【初夢】蔵立男子高の少女たち

マスター:深夜真世

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
  • duplication
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2017/01/03 19:00
完成日
2017/01/17 00:58

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

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オープニング

「と、いうわけで長い歴史の中、『これまでにない自由な発想で社会を牽引できる男子を育成する』という開学の理念のもと多くの人材を排出してきた我が校ですが、これまでにない自由な発想で社会を牽引する女子も望まれている社会情勢を鑑み、突然ですが来月から男女共学とします」
 私立蔵立男子高等学校(わたくしりつくらたちだんしこうとうがっこう)の校長が突然そう宣言したのは、ほんの気まぐれからだった。
 当然、突然である。
 だがそれには深いワケがある。
 ここだけの話だが先代の学園長であり校長が蔵立高を開学した本当の理由は、とある人物から「YOU、少年が好きなら学校造っちゃいなYO!」の一言からだったという即決ぶりだった。後を継いだ校長がいつの間にかその精神にまみれても、それは致し方ないともいえるだろう。

 ともかく、蔵立高は来月から男女共学。
 学期途中とかそんなのは一切関係なし。なぜなら気まぐれだから。
 ちなみに在校生たちは幸運にも混乱はなかった。自由な発想の人材育成、という看板に偽りはなく、「ま、いいんじゃね」という反応が大半である。
 もともと、芸能人や歌手、芸術家や漫画家など志しレッスンや実地経験を積むため単位制のこの学校に通っているのだから。みな自分の夢に忙しい。中には異性にモテたい者もいるが、全体的に「順番が逆」という雰囲気がある。夢に対して筋金入りだらけなのである。
 そんな見掛け軟派実は硬派な雰囲気が卒業生芸能人の特徴として知れ渡り、年齢問わず女性たちの人気を呼んでいる。
 ただし、急な話でもあり編入してきた女子は僅かだった。
 理由は、校長の最後の一言に尽きる。

「ただし、制服は男子のもののみ。女子用制服は一切設けません。編入する女子はすべて男装科に所属し、一般男子として普通科に所属してもらいます。男装タレントを養成するため、女性であるとばれてしまうと退学となります」
 果たして、需要はあるのか?

 なお、トイレは来客用に女性用があるため、こっそりここを使うことを許されている。また、全員新たに立ち上がる「スイーツ部」に所属し、この部室の中だけ女性であることを許されている。顧問の教師は女性である。スイーツ部の部活は、話題のスイーツ店の評価を女性に取材し、学内に報道すること。女性の取材とは自分たちの事であるため、休日にスイーツ店で女の子しながら堪能すればいいだけである。
 ただし、注意点がある。
 休日の実地部活の際、女性の服装で女の子しないと在学生に見つかった場合、疑われてしまう。
 ここだけはしっかりと女性の格好をすること。

 ちなみに、南那初華(kz0135)も転入しているが……。
「ふぅ。満員電車は大変だなぁ……」
「……あんた、転入女子だろ?」
 通学電車を降りたところで、探偵部のイ寺鑑(kz0175)にそう指摘された。
「ほ、ほへ? な、何で分かるの?!」
「いいからすぐその髪にこのムース使っとけ」
 しゅわわー、と勝手にムースで撫でつけたような髪型にされた。
「ううう……理由を話してくれないし」
「明日からシャンプーかリンスを甘い香りのから柑橘系の爽やかなものに変えとけ。じゃないと一発でバレるぞ」
「あ……。ああっ! 見逃してくれるのね、味方してくれるのねっ!」
「校長から、それとなく助けてやれって依頼を受けてるんだ。頼むからしっかりしてくれ」
 どうやらイ寺鑑、味方のようである。

リプレイ本文


「あんたならやれるってお母さん、信じてるからね!」
 ボルディア・コンフラムス(ka0796)は初登校の朝、母親から強くそう言われた。
「チッ…なんでこのオレがこんなことしなきゃならねぇンだ。男っぽいつったって男じゃねンだぞ俺ァ!」
 視線を外しぶつくさ言いつつ洗面所に向かった。
「あんたを大きく育てたのはこの時のためなんだからねっ!」
「背丈はそうかもだがよ……これどうすンだ? さらしで巻いてもやぺぇぜ?」
 ボルディア、鏡に映ったパジャマ姿を見てぼやく。
 ああ、母よ。
 娘はご覧の通り身長だけではなく胸もそりゃもう大きく育っている。さらしで押さえても男で押し通せまい。一体何を食べたらそこまで育つのか。

 こちらは、遠藤・恵(ka3940)宅。
「いやいやいや、男装とかありえないでしょ」
 恵。苦い顔をしているのはコーヒーのせいではなく、蔵高制服のブレザーを持ってにこにこな母を前にしているから。
「じゃあ男の娘? 恵ちゃん、分かってるわね。若い男引っ掛けるならそっちのほうがいいかも」
「いや、そうじゃなくて……母さん、そんな事だから父さんと別れたりするんですよぅ」
「制服はおさがりがあるからこれでいいわよね?」
 母、兄の制服を出した。
「え?」
 恵、がたと腰を浮かせて態度を変えるのである。

 おや、妙に円満な家庭もあるぞ?
 星野 ハナ(ka5852)宅だ。
 派手なオカマメイクのハナとその母親ががっちり手に手を取っている!
「アタシィ、星野ハルって言うのォ。好物は可愛い子ネコちゃんかしらァ。これでも芸能界デビュー目指してるのン」
「完っ璧な挨拶だわっ! どこからどー見ても今風おネエ芸人候補生っ! さすが私の娘っ」
 セリフが多い。この母にしてこの娘あり。
「魅惑のバリトンボイスに聞こえるチョーカー型変声機にィ、シークレットブーツぅ~。筋肉質の男になるよう作ったボディスーツでさらしを巻いた胸を隠して完璧よぉん♪」
「さ、相手は女性にまったく免疫のない男子校生。思う存分ムンムンしちゃってきてねぇん♪」
「やるなら3年間ばれないように完璧にですぅ。フォロー期待してますよぅ、お母さまぁ」
 再び、握手がっちり。

 逆に、妙に剣呑な家庭もある。
「いい、舞さん。……舞さんは女性だから歌舞伎の世界に入れませんでしたけど」
「どうしたの、義母さん」
 天竜寺 舞(ka0377)が朝食の食卓で、茶碗と箸を持ったまま気圧されていた。
「蔵高で男役修行をし、今後はタカラジェンヌを目指すように」
 いつもは何かと優しい義母が、有無を言わさぬ厳しさでのぞき込んでいるのだ。
「そーいや義母さん、ヅカファンだったね……」
 ――バン!
「ひっ」
 机を叩かれびくっとなる。
「軽々しく呼ぶんじゃありません! 歌舞伎の舞台に立てないんですよ? こうなっては宝塚しか道はありません! いいですね!」
「はいはい、と」
 気のない返事をすると、つい、と蔵高のブレザーを押し付けられた。
「バックレんじゃ、ありませんことよ?」
「義母さん、言葉遣いが……」

 そんなこんなで、学校前の登校路。
「よう」
「おう」
 登校する男子たちが見知った顔を見て挨拶する。
「はぁ」
 そんな中、ため息をつきぽてぽてと歩いているのは、キーリ(ka4642)。
「男性アイドル候補生と仲良くなること、かぁ……。母さんの無茶ぶりにも困ったものね」
 ため息。
 まさか男子制服着せられ男子校にぶち込まれるとは思わなかった。
「んぁー、カッチリした服とかズボンってこう、体締め付けられてるみたいで苦手…っ」
 んんん、と身をよじる。おっきな胸はさらしでぎゅうぎゅうに締め付けている。元々身も心も開放的なのが好き。歩き方もなんかぎこちない。
「ちょっと」
 そこに、背後から探偵部のイ寺鑑(kz0175)が声を掛けて来た。ちょいちょい呼ばれて路地の影に行く。
「誰よあんた」
「探偵部のイ寺。頼むから内股では歩かないでくれよ」
「さあ? 私…んっこほん、僕、そんな歩き方してた?」
「してたよ。ついでに下着もヒップラインが浮いてる」
 衝撃の事実。
「ぐっ、もうばれた…っ! 探偵部? ただの変態じゃない」
「逃げるな。俺は味方だ。校長からバレない手助けを頼まれてる」
 バックレようとしたキーリ、振り向いて止まった。
「ん、んじゃいいけど……」
 後ろ手でもぞもぞやったのは、下着のラインが浮き出ないよう食い込ま以下略。
 が、恥じらいはここまで。
 逆に食って掛かった!
「あなたが味方なのは分かったから、弱みを一つ教えなさい。不公平でしょ」
「知らん。世の中不公平なもんだ」
 逃げる艦。
 追うキーリ。
「教えなさい。いざという時は道連れよ。道連れー」
 走り出す二人。キーリの足運びは普通に戻っていた。むしろ生き生きしている。

 これを見ていたのは、玉兎 小夜(ka6009)。
「ふうん、探偵がいる……要注意だね」
 ちゃり、と乗っていた自転車のペダルに足を掛ける。
 で、赤い包帯をした右腕に力を込め一気にこぐ。
「ひゃっはー!」
 下ろしたストレートロングの銀髪が風になびく。
(よぉし、気取った男を装って楽しむぜ!)
「おっ先~!」
 鑑とキーリを追い越し気分よく。
 もちろん、鑑に気付かれていない。
(もともと胸ないからばれないしな!)
 ないてねぃよ! という心の叫びは風と一緒に置き去りだ。



 そんなこんなで最初の授業が終わる。
「よう、転校生」
「あんだよ」
 ボルディア、フレンドリーに近付くクラスメートにガンを飛ばした。
「今日は午後に体育があるんだけど……」
「知らねぇよ。センコーに言って休ませてもらうぜ」
 睨んだ。
 膨らんだ胸をごまかすためぶっかぶかのブレザーを羽織り、長い髪は襟もとで束ねている。さらに胸の前で極力腕を組んでいる。
「なあ。サイン書けるか?」
「ああん? 欲しいのか?」
 売れそうな奴が言ってきたので、乗った。
 注目を集めたが、腕を解いて思いっきり机に前屈みになって書いた。だらんと垂れたシャツで胸はバレない。
「ほらよ。テキトーだけどな? それよりテメェが有名になったら売るからよ、なんか私物くれよ」
「ゲンキンな奴め」
 代わりにサインとボールペンをもらった。
 ここで、教室の外から手招き。
 行ってみると鑑だった。
「グッジョブ。その調子で」
「待て、どういうことだ?」
 胸の大きさで一目でバレていたのだが、まあその感じで、ということだった。聞けは探偵部で、味方。
「ただ、胸は張らないように」
「ああん、なんでだ?」
 言った傍から胸を張るボルディア。もう染みついた習性のようで。

 恵も胸がおっきいのでさらし巻いて制服だぼだぼ作戦でごまかしていた。
 というか、何か様子がおかしいぞ?
「……まさか合法的かつ堂々と兄の服が着れるなんて」
 ブラコンの恵。兄の香りに包まれトリップしている。
 そこへ、背の高いクールな生徒が。
「や、転校生? 女の子みたいで可愛いね。分からないことがあったら聞いてくれよ?」
「や、やだなあ、先輩。恵が女に見えるんですか? 泣いちゃいますよ」
 上目遣いでうるうる。開き直って本当に男の娘作戦だ。目薬を隠したのは内緒である。
「女に見てほしいなら、喜んで」
 壁ドンして涼やかに恵の瞳を覗き込む。
 が、しかし。
(やばいです…これは深刻な問題です…)
 視線を逸らせ口元に拳を添え、困る。
(兄以外の男にときめけません!)
 ああ、明朗ブラコン宣言。
「黙ってちゃ寂しいよ? んん?」
「せ、先輩の第二ボタンください!」
 あれ、と瞳の大きくなる恵。
 パニクっていたとはいえ、「とっとと卒業しちゃえ」的なことを言ってしまった。
「ああ、喜んで。数日後には脱がされそうだな」
 ボタンを手渡すとはははと満足そうに立ち去る先輩だった。

 舞もドキドキ中。
「俺んち歌舞伎の家でさぁ。この見た目だし女形として期待されてんのよ。修行やりすぎてつい女っぽい仕草しちまう時もあるんだよね」
「あぁ? お前、名前なんてーんだ?」
「天竜寺舞」
「天竜寺って、あの?」
 つい小指を立てた手でふわふわの髪を払ってしまいバレかけたが、実家が一部で有名なので嘘が通った。
「修行なら女で通せばいいのに」
「俺は女扱いされるのが嫌いだっての!」
 ニヤつく奴に、シャーっと威嚇。そいつの机にあった消しゴムをくすね立ち去る。そのキレの良さに「確かに女じゃねぇな」とか納得された。
 というか、ある意味鍛えられすぎである。
「……男ならがさつで通るが、男はこんなもん落とさん」
「わっ!」
 廊下を歩いていると、背後からイ寺鑑に耳元でささやかれた。
「何?」
「多い日用……」
「……見たね?」
 予備の生理用品を落とし鑑に拾われたのだ。ゆらり…と舞の両手がペガサスの星座を描く。
「待て待て。探偵部の味方だ!」
「探偵部? 味方?」
 舞、きょとん。とにかく火を吹き掛けた必殺拳が止まる。

「やれやれ、えらい仕事を引き受けた」
 舞と別れた鑑、先を嘆きつつ校舎裏に引き上げた。
 そこに先客の気配。
「数学の教諭はホモだから気を付けろ」
 美麗男子からハナが危険を教わっていたようだが……。
「あらん? それだけぇ?」
 ハナ、振り向いた男子の背中に抱き着いた。
 授業中に「イイ身体してるわねェん。一緒に芸能界制覇を目指しましょォ、ウフフ」とかめぼしい男子の背中にしなだれていたのでここで注意されたのだが、彼女にとっては好都合だった。
「ハナからそっちかよ……うぐっ!」
「ハルって言ってるでしょン? そんなコにはこうよぉ」
 ハナ、金的蹴りして相手のネクタイを外し目隠し。タイピンはくすねた。
「さぁて、アタシはタチだからァ……」
 転がして四つ這いにして、自分のファスナーを下ろしポケットから大人のおも……「しょくしゅの先端」を出した。
「だめーっ!」
 ここで男装の初華が止めに入った。
「あらん、おねだり?」
 ハナ、今度は初華のネクタイを取り目隠しした。
 ここで鑑が割って入って止めた。すでに先の男子を逃がした後だ。
「待て。二人とも女子だろ」
「女子ィ?」
 愕然と初華を見るハナ。ズボンを下ろすと女性用下着だった。ちなみに、ハナも下ろしたファスナーから小さなリボンが覗いている。

 キーリは動かない。
「どう、クラスの雰囲気には慣れた?」
「なによ?」
「いや。眠そうだから疲れたのかな、と」
 相手は「食う?」とミントタブのケースを出しカシャカシャ振って中身を確認している。
「面白いね。運動系やお洒落系、可愛い系とかいろんな人がいて」
 机に肘を付く。
「これやるから、使って輪に入れって」
「どうぞ、って? 女の子みたいじゃない?」
 ミントケースをもらった。が、鼻で笑う。
 そこに別の男子。
「お、美味そうじゃん。一つくれ」
「転校したばかりなのよね~。サインの一つもくれたら、ね」
「面倒くせーヤツ」
 とかいいつつサインをさらさらっと書きミントタブをつまみ食い。
(女と男はお菓子ひとつでこう違うのねー)
 内心、感心する。

 そして小夜がドキドキ。
「私……って、お前女じゃね?」
 会話中、小夜の一人称を聞いた男子に詰め寄られたのだ。ピンチである。
「あぁ? 何言ってんの。お前、社会に出てから俺とか僕とか言っちゃうの? 番組に出たときとかおバカキャラ扱いされちゃうぜ?」
 小夜、強気に言い返す。
「お? おお……」
 押し切った。ピンチ脱出!
「ぁ、ついでにサインの練習もしようぜ!」
 色紙を出してまずは書く。でもって、何か言われれば「お前はどう書くんだよ」と書かせてこっそり回収!
 さらに快進撃は続く。
「お前のスプレー切れてるぜ? 捨てとくわ」
 親切を装い制汗スプレーも回収!
 その勢いはクラス外にも。
「おーい、お前も一緒にあそぼーぜー」
 胸ぺただからスキンシップも問題なし。誰かに背中から抱き着いた。
 ――むにゅ。
「ひっ!」
「むにゅ?」
 手の感触に抱き着いた男子の顔を見ると、涙目。
 正体は恵だ。
「っ。ほ、ほらほらー。いくぞー」
 ごまかしつつ引っ張り体育館で卓球して遊んだ。
「あいつの右腕が炎のように燃えているーっ!」
 小夜のスマッシュに、ほかの男子がやんやと喜んだりも。



 放課後、スイーツ部部室で。
「……トイレットペーパーは三角に折らないように」
「そんなことより」
 小夜、鑑に説教されるが恵の方を向き、土下座。
「ごめんねぇ、まさか同じ人がいるとは思わなくて」
「胸がどきどきしましたよ?」
 恵、少しだけぷくー。
「鑑はただの変態だからほっときゃいいのよ」
 反対側ではキーリが鑑に冷たい視線を送る。鑑、気付いて矛先を変える。
「その衣装は?」
「ん? …なによ、これが私の私服なのよ。文句あるなら爪先にキスしなさい」
 ふんぞり返ってソファに座り、机に投げた足先をぶらぶらさせるキーリ。その姿はビキニアーマーよりも肌色率が高かったり。
 一方、恵の隣では初華がすんすん。
「はいはい。泣かない泣かない」
 恵が抱いて髪をなでなで。
「まったくぅ、この程度で泣くなんてぇ」
「使ったの?!」
 初華を見つつ電動の「しょくしゅの先端」を取り出しくねらさせるハナ、それに突っ込む恵。
「使う前よぉ」
 そしてキーリの足が乗るテーブルには別の何かも乗っていたり。
「大体あたしは別にヅカとか入りたい訳じゃないし、ましてや男役なんて御免だっての!」
 舞である。
 うつ伏せでうだもだ身悶え中。
「明日は休日だろ? 羽でも伸ばしゃいいじゃねーか」
 でーんと構えるボルディアの声に、初華がはっと身を起こした。
「そうそう。明日は午後から駅前の『チョコレート・ハウス』で部活だからねっ」

 で、翌日。
「ま、サラシしなくていいから楽だな。甘いものも嫌いじゃねぇし」
 私服のボルディア、スイーツ店内ででーんと座っている。
「それ、男装?」
「てめっ、初華。言ったな?」
 余計なひと言で胸ぐらがしり。
 こちら、舞。
「あー、すげえ美味し……何やってんだ?」
 着物姿で洋菓子食べまくりなのは家庭の和菓子重視によるものだが、隣の二人が気になった。
「甘味男子はこういうとこ入りにくいの。お店情報で釣れば入れ食いね」
 キーリ、すでに昨日の観察で誰を誘えばいいかリストにしている。一網打尽にするつもりだ!
 一方、ハナ。
「昨日撮った写真をお母さまにメールっと」
 ふんわりガーリーな格好でスイーツ食べながらイケメン報告。とても優雅だ。
 そして恵。
「……目つきが少し生き生きしてない?」
「ん? ぁ、そうだ。恵、あーん」
 小夜、否定しない。なぜなら出て来たガトーショコラは大好物だから。
「え?」
「昨日のお詫びぃ」
 大好物でのお詫び。
「……ん」
 気持ちは恵に通じ、上目遣いのまま差し出したケーキにパクリ。
 そして恵、思う。
(そういえばあの先輩、明日も来るかな?)
 その先輩がズボンのファスナーをボタンに変えているのは、明日知ることになる。

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  • 行政営業官
    天竜寺 舞(ka0377
    人間(蒼)|18才|女性|疾影士
  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムス(ka0796
    人間(紅)|23才|女性|霊闘士
  • 白兎と重ねる時間
    玉兎・恵(ka3940
    人間(蒼)|16才|女性|猟撃士
  • メテオクイーン
    キーリ(ka4642
    エルフ|13才|女性|魔術師
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 兎は今日も首を狩る
    玉兎 小夜(ka6009
    人間(蒼)|17才|女性|舞刀士

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アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/01/01 21:14:40
アイコン 相談卓だよ
天竜寺 舞(ka0377
人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2017/01/01 21:38:26