宵闇蒸気街3~廃れたハーブ館

マスター:深夜真世

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
4日
締切
2017/03/10 22:00
完成日
2017/03/24 18:47

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

「人の寄りつかないところにはそれなりの何かがあるものだわねぇ」
 蒸気工業都市「フマーレ」にあるチョコレート専門店「チョコレート・ハウス」のテラス席で、興行師のシェイクがオリジナルカクテル【スカーレットヴィーナス】で一息ついたあと切り出した。
「そこまで行ったのか?」
 元隠者のジル・コバルトがテーブルの向かいから肘をついて乗り出した。
「まさか。私みたいな乙女に行かせる気? うわさを確認しただけよ」
 ちなみにシェイク、男性である。
「そこにフリルドレスのアジトがあるか、ルモーレがおるんじゃな?」
「森の奥に亜種のハーブを取り扱ってた屋敷があって、いまは人も寄りつかず廃墟と化してる、って話ね」
 話を急ぐジルに落ち着いて話すシェイク。
「ふむ。昔の屋敷で森の奥ならフラたちの調べた情報とも完全に一致するの」
 ジル、うなって手元に視線を落とした。紙に書き出した情報を確認しているのだ。

 実はしばらく前、フマーレの一部地域で宙に浮くフリルドレスに襲われるという事件が発生していた。霧の濃い晩に出現し、袖で首を絞めたり衣装を着せて絞り殺そうとしたり、行方不明者が出るなど夜の繁華街を震え上がらせた。
 フマーレの自警団も調査に乗り出した。
 捜査は主に、複数枚の同じデザインのフリルドレスが出現していることから、同一ドレスを一定数保持するところに集中した。フリルドレスを制服に持つチョコレート・ハウスも疑われ、オーナーのシエラ・エバンスが激怒。霧の夜の捜査に及び腰の自警団にしびれを切らした形で独自にフラ・キャンディ(kz0121)を含むハンターを雇い調査した。


 そこに書かれていた、ハンターたちの調査結果は、次の通り。

・フリルドレスは建物の上などから吊して動かしたなど、人為的な痕跡はない
・自警団の情報収集はしっかりしていた。彼らとは別方向からの事件解決へのアプローチが必要かもしれない
・原材料の供給元も調査したが異常なし。過去に大量保持している所もあったことが判明
・ドレスは人形のものでもなし。ただし、人形の館のようにフリルドレスの使用人のいた館があったという
・パスタソーサーも襲ってきたが、こちらは「R」の刻印のある釘を残して消えた


「捜査はしっかり他の可能性を否定してるわね。……で、実際にドレスと戦って倒してみれば、ルモーレの「R」の目印はなく、デザインは古いことが判明。ついでに、パスタの載った空飛ぶ皿とフォークも襲ってきてこちらは「R」付き、と」
 ジルに見解を求めるシェイク。
「ん。昔のハーブ館が怪しいの。……亜種のハーブはパスタに使っていた、というところか。あれから被害も小康状態じゃが、どうする?」
 ジル、店主のシエラ・エバンスの方を向いた。
「うちってほら、チョコレートリキュールの取り扱いとカクテル販売で飲食営業も始めたでしょ?」
 シエラ、そっぽを向き歌うかのように答えた。それで、と二人。
「夜のお店からの風当たりが強いのよねぇ。店でお酒飲ませてこっちの客を取るなって。……うざったいからあちらさんが困ってるこの件、こっちで解決しちゃって黙らしちゃいましょ♪」
 うふふ、と怒気を含んだ上品な微笑。
「鬼の微笑じゃの」
「ジルも若い頃はそうやって敵ばかりつくったっていうじゃない?」
 やれやれとオリジナルカクテル【エンジェラ】を飲むジル。その姿に悪戯そうな視線を投げるシェイクだった。

 というわけで、昔は人が寄りつかないところで希少な野生ハーブが採れたことで大量採取販売する屋敷ができて短期隆盛した半面、人が寄りついたからかハーブが徐々に普通種に変わり廃れてしまった屋敷に乗り込み捜査してくれる人、求ム。

 なお、屋敷へはロープを渡らせた傾斜のある岩場を歩くなど難所あり(登山ではなく山歩きに慣れた者ならむしろ楽しいレベル)。屋敷は自給自足用の畑に囲まれている。屋敷の倒壊などはなし。二階建て。中にはフリルドレサーやパスタソーサーなどの歪虚と、ドレスのボスとなる歪虚がいると考えられ、討伐が期待される。

リプレイ本文


 一行はそれと思しき屋敷を発見していた。
 手前の畑と思われる荒れ地にスケルトンが一体いて、急いで屋敷の中に逃げて行ったのだから間違うはずがない。二階建ての屋敷だ。
 まだ一行は森にいる。
「追う?」
「待って……畑でいったい何を?」
 急いで出かけたメルクーア(ka4005)だったが、霧雨 悠月(ka4130)が止めた。
「何か守ってるのかしら」
「うーん、どうせならもうちょっといい季候の頃に来たかったよね」
 誰ともなしに聞くキーリ(ka4642)がに、ナタナエル(ka3884)のぼやき。
「やっぱり目の前で荒れてるのはハーブで、今でも守ってるとか?」
「ですかねぇ」
 フラ・キャンディ(kz0121)のぽややんな呟きに同意する弓月・小太(ka4679)が。
「もうスケルトンは追っても奥に行ってるかも。仕方ない。しっかり館の探索しましょう」
 先を促すメルクーア。
「……悲しい舞台ね」
 アリア・セリウス(ka6424)は、館を見上げぽそりとつぶやくのみ。

 で、全員で普通に館の玄関に向かう。
 そこで、星野 ハナ(ka5852)。
「殲滅の後、ちょっとこの庭確認しても良いですぅ? ドレスが人を殺してここに連れてこようとしたの、あの畑の堆肥にするためだった可能性があると思うんですぅ」
 地面を指差しながらにこやかにえぐいをこと言った!
「……今が少し肌寒い季節で良かったよ」
 ナタナエル、周りの畑を見つつこっそりと言うこと変えたし!
「いよいよ館探索。何が出てくるんでしょうか?」
 百々尻 うらら(ka6537)はそんなの関係なしにワクワク。
「寂れた洋館を探検するなんてちょっとわくわくしちゃうよね」
 悠月も一緒だ。
「きっとフリルドレサーの手厚い歓迎だわね。出てくるのは」
「……招待状は無いけどね」
 メルクーアの冷静な指摘に、キーリが玄関扉に手を掛け開ける。
 ――ぎいぃぃぃ……。
「うぅ、な、何かお化け屋敷のような……はっ、で、でも怖くはないですよぉっ」
 乾いた音にびくっとした小太だが、フラが同じくびくっとして身を寄せて来たのでしゃんとした。自然と手を握る。
「昼間なのに中は結構暗いですねー」
 うらら、続いて入りハンディLEDライト、オン。
 刹那!
 ――ふわっ……。
 エントランスの奥からエプロンドレス二着が浮かんで襲ってきた!
「中身は虚ろで不安を煽り、舞う姿見せて事件とする……」
「全員で一気に倒してしまおう!」
 アリア、後方から踊るように味方をかわし前に出る。悠月も日本刀「白狼」を抜刀し横に流れる。
「たまにはこれを使ってみましょうか」
「複数ならこれでぶっ殺ですぅ」
 メルクーア、しゃがんでアルケミストデバイスをぱかっと開ける。黒曜石の画面から機導砲どぉん。ハナは陰陽符「降魔結界」で五色光符陣。
 ぴかっ、と光った中にふわりと踊るドレスの影ときりっと旋回する細いシルエット。
 やがて光が収まった。
「これでお終い……まあ、これからだろうけど」
「不吉で不幸のワルツ、足音さえない不気味さ……それを手繰る思惑の糸ごと、斬りましょうか」
 白狼を振り切って鞘に戻す悠月と、雪色の光宿す神楽刀を振るった後に舞ったドレスが落ち着くのを待つアリアがぴたりと背中合わせになっていた。
 周囲に貫かれ斬られたドレスの端切れが舞っていた。
「ほかにはいませんね」
 うらら、仲間を信じ場所も動かず周囲を警戒していた。
「フリルドレッサーがここにいるって事は……行方不明になった人がここに連れ込まれている可能性があるね」
「フリルドレサーだと思いますぅ」
 ナタナエルの呟きに、フラを背後に周囲を警戒していた小太が突っ込み。片膝を付いてかばいつつリボルバー「ピースメイカー」の銃口を周囲に向けた姿を凛々しく思っていたフラ、もう少し見ていたかったなぁとか少しがっかり。
「…ずっとフリル・ド・レザーだと勘違いしてましたぁ…恥ずかしいですぅ」
「余裕あるわね。それじゃ、勘違い同士で一階お願いするわ」
 いやん、と両手で顔を可憐に隠すハナの猫かぶりっぷりに呆れたキーリ、悠月を連れて地下への階段へ向かう。



 ぽう、と石壁の地下室を光が照らす。
「…ワイン倉庫、か。今では匂いもしない、ただの空き部屋かな?」
 悠月である。狭い階段を下りてすぐに、棚と樽が並んでいる。
「ホラー過ぎよね。フリルドレサーも雰囲気ピッタリでなんか悔しいわ」
 キーリの言いように悠月、思わず振り返る。何も言わないが、ツンしているキーリの服は雰囲気ピッタリのゴシックドレスだったり。
「ユッキーお酒にハマってるんでしょ? 残ってたら飲んでいいわよ」
「匂いもしないし、残ってないよ」
「まるで犬ね」
「待って!」
 部屋の奥からドレス。箒を袖に巻き付け打撃を狙っている。
「それは武器じゃないよ」
 悠月、鋭く踏み込み一閃。箒を真っ二つにして見せる。
「戦うための服でもないしね」
 続けて服を両断して、お終い。少し寂しそうだ。
 が、すぐにはっとする。
 低空からのパスタソーサーに絡めとられ締め上げられた。
「ちゃんと見てあげてるわよ。さ、私の爪先にキス……」
 キーリがカットインして重力波「転落展覧会」……あ、至近距離での発動をやめて距離を取った。すとんとナイフが突き刺さる。
 ――ぎゅん……どしゃっ! ばきっ!
「まさか投げてくるとはね」
 絡まれつつも悠月が止めを刺した。トマトソースがべちゃ、と広がっている。
「違うわよ。皿は割れなかったけどソース飛び散ったし。服にソース付いたら落ち込む」
 まるで自分自身が転落展覧会を食らったようにどよーんと肩を落とすキーリ。もちろんソースは付いてないのだが。
 そんな様子をくすくす笑ってキーリさんらしい、などと思う悠月だった。

 こちら、一階の給仕控室。
「すでに盗賊がはいっているのかな……いや、それなら戻さないな」
 ナタナエルが片膝を付き、タンスの引き出しを下から上の順番で開けて中身を確認している。
「どうして下からですかぁ?」
 ハナ、警戒しつつ聞いてみる。
「閉めなくてもすぐに上を引き出せるから時間短縮になる」
「さっきのシーブズツールといい、泥棒さんですねぇ」
 間違いなく泥棒の手口である。しかも手際がいい。
「悠月さんの気にしていた日記でもあれば……でも、お金になるのはすべて売ったのか……」
 ナタナエル、最後まで言わなかった。
 開け放しておいた扉の外。廊下をフリルドレサーが移動したのを視界の横に捉えたのだ。
 接近に気付いたドレス。部屋に入る。
 同時にシールド「リパルション」を構えたナタナエルが瞬脚で体当たり。盾ごと壁にドレスを叩きつける。そして盾のモーター音。普通なら受けた攻撃を横に流すが……。
「星野さん!」
 呼んで、自らの身体を横に流した。
「以前ならハーブに紫の蝶も飛んでたでしょうねぇ。こーんな風にぃ」
 ハナ、 陰陽符「伊吹」を構えて優美に胡蝶符。飛んだ蝶がドレスに当たり魔法の威力となる。
「……ん?」
 きらん、と銀飛輪を至近距離投擲してとどめを刺したナタナエルだが、異変に気付いた。
 崩れ去ったスカートの下から触手が出てきたのだ。
「パ、パスタですぅ!」
「くっ」
 ハナ、スカートから飛んで来たナイフとフォークを食らうがもう一度胡蝶符。
 ナタナエルの喉にはパスタが絡んでいた。このまま釣り上げ窒息させるつもりだ。
「仕方ない。奥の手だ」
 壁を蹴って宙返り。浮いたことでパスタも緩む。そこを銀飛輪で切り……立体攻撃。
「ボス戦に取っておきたかったね。それにしても……」
 今度は盾を膝下に添え、そのままパスタ皿に体当たり。
「……食べ物を粗末にするのは赦せないな」
 床と挟んで圧殺した。



 一階の反対側では。
「キッチンでお皿と、あと、ここ最近で料理した跡があれば、パスタはここから?」
 アリアが背伸びして食器棚などを確認中。
「何だか普通に屋台でお仕事してるのと変わらない感覚ね」
 メルクーアは称号の通り「Pクレープ店員」でもある。棚下の引き出しなど探す様子は普段、小麦粉や伸ばし棒を探す動きに近い。
「どれもこれも埃を被ってる……」
「パスタソーサーはここがアジトじゃないのかしら?」
 アリアのこだわりと捜索結果から、メルクーアが結論付ける。
「リビングも探したけど日記すら……不自然なくらいに重要そうなものがないの」
 困った風に眉尻を下げるアリア。それでも捜索の手は緩めず背伸びして高い棚を開け……。
 ――ばさーっ!
「あっ!」
「え?」
 刹那の出来事だった!
 高い棚に潜んでいたドレスが、伸ばしたアリアの手を伝い落ちてきたのだ。
 普通ならこれで着ることになるが、身体を伸ばし爪先立ちをしていたため……いや、舞踊の要領で上体を逸らし回避した。代わりに、彼女の足元で作業をしていて異変に顔を上げたメルクーアに服が落ちた。
「わ、きゅぅ、って……」
「メルクーアさん!」
 袖も通すことなく、服に包まれてしまったメルクーア。小柄な体が災いした。アリアはどこを斬るか逡巡したが……。
 ――ずしゃっ!
「熊手を持ってきて良かったわ」
 メルクーア、ナックル「ヴァリアブル・デバイド」の爪を展開し内から服を破ることで自力脱出した。
「良かった」
「はっ……うららさんとか心配だわ。行ってみましょう」
 自分の武器だから自力脱出ができたと感じたメルクーア、仲間を心配して二階に上がる!

 時は少し遡る。
「ふ、フラさん、僕達は二階を探しましょうかぁ? 狭いですし気をつけて行きましょうー」
「そうだね。戦うには並ぶと窮屈でぶつかっちゃう」
 フラ、小太に先行して階段を上る。
「ええと……」
 最後に残されたうらら。フラと小太を追うこととなる。
 さて。
 二階には一直線の通路が左右に伸び、扉がずらり。
「骸骨とか執務室辺りで陣取ってたりはしないですかねぇ…? 気をつけて入りましょぅっ」
「いくよ?」
 ぎい、と適当な扉を開けると中は寝室だった。
「大きなベッドがあるね?」
「え? ベッドですかぁ? もしかしてドレサーが隠れてるかもです」
 フラの言葉にぱああっと表情を明るくしたうららが罠を警戒し、フラに注意すべく後方から駆け寄ってきた。
 が、足を絡ませた。
 ――どっしーん。
「う、うららさん……」
「あいたたぁ」
 うらら、フラをベッドに押し倒し一緒に倒れ込むドジッ子ぶりは見事としか言いようがなく。
 そのお約束っぷりは、ベッドの向こうに隠れていたフリルドレサーも一拍子行動が遅れるくらいで。
「ほ、本当にいますよぅ」
 現れた敵に銃撃をかます小太。フラとうららが掛け布団も一緒に抱き込み太腿をさらしつつどたんばたんと起き上がろうともがくうちに連射してこれを滅する。
「ぷはぁ……」
 どうやら掛け布団は敵ではないようで。無事に二人は脱出。
「……あれ? いま」
 うらら、起き上がる時に何かが部屋の外に出たような気がしたのだが、小太は暗闇の中何も見えなかった様子だ。
「それにしてもルモーレは一体何を考えてこんなことしているのでしょうかねぇ…? この館にも何かあるんでしょうかぁ?」
「謎だよね~」
 気を取り直して小太が次の部屋に。フラも続く。うらら、首をひねりながらも続く。
 ――ぎいぃ……。
 今度は執務室だった!
 スケルトンが一体いるぞ!
 ついでに、死体を着込んだ――もとい、死体付きのフリルドレサーもいた。普通のフリルドレサーもいる。そして襲って間にスケルトンは逃げようとする!
「このっ!」
「わわっ……これで今度はちゃんと眠ってください」
 フラがドレサーを切り、小太は不気味な死体に一歩遅れたところを箒で痛打されるも至近距離から射撃。リロードする間にまた食らうがここで倒す。
 そしてスケルトン。
「……えぇ?」
 最後尾のうららが対応したが、背後の通路からばさっと服をかぶせられた!
「ね、ネグリジェですぅ?」
「透け透け……」
 小太とフラの言う通り、透け透けネグリジェのドレサーにうららが包まれた。
「さっき見たのはこれですぅ?」
 うらら、ぎゅーっと締め付けられる!
 ――ばしゅ!
 そこにデルタレイの光。
「やれやれ、間に合ったわね」
 一階から上がって来たメルクーアだ。この隙に小太も駆け寄りサーベルで切る。
「悪意のドレスを着せるなんて、あまりいい趣味ではないわね?」
 逃げるスケルトンはアリアがすぱっと両断していた。



 探索終わって。
「地下にはワイン倉庫の他に墓地もあったけど、荒らされてたね」
「殺してさらって、アンデッド軍隊でも作る気だったのかしらねー?」
 悠月とキーリの報告。
「スケルトンには何か変わったことは?」
 ナタナエル、止めを刺したアリアに聞く。
「これかしら?」
 アリアが差し出したのは、「R」の刻印のある指輪だった。
「ルモーレの印ですねぇ」
 小太、覗き込む。
「比較的傷んでないね」
 じっくり観察するナタナエル。品定めがもう素人ではない。
「ドレスにはRに関連するものはなかったよね?」
 フラが聞く。隣でうららがこくこく。
「でも、このハーブ園のあるところからは動かなかったのよねぇ」
 育ててた時の記憶に縛られてたのかしらねえ、と寂しそうにメルクーアが窓の外を見る。
「死体を埋めて酸性にして変異種を作っていたのかもですぅ」
「えーっ!」
 ハナの意見にフラが肩をすくめる。
「そうそう。墓地では死体付きのドレサーもいたよ。物理的な攻撃力は服だけの時より段違いだった」
 悠月、そんな敵とも戦った様子。涼しい顔をしているが。
「埋めてるわけじゃなさそーじゃない?」
「そ、そういえばパスタのフォークは「R」の刻印ありましたよねぇ?」
 キーリの見立てに、小太が別の話を。
「……うーん。命令系統が混在してるようですよねぇ。親と子のラインというか……」
「親は何なのよ?」
 ハナの呟きにキーリが突っ込む。
「ルモーレでしょうねぇ」
 小太の立場は彼を追っているのだ、そう答える。
「子の方は強い軍隊作り? それともハープ園の復興?」
 戦った手応えからそう聞く悠月。
「親も一緒なんですかねぇ?」
 うーん、とハナ。
「ルモーレも強い軍隊を作ってる? 復興は……」
「ラパーチェ・ラーロ!」
 キーリの自問に、フラの叫び。
「良く分からないけど、解決したの?」
「そうみたいだね」
 アリアの問いに答えるナタナエル。
「だとしたら……やっぱりルモーレもどこかの森の中かしら?」
 これまでの形に最後の疑問をはめ込むメルクーア。

 敵の方針が、何となく透けて見えた。

依頼結果

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MVP一覧

  • メテオクイーン
    キーリka4642
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナka5852

重体一覧

参加者一覧

  • 《死》を翳し忍び寄る蠍
    ナタナエル(ka3884
    エルフ|20才|男性|疾影士
  • Pクレープ店員
    メルクーア(ka4005
    ドワーフ|10才|女性|機導師
  • 感謝のうた
    霧雨 悠月(ka4130
    人間(蒼)|15才|男性|霊闘士
  • メテオクイーン
    キーリ(ka4642
    エルフ|13才|女性|魔術師
  • 百年目の運命の人
    弓月・小太(ka4679
    人間(紅)|10才|男性|猟撃士
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 紅の月を慈しむ乙女
    アリア・セリウス(ka6424
    人間(紅)|18才|女性|闘狩人
  • ドジッ子
    百々尻 うらら(ka6537
    人間(蒼)|17才|女性|闘狩人

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談ですよぉー
弓月・小太(ka4679
人間(クリムゾンウェスト)|10才|男性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2017/03/10 02:30:35
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/03/10 08:55:11