夏を迎える、その為に

マスター:風華弓弦

シナリオ形態
イベント
難易度
普通
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2017/07/19 07:30
完成日
2018/06/15 11:55

このシナリオは5日間納期が延長されています。

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オープニング

●時代遅れの街角で
「……ふぅ」
 ランプが照らす質素な工房で、大きな息がひとつ落ちた。
 華奢な肩が力を抜き、ヤスリをブラシに持ち替えるとそっと手元を払い、小さな『作品』へ注意深く目を凝らす。
 淡い光を反射する、細い銀の曲線。
 小さな薄茶の丸い貴石の周りには、細長い黄色の貴石が放射状に並んでいる。
 仕上がり具合を隅々まで丁寧に確認してから、ドワーフの宝飾細工師は小さく頷き。
 出来上がった品を保護用のケースに収めたプレシウ・フレーシュは、急ぎ足で質素な工房を後にした。

 ちりちりと、暑い日差しが肌を刺す。
 海の上を渡ってきた風はいくらか涼を帯びてはいるが、それでも生ぬるく。
 運河岸の日陰に寄せられたゴンドラで、一匹の灰色猫が大きなあくびをした。
「おや、お前さんの御主人は食事休憩かね? それとも、荷届け中かな?」
 近くの宝飾店から出てきた初老の男が声をかけると、荷物の上に伏したまま猫は尻尾を気だるげに揺らす。
 だが不意に顔を上げ、恰幅の良い店主の後ろへ視線を投げた。
「運び物か、旦那」
 視線の行方を辿るまでもなく、聞き慣れた声が要件を問う。
 振り返ると、ゴンドラの猫に負けず劣らず気だるそうな配達屋が麦わら帽子で顔を扇いでいた。
 見た目、胡散臭そう(うさんくさそう)な長身の男はゴンドラを操り、この周辺一帯で何でも運ぶ仕事をしている。
「ああ、ちょうどよかった。なぁに、大した事じゃあない……大した事ではないが、どうしようかと少しばかり困っておってな」
 ぼやきながら初老の店主が手招きをし、宝飾店の裏手に消えた。
 後に続いて店に入った配達屋は、すぐに脱力感を覚えながら「やれやれ」と頭を振り、溜め息を一つ。
「なるほど? こいつは『困りごと』だな」
 商談用のスペースにあるソファには、ただひたすらプレシウが眠りこけていた。
「朝早く、頼んでいた商品を届けに来てくれたんだがね」
 事情を説明する店主は、ちらとテーブルの上を見やる。
 そこには小ぶりのブローチやペンダントが数個、並んでいた。いずれもヒマワリを模したそれらは、数日後に迫った『夏迎え』用の商品だろう。
「検品をしている間に眠ってしまってから、もう半日以上こうでなぁ」
「プレシウの嬢ちゃんのことだ。まーた、寝ずに没頭してたんだろ」
 作業へ集中するあまり、彼女が寝食を忘れるのは珍しい事ではない……というか、むしろ良くあるというか。
 その辺は店主も察しているのか、苦笑交じりに同意する。
「声をかけても起きんし、かといって放っておく訳にもいかん。すまんが、家まで運んでやってくれるか?」
「請け負った」
 舟で運べるモノなら、荷物でも動物でも人でも配達屋は運ぶ。
 軽々とドワーフ女性を抱え上げる男のために宝飾店の店主はドアを開け、配達用のゴンドラまで付き添った。
 岸を離れるゴンドラを見送り、ほっと安堵の息を吐く。
「今年も、いい夏迎えになるといいが……ともあれ仕事仕事、と」
 そして暑い日差しを避けるように、初老の店主は早足に店の中へ戻っていった。

●来るべき夏の迎え方
 ――本格的な夏を前に、美味い物を食べて備えよう。
 それが、この付近の住人に根付いた習慣の一つ『夏迎えの祭宴』だ。
 盛大な祭ではなく、運河岸の広場で焚き火を囲んで酒を飲み、持ち寄ったご馳走を食べる程度。
 町内の宴会といった規模だが住人達は毎年それを楽しみにし、来る者も拒まない。
 そのせいか、あるいは街の誰かが気を回したのか、今年はハンターオフィスに小さく宴の告示が掲示された。
 もちろん、手ぶらだろうが手土産持参だろうが、参加は自由だという――ハメを外し過ぎない限りは。

リプレイ本文

 日に日に強くなる日差しに変わっていく風の匂い。夏が迫る小さな島に、爽やかな海風が駆け抜けて行く。
 広場には夜に焚かれるであろう焚火の準備か。薪が集められ、そして太陽のように明るい黄色い花で彩られている。
 賑やかな景色の中に、顔見知りの女の子を見つけて劉 厳靖(ka4574)は手を挙げた。
「よう、エステル。お前さんも来てたのか」
「あ、こんにちは。厳靖さん」
「アニキはその後元気か?」
「……兄は相変わらずです。戻って来たと思ったらまた出かけて行って……」
「まあ、男はそういうとこあるわな」
 立ち話をするエステル・クレティエ(ka3783)と厳靖。そこにアルカ・ブラックウェル(ka0790)が太陽のように輝く髪を靡かせて走って来た。
「エステル! こっちこっち……って、お知り合い? こんにちは」
「はいよ。こんにちは。友達待たせてるのか。こりゃ失礼。楽しんできな」
「はい。ありがとうございます。それじゃ……あっ! 厳靖さんお酒だけじゃなくて普通の水分もちゃんと取ってくださいね!」
「へいへい」
 笑顔で手を振るエステルにひらひらと手を振り返す厳靖。
 後方で威勢のいい声が聞こえて振り返る。
「よっしゃー! 大漁っす!! もういっちょ行くっすよー!!」
「ひゃっほー! 水だぜーー!!」
「……何やってんだあいつら」
 無造作に魚籠をひっくり返して籠に貝や魚を放り込み、再び海へと戻っていく無限 馨(ka0544)。どうやら素潜りをしているらしい。
 そして時雨(ka4272)は運河に飛び込んだところを見ると泳ぐつもりなのだろうか?
 若者たちの背を見送って、厳靖はくつりと笑う。
「随分と元気なこったな」
「かっこいいお兄さん、向日葵はいかが?」
 今度は下から聞こえた声に目線を移した彼。幼い少女が黄色い花の飾りを差し出しているのに気づいて、恭しく受け取る。
「俺に向かってカッコイイお兄さん、か。嬢ちゃん商売上手になるなぁ」
「そうなの? そう思ったから言っただけなんだけど」
「ハハハ。こりゃ本物かもしれん。花と世辞を貰って何もしないのでは男が廃るな。何か手伝うことはあるかい?」
「父さんたちがこれから薪組みするの。重いから大変って言ってた」
「そうかい。じゃあそれを手伝うとしようか。案内してくれるかい?」
 こくりと頷き、歩き出す少女。その先には息の合った動きで運ばれてきた樹を選別する杜若(ka4559)と鬼揃 紫辰(ka4627)の姿があった。
「紫辰殿、この薪は大きい。焼き串を立てる支柱へ回そう」
「請け負った」
「しかし時雨殿はどこに往かれたのであろうな……」
「……一緒に来ていた筈なのだが、ちょっと目を放した隙に消えておられた」
 顔を見合わせる2人。座長はとても気の良い人物だが、行動力が有り余っている節がある。
 何事もなければ良いのだが――。
 2人のそんな願いも空しく、人々の騒ぎ声が聞こえてきた。
「……何かあったのだろうか」
「何やら運河で人が流されているとか……」
 それは一大事と運河に駆けつけた2人。
 見覚えのある人物がどんぶらこっこと流されている様を見て絶句する。
「座長ォーー!!?」
「何をされておるのですか!!?」
「がぼがががぼぼぼぼ」
 ほぼ同時に我に返った紫辰と杜若。時雨は何か言っているようだが聞こえない。
 慌てて駆け寄り、彼女を引き上げる。
「時雨殿! 大丈夫に御座いますか!? 誰か、時雨殿に拭くものを……!」
「これを使え! 風邪でも引いたらどうするのだ……!」
「暑かった。冷まそうと思った。反省している」
 水を飲んだのか、咳き込む時雨。正座で反省の弁を述べる彼女を、杜若と紫辰がタオルでごしごしと拭く。
「飛び込むにはまだ早いです! 宴はこれからでございます!」
「そもそも飛び込まないで戴きたい!!」
「反省してるって!!」
 畦一座の面々がそんな事をしている間に祭の準備はどんどん進み、屋台にも食材が並び始め――村のあちこちからいい香りが漂って来る。
 肉の焼ける香り、フルーツの甘い香り……。鼻をくすぐるそれに、チョココ(ka2449)のお腹がぐーーー……と大きな音を立てる。
 魚の脂が焼ける香ばしい匂いに釣られてフラフラと歩くと、黒戌(ka4131)が串を通した魚介を炭火で炙っていた。
「黒戌様、こんにちはですの!」
「やあ、これはチョココ殿。今日は良い天気に恵まれて何よりでござるな」
「はいです……うぅう……」
「如何された?」
「わたくしお腹空いたですの……。黒戌様、それは何ですの?」
「これはイカとアジに塩を振ったものに御座る。アジは馨殿が獲って来たものでござるよ」
「美味しそうですの! それ予約するですの!!」
 そう言うなり、屋台の前に陣取るチョココ。それに釣られたのか、彼女の後ろに人が並び始めている。
 自分が持ってきたイカは沢山ある。魚馨が獲って来た魚介類もこれからまだまだ増えそうだし。
 少し早く開店しても問題ないだろう……。
 そう判断した黒戌は、汗を拭いつつ魚介を焼く手を早める。
 その時、麦わら帽子を団扇代わりにした胡散臭い男が通りかかった。
「よう、黒戌。精が出るな」
「これは配達屋殿。久方ぶりで御座る。お変わりありませぬか」
「お陰さまで、食いっぱぐれることはないが……しかし、この暑いのに良く火使う気になるな」
「配達屋サン、知らないノ? お魚は焼くと美味しくなるんダヨ?」
 炭火から立ち上る熱気にうんざりとした目を向ける配達屋(kz0169)。気づけば隣に立っていたパトリシア=K=ポラリス(ka5996)に、驚く様子もなくため息をつく。
「焼き魚が旨いのは知ってる。だが暑いのは御免だと言ってるんだ」
「そーナノ? ねえねえ。最近、どーめーのアチコチ大変ダケド、配達屋サンはダイジョーブ?」
「ん? ああ、今のところ商売に影響はないな」
「そっか! 良かったノ! パティはネー、前よりちょっと、強くなったのヨっ! ダイジにしたいノガネ、いろいろあるカラネ。配達屋サンも、もし何か困ったことがあっタラいつでも、声をかけてネ? パティも、そうする……」
 不意に消えたパトリシアの声。見ると、ディーナ・フェルミ(ka5843)が後ろから飛びついていた。
「パティちゃん発見なのー!」
「ディーナ! 久しぶりナノ!」
「久しぶりなのー! 一緒に食べ物が喉元に来るまで食べ歩こうなの!」
 満面の笑顔で言うディーナ。そこで初めて近くに立つ灰色の髪の男性に気付いたらしい。
 申し訳なさそうにアハハと笑う。
「あ。ごめんなの! お連れ様と一緒だったの?」
「いや、俺は連れじゃない。偶然会っただけだ」
「そーナノ! だから一緒に回れるノ!」
 配達屋の言葉にこくりと頷くパトリシア。
 そこに淡い青の浴衣に黄色の帯を合わせたメアリ・ロイド(ka6633)がしずしずとやって来た。
「……あら? ポラリスさんとフェルミさんじゃないですか。こんにちは」
「あっ。メアリ! こんにちハ! ひとりナノ?」
「はい。食べ歩きでもしようかと思いまして」
「やったの! 同士発見なの! 一緒に回るの!」
「えっ。あの……?」
「気を付けて回れよ」
 メアリの手をがっしと掴んで歩き出すパトリシアとディーナ。
 3人を、配達屋がのんびりと見送って――。


「お土産、喜んでもらえて良かったね」
「ああ。俺には宝の持ち腐れなんでね。こういう場所で飲んで貰った方が酒も喜ぶだろうさ」
 潮を含んだ風に紫煙を吐き出したエアルドフリス(ka1856)。パイプを咥えた彼に、ジュード・エアハート(ka0410)は花のような笑みを返す。
 エアルドフリスは祭の主催に、手土産として酒を差し入れていた。
 彼が持ってきたものは上質なものばかりで、本当に良いのかと何度も確認されたが……エアルドフリスは意外にも下戸ゆえ、むしろこういう場で皆に楽しんで貰えた方が有り難かった。
 ふと、ジュードを見ると凍らせた果物を砕いて作ったスムージーとシロップがたっぷりのかき氷を持っていて――エアルドフリスはため息をつく。
「……ジュード。冷たいものばかり飲んでいると身体を冷やすぞ」
「いいの! エアさんで暖を取るから問題ないの!」
「こらこら。こういうところでは……な?」
「やーだー! 暑くてもくっついてたいんだもんーーーー!!」
 初心な村娘が囁かれたら何でも言うことを聞いてしまいそうなエアルドフリスの低い声。
 それを聞いてもジュードはめげる様子がない。
 エアルドフリスが器用に避けたり腕を外したりしても、めげずに抱き着いて来る。今やもうおんぶお化けだ。
 ――参った。いや、我が恋人殿はこれはこれで可愛いんだが。
 しかし、人前で……というのはどうにも抵抗がある。
 エアルドフリスが取った対策は、ジュードを人がいない場所へ誘導することだった。 
 2人だけの浜辺。海で足を濡らすジュードが着ているサマードレスと麦わら帽子は、去年エアルドフリスが贈ったものだ。
 良く似合っていて、自分の見立ては間違っていなかったと……彼は目を細める。
「どうかした?」
「いやぁ。前の夏のことを思い出してね」
「……前の夏? そういえば一昨年は向日葵の迷路に行ったよね」
「ああ、覚えているとも」
 一昨年も、去年も夏を共に過ごした。この夏も共に在る。
 決して当たり前ではない時間。今年の夏も……そしてこの先も2人で、時を積み重ねていけるといい。
 そんな願いを込めて、ジュードは帽子についているひまわりを海に投げ入れた。


「それにしても暑いわね」
「踊ったから余計にね! 汗かいちゃったわ」
 喧噪から離れ、ぱたぱたと手で仰ぐ高瀬 未悠(ka3199)。アルカも笑顔で汗を拭う。
 お祭りと言えばやっぱり音楽! といい、フルートを奏でたエステル。
 その音に釣られて、焚き火の周りには沢山の人が集まり、気付けば皆踊り出していた。
 踊って笑って……ちょっと疲れた彼女達は休憩をしに来たという訳だ。
 そこに、エステルが大きな盥を持って戻って来た。
「はい! 暑い時にはこれですよ! 2人共、足浸して下さい」
「わあ! 嬉しい! 丁度冷たいのが欲しいと思ってたの!」
「流石エステル気が利くー! じゃあ早速失礼するわね」
 いそいそと靴を脱ぐ彼女達。3人並んで盥に足をつけて、はぁ……とため息を漏らす。
「冷たさが心地いいわね……」
「本当、生き返るわ……」
 うっとりとする未悠とアルカ。エステルが無言なのに気づいて首を傾げる。
「エステル、どうかした?」
「大丈夫? 疲れちゃった?」
「ううん。2人共足が引き締まってて綺麗だなと思って」
「やだ。何言ってるのー? エステルだって綺麗な足してるのに」
「そーよそーよ!」
 きゃっきゃと盛り上がる3人。アルカが思い出したように鞄から包みを出す。
「ねえねえ、お腹空いてない? ボクお弁当作ってきたんだよ」
「踊ってお腹ぺこねこよ! 私もデザート持ってきたの!」
「私も果物を冷やしておいたんですよ。皆で戴きましょう」
 アルカに続く未悠とエステル。そのままお食事会となり――。
「ケバブサンド、甘酸っぱいソースが効いてとても美味しい! アルカは料理上手なのね。未来の旦那様が羨ましいわ」
「具材切って挟むだけだから簡単に出来るよ! んん。エステルのフルーツ美味しい! 冷やしただけでこんなに美味しいなんて……暑さも吹き飛ぶね」
「未悠さんのチョコムース濃厚で美味しいです! ベリーソースとのバランスがいいですね」
 足元の水は冷たく、潮風が頬を撫でる。
 涼みながら、親しいお友達と美味しい食事が出来るなんてなんて贅沢だろう……!
 3人は自然と笑顔になる。
「そういえば。2人共、片思いはその後進行してる?」
「えっ? 私はその……何というか、相変わらずというか……」
 アルカの問いに目を泳がせるエステル。その様子に、未悠が頬に手を当てる。
「その様子からすると会えてないのかしら? 私ももう何ヵ月も会えてないの。夢でなら毎晩会えてるのに……」
「あら。未悠ったら情熱的ね」
「そういうアルカはどうなのよ?」
「ボク? ボクはまあ……仲良くしてるよ? 今日の髪飾りの向日葵もあの人が選んでくれたんだ」
「ちょっと!! 詳しく聞かせなさいよ!!」
 ずずいっと迫る未悠に太陽のように明るく笑うアルカ。エステルも釣られてくすくすと笑う。
 絶賛片思い中の未悠とエステルとしては、幼馴染と婚約までしたアルカの話は興味津々で……夜の帳が下りても、女子会トークは尽きることがなかった。


「お兄さん、お祭りに参加しないの?」
 不意に聞こえてきた声に素振りをしていた手を止めたASU-R-0028(ka6956)。
 見ると、黄色い花を抱えた子供がこちらを見上げていた。
「おう、今休憩しようと思っておったところじゃ。……ところで、ソレなんじゃ?」
「これはヒマワリっていうお花だよ。今日のお祭りに使うの。お兄さんにもあげるね」
「おいおい。ワシにくれんのか? ハハハ。ありがとな!」
 渡されるままに黄色い花手にしたASU-R-0028。
 その花をまじまじと見つめる。

 《ワード・ヒマワリ:検索中……検索完了》
 《結果と照合中……照合完了》
 《記憶メモリに保存しました》

 ――ああ、また頭の中から変な声がする。
「お兄さん、どうかしたの?」
「いんや。キレイじゃと思っての」
「うん、お兄さんの髪と同じ色だね」
「ん? ああ、確かに! ワシの髪と同じじゃ!」
「この花はね。お祭りが終わったら海に投げるんだよ」
「そうなのか? よお解らんことするんじゃのー。ところで坊主。飲み物が売っている場所を知らんかの。出来れば酒か牛乳がええんじゃが」
「お兄さん喉乾いたの? 僕が案内してあげるよ。こっちだよ」
「おお、すまんのぉ」
 子供に手を引かれ、屈託のない笑みを浮かべるASU-R-0028。
 彼の脳内にはまた声が響き渡っていた。

 《夏迎えの祭宴……記憶メモリに保存しました》


「スイカはいかがですかー? よーく冷えてまーす」
 街並みに響くカランコロンという軽快な音。石畳を下駄で歩くと、何だか楽器のようだ。
 天王寺茜(ka4080)は浴衣姿で、良く冷えたスイカを配って歩いていた。
 日が落ちて焚火が点火されると、広場の気温はぐんと上がり、茜の額にも汗が滲む。
 暑さも相俟ってか、用意したスイカは瞬く間に人々の胃袋に消えた。
 みずみずしいスイカは、水分を補給するのにも丁度良かったのかもしれない。
 先程会った配達屋も、スイカをとても喜んでいた。
 島の人に、もっとスイカを食べて貰いたい……そんな事を考えていた茜は、とことこと歩くドワーフの女性を見つけた。
「プレシウさーん! こんばんは!」
「あっ。どうも……」
「さっき配達屋さんにもお会いしたんですよ。プレシウさんにも会えて良かった! はいこれ! スイカです! 良く冷えてますよ」
「あ、ありがとうございます。……あの、お祭り、楽しんで行ってくださいね」
「ありがとうございます。プレシウさんも楽しい事がありますように!」
 出会いと言うのはいいものだ。何気ない会話も楽しいし、こうしてお互いの幸運を願うことも出来る。
 手を振って別れた2人。茜が再び歩き出すと、蜂蜜色の綿毛のような髪が目に入った。
「パティ! こんばんは。楽しんでる?」
「アッ! アカネ! こんばんハ! もちろん楽しんでるヨ!」
「それは良かった。はい、パティもスイカどーぞ。取って置いたよ」
「わーい! ありがト!」
 茜からスイカを渡され満面の笑顔を浮かべるパトリシア。その後方で、ディーナの目がギラリと光る。
「ああっ。スイカ羨ましいのー! 私も食べたいの!」
「どうぞ! まだ沢山ありますよ。メアリさんもいかがですか?」
「あ、良いんですか……?」
「勿論! 浴衣結構暑いでしょう? これで涼んでください」
「ありがとう」
 受け取り、スイカを口にするメアリ。シャクシャクした食感と冷たさ、仄かな甘さが心地よい。
 ……それにしても、同行しているパトリシアもディーナも恐ろしく食べっぷりが良い。
 メアリはそんなに沢山食べる方ではないので、少しづつ味見させて貰えるのはとても有り難かったけれど。
 胃は大丈夫なのかと心配になってくる。
 そんなメアリの心配を余所に、ディーナは茜に聞き込みをしていた。
「ねえねえ、茜さん。今私達、絶賛全食品全制覇を目指し屋台巡り中なの。おススメの屋台あったら教えてほしいの」
「んー。黒戌さんがお魚焼いてたかな。あとはハナさんとマリィアさんが鰻の蒲焼とカポナータの屋台出してたと思ったよ。凄い行列だったから早めに行った方がいいかも」
「ありがとうなの! 早速行ってみるの!! パティちゃん、メアリさん、レッツゴーなの!」
 マイ皿とマイカトラリーを手に高速スキップで進むディーナ。その後を追うパトリシアとメアリを、茜は笑顔で見送る。
「気を付けて行ってねー!」


 気が付けば日もとっぷりと暮れて。島の広場の中央に設置された薪に火が点されると、祭はいよいよ最高潮を迎える。
 広場の一角を借りて屋台を営むマリィア・バルデス(ka5848)と星野 ハナ(ka5852)は、焚火が始まったことに気が付かないくらい、目まぐるしく働いていた。
「夏に元気を出すなら旬の野菜を食べるべきよね! あと夏バテには豚肉だったかしら」
 そう言いながら、旬の野菜と豚肉をガンガン油で揚げて行くマリィア。
 彼女が作っているのはカポナータというリアルブルーの料理だ。
 揚げた野菜をトマトソースとビネガーで味付けしたもので、コクのある味わいとなる。
 マリィアはそれに更にレモンを浮かべた赤ワインをつけて振る舞っていた為、村人にもハンター達にも人気を博していた。
「今回は東方茶屋じゃなくて東方元気亭ですぅ! 元気が出る食事、頑張りますよぅ!」
 そしていつもお祭りになると東方風の甘味処の屋台を出しているハナだが、今回は特別バージョンらしい。
 彼女は祭の開始前から奔走し、鰻が入手できるように村人に交渉していた。
 その甲斐あってか立派な鰻を沢山用意して貰うことが出来――今日は朝からバンバン釘打ちしてバンバン捌いてバンバン蒸して焼くを繰り返していた。
 同盟でも鰻を食べる風習はあるが、煮て食べることの方が多いと聞いた。
 蒲焼というのは珍しいようで……現在も行列が絶えぬ人気ぶりである。
「夏を乗り切る東方の食べ物、鰻の蒲焼と甘酒、冷やし飴はいかがですぅ~? 元気モリモリスタミナ回復ですぅ!」
「ハナ、朝からずっと働き詰めなんじゃないの? ちょっと休憩したら?」
「そういうマリィアさんこそ働き詰めですぅ! 鰻の蒲焼で元気出すですよぅ!」
 汗を拭いながら動き続けるハナに心配そうに声をかけたマリィア。
 ずいっと鰻の蒲焼を差し出されて、くすりと笑う。
「ありがと。折角だし戴くわ。ハナも良かったらカポナータ食べる?」
「ううっ。嬉しいですぅ!! 実はずーーーっと美味しそうだと思ってたんですよぅ!」
 差し出されたカポナータに目を輝かせるハナ。そこに、料理に舌鼓を打っていた村人たちが声をかける。
「姉さん達、疲れてないかい? 俺達店番やろうか?」
「折角の祭りだ。お前さん達も楽しまなきゃ損だぞ」
「わあ……お気遣いありがとうですぅ! お言葉に甘えて食べながら店番してもいいですぅ?」
「勿論だ! 踊りながら店番したっていいんだぜ!」
「じゃあ皆でガンガン飲んで食べて騒ぎましょ。元気になるにはそれが1番よ」
 村人たちの優しさに微笑むマリィアとハナ。赤ワインと甘酒で乾杯する。


「鰻の蒲焼を頂戴してきた」
「こんなところに来て蒲焼が食べられるとは僥倖だな」
「紫辰も食べるといい」
「これは有り難い。杜若殿も一献どうだ?」
「では少しだけ……」
 香ばしい匂いを漂わせる蒲焼を前に、紫辰から恭しく盃を受け取る杜若。
 時雨は2人の周囲を子犬のようにぐるぐると回る。
「お! いいな! それ美味そうだな!」
「時雨殿の分もありますよ」
「イカ焼きとスイカも用意してある。ほら、ここに座られよ」
「やったーーー! 戴きィ!! あ! 俺にも酒くれ!!」
 ずしゃーっと飛び込んできてそのまま着席した時雨。
 子供っぽい座長に、杜若も紫辰もくつくつと笑う。
 ――こうして一座の者と共に過ごす時間は格別で。
 いつまでも続けば良いと思う。


「成程。暑さに備える事は大切……ですよね。まぁ、気持ちだけじゃなくて、環境的にも備えた方が良い……気はしますけれど」
「暑いと冷たい酒が美味い。いいことじゃねえか」
 燃え盛る焚火を遠目に見つつ苦笑する天央 観智(ka0896)。厳靖は気にすることなくキンキンに冷えた酒を煽っている。
 こんなに暑いのに、火まで焚くなんて通常では考えられないと思うのだが。
 祭の風習というのは本当に不思議なものだ。
 きっとこれにも、1つ1つ意味があることなのだろう――。
 そんなことを考えていた観智。隣からゲホゴホと咳き込む声が聞こえて、ふと目線を下げる。
「……少しは落ち着かれました?」
「流石にちょっと死ぬかと思ったっす……」
「大事なくて良かったでござるな……」
「素潜りしてるのは知ってたが、随分無茶したもんだな」
 頭にタオルを巻いたままため息をつく馨に飲み物を差し出す黒戌。厳靖が呆れた顔をする。
 祭が始まる前から海に潜り、魚介類を採取して祭のメニューとして提供していた馨。
 海の中でうっかり強敵(と書いてライバルと読む)の巨大な蛸を発見。
 捕獲しようと奮闘するも、顔を覆われてしまい……あわや溺れかけたところを、ウォーターウォークで水面を歩いてやってきた観智に救われたという訳だ。
「観智さんの手は借りたっすけど、強敵には勝利したっすよ!!」
「……それ、ここまで運んで来るの大変でしたけどね」
 ドヤ顔で言う馨にぼそりと呟く観智。彼らの横には馨とさして変わらない大きさの蛸がうねっていて、チョココが目を丸くする。
「すごい大きいタコさんですのー!! わたくしより大きいですの! これ食べられるですの?」
「勿論。新鮮で御座るし刺身で食べても美味しいかと」
「バター焼きも美味いぜ」
「食べてみたいですのーーー!!」
 黒戌と厳靖の解説に目を輝かせるチョココ。
 どれ、絞めるかと立ち上がる2人に、村人たちが熱い声援を送る。
 人々の声。立ち並ぶ家々。古い町並み――それをぼんやりと見つめる馨の顔を、観智が覗き込む。
「どうかしました? もしかして具合悪くなりましたか」
「あ、いやいや。俺がここに来たのもこの近くだったなーって、思い出してたっす」
 ――あの時は突然見知らぬ土地に放り出されて先が見えなかったが、こうして何とかやっている。
 勿論大変だったこともあったけれど……それも、自分を作る一つになったかな、と思う。
「そうですね。僕達転移者にはなかなかの試練でしたが……悪くない、と言えるんでしょうかね」
「そうっす。結果オーライってやつっすね」
 にんまりと笑う馨に頷く観智。そこにチョココの大きな声が聞こえてきた。
「黒戌様と厳靖様が蛸に張り付かれてるですの! 助けてあげて欲しいですの!!」
「どうやら出番みたいですね」
「よっしゃ。ライバルを食う為に頑張るっすかね!」
 立ち上がる観智と馨。目標は暴れる大蛸だ。


 ――何故、彼女は浴衣じゃないのだろう。
 この前、狸柄の浴衣を笑ったのが悪かったのか?
 贈った髪飾りはつけているし、良く似合ってるとは思うけれど……これもまさか義務感だろうか。
 げに女心は難しい……!
「あの……。どうかしました?」
「いや。何でもないですよ」
 隣を歩くハンス・ラインフェルト(ka6750)のテンションが明らかに低くて困惑する穂積 智里(ka6819)。
 ――浴衣は暑いし、帯が苦しくてあまり食べられないし。
 今日は沢山食べる為のお祭りだからと思って普段着を選んだのだが……何故こんなにどんよりしているのだろう?
 男心は良く分からない――。
 真顔で考える智里。立ち並ぶ屋台を見ていたハンスの呟きが聞こえて来た。
「色々な料理がありますが……流石にシュヴァルツヴァルター・キルシュトルテはなさそうですね」
「シュヴァル……?」
「ああ、耳慣れませんでしたか。すみません。サクランボ酒のケーキのことなんですが」
「あ、それなら知ってます。ハンスさん、甘いもの好きなんですか?」
「いえ、子供の頃に良く食べましてね。時々無性に食べたくなるんですよ」
 遠い目をするハンス。そう言われて、智里は豚カツを思い出す。
 子供の頃、母や祖母が良く作ってくれた。同じものでも全然出来上がるものが違って……祖母が作ったものの方が好きだったのは、母に内緒の事実だ。
 ともあれ、好きなもの食べられないのは辛いと思う。
「あの。私で良ければ作りましょうか?」
「え。良いんですか?」
「はい。お菓子はきちんと手順さえ守れば食べられる物が作れますから……。今度作ってきますね」
「それでは差し入れを楽しみに。今日は私が目一杯奢りましょう」
「えっ。あのそれは嬉しいんですけど困ると言いますか……! 私、春郷祭で盛大に食べ歩きしてダイエット失敗してるんですよ」
「ん? どうしてダイエットなんてするんです? 十分愛らしいのに」
 素で言う彼にぼふっと赤くなる智里。彼女の様子に、ハンスは不思議そうな顔をして――。
 ああ、もう。本当この人の気持ちは分からない。この先、理解し合える日は来るのだろうか?
 それに応えるように、智里の髪の向日葵が、風に揺れた。


「皆とお出かけなんて嬉しいなぁ」
「ね。珍しいものばっかりよね」
「二人共。人が多いしはぐれると大変だから手を繋ご」
 顔を見合わせてうふふと笑うユウ(ka6891)とアティア・ディレン(ka6918)。
 あまりの人の多さに心配になったのか、T-Sein(ka6936)が手を伸ばして来て……ユウはその手に黄色が鮮やかな飾りを乗せる。
「ユウ、これは……?」
「向日葵の花冠。私が作ったの。アティアの分もあるよ」
「えっ。貰っちゃっていいの?」
「勿論! 2人の為に作ったんだから」
「ありがとう。素敵ね」
 思わぬプレゼントを頭に乗せたT-Sein。
 アティアはまじまじと花冠を見つめる。
「これがひまわりって花なのね。なかなか変わった花ね」
「うん。これは小さいけど、すごく大きい花もあるんだって」
「へえ……。見てみたいわね」
「大きな向日葵も屋台で売ってるんじゃなかな。見に行ってみよ」
 ユウとT-Seinの言葉にこくりと頷くアティア。
 古い町並みが夜色に包まれて、闇の底に点々と灯りが煌いている。
 彼女達がいた北方とは全く違う景色。あちこちにある屋台からいい香りが漂う。
「塩で焼いただけのお魚がこんなに美味しいだなんて知らなかったわ」
「ねえねえ、あっちにお肉もあるよ。食べてみようよ」
「賛成ー! あっ! 2人共! 移動する時は一緒!」
 キョロキョロしてすぐどこかに消えそうになるアティアとユウの手をしっかりと握るT-Sein。
 T-Seinが一番小さくアティアとユウに連れて歩いて貰っているように見えるが、実際は逆なのが面白い。
 広場を一周する頃には、3人の両手は魚や肉、冷えたフルーツ、向日葵でいっぱいになっていた。
「ザイン、随分いっぱい買ったね。持ち切れる? 手伝おうか?」
「大丈夫。ほら見て2人共。この向日葵、ザインの顔と同じくらいの大きさがあるよ」
「ホントね。こんなに綺麗なのに何だか投げてしまうの勿体ないわね」
「全部投げないで、少し持って帰ろうよ。種が取れるってお店の人言ってたよ」
「種……? 育ててみたいけど、向日葵は暖かいところでしか育たないよ」
「北方じゃ無理かしら。温室を用意すればいける……?」
 そんな話をしつつ、料理に舌鼓を打つユウとT-Sein、アティア。ユウは遠くに見える焚火の暖かな光を指差す。
「お食事終わったら、皆で並んで焚火を見ようよ」
「いいわね。その後にヒマワリを投げて、誰が一番遠くに飛ばせるか競争しましょう」
「面白そう。ザインもやりたい!」
 にこにこと笑うユウとアティア。T-Seinは表情は変わらないけれど、とても楽しそうで……。
 仲良し3人組の夏祭は、まだまだ続く。


「……馨さま、寝ちゃったですの」
「蛸と戦って疲れたんでしょう。ちょっと眠らせておいてあげましょう」
 ひそひそと話すチョココと観智。焚火の近くからは、軽快な音楽が続いている。
「祭りだ祭りだ! イヤッホー! 皆、向日葵は投げてきたかー!?」
「時雨殿! そのようにはしゃいで焚火に突っ込まないでください!」
「我らが座長殿は相変わらずだな……」
 得意の笛を吹く時雨とそれに合わせて三味線を弾く杜若。紫辰はそれを暖かな目で見守る。
「ウナギも、カポナータも、アカネのスイカも、みんな美味しかったノ♪」
「夏迎えの祭宴、とっても美味しいの! 来年も絶対参加なの!」
 膨れたお腹をさすり、満足気なパトリシアとディーナに、メアリは穏やかな目線を送る。
 向日葵の鮮やかな黄色。色とりどりの浴衣や衣装。そして手作りの料理の暖かさ……。
 どれもメアリの心に、仄かな灯をともしてくれる。
 私は、笑うことは出来ないけれど――人の笑顔は素敵だし、見ていたい。
 深まっていく夜。炭が増えた焚火の炎が、祭の終わりが近いことを告げていた。

(代筆:猫又ものと)

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MVP一覧

  • 止まらぬ探求者
    天央 観智ka0896
  • 赤き大地の放浪者
    エアルドフリスka1856
  • 語り継ぐ約束
    天王寺茜ka4080
  • 黒風の守護者
    黒戌ka4131
  • 正秋隊(紫龍)
    劉 厳靖ka4574
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミka5843
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデスka5848
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナka5852
  • 天使にはなれなくて
    メアリ・ロイドka6633

重体一覧

参加者一覧

  • 空を引き裂く射手
    ジュード・エアハート(ka0410
    人間(紅)|18才|男性|猟撃士
  • スピードスター
    無限 馨(ka0544
    人間(蒼)|22才|男性|疾影士
  • 陽光の愛し子
    アルカ・ブラックウェル(ka0790
    人間(紅)|17才|女性|疾影士
  • 止まらぬ探求者
    天央 観智(ka0896
    人間(蒼)|25才|男性|魔術師
  • 赤き大地の放浪者
    エアルドフリス(ka1856
    人間(紅)|30才|男性|魔術師
  • 光森の太陽
    チョココ(ka2449
    エルフ|10才|女性|魔術師
  • シグルドと共に
    未悠(ka3199
    人間(蒼)|21才|女性|霊闘士
  • 星の音を奏でる者
    エステル・クレティエ(ka3783
    人間(紅)|17才|女性|魔術師
  • 語り継ぐ約束
    天王寺茜(ka4080
    人間(蒼)|18才|女性|機導師
  • 黒風の守護者
    黒戌(ka4131
    人間(紅)|28才|男性|疾影士
  • 「畦一座」座長
    時雨(ka4272
    人間(紅)|18才|女性|霊闘士

  • 杜若(ka4559
    人間(紅)|16才|女性|疾影士
  • 正秋隊(紫龍)
    劉 厳靖(ka4574
    人間(紅)|36才|男性|闘狩人
  • 鬼面の侍
    鬼揃 紫辰(ka4627
    人間(紅)|22才|男性|闘狩人
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 金色のもふもふ
    パトリシア=K=ポラリス(ka5996
    人間(蒼)|19才|女性|符術師
  • 天使にはなれなくて
    メアリ・ロイド(ka6633
    人間(蒼)|24才|女性|機導師
  • 変わらぬ変わり者
    ハンス・ラインフェルト(ka6750
    人間(蒼)|21才|男性|舞刀士
  • 私は彼が好きらしい
    穂積 智里(ka6819
    人間(蒼)|18才|女性|機導師
  • 無垢なる守護者
    ユウ(ka6891
    ドラグーン|21才|女性|疾影士
  • 青龍の小刀
    アティア・ディレン(ka6918
    ドラグーン|22才|女性|聖導士
  • 狂える牙
    冷泉 緋百合(ka6936
    オートマトン|13才|女性|格闘士

  • ASU-R-0028(ka6956
    オートマトン|17才|男性|舞刀士

サポート一覧

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依頼相談掲示板
アイコン 【夏迎えの祭宴】相談(雑談)卓
天王寺茜(ka4080
人間(リアルブルー)|18才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2017/07/19 01:09:40
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/07/18 23:32:46