• 詩天

【詩天】遅咲きの桜と慰労会

マスター:猫又ものと

シナリオ形態
イベント
難易度
易しい
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2017/05/02 22:00
完成日
2017/05/19 06:34

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

「秋寿兄様。今年も咲きましたよ。見えますか……?」
 秋寿の位牌を持ち、高台に立つ三条 真美(kz0198)。
 詩天は若峰の町。あちこちにある遅咲きの桜が、今年も見事に咲いた。
 ――秋寿はこの花を見るのがとても好きだった。

 ――初代詩天の依代とされていた秋寿。
 仙秋の呪縛から解き放ったあの時に、髪の毛一筋も残さずに消えてしまった。
 せめて、あの人の心が慰められるようにと、あの後三条家軍師・水野 武徳(kz0196)に頼んで位牌を用意して貰った。
 ……真美自身、こうして『秋寿』として縋るものが欲しかったのかもしれない。
 別にこの位牌に、秋寿兄様の心がなくても構わない。
 どこかで、この桜を楽しんでいてくれたら、それでいい――。

「真美様。お待たせ致しました。ハンター殿をご招待する用意が出来ましたぞ」
「ありがとう、武徳。財政難なのに無理を言ってごめんなさい」
「いやいや。詩天を苦しめていた怨敵を討ち滅ぼすことが出来たのもハンター達のお陰ですからな」
 頭を下げる真美に、目を細める武徳。
 真美は、仙秋討伐や、詩天を苦しめていた歪虚を討ち払ったハンター達の慰労をしたいと武徳に打診し、彼はその準備の為に奔走していたのだ。
 詩天はかねてよりの財政難ではあったが、ハンター達とのつながりを強くしておくのは詩天にとっても損にはなるまい。
 何より……武徳自身もまた、ハンター達には感謝の念を抱いていた。
「あまりご馳走と言えるものは用意出来ませなんだが……詩天の酒と、漁村から魚の干物を用意致しました。そうそう、各所に慰労会を開くと申し伝えたところ、他にも萩野村や若峰の町人達から差し入れが届きましてな。何とか体裁は保てそうですぞ」
「そうですか。良かったです。ハンターの皆様も喜んでくださるといいんですが」
「それでは、ハンター殿達へ招待状を手配すると致します。真美様は若峰の町の修繕案に目を通して戴きたく」
「分かりました。お願いしますね」
 真美に頭を下げて、席を辞する武徳。
 ひとまずの脅威は去り、詩天の復興が始まろうとしている。


「皆さん、九代目詩天さんから招待状が来ていますよ」
 人が多く集まるハンターズソサエティ。ソサエティ職員、イソラが手紙を持ってハンター達に歩み寄る。
「招待って何の話だ?」
「初代詩天、三条 仙秋討伐や、詩天の治安維持に努めたハンターさん達にお礼がしたいとかで、慰労会を開かれるそうです。そこに皆さまを招待したいとのことですよ」
「……ああ、そういうことね」
 手紙を広げながら笑顔で続けたイソラに、ハンターも笑顔で頷く。
「真美さん達の方でお食事やお飲み物は用意されているそうですが、差し入れも歓迎だそうです。遅咲きの桜が綺麗だから、是非楽しんでいって欲しいって書いてありましたよ」
「……サクラ?」
「東方では一般的な花なんだが……春に咲く花でな。淡い桃色が空一面を覆って綺麗なんだ」
「へえ。それは楽しみですね」
「詩天の名物食べられるかな」
「詩天のお酒、飲んでみたかったのよね」
「そういえば真美くん、詩天を出たことないって言ってたわね。西方のお食事食べたことないんじゃないかしら」
「そりゃいいや。何か差し入れ持っていこうぜ」
「ちょっとー! 皆さん盛り上がるのはいいですけど、どなたが行くのか先にお知らせしないといけないですからこちらにお名前書いてくださいねー!」
 はしゃぐ開拓者達。イソラの声がオフィス内に響く。


 まだ、残された課題は色々とあるけれど、ひとまずの区切りはついた。
 戦いを制し、勝ち残ったことを祝おう――。
 ハンター達は、真美が示した会場へと足を運ぶのだった。

リプレイ本文

「これがサクラ……。淡いピンク色の花なのですね」
「綺麗なものですね……」
「わふー! 僕とっても気に入りました!」
 詩天の若峰。道を沿うようにして植えられた木々。自分より遥かに大きなそれに咲く小さな花。それが沢山重なり合って、まるで桃色の雲のようで……。
 自分と同じ名前の花を興味津々で見入るサクラ・エルフリード(ka2598)の横で、はふ、とため息をつくラース・フュラー(ka6332)。アルマ・A・エインズワース(ka4901)が明るく笑う。
 そこに若峰の町の子供達が凄い勢いで走り込んで来た。
「青い外套……! アルマさまだよね!?」
「はい! そうですよー」
「やっぱり! 詩天を救ったお侍様!」
「握手して―!」
「いいですよ! 握手だけじゃなくてぎゅーってしましょうか!」
 大きな身体で子犬のような人懐っこさを見せるアルマ。子供達から歓声があがる。
「はいはーい。たれたぬきさんなのだー」
「たぬきさんだー!!」
「たぬきさん抱っこしてーーー!!」
「いいのだー。順番なのだぁー」
 そして別な意味で子供達に人気を博している玄間 北斗(ka5640)。
 愛用のたれたぬきの着ぐるみでコミカルな動きをする彼を子供達が見逃すはずもなく、ひっきりなしに抱っこや肩車をせがまれている。
 そこにやってきた恰幅の良い男性。彼は龍堂 神火(ka5693)を見るなり両手を広げて近づいてきた。
「これはこれは! 龍堂様ではありませんか!」
「あっ。えっ。ハイ!」
「お会いできるとは何という幸運! 実は自分、若峰で小商いを営んでおりまして……商売繁盛のお守りにしたいと思いますので、こちらに一筆戴けませんでしょうか」
「えっ。えええ!? いやあの、サインとか書けないですよボク!?」
 突然のお願いに仰け反る神火。その慌てっぷりにラジェンドラ(ka6353)が思わず吹き出す。
「そう言わずに書いてやれよ。なあ、旦那。書いて貰えりゃ何だっていいんだろ?」
「はい! 勿論です!」
「ラジェンドラさん!?」
「いいじゃないか。有名税ってやつだな」
 ハハハハと笑って神火の肩を叩くラジェンドラ。
 そこに赤子を抱えた女性がやって来て黒戌(ka4131)に恐る恐る声をかける。
「あの、黒戌様であらせられますか?」
「いかにも」
「申し訳ありませんが、この子にご加護を。この国を救われた貴方様のような強い子になれるように」
 その申し出に一瞬戸惑いを見せる黒戌。
 ――英雄のような立派な扱いを受ける訳にはいかぬが、赤子への祝福であればそう強くも断れぬ……。
「……拙者で良ければ承ろう」
 頷き、赤子の頭をそっと撫でる黒戌。
 ――この様な時でも、生まれくる命に数多の歓びが在るように。膂力だけではない、心が強き武士となるよう願う。
「アルマさまも神火さまも黒戌さまもすごいですのー。大人気ですの」
「そりゃあ詩天を救った立役者だからな」
「みんな頑張ったですのよ?」
「それは勿論そうだが、目立った功績を上げた者はこうして持ち上げられるものだ。いつの世もな」
 道を歩けばあちこちから声をかけられている3人に目を丸くするチョココ(ka2449)。
 キャリコ・ビューイ(ka5044)は淡々と答えつつも、その目はとても穏やかだ。
 『詩天救国の士』は若峰に顔と名前が知れ渡っているらしく、街を歩いているだけであちこちから声をかけられる。
 町人達の相手をしながら移動していた為、三条 真美(kz0198)が用意した会場に到着するまで随分時間がかかってしまった。
「皆さん、お待ちしていました。ようこそ詩天へ」
「真美様。お変わりなくて何よりです」
「今日はご招待戴いてありがとうございます。お初にお目にかかります。悠里と申します」
「七葵も元気そうで良かった。悠里さんですね。武徳からお話を伺っていますよ」
 恭しく頭を下げる七葵(ka4740)と悠里(ka6368)に笑顔を返す真美。そこにエステル・ソル(ka3983)が飛び込んできてむぎゅっと抱きつく。
「シンさん! お久しぶりです!」
「遅くなっちゃってごめんね!」
「神火様に助け船を出すつもりが、何故か私達まで握手を求められまして……」
 その横でぺこりと頭を下げるノノトト(ka0553)。
 頬に手を当てて小首を傾げる金鹿(ka5959)に、真美が笑う。
「構いませんよ。国を救う為に戦って下さった皆さんがいらっしゃることを町人にお伝えしたのは私ですから。こうなるだろうと思っていました」
「真美……いえ、シンさん。お久しぶりです」
「ラースさん! お久しぶ……。これから戦いに出向かれるのですか?」
 ラースの声に目を輝かせた真美。彼女の恰好……これから宴席だというのにがっちりと鎧を着こんでいる様子に心配になったらしい。
 眉根を寄せた真美に、ラースはアワアワと慌てる。
「あっ。いえ、違うんですよ。ついいつもの癖で着て来てしまったんです……。失礼でなければ鎧を脱いでも宜しいですか?」
「勿論ですよ。折角ですからゆっくりしてらしてください」
「みんな集まったのだ? 飲み物を配るのだぁ~。飲み物持ったら乾杯なのだぁ~」
「メイドチョコディラですのー!」
 真美とラースがそんなやり取りをしている間に、いつの間にかやって来て給仕としてせっせと働いているたれたぬき。
 ユグディラの着ぐるみを着たチョココも手伝っているので、何だか給仕が不思議な感じになっている。
「ははは。随分と面白いことになってますね」
「もう何の祝宴なんだかわからないね」
 その様子を見て笑う鳳城 錬介(ka6053)とアーク・フォーサイス(ka6568)。
 そこに真美がぱたぱたと走ってくる。
「ああ! 錬介さんもアークさんもこちらでしたか! お2人に乾杯の音頭をお願いしたくて……」
「え? 俺ですか?」
「他にもっと適任がいるんじゃないの?」
「いえ、お二人は秋寿兄様を救うのに尽力して戴きましたから……。是非お願いします」
 真美の必死な様子に顔を見合わせる錬介とアーク。そういう事なら……と頷いて、盃を受け取る。
「それでは……秋寿殿の安らかな眠りと」
「詩天の平和を願って……乾杯!!」
 盃を天に掲げる2人。仲間達もそれに倣って……宴席が和やかに始まる。
「何やらいい香りがするで御座るな、アルト殿」
「もうちょっとで焼けるから待っててくれるかな。真っ先に武徳さんにあげるから」
「それは楽しみじゃ。窯を使いたいと言うから何事かと思いましたぞ」
「ごめんねー。どうしても皆に食べて貰いたかったんだよね」
 ひょっこりと顔を覗かせた水野 武徳(kz0196)に笑顔を返すアルト・ヴァレンティーニ(ka3109)とリューリ・ハルマ(ka0502)。
 有事の時にしか会ったことがないからか、武徳は怖い人かと思っていたのだが、改めて話してみると食通で、酒が好きだという一面が伺い知れた。
 こうしている今も、アルトとリューリが焼いているホットサンドイッチに興味津々らしい。そわそわしている武徳に、アルトとリューリは顔を見合わせて笑う。
「後で真美君と一緒に……と思ったけど、武徳さんお酒飲む?」
「おお!? 宜しいので御座るか!?」
「うん。お待たせしてるお詫び。もうちょっとだけ待ってね」
 酒を嬉しそうに受け取る武徳。平時はこんなに親しみやすい人なんだな……と。2人の笑みが深くなる。

 酒宴はアルトとリューリが用意した料理の他に、武徳が用意した魚の干物や里芋の煮っ転がしや味噌田楽と言った素朴な料理とエステルと金鹿からはマカロン、ラジェンドラからは肉のワイン煮込みとワイン、錬介からプレミアムエビフライが差し入れられ、とても和洋入り乱れた豪華な食事となっていた。
「味噌田楽おいしーですのー!」
「うん。詩天の料理もなかなかいいね」
「本当。味付けはシンプルなんですけどおいしいですね……。私も差し入れ……頑張ったんですけどね……」
 詩天の料理を片っ端から頬張るチョコディラの横で舌鼓を打つアーク。
 同じく料理を味わいながらため息をつくサクラに、チョココが首を傾げる。
「どうして持ってこなかったですの?」
「ええと……ちょっと失敗しまして……」
「あー。そういうこともあるのだぁ~。元気を出すのだ~。ほら、お酒あるのだー」
 何を隠そう、サクラは料理が壊滅的らしい。それでもチャレンジする当たり凄いと思うのだが。
 そんな事情を露とも知らぬ北斗は、人懐こい笑顔を浮かべて酒の入った升を勧める。
 それを見ていたアークの瞳がきらりと輝いた。
「それ、詩天の地酒?」
「そう聞いたのだ~。戦乱で酒造も製造を停止しちゃったところとかあって、手に入りにくいお酒だって武徳さんが言ってたのだ」
「ちょっとそれ貰っても……?」
「うむ。折角の宴席じゃ。遠慮なく飲んで下され」
「それじゃ遠慮なく……!」
「戴きます!!」
 北斗の言葉を後押しする武徳。アークとサクラは小さな升を煽って、ほう……とため息をつく。
「うーん。これはまたスッキリした味というか……美味しいね」
「詩天のお酒、絶対売れると思うんですけどもっと大々的に販売しないんですか?」
「近く販売しようと考えているところでしてな。何しろ詩天はこの状態。復興するには外貨はいくらあっても構いませんからなあ」
「水野様ったら、こんな時までお仕事の話ですか?」
 のんびりと金儲けの算段をする武徳にくすくすと笑う悠里。ぺこりと頭を下げて武徳の隣に座る。
「ご無沙汰しております、水野様。この度は本当にお疲れ様でした」
「これは悠里殿! 悠里殿には世話になり申したな」
「こちらこそ! 宜しければ、お酌致しますよ」
「いやいや、これは忝い」
 悠里が手にした徳利から注がれる酒。それを一気に飲み干した武徳を、彼はまっすぐに見据える。
「……本当に、詩天では沢山の経験を積ませて頂きました」
 ハンターとして経験の浅かった自分が、こうして少しづつでも強くなれたのは詩天の地と、武徳や仲間達に出会ったからだ。
 心から感謝している。だからこそ……。
「これからは少しずつ水野様や詩天の皆さんに恩返しをしたいのです。何かお困りの事が御座いましたら……その、微力ではありますが。またお手伝いをさせて頂ければ、とても嬉しいです」
「……悠里殿」
「はい。何でしょう?」
「詩天を脅かすのは歪虚だけでは御座らぬ。この戦乱によって崩れてしまったものは目に見えるものだけではないのだ。またハンター殿に協力を要請することも御座ろう。その時は是非に、助力を願いたい」
「……はい! 勿論です! 頑張りますね!」
 強く頷く悠里。ふと武徳の双肩に圧し掛かったものが見えたような気がして……彼はもう一度、武徳の力になると心に誓う。
「うんうん。初代さんはやっつけましたけど。大変なのは割と、これからかなって思うですよ。……と。真美さん、お疲れ様ですっ」
「あ、アルマ様! 先日は詩天を救って戴いてありがとうございました」
 真面目な話をしている人達に頷きつつふらりとやって来たアルマ。
 ぺこりとお辞儀をする真美に、彼は子供のような笑みを返す。
「様なんてつけないでいいですよ。アルマって呼んで下さい。何度か会ってるのに、ちゃんとご挨拶してなかった気がするですよー」
「そういえばそうだったな……。犬のように人懐っこいお前が珍しいこともあるものだ」
 黙々と酒を飲みつつツッコミを入れるキャリコ。アルマは頬をぽりぽりと掻きながら続ける。
「だってー。戦うのに忙しかったですからー。そういうキャリコさんは挨拶したです?」
「俺か? まあ、真美とは何度か話をしているし。なあ?」
「はい。キャリコさんとはお友達ですよ」
「えええ!? いつの間に!? ずるいです! 真美さん! 僕とお友達になってくれます!!?」
「はい。勿論です」
「やったーーー!! じゃあこれ、お友達の印にあげますね!」
「……すまんな真美。こいつは図体こそデカいが如何せん子供っぽくてな」
 大喜びで真美に飴を握らせるアルマ。苦笑するキャリコに、真美はくすくすと笑う。
「キャリコさん、素敵なお友達をお持ちですね」
「もうお前の友達でもあるだろう」
「はい。そうでした」
「うん。お友達です! 仲良しです!」
 キャリコと真美の手を握ってぶんぶんと振るアルマ。
 そこに、金鹿とノノトト、エステルが戻って来た。
「おかえりなさい。どちらにいらしていたんですか?」
「秋寿さんと仙秋さんのお墓参りに行って来ましたの」
「飲みものお供えしてきたんだー」
「仙秋さんはいけないことを沢山しました。でも、亡くなった後まで責めなくてもいいと思います。だから……」
「……初代様にまでお気遣い戴いてありがとうございます。あの方がいなければ、今の私達はいなかった訳ですから。きちんと受け止めないといけませんね」
「……無理はしないでいいんですよ。大事な従兄さんを奪われたんですから。ゆっくり行きましょうね」
 悲し気に微笑んだ真美の頭をよしよしと撫でたラース。はい、と作って来たサンドウィッチを手渡す。
「ラースさん、これは……?」
「差し入れ、というほど大層なものでもないけれど……妹が、とてもツナサンドが好きで。シンさんも好きだといいなと思ったんです」
「あ、ボクからはこれね! こどもシャンパン! 皆お酒ばっかりじゃない? 子供が飲める飲み物あってもいいかなって」
「ありがとうございます。あ。美味しいですね、これ」
「お。俺も戴くとするか。シン、お勧めは何かあるか?」
「そうですね……。私は味噌田楽が好きですよ」
「あ! それ甘辛くて美味しかったよ」
「えっ。本当!? ボクも食べる!!」
 ラジェンドラの問いに少し考えて答えた真美。身を乗り出した神火にノノトトが目を輝かせる。
 そんな仲間達が面白くてくすくす笑う金鹿。そのまま手を伸ばしてぎゅっと真美を抱きしめる。
「わぷっ。……金鹿さん、どうされました?」
「本当に今まで良く頑張っていらしたから、姉としてちょっと甘やかそうかと思いましたの」
 こんなに小さな身で色々なものを抱えながら、真美は決して逃げなかった。
 泣いても叫んでも挫けずに、踏ん張り続けて――そして、この平穏を手に入れた。
 たとえ躓く時が来ても、その先にある光景を思えばきっと乗り越えていける。自分も本当の意味で、この子のように強くありたいと思う。
「桜も、この国も……皆さんの笑顔も、本当に素敵ですわ。様々なことがございましたけど、お手伝いが出来て良かったと思います」
「本当、色々あったよねえ……」
「そうだなぁ。神火が国を救った男になったしなあ」
「あ、あれは違うよ! 皆が凄くて……ボクは手伝えただけだよ」
「運も実力のうちってことだろ。謙遜すんな。胸張れよ」
「そうですわよ! 私も、頑張りますわ」
 ラジェンドラと金鹿に言われ、おずおずと頷く神火。
 この名に恥じない符術師に、いつか、きっと……。
「で、だ。一つのヤマを越えたんだ訳だが。シン、お前これからどうするつもりか考えてるのか?」
「そうですね……一度西方に遊びに行ってみたいですね」
「えっ!? 本当!?」
 ガタッと立ち上がるノノトト。目を輝かせて続ける。
「だって、こうして皆と会える時って大体有事じゃない? また会いたいけど、平和な方がいいからなーって思ってたんだよ!」
「お気遣い戴いてすみません。今度は私が皆さんに会いに行きますね」
「ええ、お待ちしてますね」
 微笑むラース。今まで黙っていたエステルが真剣な顔で切りだした。
「ところで相談があります」
「なんでしょう?」
「呼び方です。シンさんがいいですか? 真美ちゃんがいいですか?」
 表情の割に出た質問が緩くてズッコける仲間達。
 このことでずっと悩んでいたのでエステルにとっては大問題だったのだ。
「えと。正直どちらでもいいんですが……。もし名前で呼ぶのでしたら……皆さんには『マミ』と呼んで戴けたらと……。父と兄様、武徳しか知らぬ名前でしたが、こちらが私の本当の名前ですので」
「そうですか……。どっちでもいいならどっちがいいですかね……」
「呼びたいように呼べばいいんじゃねえの?」
 悩むエステルに詩天の酒を煽りながら軽く答えるラジェンドラ。
 その光景を見て、ノノトトは思う。
 秋寿さんも今、一緒に楽しんでるんじゃないかな……。


「はい! お待たせ! ホットサンドだよ! 武徳さんどうぞ!」
「おお! これが……! 早速戴くで御座る」
「真美くんもおいで。一緒に食べよう。今日は西方のお茶を持って来てるんだ」
「はい。ありがとうございます」
 リューリにお待ちかねのサンドを勧められて、早速噛り付く武徳。
 アルトに促され、真美もちょこんと座る。
「そういえば、これを君に渡そうと思ってたんだった」
 ハイ、と少女に懐刀を渡すアルト。
 それを見て、真美が目を見開く。
「……これ、兄様の……! どこかで兄様に会われたんですか……!?」
「うん。そうだね。夢で会った……っていうのかなあ」
「秋寿さんが、真美さんと蛍狩り行く約束してたって言ってたよ。約束守れなかったってすごく気にしてた」
「そうですか……」
「真美さん誘って皆でピクニックに行くって約束もしてたの。だから今日はその代わり! 秋寿さんどこかで見てるかなぁ」
 リューリの言葉に、懐刀を抱きしめて涙目になる真美。
 アルトは少女の前にもう一つ……カメラを差し出す。
「これもあげる。魔導カメラって言うんだ。君は覚醒者だから使えるはずだよ」
 手渡されたそれを戸惑いがちに受け取る彼女。アルトは真美を真っ直ぐ見て続ける。
「これから先、君の長い人生で色々なものを見ると思う。そのカメラで記録して秋寿さんにもお裾分けしてあげて欲しいんだ。あの人、最期まで貴女の事を想っていたから」
 涙をぽろりと零しながらこくりと頷く真美。その頭をアルトはよしよしと撫でる。
 ――きっと秋寿がここにいたら、こうするだろうと思ったから。
「アルト殿! このほっとさんどとやらは美味いですなあ! 酒に合いますぞ!」
「でしょ。ボクもご相伴に預かろうかな」
「……もうすぐ蛍狩りの季節です。アルトさんもリューリさんも一緒に行きませんか?」
「えっ!? いいの!? 行く行くー! アルトちゃん、私にもお酒頂戴!」
 新たな約束が増えて大喜びのリューリ。アルトも笑って頷いた。


 秋寿様の位牌に手を合わせ、花びらを浮かべた杯を備えた七葵は、友人である黒戌に向き直る。
「……黒戌殿には大変世話になった。流石は我が友の自慢の兄上だ」
「いやなに。これも七葵殿始め、皆の尽力が実を結んだこと。実にめでたきことに御座る」
「しかし、こうまでお強いとは。自分も見習いたいものだ」
「拙者は妹に頼まれ、皆の後押しをしたまでで御座る。本来影たる者の務めを果たしたまで」
 黒戌の盃に酒を注ぎながらふーむと唸る七葵。
 遠目に見えるは、同年代の女子と戯れる君主。
 ――そういえば、秋寿様も真美様を妹のように見守っていた。
 彼女を見ると自分にも秋寿の気持ちが解るような気がする。
「街を歩き思ったが、ここは良き国で御座るな、七葵殿」
「……ああ。歪虚からは守れた。だが、本当の試練はこれからだ」
 黒戌の言葉に頷き、遠い目をする七葵。
 ――詩天復興には数々の苦難が付き纏う。
 だが、真美はきっとそれから逃げずに全てを背負おうとするだろう。
 しかし彼女には、一人の少女としての幸せも捨てて欲しくない。
 それはきっと、秋寿も望まないだろう。
 ――皆で分かち合えば誰か一人を犠牲にする必要はない。……そうですよね、秋寿様。
「七葵! 黒戌様もこちらでしたか! 一言お礼を言いたくて探しておりました」
「わざわざご挨拶戴けるとは忝い。黒戌で結構で御座るよ、真美殿」
「むー。私だけ呼び捨てだなんて不公平です」
「一国の主たるお方。敬称をつけねば罰があたるでござろう。何卒ご容赦を」
 やってきた真美と語らう黒戌。
 物思いに耽っていた七葵は、少女の手を取ると真剣な表情でその目を見つめる。
「真美様。秋寿様の代わりなどと言うのは烏滸がましいですが、必ず幸せにしますので……!」
「……求婚でござるか? いやはや七葵殿も大胆でござるな」
「……!!? いや、そういう意味ではなくて……!!」
 致命的に言葉が足りなかった七葵。黒戌のツッコミにアワアワと慌てる。
 真美は七葵の言葉の意味をきちんと理解できなかったのか、慌てる彼を見て不思議そうな顔をしていた。


「あ、シン君。ちょっといい?」
 神火に声をかけられて首を傾げる真美。首飾りを渡されて、反対側に首を傾げる。
「これね、偶然町で見かけたモノなんだけど……隠密の術が掛けられてるんだって。良かったら使って」
「え……。戴いてしまって良いのですか?」
「うん。ボクですらああだったから……シン君も町に出る時、大変でしょ?」
 若峰の町を歩いていたら、ものすごい勢いで町の人に声をかけられて大変な目に遭った。
 詩天の王である真美はなおのこと大変なんじゃないかと思う。そう思って、彼女の為に用意したものだ。
「あ、でも、無茶するのに使っちゃダメだよ? 困った時は、いつでも力になるから。ちゃんと相談してね」
「はい。ありがとうございます」
 神火の心遣いに頬を染める真美。分かり易い反応に、神火は満足気に笑った。


「……寝心地はどうだい、秋寿殿。今まで働かされていた分ゆっくり休みなよ」
 秋寿の位牌の前に盃を置いた錬助。
 会場から聞こえる賑やかな声。皆がはしゃいでいる様子と桜を眺めながら、盃に口をつける。
 ――賑やかな輪の中にいるのは勿論好きだが。今日は……。
 直接会ったことはない。不思議な夢を見ただけだが……秋寿をどうしても他人とは思えなくて。
 他人の為に、自分の命を迷わず差し出そうとしたあの人は、確かに王としては優しすぎたのかもしれない。
 けれど……人間としては、本当に素晴らしい人だったと思う。
 ――あんな清廉な人物が死なねばならない。この世はなんと理不尽なことか。
「出来ることなら、あなたとはもう少し早く……生きて、友として会いたかったよ」
 せめて、あの人がい最期のその時まで気にかけていた少女が幸せであって欲しい……。
 過ぎ去った時。失ったものと、守れたものと。まだ見ぬ明日を想って――錬介は杯を傾ける。


 ――こんなことを望んでいた訳じゃないのにな。
 ミリア・エインズワース(ka1287)は独り、ぼんやりと桜を見上げていた。
 ――アイツの盾になる、と言いながら護られていることに気付いてしまった。
 剣を持ち、力を振う。それが当たり前だったし、それこそが自分の価値だと思っていた。
 それが揺らいでしまった。アイツのせいじゃない。自分が弱かっただけのこと。
 ――それに、アイツはボクが居るとおかしくなる。見境がなくなる。それはとても危険なこと。
 だから、少し距離を置こうと思った。
 少しくらい離れても大丈夫。会えなくなる訳じゃない。アイツには仲間がいるし。
 そう。大丈夫。――それなのに、何でこんなに胸が痛いんだろう……。
 外した指輪。それを投げようとして……大切に抱えて蹲る。
「ごめん。ボクじゃ……お前を守れない」
 ミリアの呟き。泣けない彼女の代わりに、桜の花弁が涙のように降り注ぐ。


「誘って戴いてありがとうございます」
「いや、なに。折角のもてなしだと言うから一緒にどうかと思ってな」
「ええ。とっても嬉しいですわ。桜も綺麗ですし……」
「詩天にも桜が咲くんだな」
 天を仰くと一面の淡い色。榊 兵庫(ka0010)と日下 菜摘(ka0881)の上に、花びらが降り注ぐ。
 リアルブルーの故郷にも桜は咲いていたが、東方にも同じ風習があるとは思わなかった。
 咲く姿も散る姿も美しい。世界は違っても、その姿を愛でる人の心は同じものなのかもしれない。
「……詩天は初めてですが、いいところですわね」
「ああ。そうだな」
「この地は、兵庫が守ったんですわよね?」
「ん? まあ、そうだな。少し手伝った程度だが」
 盃に落ちた花弁を見て呟く兵庫。
 この地は三条 仙秋という歪虚に狙われ、1か月程前は戦乱の最中にあった。
 守る為に戦い、勝利を得て――復興はこれからだが、人々の穏やかな暮らしに繋がるならこんなに嬉しいことはない。
 そう続けた彼に、菜摘はにっこりと笑う。
「いいえ、兵庫が頑張ったからこそですわ! ……こんな素敵なところを恋人が守っただなんて、何だか誇らしいです」
「おいおい。あんまり持ち上げるなよ」
「あら。本当のことですわよ?」
 くすくすと笑う菜摘。気恥ずかしくなった兵庫は、誤魔化すように詩天産の干物を口にする。
「……ん。素朴な味だが美味いぞ。酒に合う。菜摘も食べてみるといい」
「まあ、本当美味しいですわ。こういう味わいも悪くないですわね」
 頷き合う2人。普段忙しいからこそ、ゆっくりと過ごす時間を有り難く思う。
「こうして過ごすのも何だか久しぶりだな。一緒の時間が取れなくて申し訳なく思っているよ」
「あら! じゃあ今日はゆっくり……朝までお付き合い戴けるのかしら?」
「それは望むところだが……菜摘。酔ってるだろ」
「いいえ? 全然?」
 もたれかかる菜摘の髪を撫でる兵庫。
 2人の優しくて甘い時間が過ぎていく。


「もう身体は大丈夫なのか?」
「おう。俺頑丈やさかい」
「ついこの間まで包帯だらけだった癖に良く言うよ」
 アハハと笑うシャトン(ka3198)に腕を振り回して見せる冬樹 文太(ka0124)。
 天を覆う淡い桜色。走っていく子供達の姿に、文太は目を細める。
「桜見てると……実家近くの桜並木を思い出すわ」
「……文太はさ、やっぱり帰りたい?」
「せやな……。帰れるって聞いたら帰りたい、かもなあ……」
「そーなんだ」
「ま、俺は死んだ事になってるしなぁ。親父もお袋も元気でいてくれればそれでえぇんやけど」
 顔を覗き込んで来るシャトンに、困り顔を見せる文太。
 そっか……と呟いた彼女は、暗い空間を思い出す。
 帰って来なくなったあの人。その結果変わってしまった人。
 寂しくて怖くて――押し入れにずっと隠れて……。
 胸にこみ上げる苦い感覚を振り払うように頭を振ったシャトンは小さくため息をついて彼を見上げる。
「あ。でも、オレ文太の家族は見てみたいな」
「ん? 別に普通のおっちゃんおばちゃんで珍しいことないで?」
「文太を育てたんだろ? どんな人達か気になるじゃん」
 にこにこと笑うシャトン。彼女の黒髪を、文太はくしゃくしゃと撫でる。
 ――彼女の過去は知っている。
 故郷にいい思い出がないことも。
 今更親に会いたいとも思わないだろう。
 それでも、一緒に行って……『ただいま』と。
 元気に戻れる場所があるといい……。
「……家族に会うって……婚前の挨拶みたいやわ」
 ぼそりと呟く文太。自分が何を言ったのか後で気づいたらしい。みるみる顔が朱に染まっていき……そんな彼が面白くてくすりと笑うシャトン。
 背伸びをしてそっと耳に口づける。
「……オレは、別にそれでも大丈夫だけどな?」
「……はっ!? えっ!? ちょっ」
「あ~。桜綺麗だな~」
 耳まで赤くなった文太の前を楽し気に歩くシャトン。
 来年もまた2人で、こうして桜を見られることを願う。


「うおお! 見ろよ、きょーや! 桜だぞ! 懐かしいなー!」
「ああ、そうだな。……律、食べなくていいのか?」
「そんなん後! これ見てたらじっとしてられねーって!!」
 桜の中に突撃する綿狸 律(ka5377)。
 子犬のように跳ね回り花弁を捕まえようとする彼を、皆守 恭也(ka5378)は盃を傾けながら見つめる。
「こっちに帰ってくることはあっても桜を見に行く機会とかなかったしなぁ……やっぱ故郷の桜はいいもんだな、きょーや!」
「ああ、そうだな」
「……なあ、きょーや。行儀悪い! 座って食え! とか叱らねえの?」
「ん? 叱った方が良かったか?」
「いや、そういう訳じゃねーけど……」
 不思議さを感じて従者の顔を覗き込む律。その蕩ける程に優しい金色の瞳に、彼は思わず固まる。
「めでたい席でとやかく言うのも下世話というものだし、お前が楽しく過ごせるのが一番いい」
「な、何だよ!? きょーや最近優しいぞ!!?」
「婚約者に優しくするのは当然だろう」
 律に手を伸ばして髪を撫でる恭也。
 何だかドキドキして立ち上がろうとする律に、恭也がそうだ……と声をかける。
「そういえば、式の日取りを教えるようにとせっつかれていてな。何時がいいだろう。やはり過ごしやすい季節の方がいいか?」
「えっ!!? し、式ぃ!? あー、えーと……あっ! 見ろよきょーや! あの桜きれーだぞ!」
 ボフッと音がしそうなくらい一瞬で耳まで赤くなった律。
 アワアワと誤魔化してそっぽを向く様がまた愛らしくて、恭也はくつりと笑う。
 ――跳ね回る様も誤魔化す様も可愛いが、式の日取りがいつまでも決まらないのは困る。
 日取りも場所もおおよその目星はつけてある。進めておくとしよう。
 忠実な従者として、婚約者として頼れるところを見せておかねば……。
「……きょーや、どうした?」
「いいや。何でもない」
 小首を傾げる律に微笑みを返す恭也。
 彼の驚く顔を見るのが楽しみである。


 花が咲くのも、人が笑うのも、そこに命があるからだ。
 こういった景色を守るためにも、守るための力は必要だ。
 ――だから。もっともっと強くなりたい……アークは改めて思う。
 でも、難しいことは抜きにして。この空気、このひと時に身を浸そう――。

 遅咲きの桜の下。ハンター達の笑い声がいつまでも続いていた。

 余談:酒をしこたま飲んで酔ったサクラは勢いよく脱ぎ始めた為、途中で回収されました。

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参加者一覧

  • 亜竜殺し
    榊 兵庫(ka0010
    人間(蒼)|26才|男性|闘狩人
  • 弾雨のイェーガー
    冬樹 文太(ka0124
    人間(蒼)|29才|男性|猟撃士
  • 元気な墓守猫
    リューリ・ハルマ(ka0502
    エルフ|20才|女性|霊闘士

  • ノノトト(ka0553
    ドワーフ|10才|男性|霊闘士
  • 冥土へと還す鎮魂歌
    日下 菜摘(ka0881
    人間(蒼)|24才|女性|聖導士
  • 英雄譚を終えし者
    ミリア・ラスティソード(ka1287
    人間(紅)|20才|女性|闘狩人
  • 光森の太陽
    チョココ(ka2449
    エルフ|10才|女性|魔術師
  • 星を傾く者
    サクラ・エルフリード(ka2598
    人間(紅)|15才|女性|聖導士
  • 茨の王
    アルト・ヴァレンティーニ(ka3109
    人間(紅)|21才|女性|疾影士
  • 小さな望み
    シャトン(ka3198
    人間(蒼)|16才|女性|霊闘士
  • 部族なき部族
    エステル・ソル(ka3983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 黒風の守護者
    黒戌(ka4131
    人間(紅)|28才|男性|疾影士
  • 千寿の領主
    本多 七葵(ka4740
    人間(紅)|20才|男性|舞刀士
  • フリーデリーケの旦那様
    アルマ・A・エインズワース(ka4901
    エルフ|26才|男性|機導師
  • 自在の弾丸
    キャリコ・ビューイ(ka5044
    人間(紅)|18才|男性|猟撃士
  • 仁恭の志
    綿狸 律(ka5377
    人間(紅)|23才|男性|猟撃士
  • 律する心
    皆守 恭也(ka5378
    人間(紅)|27才|男性|舞刀士
  • 芸達者なたぬきさん
    玄間 北斗(ka5640
    人間(蒼)|25才|男性|霊闘士
  • 九代目詩天の想い人
    龍堂 神火(ka5693
    人間(蒼)|16才|男性|符術師
  • 舞い護る、金炎の蝶
    鬼塚 小毬(ka5959
    人間(紅)|20才|女性|符術師
  • 流浪の聖人
    鳳城 錬介(ka6053
    鬼|19才|男性|聖導士
  • 内助の功
    ラース・フュラー(ka6332
    エルフ|23才|女性|闘狩人
  • “我らに勝利を”
    ラジェンドラ(ka6353
    人間(蒼)|26才|男性|機導師
  • 真実の探求者
    悠里(ka6368
    人間(蒼)|15才|男性|聖導士
  • 決意は刃と共に
    アーク・フォーサイス(ka6568
    人間(紅)|17才|男性|舞刀士

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ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/05/02 14:21:59