人魚の島、海の拠点を守れ

マスター:大林さゆる

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~7人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2017/01/16 07:30
完成日
2017/01/23 23:57

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 同盟海域、人魚の長老クアルダが住む島。
「ようやく完成したな」
 魔術師協会広報室から派遣された魔術師たちは、同盟の海軍と共同して、暗黒海域を監視する拠点を人魚の島に作ることにした。
 先の大戦でヴォイドゲートは破壊されたが、『聖なる海の門』の痕跡は残っていた。
 その証拠に、拠点の建設途中でも狂気のヴォイド集団が出現したこともあったが、ハンターたちの活躍により、同盟海軍のルナルギャルド号は危機を免れ、予定通りに海の拠点が完成したのだった。
「休み返上で、やった甲斐があったぜ。よっしゃー」
 ロジャー・ロルドが喜び勇むと、海軍の兵士たちが揃って掛け声をあげた。
 拠点作りに参加していた魔術師たちは、疲れ果てて、海岸の砂浜に座り込んでいた。
「お疲れ様。一晩、休んだら、明日の昼頃から人魚たちが歓迎会をしてくれるって」
 ラキ(kz0002)が声をかけると、魔術師たちの顔色が良くなった。
「歓迎会か。楽しみだな」
 魔術師スコットが立ち上がると、他の仲間たちもゆっくりと海を眺めながら起き上った。
 護衛として来ていたマクシミリアン・ヴァイス(kz0003)は、不穏な動きに気付き、しばらく周辺の様子を窺っていた。
「マクシミリアン、明日の歓迎会では魚人族たちが踊りを披露してくれるらしいよ」
 ラキの言葉に、マクシミリアンは小声で応えた。
「……まだ狂気の残党が残っている可能性もある。気を抜くな」
「えっ、……うん、分かった」
 ラキは、皆が楽しそうにしている様子を見て、思わず躊躇いがちに言った。



 翌日の昼。
 人魚の島にて、歓迎会が始まった。
 流木で作った社の周辺を魚人族たちが槍を持ちながら、エッサ、ホッサと威勢よく声を出して、クルクルと廻りながら踊っていた。
 海岸では、人魚の長老クアルダが古来から伝わる歌を唄い、兵士たちや魔術師たちは聞き惚れていた。
 同行していたハンターたちは、魔術師たちが持ち込んだ料理を食べながら、歓迎会を楽しんでいた。
 しばらくすると、浮遊する物体が島に接近……虫とクラゲが融合したような狂気のヴォイドだ。
「……来たか」
 マクシミリアンはロングソードを構え、海岸にいるクアルダを守るため、その場から敵を待ち構えていた。無数の目を持ち巨大な巻貝のような中型狂気は、海から島へと上陸し、拠点へと向かっていた。
「歓迎会は、囮なんだからね。あたしたちが、そう簡単に騙されるとでも思ってたの?」
 ラキはショートソードを振るい、浮遊している小型狂気を一匹、切り裂く。
 宴に参加していたハンターたちも、迫り来る敵の襲撃を迎え撃つ体勢を整えていた。
「いつでも、攻撃できるぜ」
 おそらく、狂気ヴォイドたちの狙いは、海を監視する拠点だ。
 2体の中型狂気たちが、海岸沿いから拠点を目指して進んでいくのが見えた。
「拠点は絶対に守り抜くんだ」
 ロジャーはルナルギャルド号の副艦長でもあったが、機導師でもあり、海軍の兵士たちを連れて海の拠点まで、魔導トラックで陸上から突き進む。
 万が一、拠点が破壊されれば、人魚の島は狂気ヴォイドたちに汚染される恐れもある。
「ようやく人魚たちと交流できるようになったんだ。この島は、海を監視するだけの拠点じゃない。人間と人魚が共存する証でもあるんだ」
 魔術師スコットは、仲間たちと協力して小型狂気たちを魔法で狙い撃つ。だが、消滅する度に、流木の社に張り付いた中型狂気2体が、体内から小型狂気を吐き出していた。
「悔しいが、敵の数が多過ぎるな」
 魔術師たちは中型狂気を狙おうと試みるが、小型狂気の群れが邪魔になり、なかなか倒せずにいた。
「そのために、ハンターを呼んだんだろう?」
 助太刀は当たり前だと言わんばかりに戦闘に加わるハンターたち。
「さっさと片付けて、本当の宴がやりたいもんだ」
 戦闘態勢に入ったハンターたちの攻撃が始まった。

リプレイ本文

「陸上戦とは言え、手抜かりは無用じゃな」
 ミグ・ロマイヤー(ka0665)は魔導型ドミニオンのハリケーン・バウで出撃し、海の拠点で陣取っていた。 海軍の兵士たちが敵の誘導をしてくれたこともあり、ミグのハリケーン・バウは後衛にて拠点防衛に徹することができた。ディフェンダーでカスタムしたハリケーン・バウならば、拠点防衛にも調整されており、準備も抜かりなかった。
「待ちかねたぞ。ミグのハリケーン・バウ、しかと見届けよ」
 歓迎会が囮とは聞いていたが、生真面目なミグは魚人族たちと一緒に、先程までは踊っていたのだ。
 それが戦闘となれば、ミグの表情が生き生きとしてくるではないか。
 浮遊しながら迫り来る小型狂気を見つけると、機関砲「ゴルペアール」で迎え撃つハリケーン・バウ。
「ありゃ?」
 超級まりお(ka0824)は周囲を見渡したが、ゴーレムがいなかった。
 拠点の方角に視線を向けると、ロジャー・ロルドが運転する魔導トラックが見えた。
「ほんじゃ、まずはトラックに接近してる中型狂気からだねー」
 まりおは『アサルトディスタンス』で駆け抜けながら、浮遊している小型狂気の群れとすれ違う際に試作光斬刀「MURASAMEブレイド」で斬り裂き、魔導トラックの援護に入った。
「完成した拠点を狙って、人魚の島を廃墟にさせるつもりなら、僕も遠慮しないからねっ」
 『瞬影』で敵の攻撃をいなして、まりおが試作光斬刀「MURASAMEブレイド」を振るう。
 中型狂気の巨大な巻貝に命中してダメージを与えたが、五本の触手がフォークス(ka0570)の魔導型デュミナスのカスタム機に絡みついた。
「それも想定済みなんだよ!」
 フォークスはコックピット内部でスティックを握り、魔導型デュミナスのプラズマカッターを駆使して中型狂気の触手を切断……すぐさま、後方へと下がり、敵の攻撃を回避した。
 機体に騎乗して操縦している時は、自身が装備している武器を外部に向けて攻撃することはできない。
 だが、スキルトレースがあれば限定的ではあるが、覚醒者の持つ能力や動きを、ユニットに再現させることもできる。
 一方、海岸付近にも中型狂気の群れが出没していた。
「ボクは中型狂気を優先的に倒すよ。小型狂気は後からでも片付けられるからね」
 浜辺に居たHolmes(ka3813)はイェジドのВасилийで駆り、霊呪奥義の『現界せしもの』を発動させ巨大化すると、『ワイルドラッシュ』を中型狂気の胴部に叩き込む。強烈な二連撃により、社に張り付いていた中型狂気1体は小型狂気を吐き出す手段を失った。だが、完全に消え去った訳ではない。
 Василийはスティールステップで、軽やかに舞うように小型狂気の放つレーザーを回避していく。
「みかんちゃんにとっては初陣ですね。なんだか新人の頃を思い出します」
 アメリア・フォーサイス(ka4111)はイェジドのミカンを連れて、海軍の兵士たちと協力して拠点防衛のため、小型狂気の群れを足止めしていた。
「点検は念入りにしましたが、新調したライフルの手応え、確認してみましょう」
 アメリアがライフル「Mr.Lawrence」を構え、『速射』を放ち、冬の空に響き渡るような銃声と同時に範囲内にいる小型狂気が銃弾を浴びて消え去っていった。
「なかなか良い調子です」
 アメリアはライフルを構えたまま、敵を攪乱するように移動していく。
 そして、夢路 まよい(ka1328)は乗用馬に乗り砂浜を走り抜け、攻撃態勢に入る前に『アースウォール』で簡易的な壁を作っていた。
「こうした手順も大事なのよ」
 まよいは馬から降りて、アースウォールの前で身構えることにした。
 沙織(ka5977)が魔導型デュミナスのエーデルワイスで出撃し、『伝波増幅』を発動させトランシーバーで周囲にいる者たちに呼びかけた。
「ここは私たちに任せて、皆さんは避難して下さい」
 応答したのは、マクシミリアン・ヴァイス(kz0003)だった。
『了解だ。人魚たちや魔術師たちは俺が誘導して、この場から離れる』
「はい、マクシミリアンさんたちも気を付けて」
 沙織のおかげで、浜辺にいた人魚たちは迅速に避難することができた。
「エーデルワイス、私に力を貸して」
 沙織がコックピットから愛機を動かし、促すとエーデルワイスはCAMシールドを構え、中型狂気の放ったレーザーを受け止めた。
 CAMシールドに衝撃を受けたが、それほどダメージを受けることはなかった。
「さすがです、エーデルワイス」
 魔導型デュミナスが専用の盾を装備していなければ、本体はどうなっていたことか……。
 沙織は改めて、CAMシールドの重要性を実感した。
「今度は、こっちの番だよ」
 まよいはスタッフ「クレマーティオ」を掲げた。『エクステンドキャスト』でマテリアルを練り上げ、『グラビティフォール』の魔力が杖に集中する。
「重力の鎖よ、縛り、張り付け、戒めよ…大地に跪けっ! グラビティーフォールッ!!」
 魔法が発動し、凄まじい重力波が放たれた。紫色の光が広範囲に広がり、社に張り付いていた中型狂気1体のみならず、周囲に浮遊していた小型狂気30匹までも巻き込まれた。重力の圧縮により移動を阻害させ、さらに強烈な圧迫によって、小型狂気の群れは消滅し、巨大な巻貝の中型狂気1体も凄まじいダメージにより消え去っていった。
 否、狂気ヴォイドだけではない。魔法の範囲内にあった社や岩までも破壊され、粉々に砕け散っていた。
「上手くコントロールすれば、これくらいできるよ!」
 まよいは味方を巻き込まないように注意しながら、魔法を放ったのだ。
 次の瞬間、生き延びていた別の中型狂気がレーザーを放った。アースウォールで作った壁に命中したこともあり、まよいはダメージを受けることはなかったが、前もって作っていた壁は敵のレーザーによって、消え去っていった。
「アースウォール、あなたのことは無駄にしないよ」
 まよいが消え去った壁に、何やら問い掛ける。
 すかさず、沙織の騎乗したエーデルワイスが、30mmアサルトライフルで中型狂気に狙いを定めて銃弾を放った。
「ここからは、絶対に逃げられませんよ!」
 中型狂気1体が銃弾を浴びると、その衝撃で砂のように消滅していった。
 浜辺には小型狂気が数匹、浮遊していたが、母体である中型狂気2体を退治することができた。
 残りは、拠点へ向っている中型狂気の集団だ。
「Hey、こういう場合、『塩を撒いとけ』とか言うんだっけか?」
 フォークスは冗談交じりに言いながら、魔導型デュミナスの『ハイパーブースト』で移動し、拠点へと急行した。



 さらに激戦は続く。
 同盟海軍のロジャー・ロルドは魔道トラックを運転し、後方の席に座っている兵士たちが銃で小型狂気を狙い撃っていた。だが、中型狂気が次々と小型狂気を吐き出すため、敵の数はなかなか減らなかった。
「僕に任せてね~」
 まりおは「マンマ・ミーア!!」と勇みながら、試作光斬刀「MURASAMEブレイド」による『前転斬り』を繰り出した。中型狂気の胴部に命中し、かなりのダメージを与えることができた。
「お、まだ動いてるやー」
 中型狂気は触手を伸ばし、絡みつこうとしたが、まりおの『瞬影』が発動して触手を回避すると、試作光斬刀「MURASAMEブレイド」で触手を一本、切り裂いた。
「あたいのデュミナスも敵に追いついたね。だったら、やり合うまでだ」
 魔導型デュミナスに騎乗して、フォークスは狂気ヴォイドたちを迎え撃つことにした。
 スキルトレース【Lv5】による『ターゲッティング』で拠点へと迫る中型狂気を狙い、魔導型デュミナスの操縦に専念するフォークス。
 ミカンに騎乗したアメリアが援護に入り、『クイックリロード』でライフル「Mr.Lawrence」の弾を充填……すぐさま『制圧射撃』で弾幕を張り、狂気ヴォイドたちが行動不能となった。
「フォローなら、任せてください」
 アメリアは仲間たちが中型狂気を狙い易くするため、小型狂気の群れを遊撃して翻弄していた。その機転により、他のハンターたちは中型狂気に狙いを定めることができた。
「そこが狙い目なら、加勢するぞ」
 ミグは魔導型ドミニオンのハリケーン・バウを巧みに操縦しながら、機関砲「ゴルペアール」で小型狂気を狙い撃った。対空の武器により、浮遊している小型狂気にも命中。
 続いて、Holmesが『現界せしもの』を発動させ、祖霊の幻影が巨大化……Василийに騎乗したまま、中型狂気に接近すると『ワイルドラッシュ』を叩き込んだ。
「さあ、文字通り、無に帰ると良い」
 巨大な巻貝が砕け散り、中型狂気一体は全身に亀裂が走ったかと思うと、飛沫と共に消滅していった。
 Holmesは観察するような眼差しで、敵が消え去る様子を窺っていた。
「ヴォイドは世界を無にするのだろう? ボクたちの攻撃で消滅するのだから、皮肉なものだよ」
『中型狂気がもう一体、拠点に向かっています』
 沙織からトランシーバーで連絡が入った。
 ミグは『連結通話』を発動させトランシーバーから指示を出す。海軍の兵士たちが拠点の前方に並び、銃を構えた。拠点の近くにいたHolmesたちも防衛線を張っていた。
「ここから先は、通さないから覚悟しな」
 フォークスは軽装化した魔導型デュミナスを駆り、機棍「プリスクス」で中型狂気の巨大な巻貝を叩き潰した。中から蛸のような臓器と触手が飛び出してきたが、もはや小型狂気を吐き出す余力はなくなっていた。
「エーデルワイス、拠点は守り切りましょう」
 拠点を目指していた沙織は、愛機エーデルワイスの射程内に中型狂気がいることに気付き、30mmアサルトライフルで狙い撃った。臓器に命中して砕け散るが、触手だけ残っていた。
 アメリアを乗せたミカンがクラッシュバイトで触手を噛み砕き、中型狂気は跡形もなく消え去っていた。
「みかんちゃん、ありがとう。助かりました」
 アメリアが相棒の首を撫でると、緊張が解れたのか、ミカンはうれしそうに眼を輝かせていた。主人の役に立ったという実感があったからだろう。
「中型狂気は全て消えたみたいだね。それじゃ、小型狂気の掃除だよ」
 まよいは乗用馬に乗り、拠点まで移動していた。間合いを取りながら、『グラビティフォール』を解き放つ。範囲内に居た小型狂気の群れは重力に巻き込まれて消え去り、塵となった残骸までも圧縮していく。
 紫色の光による圧壊で、小型狂気は成す術もなく消滅していった。
「残りは各自で迎撃じゃ」
 ミグのハリケーン・バウが試作型スラスターライフルで確実に小型狂気を仕留めていく。
「あたいの動きは、機体にも連動してるのさ」
 スキルトレース【Lv5】により、フォークスの魔導型デュミナスが『跳弾』によって起こる意図的な死角から小型狂気を撃ち抜いていく。
「ほいさっさーっと」
 まりおは『アサルトディスタンス』で駆け抜けながら、小型狂気を切り裂いていく。通過した範囲にいた敵は、まりおの試作光斬刀「MURASAMEブレイド」により、次々と消滅していった。
「最後は地道に叩くことにしようか」
 Holmesは大鎌「グリムリーパー」を振り回して小型狂気を叩き払い、Василийがスティールステップで敵のレーザーを回避していく。HolmesもВасилийを信頼していたからこそ、互いの息が合い、そして互いの行動…やるべきことを身を持って知っていたのだ。
 沙織のエーデルワイスはアクティブスラスターを起動させ、付近の岩場にショットアンカー「スピニット」の杭を打ち込み、固定すると、小型狂気のレーザーを回避しようと試みた。上手く避けることができたこともあり、アメリアが構える魔導拳銃「エア・スティーラー」の射程に入り、銃声が響いた。
「……これで片付きましたね」
 沈黙……風が靡いた。



 拠点防衛に専念し、中型狂気を優先的に倒す作戦が実を結んだ。
 人魚たちに怪我人はなく、海軍の兵士たちも拠点防衛に徹することができたのも、ハンターたちの読みが当たっていたからだった。
 アメリアは当たってしまった予感に溜息をつくが、事前に準備できたことに一安心していた。
 ミグが補充の再配置を指示していたこともあり、拠点において、ハンターたちが所持するユニットを修復することもでき、幻獣の怪我も回復させることができた。
「ミグさん、ありがとうございます。おかげでエーデルワイスの修復もできました」
 沙織が礼を述べると、ミグは熟練に満ちた笑みを浮かべた。
「此度はCAMによる戦技研究も兼ねておったからな。戦闘の事後処理も、戦いにおいては大事なポイントじゃ」
「そうですね。私も、そう思います」
 沙織はCAMの話題ができて、とてもうれしかった。
 拠点の外では、魚人族たちがヤッハーと雄叫び。まりおも混ざって、楽しそうに叫んでいた。
「ヤッハー、ヤッハー、依頼、達成だね~」
「……ところで、今後は『聖なる海の門』を監視する役目は決まってるのかい?」
 フォークスがラキ(kz0002)に尋ねた。
「人魚の長老クアルダさんの一族が、この島の監視をすることになってるよ」
「んー、この海域は人魚たちの住処だから当然と言えば、そうなるけど……あたいらも何らかの形で関わることになるのか?」
 フォークスは魚人族たちとは以前から少なからず関わりはあったが、それは彼女からすればビジネスライクだ。とは言うものの、関わったからには、その布石を維持していきたい気持ちもある。
 ラキが、フォークスの方へと振り返り、答えた。
「ここは同盟海域だから、同盟の海軍が定期的に監視することになってるみたい。今回は狂気ヴォイドの集団を全て倒すことができたから、しばらくは監視だけって状態になるかも」
「そうかい、ヴォイドゲート跡を監視するのも重要だしな。何か起こってからでは遅いからね」
 海を眺めながら、フォークスが呟く。
 Holmesが貝殻を拾うと、Василийが近寄ってきた。
「どうだい?」
 貝殻を見せるHolmes。
 Василийの審美的感覚からすれば、その貝殻は好みではなかったらしい。
「ふふ、厳しいね。Василийは実に面白いよ」
 小さく微笑み、Василийの頭を撫でるHolmes。
 Василийは気持ち良さそうだ。やはり主人に褒められることが一番の御褒美なのかもしれない。
「お馬さん、今回は助かったよ。ありがとう」
 まよいは、同行させていた乗用馬に、摘み立ての草を食べさせていた。
 島には自然に育った植物もあったが、人魚や魚人族たちが滅多に上陸していなかったこともあり、陸地は放置状態となっており、植物も自然任せに育っていた。
「島の奥に入らなくて正解だったのかな……もし、戦闘中に島の奥まで侵入していたら、植物たちは踏み荒らされていた可能性もあるしね」
 陸地に咲く花々を見ながら、まよいは安堵していた。
 ハンターたちが戦闘場所を把握していたこともあり、島の植物も守られたのだ。
 イェジドのミカンは花の香りを嗅ぐと、アメリアに甘えるように寄り添っていた。

依頼結果

依頼成功度大成功
面白かった! 5
ポイントがありませんので、拍手できません

現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!

MVP一覧

  • 唯一つ、その名を
    Holmeska3813
  • Ms.“Deadend”
    アメリア・フォーサイスka4111

重体一覧

参加者一覧

  • SUPERBIA
    フォークス(ka0570
    人間(蒼)|25才|女性|猟撃士
  • ユニットアイコン
    マドウガタデュミナス
    魔導型デュミナス(ka0570unit001
    ユニット|CAM
  • 伝説の砲撃機乗り
    ミグ・ロマイヤー(ka0665
    ドワーフ|13才|女性|機導師
  • ユニットアイコン
    ハリケーンバウユーエスエフシー
    ハリケーン・バウ・USFC(ka0665unit002
    ユニット|CAM

  •  (ka0824
    人間(蒼)|16才|女性|疾影士
  • 夢路に誘う青き魔女
    夢路 まよい(ka1328
    人間(蒼)|15才|女性|魔術師
  • 唯一つ、その名を
    Holmes(ka3813
    ドワーフ|8才|女性|霊闘士
  • ユニットアイコン
    ヴァシーリー
    Василий(ka3813unit001
    ユニット|幻獣
  • Ms.“Deadend”
    アメリア・フォーサイス(ka4111
    人間(蒼)|22才|女性|猟撃士
  • ユニットアイコン
    ミカン
    みかん(ka4111unit001
    ユニット|幻獣
  • 戦場に咲く白い花
    沙織(ka5977
    人間(蒼)|15才|女性|機導師
  • ユニットアイコン
    エーデルワイス
    エーデルワイス(ka5977unit001
    ユニット|CAM

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
Holmes(ka3813
ドワーフ|8才|女性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2017/01/15 23:17:05
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/01/12 17:55:56