• 血盟

【血盟】百年旅~♭外部の戦い

マスター:深夜真世

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2017/06/07 07:30
完成日
2017/06/21 00:04

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

「やれやれ、これでエルフの隠れ里の件もひと安心やな。パイプの在庫が無事やとええが」
 闇の密売人、ベンド商会代表のベンドは一仕事終えた充実感とともにジル・コバルトとフラ・キャンディ(kz0121)の下宿先を辞した。
 と、そこにこつんと足元に石が投げられた。
 なんや、と首を巡らせると路地裏の暗闇に潜む男が頷いている。
 大して警戒することもなく近寄る、ということは何かしらの合図なのだろう。ベンドがそちらに行く。
 そこには整った顔立ちの男が気取った様子で立っていた。
「取引だ。……まあまあの品が手に入っている」
「なんや、宵闇さんとこのアルゼアやないか。取引はもうちょい先の予定やったろ?」
 さては金に困っとるんかヒヒヒ、と冷やかすベンド。宵闇さん、とはジェオルジ界隈で暴れるならず者集団「セラータ・スパーダ」(宵闇の剣)。二年前には春郷祭で暴れようとしたところ、警備に呼ばれたハンターたちと小競り合いをしたこともある。
「鮮度の高いものは嫌いか?」
「……なるほどなぁ。ほなら、河岸変えようか」
 連れだってさらにいかがわしい場所へと移動する。

「まあ、こっちとこれはこの値段や。ほかはちょいと二束三文になるなぁ」
 落ち着いたいかがわしい店で宝石類を仕分けるベンド。ちなみにこれらの宝石はすべて偽物などではないがいかがわしい手段で入手した品々だ。
「もうちょっと色を付けてほしいんだけどなぁ。でないとボスにぶっ殺される」
「グランジにか? ぶっ殺されときゃええやないか」
「ただぶっ殺されるなら別にいいんだが、男前が台無しになるだろ? それより、面白い話をしたらもうちょい弾むかね?」
「あん? 話によるなぁ」
 というわけで、むしろこっちが本命とばかりに身を乗り出し話し始めるアルゼア。
 内容は、人も通らない森の奥――といっても、だからこそワルが隠れることなく移動することができ、その目的で使うので距離は長いが非常にスムーズに移動できる山賊道の付近――で、人の腰くらいの高さもある大きな虫が移動しているのを見たというのだ。
「表面は土のようだった。最後は丸まって人よりちょい低いくらいの大きさになって転がっていったな。……歪虚に違いない。時にジェオルジは春郷祭の期間に入ろうとしている。人も集まるな。……なかなかいい情報じゃねぇか?」
「どっちに転がって行った」
 どうだい金になるだろ、と気取ったところに血相を変えて睨んでくるベンド。アルゼア、思わず鼻白む。
「あー、ええと……森の奥のほうに、かな? ……まあ、人里の方に行くなら直接近くの村に知らせてちょいと情報料もらうに決まってるじゃねぇかよ。そのくらい分かるだろ?」
 アルゼア、緊急性がない情報とバレてしまって視線を逃がしハハハとごまかす。
 が、ベンド。さらに前のめりになりアルゼアの胸ぐらをつかんだ。
「いいから正確な位置と向かった方角を教えんかい。ことによったらフラの嬢ちゃんらにどえらい影響が出るかもしれんのや。それによってたっぷり色つけたる!」
 激高するベンド。アルゼアの説明を聞いてさらに面を険しくした。
「お、おう。いいか、目撃したのはな……」
 詳しく聞くと、エルフの隠れ里「♭」の近くに移動する可能性が高いことが判明した。
「ルモーレの手下である可能性が高いの……フラの嬢ちゃんたちに知らせて増員も手やけど……ルモーレの見張りに手勢がばれて対処されても洞窟突入に支障がでるやもしれへんし……」
「ちょい……ルモーレって、「ラパーチェ・ラーロ」か? 伝説だろ? 何を大昔の話をしてんだ?」
「歪虚の堕落者となって復活しとる。これまで出会ってないなら「セラータ・スパーダ」も運がええの。……その運、大切にするこっちゃな」
 よし、フラの嬢ちゃんたちには知らせず別働隊として後から到着するようにしよか、と腹を決めるベンドだった。

 というわけで、フラの隠れ里近くで「粘土丸虫」を倒してくれる人、求ム。

リプレイ本文


「フラさん、という方はどんな人なのですか?」
 現場へ移動中の森の中、マリエル(ka0116)が聞いてみた。
「短くきれいな音の出る、鈴のような少女、かしら」
 アリア・セリウス(ka6424)はフラ・キャンディ(kz0121)をそう評し柔らかく微笑する。独特の感性にマリエル、「えーと、それは……」と困り気味。
「いや……」
「どーゆーことなのだ?」
 見かねたオウカ・レンヴォルト(ka0301)が口を挟もうとしたが、横から元気にネフィリア・レインフォード(ka0444)がどストレートに口を挟んだ。オウカ、発しかけた言葉を止めやれやれと成り行きを見守る。
「ネフィリアみたいな小さなエルフの女の子。……少し寂しそうなのは、「百年目のエルフ」として里から出たからかしらね」
 アリアの説明は独特ではあったが先ほどよりは分かりやすい。
「今度のはよく分かったぜ。その里を救えばいいんだよな?」
「了解だ」
 この説明に岩井崎 旭(ka0234)が納得して明るく請け合う。その後ろでは元サルヴァトーレ・ロッソのCAMパイロット、須磨井 礼二(ka4575)が手短に頷く。
「それより、ベンド商会……」
 細い顎を引き、少し考えるアリア。
 ベンド商会、アムたちアマリリス商会の背後にいるということらしい。が、闇の密売人と聞いた。アリアの脳裏に不安がよぎる。
 いや、すぐに顔を振った。続けて思いを巡らせる。
 奥で必死で戦っている人がいる。そして完全に悪でも黒でもない、むしろ助け合う仲となるなら……。
 ――ここでひとつ手を貸すのもよいでしょう。
「……ましてや、彼も人を助けたいのならば」
 密かに呟いた時、遠くから戦いの気配がした。

「見たかぁ、テニスはパワーだ!」
 エルフの隠れ里「♭」入り口洞窟前で、テニヌ四天王が堕落者「ルモーレ」配下の泥人形や岩人形と戦っている。「いーや、空中戦闘力だ」、「速度に決まってる」、「……支配力だろ」などそれぞれ持論をぶちまけつつ打撃戦を展開中。
「真面目に戦おうよう」
 フラを含めテニヌ五虎将軍の名称で用品販売などに駆り出されることもあるが、フラは彼らと距離を置いて戦っている。
 戦況はフラたち優位で、ほぼ現場を制圧している様子。
「光る核を倒さないとすぐ復活するよ?」
「そんなこと言われんでも……」
 この時、地響きが。
 ごろごろごろ……と何か急接近する音も!

「あーっ! でっかい団子虫……じゃない粘土虫が森の向こうから突然突っ込んできたのだ!」
 フラたちの戦う広場の様子に目を向いたネフィリア、いてもたってもいられなくなり現場に急ぐ。
「安心しろ、素材は泥だが形状はダンゴムシだ」
「まずい! ……まず引き剥がしてやる!」
 オウカ、ネフィリアの言い直しにぽそりと突っ込みつつ始動。礼二も駆けた。
 それもそのはず。
「完全に奇襲になってるな!」
 走る旭の言う通り、勝利間近に突然の乱入。フラたちは一発で手ひどくやられて倒れていた。敵の突撃スピードが尋常ではなかったこともあるが、無防備な背後から襲われ二体に挟まれプレスされるなど完全にイニシアチブを取られていた。
「まずは救出ですね!」
「囮になりましょう」
 マリエル、フラの方に走る。アリアは反転していったん離れる敵から目を離さない。
 ここで、援軍の六人が森から出て戦闘エリアに突入した!



「無事か?!」
 倒れた仲間にフクロウの翼をはやした旭が駆け寄る。手にハルバートを掲げ転がった敵を見据えかばうように膝をつく。
「え? 何?」
「あっちが援軍ならこっちも援軍ってな!」
「ベンドさんに頼まれたの」
 たじろぐフラににやりと旭。アリアも傍に来て説明。すぐに敵の方に行くが。
「大丈夫ですか? ここは私達がくいとめます。皆さんは一度下がって体勢を整えてください」
「す、すまねぇ」
 マリエルが全員にフルリカバリー。その後、フラたちはすぐに下がった。場所は……森の中となる。後にあのような事態になるとは誰も思いもしなかったが。

「二体か。どうする?」
 オウカ、背負っていた包みを丁寧に開き確認する。抜身のままの斬魔刀「祢々切丸」が姿を現した。
「あんた、自分がやるって顔してるぜ? 一つは俺が引き付けとこうか?」
 旭、にやりと確認。
「すまん」
 オウカ、ぶんっと一つ祢々切丸を振るうと左のダンゴムシを選択し駆ける。
「お先に!」
 礼二はジェットブーツでオウカを追い越し先行し……。
「まずふっ飛べ!」
 試作鉄甲「エチイベ」にアルケミックパワーを込めた拳をぶち込む。方向転換しようとして止まっていたところ、ごろ、と横に転がる敵。重量がある分ふっ飛ばないが。
「タイヤ殴ってるみてえだぜっ」
 撃ち抜けない手ごたえにイラっとする礼二。ついでに、攻撃で転がるということは威力を逃がしているのかもしれない。
「ふん」
 二撃目はオウカ。まずは素直にダウンスイングをしたが……。
「確かに弾力があるか?」
 転がり逃げないような攻撃でも粘り強さを発揮しているようだ。オウカ、これは手短にはいかんな、と直感する。
「もう一体を抑えてる間にさっさと一体を倒さないとなのだ! 思いっきりいく……わあっ!」
 さらに回り込んでいたネフィリアが殴ろうとした時には敵は加速し転がり始めていた。フラたちの方ではない。
「逃げた、と見るべきかしら?」
 残ってフラたちが狙われた場合に囮として誘引しようとしていたアリア、これに対応する。雪色の光宿す神楽刀がきらりと光り円弧を描く。
 が、手ごたえ薄い。
 弾力もあるが、その大きさゆえ少々斬っても平気といった感じだ。
「粘土で玉虫……相手にはしたくない分類ね」
 そう言ったのは、敵が丸まったのをやや解除してジャンプし体当たりして来たから。
 いなしつつ衝撃に耐え、結構手ごわいと実感する。

 こちら、旭。
 銀色に輝いている。
 古びた金属鎧の精霊「サレオス」、顕現。サイズアップして肉弾戦に挑む!
「これ以上、好き放題はさせないぜ!!」
 赤い腕輪から青き炎のような光が揺らぎ、ダンゴムシがもう一方に行こうとするのを反らした。オウカたちの狙うもう一方から完全に分離する作戦だ。サンドイッチ攻撃の威力は守備隊がやられた様子でヤバいことが分かる。体を張る理由である。
 が、別方向に行くかと思いきや一度軽く跳ねて逆回転。空中で溜めた回転で着地と同時にバックスピンで襲ってきた!
「何?」
「守って、光の壁!」
 旭が回避か体を張るか迷いむしろ最悪の体勢になったが、後ろからマリエルの声。
 同時に目の前に光の防御壁ができてダンゴムシの突撃を止めた。残光を散らしつつ消える障壁。
「サンキュ」
「何とか二人で抑えたいですよね」
「ああ。さっきは油断したが、あれさえ気を付ければ……」
 走り去ろうとするダンゴムシを追う旭。二人で頑張れば残りの一体は四人がまず何とかしてくれると信じる。
 そして森の端で止まったところに……。
「捕まえたぜ、暴れん坊! 転がって跳ねまわれなきゃ体当たりも何もねーだろ!」
 敵の傍に踏み込んで頭上から幻影の腕を出し、それでつかんで抑え込んだ。
 初動をがっちり止めることで助走など移動エネルギーを溜め込ませない。
 が、拘束は一瞬。旭がハルバートで攻撃をくわえようとしたところで横に転がり逃げようとする。
「任せてください!」
 マリエル、果敢にそちらに身を入れる。掲げるはオイマト族に古くから伝わる騎兵用の盾。これで敵の初動を止めた。
「できるだけ削っとくぜ!」
 マリエルとの連携から改めて連撃を叩きこむ旭だった。



「ジェットブーツ!」
 礼二はもう一体を密着マークしていた。旭やマリエル同様、助走付きでの攻撃を防ぐのとフラたちが狙われないようにするためだ。前方に最大攻撃が発揮される半面、ほかの方向には攻撃が来ないため並走すれば安全というクレバーな立ち回りである。 
 が、突然のバックスピンなどにはてこずる様子。
「おわっ……っ、この巨大スーパーボールが!」
「……攻撃は斬り削ぐのが効果的かもしれん」
 方向転換からの体当たりにしりもちをついた礼二と入れ替わりにオウカが体を入れつつ祢々切丸一閃。引き斬るようにして確実に斬っていく。
「同じく思っていたこと。共鳴するよう」
 ここでアリア、敵の直線行動に対しぐるっと回り込んだ。オウカの対面、挟撃の位置にすかさず入る。手にした大太刀に自らの願いと憧憬を織り重ねた燐光のようなマテリアルを纏わせた。
「……踊れない以上、ここで斬り散らされない?」
 すぱっ、と斬りつけると同時に歌うような澄んだ音が響く。切れ味の深さで舞い散る泥。
 たまらず方向転換する敵。
「逃がすわけにはいかん」
 オウカ、続けて略式祝詞【月守之盾】。
 攻撃ではなく、敵の逃走を一瞬止めたのは……。
「むぅ、君にあまり時間を掛けていられないのだ!」
 ネフィリアが万全の態勢で飛び上がって突っ込んでいる。助走はスピードに乗り、跳躍は高いッ!
 そして腕のナックルは砂を固めた棍状の……いや、猫の手みたいになっているぞ!
「粘土は砂で抉るのだー!」
 奥義、渾身の猫パンチ――もとい【砂紋】の一撃が敵に入る!
 が、敵もさるもの。食らった勢いで下がったが、そのままいったん距離を取る行動に出る。
「逃がさん。ジェットブーツ!」
 礼二の徹底したマンマーク。肩から腕を覆う魔導ガントレットでがんがん攻撃をぶち込んでいく。
「後ろはないわよ?」
 回り込むアリア。もちろん攻撃も食うが……。
「くるり旋風の烈刃、舞い転ずるは、月のように怜悧にね?」
 リズムに乗っている。パリィグローブで受け、その勢いを回転に生かして横薙ぎ一閃。
「ここまで来たら遠慮はしないよ♪ 本気の奥義発動なのだー!」
 猫、違った、ネフィリアも生き生きと敵を追いかける。
 そして!
「大きな猫さん登場ー♪」
 祖霊を纏って巨大化し、ぺしっと猫パンチ!
「これを待っていた。情報通りだ」
 砕け散った泥の中から姿を現した光体を狙っていたオウカ、間髪入れずすぱっと切り完全討伐した。

 この時、マリエル。
「フラさんたちの方には行かせません」
 光の障壁で南方面へダンゴムシが転がるのを防いでいたが……。
「え?」
 これまでのようにそれでも前進することなく、軽く跳ねた。
 で、着地と同時にバックスピン。しかも右斜め後方に!
 そちらには誰もいないのではある、が!
「まさか……」
 マリエル、その先に洞窟入り口があることに気付いた。
 明らかに狙っている弾道!
 洞窟に逃げるのか、それとも入り口を潰すのか?
「ノーマークだと思ったか? どっちもさせないぜ!」
 ダンゴムシについていた旭、サッカーのゴールキーパーのように横っ飛びしつつファントムハンド。
 がしっ、と幻影の腕の手が敵に掛かると……。
「くそっ。どうだっ!」
 態勢不十分ながらなんとか幻影の腕を振るい軌道からはじき出す。
 ――どぉん……。
 敵の体当たりは洞窟入り口の横。そのままごろ……とバックし次の一撃の準備。
「そうはさせねぇっ!」
 そこに礼二、ジェットブーツ。洞窟に行かれないようギリギリ体を入れる。
 だが攻撃を食らってしまうぞ?
「間に合え!」
 ――ばちっ!
 礼二、攻性防壁で弾く。
 後退した敵だが、その後ろには……。
「♪人は戦う人は願う、望む明日を手に入れる為……♪」
 歌とともにアリアが回り込んでいるッ!
「待たせたな」
 ざざざ、とブレーキにした右足を踏ん張りながら斬魔刀を腰溜めに構えるオウガがその右に。
「残り一体、こっちは全力全開で行くのだ♪」
 左からはネフィリア。
 そして、アリアの歌も最終フレーズ。
「……刃、閃かせましょう♪」
 三方向からの一斉攻撃!
 ――ばしっ!
 雑魔の纏っていた泥が一斉に弾け飛んだ。
「これで終わりだ!」
 残った光体は旭がハルバートを伸ばして渾身の突き。
 敵、これで全滅。
 ……のはずだったッ!



「おらっ、道を開けろ! こちとら機嫌が悪いんだ!」
 ひゅんひゅん、といくつものナイフがものすごい勢いで飛んで来た。
 洞窟方面からで、ちょうど全員が背を向けていた。
 まったくのノーマーク。全員手痛く食らってしまう。
「え?」
 唯一離れていたマリエルの方にも。
 咄嗟にホーリーヴェールを張るが、崩しのナイフと本命のナイフが飛んできているので本命が刺さる。
「ルモーレ! どうしてここへ?!」
 森の中からフラが顔を出して叫ぶ。
「知るか。洞窟を封鎖してねーなら奇襲されても仕方ないだろ!」
 全員が、来るか、と身構えていたところ、堕落者のルモーレは全力で中央突破。
 まんまと走り抜け逃げられてしまった。
 ルモーレの言う通り、フラたちを引かせるなら洞窟内に見張りとして配置し両戦場を分断しつつ伝達係にすることで奇襲は免れたかもしれない。もっとも、その場合は負傷していたフラたちがさらにダメージを負っていた可能性もあるが。
「フラさん、もしかして今のが里を滅ぼした敵のボスですか?」
「うん。みんなが中で戦ってたはずなんだ!」
 マリエルに問われ不安そうにするフラ。
「それならすぐに行ってみるのだー!」
「待て」
 興味がなくはないネフィリアが洞窟に突入しようとしたのをオウカが一喝して止めた。
「逃げたのか増援に行ったのか分からん」
「確かに。ここを守っていた方がいいかもしれません」
 オウカの説明に頷くアリア。
「悪くて増援なら、あっちが全滅ってことはないよな?」
 旭、冷静に考える。
「偵察してこよう」
 何かあればジェットブーツがもう一回使えるから、と礼二が洞窟内に入って行った。
 ちなみにこの時、最初に闘っていたテニヌ四天王が言い合いをしていた。
「ええい。無様を晒してしまったではないか!」
「何おう、スピードがあればいま見たように並走してだな……」
「あー、仲間がうるさくてすまんな。増援、感謝する」
 とりあえずリーダーらしき者が良い戦いを見せてもらった、と戦術的手法を評価しながら礼を言った。
 ここで偵察の礼二が帰還。
「里の戦闘も終わってた。さっきの敵ボスは滝から逃げようとしたのを止めたところ、逆を突かれて洞窟から逃げられたそうだ」
 ダメージも結構あるからいったん引くらしい、とも。

 とにかく敵ボスの乱入はハプニングだったが作戦は成功。
 もともとハンターの任務ではここに居座って防衛もできないので引くことになる。
「いいの?」
 アリア、フラを気にした。
「うん……。ボク、里からは追放されてるし」
「でも、もう……」
 マリエル、言外に滅ぼされて誰もいないんだから気にする必要はないのではないか、と視線で聴いてみた。
「里は……まだ生きてる」
 フラ、言い切った。自分自身迷っていたのを強引に断ち切るかのように。
「里は全滅したんじゃなくて、まだ精霊さんがいるから」
 最後の言葉は優しい響きがある。

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MVP一覧

  • 戦地を駆ける鳥人間
    岩井崎 旭ka0234

重体一覧

参加者一覧

  • 聖癒の奏者
    マリエル(ka0116
    人間(蒼)|16才|女性|聖導士
  • 戦地を駆ける鳥人間
    岩井崎 旭(ka0234
    人間(蒼)|20才|男性|霊闘士
  • 和なる剣舞
    オウカ・レンヴォルト(ka0301
    人間(蒼)|26才|男性|機導師
  • 爆炎を超えし者
    ネフィリア・レインフォード(ka0444
    エルフ|14才|女性|霊闘士
  • 崑崙の壁
    須磨井 礼二(ka4575
    人間(蒼)|25才|男性|機導師
  • 紅の月を慈しむ乙女
    アリア・セリウス(ka6424
    人間(紅)|18才|女性|闘狩人

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
アリア・セリウス(ka6424
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2017/06/06 20:39:26
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/06/04 16:08:01