかの機導術工房の経営者に圧力をかけていた。いうなれば賄賂の要求である。
 そして確固たる証拠はないものの、現在の町長ノリアも似たようなことをしている噂が流れていた。
 ある日、有志達のところへ一通の手紙が届く。それは機導術工房の一つ、ガガリニカ工房経営者の妻からのものだった。
 その内容は町長ノリアらしき人物から夫が脅迫を受けているというものである。脅迫文にはスライムが出没する日時が記されていた。その通り、自宅のすぐ近くで騒ぎが発生しのである。
「脅迫文には多額の寄付をしなければ、スライムによってガガリニカ工房の近親者が不幸になると書かれてあった。俺を含めた有志だけではおそらく阻止しきれないだろう……。そこでもう一度ハンターに協力を仰ぎたいんだ」
 ガナイはわざわざ城塞都市マールのハンターズソサエティー支部を訪ねて依頼を行っていた。
 あれから少しだけわかったことがある。スライムが出没する地域には機導術工房の経営者が住宅が含まれていた。例外もあるが、それは陽動と考えたよいほどの少数例に過ぎなかった。

 依頼を受けたハンター一行は再び工業の町ミニシアを訪問する。ガガリニカ工房の関係者を守るため。そして裏で手を引く卑怯者を暴くために動きだしたのだった。

リプレイ本文


 ミシニアに到着したハンター一行は酒場へと向かう。そこで青年ガナイや有志達と同じ卓を囲んだ。
 本日の顔ぶれはガナイの知り合いばかり。話しを聞かれてまずい相手は一人もいない。卓上に町地図が広げられる。
「状況に変化があったと聞いて駆けつけたよ」
 ザレム・アズール(ka0878)は給仕が運んできたばかりの冷紅茶で乾いた喉を潤す。
「ここがガガリニカ工房。でこっちが経営者宅なんだね。石塀はあるけど隣接しているんだ」
 メイム(ka2290)が指先で地図をなぞって円を描く。その範囲こそが、今回の守るべき地域である。
 現在は有志が交代で見張っているとガナイはいう。
「まったくお偉いさん方ってのはそりゃ学もあんだろうに……どーしてこう、まっとうに稼ごうとしねぇんだろな」
 胸元で両腕を組んだツィーウッド・フェールアイゼン(ka2773)が椅子の背もたれに思い切り寄りかかる。
「工房の経営者家族以外で街に近親者は住んでいるのか?」
「いや、そういった者はいないようだ。子供達も同居している」
 ツィーウッドが他に守るべき対象者がいないことをガナイから確認をとった。合わせてガガリニカ工房で使われている器機一覧も望んだ。この後、工房主の自宅を訪ねる際に入手できるはずである。
「人々を苦しめるものごとを取り除くのが私の宿命。暴いて見せましょう、元凶を」
 シルヴィア・オーウェン(ka6372)が腰のポーチから取りだして構えたのは魔導カメラだ。ザレム、メイム、ツィーウッドも所持しているそれは、現場の状況を紙上へ克明に記録しておける便利な代物であった。
「はっはー、いろいろ読めてきたけど……んー、肝心なところが今ひとつ」
 前のめりになったルーデンス・フクハラ・LC(ka6362)が疑問を口にする。一つ目はスライムについてだ。
「誰かの意思を汲んでくれるようなヤツらじゃあ、ない。ってことは、その辺で沸かせるつもりで準備をしてる気がするなぁ」
「そうね。スライムがでるようになってから、何か変わったことがなかったか、不自然な出来事、知らない人の出入り等を聞いてみようかしら」
 ルーデンスと同じくエマ・ハミルトン(ka4835)もスライムの出没が気に掛かっていた。
 二つ目の疑問は黒幕についてだ。
「賄賂だけが目的とは思いにくいんだよなぁ……。大体、賄賂を渡したところで、魔法公害は止まらない。もうタネは撒いちゃってるんだ。あ、別にシモネタじゃないよ? へっへ」
「背後の事情を探る必要もあるな」
 空になったツィーウッドのカップにポットを掴んだザレムが冷紅茶を注ぐ。
 座っていても汗が滲む。廃熱が澱んでいるミニシアは郊外と比べものにならないほど暑かった。


 一行はガガリニカ工房主の自宅を訪問する。
「妻がみなさんを頼りにしたんです。こうなれば腹をくくります」
 居間にて工房主が知る限りのことを話してくれた。
 同業者で脅迫された可能性が高いのは爆発事故が起きたトスカス工房のみである。その他については表面化していない。
 疑わしきはノリア町長なのだが物的証拠はなかった。殺されたタオリ町長がやったと思しき脅迫についても同様だ。タオリが殺害されたときにやり取りされた会話のみが唯一の証拠といってよい。
 脅迫状には『すべてを知る者』と記されていた。スライムの発生は町長交代後だったという。
 この工房で製造されているのは機導術を利用したアイロン等の発熱する道具類ばかり。簡単な構造なので大抵の工房で作れるはずである。但しノウハウがあるので優れた製品となれば話は別だ。工房主は経営者であるとともに設計者でもあった。
「スライムが出現するようになってから、何か変わったことはなかったかしら?」
「強いていえば、残滓の回収業者がよく顔をだすようになりました。以前は二ヶ月に一度の頻度だったのが、早いときには半月で――」
 エマは工房主の答えを耳にして瞳の奥を光らせる。
「ここ最近、日常的なことで変わったことはありましたか?」
「そうですね……一部従業員の遅刻が少し増えたぐらいでしょうかね」
 シルヴィアはその従業員が誰なのか工房主に訊ねるのだった。


 ザレムはメイムに誘われてトスカス工房跡地を訪れる。
 ガガリニカと同じように脅迫されたと疑わしき工房だ。爆発事故によって廃工房と化し、かつての経営者は行方を眩ましている。
「ザレムくん、ここが爆発の中心部みたいよ」
「どれも酷い有様で黒焦げだな」
 二人はスクラップとなった製造機械の残骸に目を懲らす。気になる個所を魔導カメラで写していく。
 しばらくしてメイムが首を傾げているザレムに「どうかしたのかな?」と訊ねる。
「……今は管しか残っていないが、おそらくこの部分に巨大な容器があったはずなんだ。弁の付き方からして二つ。油は他にあるし、単に削るだけの機械に必要ないはずなんだが――」
 ザレムの疑問を解消すべく、メイムも爆発で吹き飛んだ残骸を探す。二時間が経過して、メイムが庭の片隅で片方を発見。ザレムが内側にこびりついていた残留物を採取する。
「……マテリアル残滓だな」
「だ、大丈夫かな?」
 それなりの濃度だが魔法生物が発生するほどではない。ザレムからそう聞いたメイムは胸をほっとなで下ろした。


 日が暮れて工房の終業時間となる。ツィーウッドは器機一覧を眺めながら工房内を確認して回った。
 各器機から実際に排出されている残滓量を確認。更に理想値を再計算。回収業者が運んでいった量の資料と比較してみる。
「嵩に合わせて領収書は高くなってんな。誤差の範囲だが……なんだか腑に落ちねぇな?」
 ツィーウッドは器機だけでなく残滓の集積場を撮る。翌日からはザレムも参加。二人して毎日撮り続けた写真を見比べてみた。


 シルヴィアは石壁外の通り付近を探った。気になったすべてを写真に残す。特に立ち寄った人物は念入りに記録していく。
「後でかけ直しますね」
 彼女が仲間に借りた魔導短伝話で連絡中に気になる人物を見かける。
(住処はかなり離れているなのですが)
 非番の従業員が工房周辺を歩いていたのである。遅刻が多い人物で『ミショカ』という名の三十歳前後の男性だった。
 ミショカが一時間ほど周辺を散歩して去っていく。シルヴィアはその何気ない行動が気にかかる。

「大丈夫、安心してちょうだい。私に任せて心配はいらないわ」
 エマは工房主の自宅にて護衛を担当していた。不安がる工房主やその妻を励ましつつ、定期的に仲間と情報交換。つい先程切られたシルヴィアとの魔導短伝話が再び繋がった。
「ミショカのことは私が訊いておくわ。見張りをよろしくね」
 エマはシルヴィアから用件を受ける。工房主が戻ってきてから代わりに教えてもらう。
「二ヶ月前に入った人材だ。優秀なんだが、前にも話した通り遅刻がちでね」
「設計もできる方なのね」
 エマは工房主から聞いた話をシルヴィアに伝えた。その後、二人でミショカの身辺を洗いだしたのだった。


 ルーデンスは建物の警戒の他にスライムに関する聞き込みを行った。
「スライムが簡単に?」
「木の棒でぶん殴っただけでヘナヘナさ。みんなで叩いていたら、それで終わり」
 実際にスライムと戦った近隣住人と道ばたで話す。マテリアル残滓が濃いほど魔法生物は強くなる傾向がある。
「弱かったのなら残滓が少なかった……いや怖々やったのかも。魔法公害を起こす、という観念で行くなら、準備がいるはずだ」
 ルーデンスは回収業者のことを調べ直すことにした。


 ハンター一行は役目を分担してこなしていった。
 工房家族の護衛。建物周辺の監視。回収業者の素性洗い出し。ミショカの身辺調査が主な内容だ。状況によっては交代しつつ明らかにしていく。
 日々の変化を残しておくために魔導カメラがよく使われた。特にマテリアル残滓については精細な記録が行われる。
 道ばたにスライムが出没した夜もあった。現場に遭遇したのはエマとツィーウッド。エマが射撃で牽制。ツィーウッドが釘バットで止めを刺した。
「聞いていた話とは違いますわ」
「きもちわるぃ……」
 エマとツィーウッドが倒したスライムを見下ろす。聞き込みとは違って覚醒者でないと手こずるぐらいの強さは感じられた。
 気配がしたエマが振り返ると、物影から飛びだして逃げていく人影が。ツィーウッドがライトで照らしながら追いかける。二人が捕らえたのは残滓回収業者の雇われ男だった。
「あそこにいた理由? 酔っ払って寝てただけさ」
 雇われの男の口は堅かった。監禁している間にもスライムが出没したので一旦開放。ツィーウッドが彼を尾行し、やがて一両の馬車へと辿り着く。
 その馬車はすでにハンター仲間の監視下にあった。ミショカを追うシルヴィアが見張っていたのである。
「怪しいねぇ」
「あの馬車に何かが隠されているのは間違いなさそうですね」
 ツィーウッドに説明するシルヴィアによると、ミショカはかなりの頻度で馬車と接触していた。
 無線や魔導短伝話で仲間に連絡。馬車へ踏み込もうか相談したものの、もう少し泳がせることとなる。
 スライム出没は収まったものの、新たな脅迫文が送られてきた。しかし記された受け渡し場所に脅迫者が現れるはずがない。それが陽動だとハンター達は気づいていた。


 真夜中の町を疾走する屋根付き馬車が急停止した。後部扉が開くと奇妙な物体が転がり落ちる。
 それはスライム。馬車が走り去ろうとしたところ、道ばたに転がっていた木箱の蓋が吹き飛んだ。隠れていたザレムがジェットブーツで月夜を舞い、御者台へと飛び移った。
「これは誰の差し金だ?」
「し、知らない。俺は知らないぞ!」
 ザレムはPDAを録音状態にしていた。しかし御者が白状するように感じられなかったので、気絶させて手綱を奪う。馬車を停めると回収業者らしき犯人三人が車内から逃げていく。
「ふりぃぃず!!」
 メイムが響で威嚇し、一人の心に恐怖を忍び込ませた。オドオドと歩いているところを転ばせて捕まえる。
「自然発生ではなかったようだけど、いずれにしても、気にはとめていたほうがよさそうだなあ……」
 石塀の内側から支援したのはルーデンスだ。逃げる一人に胡蝶符を当てて転ばせた。追いついたザレムが捕らえる。
「あなたも犯人ですね。逃がしはしません!」
 路地裏で待機していたシルヴィアは逃げ込んできた一人に強打。死なない程度に手加減して一撃で無力化する。
「こちらは任せてもらえるかしら」
 道ばたに捨てられた緑色に光るスライムを倒したのはエマだった。二挺の拳銃で核のようなものを砕くと弾けた風船のように消えてしまう。
「こりゃひでぇな」
 ツィーウッドはスライムが現れた馬車を確かめる。
 ライトで照らす馬車後部内には残滓が大量に載せられていた。次のスライムが発生しかけていたので、残滓を散らばらせて事なきを得る。
「ふんっ……。呑気なもんだ。今頃工房の中がどうなっていることか――」
 捕まえた一人が嘲笑を浮かべてペラペラと喋りだす。仲間達に止められて口を噤んだものの、ザレムのPDAが録音済みだ。ただ残念なことにノリア町長への言及はなかった。
 シルヴィアが魔導短伝話を犯人達に突きつける。聞こえてきたのは工房内で待機していたガナイの声である。
 工作器機に仕掛けられた魔法生物発生の絡繰りは解体済み。もしもに備えて他の器機も監視していたが、どれにも変化はなかった。
「金銭の受け渡しやスライム出没が陽動なのはお見通しだ。時限式で強力な魔法生物を発生させようとしていたみたいだな」
「苦労かけさせんなよ。爆弾処理の気分だったぜ」
 魔法生物発生の絡繰りを解体したのは機導師のザレムとツィーウッドである。それを聞いた犯人達が肩を落とした。


 翌日の日中。ハンター達はミシニアの町舎に工房主を連れて乗り込んだ。職員等の制止を振り切って町長室に足を踏み入れた。
「何者ですか、あなたたちは。立ち去りなさい!」
「名乗るほどの者ではありません。あなたがノリア町長ですね?」
 シルヴィアは丁寧な挨拶をしつつ、ぞんざいな態度でノリアに迫った。
「スライムはもう現れないので、支払う必要はないんだと思うんだが」
 ザレムが冗談交じりに鎌をかける。何を言っているのかわからないとノリア町長は言葉を返した。
「これを見てね」
 メイムがノリア町長に突きつけたのは数々の写真である。ミシニアの官憲は信用できない。そこで関わった疑わしき者全員が隣町の官憲へと預けられていた。
 ザレムが録音した会話も流される。それまで強気だったノリア町長の顔色が少しだけ青ざめた。
「キミを取り巻くお金の流れも調べさせてもらいましたよ。世間には秘密のようですが、この町一番のラーリア工房をお持ちのようで。脅迫で金を払うならよし。そうでないのなら潰して、ラーリアに吸収してしまう。そんな悪知恵を働かせていたようですね」
 ルーデンスが暴露。それを聞いたノリア町長が眉間に皺を浮かべる。
「脅迫なんてよ。金があって頭のいい奴らの考えることは分かんねぇな。考えるだけ無駄か」
 ツィーウッドはあきれ顔で呟く。
「いくら美しく仮面を取り繕っていても、いつかは綻びが生じてしまうもの……。いつまでもそのままではいられないわよ」
 エマはテーブルに置かれた磁器のカップを手に取った。貴族が特別な席で使うような高価なもので、この場には不釣り合いな品である。
「人々を苦しめる何かを貴方が起こしているのであれば、私は絶対に許しません。起こしていなかったとしても、今まさに苦しんでいる民を放置している貴方を私は看過できません……!」
 シルヴィアは町長室から立ち去るとき、そう告げてから扉を閉めた。

 犯人達の身柄はそのまま隣町に預けられる。この一件はハンターズソサエティー支部を通じて領主アーリアにも報告された。
 ミシニアにもそれなりの自治が認められているので、領主による強制的な介入は今のところ行われていない。ただノリアが官憲を操っての横暴な振る舞いはできなくなったといえる。
 しばらくして犯人達はノリア町長との関わりを自白した。ただ彼女の罪を追求するには物的証拠、または言い逃れ不可能な犯行現場での取り押さえが必要だった。

 不正疑惑の噂がミシニア内を闊歩する。それでもノリアが自ら町長の座から降りることはなかった。

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重体一覧

参加者一覧

  • 幻獣王親衛隊
    ザレム・アズール(ka0878
    人間(紅)|19才|男性|機導師
  • タホ郷に新たな血を
    メイム(ka2290
    エルフ|15才|女性|霊闘士
  • 誇り高きアルティフェクス
    ツィーウッド・フェールアイゼン(ka2773
    エルフ|35才|男性|機導師
  • 凛とした薔薇
    エマ・ハミルトン(ka4835
    エルフ|20才|女性|猟撃士

  • ルーデンス・フクハラ・LC(ka6362
    人間(蒼)|37才|男性|符術師
  • 瑠璃の慧眼
    シルヴィア・オーウェン(ka6372
    人間(紅)|20才|女性|闘狩人

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン (【相談卓】
メイム(ka2290
エルフ|15才|女性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2016/08/17 08:36:40
アイコン ▼質問卓
メイム(ka2290
エルフ|15才|女性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2016/08/16 15:28:55
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/08/16 12:40:40