• 転臨

【転臨】フューネラル・マーチ

マスター:藤山なないろ

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
  • relation
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
3~6人
サポート
0~6人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2017/10/20 22:00
完成日
2017/11/05 20:52

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●呪い

 王国騎士団副長であった頃、ゲオルギウス・グラニフ・グランフェルトは、エリオット・ヴァレンタイン(kz0025)に対し、過去にたった二度だけ“呪い”を吐いたことがある。

『よいな。清廉でないお前に、価値などないぞ』

 一度目は、エリオットの王国騎士団長就任に際した王国歴1009年。そして二度目は、それから七年後にあたる昨年のことだ。
 正直なところ、騎士に品行方正という条件が必要か、と言われればそれはNOだろう。「そうであればより公的機関として運用リスクが低いはず」という見込みだけであって、必要条件ではない。だが、エリオットにとっては異なったのだ。当時の彼には「清廉さ」──品行方正であるということが必要条件とされていた。
 ホロウレイドを経て深く傷つき、倒れかけた王国を立て直すには“復興の象徴”が必要だった。リーダーシップを持ち、この国の新たな“光”として民の期待を集め、再興への旗を振る存在だ。当時若干24歳で千年王国の軍事の頂点に抜擢されるだけの価値が、彼の持ついくつかの要素、なかでも“清廉さ”にはあったということだ。

 秩序的で善性をもった、清廉な騎士。

 当時のエリオット・ヴァレンタインの印象を表すのならば、まさしくそうだった。



 エリオットが騎士団長に抜擢される少し前。ホロウレイド終結の翌朝のことだ。
 国王直属の精鋭部隊・近衛騎士団の揃いの鎧を身に纏った青年が、王家の墓前に立ちつくしていた。
 正直なところ、墓地へ一人やってきた赤髪の男にとってその青年は邪魔者だった。
 一人で祈りを捧げたい時もある。なにせ“親友”が命を落としたのだ。遺体はここにはなくとも、せめて──そんな思いでやってきたというのに。誰にもこんな姿は見せたくないという気持ちがあったからこそ、立ち入りがある程度規制されているここへ足を運んだのだが。
 ──近衛に“生き残り”が居たってのは、どうやらマジだったみてぇだな。
 後ろから見えるその姿は、どうにも頼りなげだった。
 本来ならば艶があるだろう漆黒の髪や、腕や脚部の装甲は、一晩たった今も落とされることなく返り血や埃にまみれたままだ。近衛の鎧を着ているというだけでかなり力量があることは想像に容易いが、確かに“こいつ”は相当の使い手だろうということが遠目でも分かった。しかし……立ち尽くす姿にはまるで生気がない。
(王直衛の精鋭部隊──それが肝心の王を亡くした挙句に生き残るなんざ恥ッ晒しもいいとこだぜ)
 赤髪は素直にそう思っていた。
「おい、坊主」
 黒髪の青年は、振り返らなかった。微動だにせず立ち尽くしたままだ。その姿に触発されるように、いら立ちを隠さず赤髪が近寄る。力なく垂れた腕を強引に引き寄せ、自分の方に振り向かせる。前髪の隙間から覗く瞳は赤くぎらついていたが、顔中乾いた血や体液に塗れたままの青年に表情はなかった。悲しみ、怒り、絶望──ありとあらゆる感情がそぎ落ちた“無”だった。
「なるほど、生き残りってのはテメェのことか。エリオット」
 まさしく『抜け殻』──あるいは都合よく表するなら、まっさらな『空の器』が、そこにあった。

●想い

 王国各地にメフィストが同時多発強襲を仕掛けている──中央から発信されたこの警報は、恐るべき速さで国中を駆け巡った。当然、聖堂教会の保有する聖堂戦士団も各地の案件に対応すべく大聖堂に駐留していた戦力までもを総動員して出撃準備を整えている最中だったが、しかし。
「……貴方、正気ですか?」
 聖堂戦士団の長ヴィオラ・フルブライトが怒声を上げた。
「王都を防衛するべき白の隊の“頂”でしょう? それを……ッ!」
 戦士団長室の奥から、机を叩きつけるような音が響く。
 昨年のメフィスト襲来事件以降、王国軍事の二本柱として戦士団は騎士団と連携を密にとるよう関係性が変化しており、今もその部屋では両組織の首脳二名が作戦会議を繰り広げているところだ。迎撃準備に慌ただしく行きかう戦士たちは、会議の物々しさに気づいているが、その“理由”の本質までは扉の奥に隠されている。
「貴方が王都を離れてどうするというのですかッ!!
 挙句、“どこに向かうかも教えられない”? ふざけるのも、いい加減に──ッ!」
「ふざけているつもりはない」
 その語気の強さは“常日頃の彼”とはまるで違う。そのことに、自身の怒りに震えていたヴィオラはこの瞬間になって気づいたのだ。凶悪な殺気を隠しもしない青年を前に、女の背筋を冷たいものが伝う。
「確かに、すべて“計画通り”などというつもりはない。想定外の事件もあった。失くしたくないものだって失くした。己の無力さを、浅慮を、どうしようもなく痛感したことは一度や二度では無いッ!」
 かつてここまでこの男が“感情を露わにした”ことがあっただろうか。正直、ようやく発露したそれが“負の感情”であったことが、酷く悲しいことだと女は思う。
「だが、足を止めればそれこそ“終わり”だ。これまでの人々の悲しみが、怒りが、苦しみが!
 “何にも繋がることがなかった”など、“意味がなかった”など、そんな顛末を許せるはずがない……ッ」
 短く息を吐き、一瞬我に返ったように視線を自らの手のひらに落とす。
 男は、ややあってヴィオラの瞳を覗き込むようにして、低く掠れた声を響かせた。

「この国の人々の、世界の未来の為ならば……俺は、何にだって成って見せる」

●邂逅

『約一年半ぶりの再会、ですね』
 王都第七街区を後背に、門の守りを固めていた王国連合軍。この最も主要な防衛拠点の総指揮をとったのは──白の隊長エリオット・ヴァレンタインではない。
「王都正門前にも、たった今メフィストが出現。どうやら、このほか王都に繋がる“全ての門前に現れた”ようですね」
 無線の向こうにいる大勢の仲間に告げると、標的へ聖印を象った杖を突きつける。その姿は、まさしく“ホロウレイドの戦乙女”。
『なるほど、やはりここは当たりに近い様子。いかがですか、ヴィオラ。“私は一度ぐらい、貴方と2人きりで話をしたいと思っていた”のだ、と』
 あの日と同じ言葉を、異なる姿で繰り返す。だが、ヴィオラ・フルブライトは毅然とした態度を崩さない。
「歪虚と話すことなどありませんと、そう言ったはずです」
『連れないですね。……エリオット・ヴァレンタインはここにいるのでしょう? あるいは、“あの男”は』
 刹那、歪虚の言葉を遮るように女の杖の先端から強力な光が迸る。そして──
「私は聖堂戦士団が長、ヴィオラ・フルブライト。世界から歪虚をうち滅ぼすものです」
 彼女を中心として周囲の空間に真っ白な光が出現。その光はドーム状に周囲を覆い、空間にいるだけで“感じたことのない暖かさ”が伝わる。
「王都防衛にかかる全戦闘員に告げます。標的、メフィスト。総員、攻撃開始ッ!!」

リプレイ本文

●起

 遡ること少し、王都イルダーナ正門前に歪虚メフィストが現れた直後のこと。待ち構える軍勢を前に、メフィストはわき目も振らずある女に語りかけた。
『約一年半ぶりの再会、ですね』
 アレは、ヴィオラ・フルブライトを目に留めた瞬間から、彼女に照準を定めていた。そして、その対話の中で、ジェーン・ノーワース(ka2004)はあることを理解してしまう。
 ──“あの男”、また何かやらかしてるのね。
 エリオット・ヴァレンタインに関する情報に話が及んだ途端、ヴィオラは明白に対話を打ち切ろうとしたのだ。ため息の一つもつきたくなる。
 一体、何をしているのやら──などと問う気もなければ、問うたところで“予想通りの答え”が返ってくるのは解りきっている。“あれ”は、自分ひとりを犠牲に成し得ることがあるのならコンマ1秒の時間も要さず決断してしまうような男だ。そして──それが、少女自身に重なって見えてしまうから“イヤ”なのだ。
 周囲のすべてを振り回してでも奔走するあの男が、自らを犠牲に捧げた先に成し得ようとしているのは、恐らくごく個人的な願望の果てにあるようなものではないだろう。“あれ”は、根本的に“世界の未来のため”だとかいう類の、ジェーンにとって口にするのもはばかられる馬鹿馬鹿しくも目の背けたくなる理想を掲げているのだ。それを、少女はこれまでの関わりの中で理解してしまっていた。あの男は、大真面目に「世界」を守るべき対象にしてしまっている。
「……ほんと、底抜けの馬鹿ね」
「どうかしましたか?」
 ジェーンのため息に混じる呟きが聞こえたのだろう。マリエル(ka0116)が、敵に気取られぬよう小声で確認をする。だが、ジェーンが心のうちを口にできるはずもなく、赤いフードの奥でゆるりと首を横に振った。
「そうですか。何か不調があれば、すぐに仰ってくださいね」
 無論、申し出ていただかずとも可能な限り早急に援護いたしますが。
 告げるマリエルの双眸は、紫紺色をした歪虚の体躯をまっすぐ見つめていた。
 ──この歪虚が、強大な力を持つ、闇。
 人知れず、少女は喉を鳴らした。“人型”である以上、体躯は我々人間と極端な差はなく、ベリアルのように巨体から放たれる独特の威圧感は本来ないはずだ。なのに、いざ間近に捕らえた存在から発せられる威圧は、並大抵のものではない。
 少女の心にじんわりとした痛みが広がってゆく。
「……誓ったはず。願ったはず」
 護る為に勝利を──まじないの様に呟いた。早まる鼓動を押さえつけるように、胸をおさえる手に震えはない。だから……十字架をかたどるメイスを握り締める。
 いける。やれる。今度こそ、もうなにも……失わない。

「王都防衛にかかる全戦闘員に告げます。標的、メフィスト。総員、攻撃開始ッ!!」

 指揮官ヴィオラの号令と同時、ハンターたちは一斉にエンジン音を響かせて走り出した。

●承

「射手総員、撃て──ッ!!」
 後方に居並ぶ騎士の多くから一斉射が放たれた。ハンターがバイクで接近するたった10秒の間にもメフィストがなんらか仕掛けてこないとは限らない。それを牽制せねば、この場すべての作戦は崩壊してしまうだろうからだ。
『どうあっても、私と話をする気はないようですね、ヴィオラ』
 平原の草を引き倒しながら6機の魔導バイクが疾走する。その中の一機、アレイオーンを駆るエルフの少女──アイシュリング(ka2787)は、長い睫の奥に輝く銀の眼で紫紺の異形を観察し続けていた。彼女は、先ほどからメフィストの言葉に妙な引っ掛かりを覚え始めていたのだ。しかし、今はまだその疑念が像を描くには至っていない。そんな少女の耳に入ってきたのは、隣を行く青年の言葉。
「俺は、このまま正面を」
 流線型のカウルが特徴的なナグルファルに搭乗する、王国騎士団黒の隊所属の誠堂 匠(ka2876)。彼は、接近までの間にメフィストが何か仕掛けてきた場合の懸念をつぶすべく、経路遮断の観点から正面を選択。それにリリティア・オルベール(ka3054)が応えた。
「わかりました。では、私は向かって右手奥へ回り込みます」
 本依頼の前衛を担うのは、疾影士の三名。必然、もう一人のジェーンが向かって左手奥を担当することになるだろう。
 バイクの走行開始から数秒。そこまで足並みを揃えて並走していたハンターたちが、突如三手に割れた。向かって右手にリリティアと、マリエル。左手には、ジェーンとクリスティア・オルトワール(ka0131)が飛び出し、正面には匠とアイシュリングの二名が残る形となっている。
『作戦を隠しもしないのは、後方支援に全幅の信頼を置いているからでしょうか。普通、黙って囲ませると思いますか?』
 やれやれ、と苦笑混じりの声を漏らしてメフィストが手を上げたと同時、辺り一帯の陽が翳りをみせた。ハンターたちは、わずかな重みを感じて視線を上げると、そこには……。
「皆さん、気をつけてください。上空に特大の魔法陣が出現。あれが……!」
 マリエルの頭上より遥かに高く。青く澄んだ空のなか、暗黒色の円が出現し太陽を覆い隠していた。その闇の中から、鋭く光る何かが“こちら”を向いているのが確認できる。その瞬間、ジェーンの記憶に感情が鮮やかな色を載せてしまった。
 ──忘れもしない。あの日、あの時、倒れ伏した土の上から見上げた、あの黒円を。一方的に撃ち抜かれるだけだった、自分の情けなさを。
 一年半ほど前の初夏の頃。強まり始めた夏の陽差しの中、歪虚の群れを率いたメフィストが王都に迫っていたあの日。一方的な暴虐を阻止すべく少女は足掻いたけれど、圧倒的な数の暴威に成すすべがなかったのだ。思い出すだに自分自身への苛立ちが募る。だが、ジェーンがその足を止めることも思考を鈍らせることもない。
 ──そもそも。あいつが”ここ”に居ないって事は、王国がこの状況を乗り越えられるって信じてるんだわ。
 “だからこそ、負けられない”。それは“信頼に応える”なんて時限の話じゃない。
「あの馬鹿に、『勝って当然』みたいな見方をされた戦で、これ以上負けを重ねるわけにはいかないのよ……ッ」
 そんな少女の想いを刺し貫くように、直後、黒い負の雨が世界に降り注いだ。だが、突如ハンターたちの上空に炎の玉が飛び交い、大地を明るく照らし、激しい火花を散らした。どうやら炎が闇雨を消し去ったようだ。
 それは、王国騎士団、聖堂戦士団がリリティアの依頼に応じて放った援護だった。リリティアは、魔法陣が出現したら「その破壊」、ないしは「範囲攻撃の迎撃」を依頼していたのだが、状況を目の当たりにしてすぐに取り得る手段が後者一択の状況であると解った。一年半前のメフィストとの戦いの後、あるハンターが「魔法陣の破壊」を王国に相談したことがあった。だが、これは当時から「難易度が非常に高い」という見方が強かったのだ。なぜなら“あれ”は高高度、天高く位置するがゆえにこちらの干渉が「届かない」と目されていた。もし弓などの物理攻撃がそれに僅かに届いたとしても、対象は闇の呪いのようなものであるがゆえに物理的干渉が有効であるのかも定かではない、と。つまり、干渉が適わないのなら破壊ではなく防護手段で対処をせざるを得ないだろうということだ。だが、「矢を矢で相殺する」ような行為がどれほど高度な技術を要することかは想像に容易い。つまり、あれは範囲魔法で吹っ飛ばすほかない。たとえハンターたちを守るため、“術者自らが範囲攻撃にさらされることになっても”、だ。 そうして多くのハンターの身は守られた。だが、メフィストを囲い込むために高機動力のバイクで敵後方に回ったハンターのなかでも後衛のマリエル、クリスティアについては魔法の範囲外に位置し、徒歩移動の騎士らの支援に限界があったようだ。二人は黒く尖った無数の刃をその身に受けることになった。
「……やはり、数が増えてもメフィストはメフィスト、といったところですか」
 クリスティアの唇の端から血が滲んでいた。受けた盾をも貫いて胴部に突き立つ刃の感触は、決して生ぬるいものではない。だが、だからといって立ち止まることはできない。
 メフィストは、もう“目の前”だ。ハンター全員が、それを射程に捉えている。
 あの日、近づくことさえ満足に適わなかった怨敵が、目と鼻の先にいるのだ。
「どきなさい。いい加減、邪魔なのよ」
 移動の勢いはそのままに、軽々と身を翻してジェーンがバイクから飛び降りた。霧を纏った少女はその輪郭を霞ませ、実体を不確かにする。狙うは唯一つ、メフィストの行動制圧だ。指の間に仕込んだ八握剣、合計八振り。それら全てを放とうとした、まさにその時。
『……やはりそうでしたか。ヴィオラ・フルブライトは新たな神秘を体得したのでしょうね。実に、興味深い』
 メフィストの呟きを、そばにいたすべてのハンターが聞きとがめていた。

●転

 放たれた制圧射撃。ジェーンの手から八つの黒星が射出されると、それはメフィストの行動を文字通り制圧するかのように彼方此方に突き立った。それでも、歪虚は反応を示さない。視線は未だ後方の戦乙女に注がれており、クリスティアがついにその口火を切った。
「先ほどからずいぶんフルブライト様を気にかけるのですね」
 ジェーンの制圧射撃の瞬後、これを好機とクリスティアが少女の影から身を躍らせたのだ。すでに詠唱を済ませていたのだろう。白色のワンドの先に強い“光”のマテリアル反応が感じられ、メフィストがふいに視線をクリスティアへと寄越す。だが、その目にはメフィストが獲物を捕捉したときのような粘性は感じられない。
『なに、ただの興味本位ですよ』
 さして理由はない──そんな返答と同時、間髪入れずに解き放たれたクリスティアのホーリーライトを、メフィストは片手で握りとめた。光のマテリアルと歪虚の掌との接面から焼け焦げるような煙が激しく立ち上り、ややあって大きな破裂音が周囲のものの耳を劈く。メフィストが魔術を砕き散らしたのだ。
一見してその様子は余裕や風格などと言うものを感じさせていたのだが、しかしクリスティアには確かな手ごたえがあった。握り潰されたといえど“あれならば、それなりのダメージを負わせることができた”はず。この“受け”行動は傲慢ゆえのパフォーマンスだろう。ならばと、そこを追い討つように、更なる脅威がメフィストへ襲い掛かろうとしていた。
「息が上がったところすみませんが……」
 背後から女声が響いた。それは、“目の前の敵を倒す”という以外の感情が滲まない、冷静かつ淡々とした──“メフィストにとって最もつまらない”類の声色だ。
「……沈んでもらいますね」
 振り返った時には、すでに遅かった。
 視界を覆う、空色。
 躍り出た人間の女が、“人の領域を超えつつある存在”だとその瞬間に知れた。
 威力900。そこからさらにアクセルオーバーで15%上昇。連撃発動でごく僅か火力が下がるといえど、10秒間に2回攻撃が叩き込めるのだから全く惜しくはない。挙句この攻撃には“光”の属性が付与されているのみならず、縁を繋いだ “仲間の加護”も篭められているのだから“たまったものではない”。
『な──ッ!? これ、は……ッ』
 瞬く間に輝く、彗星の如き二連の刃。『人間、それも指揮官級ですらない雑兵を相手にしている』という前提を覆す、凶悪な攻撃がメフィストの体を切り刻んだ。
 一撃で歪虚の尾は両断され、もう一撃が胴部を深く抉りつけようと再び迫り来る段に至って、ようやく意識と肉体感覚が追いついたメフィストは、かろうじて身をよじろうとした。だが、この戦いは一対一の戦いではない。
「まだ動けるの? 制圧射撃、強度が足りなかったみたいね。今度は“確実にやる”わ」
 赤い頭巾を被った少女から放たれるワイヤーが、メフィストの腕を捕らえた。常ならばそれを自らの“尾”で払い、断ち切るなど容易であるのだが、しかし“尾は一瞬前に断ち切られている”。ほんの一瞬の判断の遅れが致命傷となるのは戦場の道理。もはや斬撃は、免れなかった。
 ──まるで、人の形をした“災害”だ。先の指揮官級に近い実力の人間がこんな場所に?
 メフィストの無数の目、その多くがリリティアに注がれる。けれど、その目が捉えたのは気のない女の嘆息。
「本当に、これがかの”メフィスト”……ですか?」
 期待はずれだ、とでも言いたげな瞳と、視線がぶつかった──刹那、蜘蛛の眼が苛烈な赤色に染まった。
『実に、実に実に実にッ!!! 度し難い人の業。総ての罪を、悪を──“人の傲慢”を罰せざるを得ない!!』
 “懲罰”──それは、与えたられた損傷を叩き返す傲慢の能力。反射的にメフィストは“それ”を発動させていた。当然リリティアも懲罰をけしかけられることは予測しており、「仲間と攻撃タイミングを合わせる」ことで懲罰発動後に攻撃を仕掛けられれば一番よいのだが……という“淡い目論見”ではいた。だが、その程度では彼女の突出しすぎた攻撃力を誤魔化せず、懲罰を免れることは難しい。なにせ、「人間の雑兵がどの程度の攻撃力を持ちえているか」、メフィストには既にデータがある。“既存の認識を覆せないラインの火力のみ”では、興も不興も買えはせず、懲罰を誘い出すには及ばなかっただろうからだ。

 自らの攻撃と同等のダメージをその身に受けたのならば、リリティア・オルベールは、この日、この場で、間違いなく死んでいただろう。
 ただし、“二人のハンター”が、彼女の命を救っていなければの話だが。

「させません──ッ!」
 メフィストから放たれた途方もない負のマテリアル。それがリリティアに接触するより早く、正のマテリアルが食らいついた。カウンターマジック──たとえ彼女のそれが強度5を誇る高精度に編まれた魔術であっても、メフィストの力を前には決して分のいい賭けではなかった。
 “失敗しても失うものはない”ならば、それでもよかっただろう。
 だが、この魔術を通してしまったらリリティアは死ぬかもしれない。
 それを、クリスティアは直感的に理解していた。
「……ここで、折れたりなど、するものですか……っ」
 懲罰とカウンターマジック。発動と消滅、死と生の狭間。それは刹那の間にして、クリスティアにとっては恐ろしく長い一瞬だった。呑まれたら終わり。強大な歪虚の魔術を相手に、負けじと自らの全てを注ぎ込んだ。正のマテリアルに体の末端が溶けてゆくような、全身の血液が抜けていくような、そんな錯覚に陥ってゆく。けれど今、クリスティアの目に映っていたのはメフィストなどではない。少女の頭を支配していたのは、戦の直前に起こったばかりの忘れ得ない光景と、痛烈な後悔だった。
 ──あの時、罠の可能性に気づいていれば。
 イスルダ島、神殿最奥でのこと。燃えるように赤い髪をした男の背をよく覚えている。作戦命令といえど、男に後を託し、その脇を走り抜けて脱出を図った。だからこそ、今がある。自分の命が“残っている”。
 後悔しても遅いだなんてこと、言われなくてもわかってる。繰り返したくないと願いながら、自身の無力を再び呪うことになったあの瞬間の強烈な感情が、少女の心を焼いた。
 ──悔しくて、悔しくて、悔しくて、けれど。
「生かされたことを、無駄になんてできない!」
 これは、犠牲の上に成り立った命。
 もっと生きたかっただろう人たちの、未来の上に立つ命。
 だからこそ、自分が生きた意味を明かさねば顔向けができなかった。
 中途半端な“命”の使い方など、生真面目な少女にこそできるはずもない。
 ──パリン、と。
 まるでガラスが砕け散るような音ともに黒と白、二つの光が弾けて消えた。メフィストの懲罰が、クリスティアのカウンターマジックでかき消されたのだ。
『魔術師、貴様ッ!』
 強い感情に突き動かされるように、メフィストの片腕が伸びる。そこに捉えているのは、やはりリリティアだった。クリスティアの相殺魔術に驚かされたのは事実だが、『クリスティアを潰すなら、リリティアを操って殺せばいい。その後にリリティアを自害させれば片がつく』──そう判断したのだろう。空色の髪の乙女は、“このメフィスト”にとっては“災害”も同然だからだ。しかし、ここまでの展開は、すべてあるハンターの“想定どおり”だった。
「リリティアさん、引いてくださいッ──」
 メフィストに“兆候”が見られたと同時、白い羽のような何かが魔術を放たんとする歪虚の腕に突き立った。メフィストが事態を認識するより早く、次の瞬間には眼前へ黒影が舞うように飛び込んでくると、それは低く強固な声色でこう言ったのだ。
「テスカ教徒に、先王と騎士達まで……お前にとっては捨て駒か」
『ッ、なん、だ……!?』
 洗練された動きから繰り出される、流れるような一閃。ひらめく太刀筋は白光を纏い、メフィストの脳裏に“青年”の残像が焼きつく。
「……彼らの、王国の痛み。その身に刻みつけてやる」
 味方がメフィストへ痛打を与えた際、次の手としてメフィストが“単体強制”を放ってくることを完全に見越していた匠は、リリティアの初撃後の敵の動きを警戒し、行動を温存。そして、“案の定仕掛けてきた強制の命令中に割り込みを行う”という、先の先を読んた恐ろしい行動指針を予定どおりに実行してみせたのだ。彼にとってはただただ「想定どおり」だが、メフィストとしては「完全に手玉に取られた」体裁をとることになった。これは“トリックスター”を気取るメフィストにとっては最大最悪の屈辱でもある。
『ぐ、貴様、貴様、貴様ッ……その声、その顔、どこかで……!』
 メフィストの記憶が“匠”にたどり着くより早く、凛とした声が敵の思考を遮った。
「ねぇ、聞きたいことがあるの」
 声の主──アイシュリングの両の掌には、既に“2つの呪文”が集約され、解き放たれる時を待っている。その魔術の結晶から、そして術者である少女自身から、滲む強い正のマテリアルに直感的に引き付けられたことは否定できない。
「あなた、“エリオット・ヴァレンタイン”の居場所を知りたかったの?」
『……ならばどうだというのですッ!』
 そこにどんな意味が隠されていたかは解らない。再び、天を覆う闇色の陣から黒雨が降り注ぎ始め、アイシュリングは小さく息をつく。これ以上の手がかりを、“こいつ”から得ることはできないだろうと、早々に悟った。
「そう。……もう、用はないわ」
 そして黒いマテリアルの刃が着弾するより早く、少女の両掌から、特大のマテリアルが術者の実行命令に従って迸った。左手から放たれる炎弾、そして右手から放たれる氷嵐。それらが同時にメフィストへと襲い掛かる。その二つの相反する力に翻弄される歪虚の口から、かつて聞いたこともない苦悶の叫びがあがったが、ある瞬間をもってそれは高笑いに変わった。まるで、ここで倒されても“自尊心が損なわれない”──つまり“目的が達成された”とでも言うかのように。
 その余りの不穏さに、思いがけずリリティアが炎と氷の嵐に向かって声を上げた。
「一体、何をしに王都へ来たというのです? 先のイスルダでの一戦で、貴方はダンテさんと戦っていたはず……ダンテさんは、今どこに?」
『ふふ、“どこ”でしょうね? 貴女と同じように、いえ、それ以上に“人の領域を超えつつある”数少ない人間“でした”が』
 炎が消え去り、氷の嵐が過ぎ去った後、再びその姿を表した蜘蛛の異形は、それでも変らぬ傲慢さを保っていて。いやらしく響く笑い声には確実に嘲りの色が見えた。人の死を、尊厳を軽んじた笑いだと、ジェーンは直感的に理解した。
「……五月蝿いわよ」
 その下種な笑い声を黙らせるためだけでもいい。ジェーンは瞬く間に指の間にセットされた八つの刃を、その一つ一つに感情をのせるようにして制圧射撃を放つ。
「お前達の様な存在を。私は、絶対に認めない」
 両手、両足、胴部、頭部──見事に突き立つジェーンのの射撃に紛れこませるように、後衛の術士たちも斜線を確保し、攻撃を繰り出してゆく。
「今、こうして戦っているのは“私たち”だけじゃない。王国各地のハンターが、騎士が、貴族が、戦士が、友達が、あの人が、心を燃やし、命を賭して戦ってる。だから……!」
 マリエルの体の周囲に白い燐光がやわらかく浮かび始める。それはやがて少女の中へと収束していき、そして。
「疑似接続開始、コード:天照!」
 集約された光が臨界に達すると、直後巨大な波動が放たれた。それに飲まれる歪虚を前に、マリエルは毅然と告げる。
「私は、私たちは、この国は“一人”じゃない。だから、貴方がたった“一人”で仕掛けた戦なんかに、“この国が、負けるはずがない”!」
 まっさらな光の中、少女の真っ直ぐで無垢な言葉をどんな貌をして聞いていたのだろう。続くクリスティアのホーリーライト。アイシュリングのダブルキャストによる炎と氷の魔術。そして。
「ダンテさんのことは、この馬鹿げた戦いが終わった後、王国の人々が探し出してくださるでしょう。悲嘆だとかその類の展開がお好みなら、どうぞお引取りを」
 空色の向こうにぼんやり見える黒い翼の幻影。どこか“懐かしさ”すら覚えるそれを視界の端に捉えながら、メフィストは身の丈ほどもある長刀「神斬」に胴部を一刀両断されると、ごとりと大地に転げ落ちる。
「ご覧のとおり。ここで何一つ、貴方の思い通りになるものはありませんから」
 リリティアが刃を鞘に収めるより早く、歪虚は切断面から端から黒々としたパーティクルと化してゆき、そして、確かに消滅したのだが──。

●結

「……今回、メフィストが現れた場所の共通点は何だったんでしょう」
 リリティアは、目の前で大気に溶けて消えたメフィストの最期を思い返していた。
「今、王国の戦力が手薄であることは間違いないです。だから好機と攻めてきただけ? 何のために」
「現時点で判明している共通点はふたつ。いずれも“王国領内”で、少なくない数の人々が生活を営んでいる場所である、ということです」
 零れ落ちる疑問に応じた声に気づき、リリティアが振り返る。そこには、王都正門を背に歩み寄るグラズヘイムの戦乙女がいた。
「もしかすると、メフィストが現れた場所を点と線で結んだ時、意味ありげな図形になったり……」
「現時点では、そういった予兆は捕捉しておりません。2年前の法術陣汚染以降、王国は特に魔術的観点での襲撃には神経を尖らせておりましたから、その気配があればもっと早い段階で懸念が指摘されるとは思うのですが」
「そうですよね、それならば良いんです。……そんな事態は、二度と御免ですから」
 眉を寄せて微笑むリリティアは、歳より少し大人びて見える。
 しかし、それでもまだ不安が消えたわけではない。相手はあの“メフィスト”だ。二人のやり取りに耳を傾けていたクリスティアも、抱いている疑念が晴れたらと願うようにヴィオラに問いかける。
「変容の力が自分だけしか変えられないとは限らない、ですよね。今回各地に現れたメフィストも、変容させられた人間という可能性もあるのではないでしょうか……?」
 正直、それを確認できる手段が今はない。だが、あえて答えるなら、と添えてヴィオラは言う。
「あれは人の苦悩を楽しむ悪辣さを持った歪虚。もし先ほど倒したものが“元は王国に由来する人間の歪虚”であったなら、メフィストにとっては“それを明かして、相対する人間の反応を見る方がよほど愉しみになる”のではないか、と思うのです。ですから、あの姿のまま最後まで種あかしをせず消滅するとは考えにくいかと。それよりも……メフィストは、本来“今の姿をこそ隠していた”はずではなかったでしょうか?」
 確かに、メフィストの姿は2年前の王都襲撃で初めて明かされたものであり、それ以前は“一度も目撃されていない”うえに、“人類史の記録にも、姿は愚か名前すら記録されていない”歪虚だったはずだとクリスティアは首肯する。
「確かに……メフィストは“今の姿”を隠していたのでしたね。それを前提に考えると、敢えて喧伝するような行動になんらかの意図を感じますが」
「傲慢の自己満足に過ぎない可能性もありますし、アレの美意識を理解する気は毛頭ありませんが」
 ヴィオラの硬質な態度に滲む感情を思い、クリスティアは複雑な表情で目を伏せた。
 ひとつ言えること。それは、此度の襲撃について、この場の多くの人間が“陽動の懸念がある”と認識していたことだろう。しかし、実際はどうだっただろうか?
「エリオット・ヴァレンタインはここにいるのでしょう? あるいは、“あの男”は」
 アイシュリングが“ある台詞”を呟いた。それは、メフィストがこの王都を臨む場に現れて【一番最初に発した言葉】。戦いの最中にも感じていたことが、今なお気がかりとして胸の奥に引っかかっていたのだ。
「それは……先のメフィストの?」
 マリエルをはじめ、“その台詞”に周囲のハンターたちの視線がアイシュリングへ集中する。非常に居心地悪くもあるのだが、当の彼女は口にして、ようやく一つの結論に辿り着いたようだ。
「どうやら、メフィストの目的は最初から明白だったみたいね。恐らく、これはただの陽動ではないんじゃないかしら。……ひょっとしたら、陽動ですらないのかもしれないけれど」
 そういって、エルフの少女はヴィオラを真正面から見据えた。
「メフィストが各地に現れたこと。……あれは“人探し”をしていたのではないかしら」
 ヴィオラが思わず口元に手を当てた。瞬時に、気づく。“ヴィオラには、思い当たることがあるのだろう”。それを悟られぬよう、無意識的に口元を隠したようにも見える。
「答えてもらわなくても構わないけれど、メフィストとの会話で具体的な情報に言及されていたことは本当に絞られる。ヴィオラ──あなたを見て、メフィストは『やはりここは当たりに近い』と戦の前、開口一番に言ったわ。これが、どういうことなのかあなたは解る?」
 ヴィオラは身動きひとつしない。それを肯定と受け取って、アイシュリングは並んだ材料から得られる答えを求め、探る手を伸ばし続ける。
「約一年半前の戦いにおいて貴女は“彼”と共に戦いを指揮した国の主要人物だった。貴女の存在は、“彼”……エリオット・ヴァレンタインに結びつくと、あれはそう思ったんでしょうね。そしてもう一つ、「あるいは、あの男は」……メフィストの言いかけた“もうひとつの言葉”から察するに、探し人は一人ではなかったのかもしれないわ」
 もしそうだとしても、現時点では情報が足りないけれど──そういってエルフの少女は瞳を伏せ、深めに息を吐いた。
 しかし、彼女の明晰な推論は、その場のある人物にとって大きな手がかりとなったようだ。アイシュリングと同じく、黒の隊に所属するもう一人のハンター、誠堂匠。彼は、これまで数年間の活動の中で“ある人物”の暗躍の微かな残滓を得、そしてエリオットがそれに関連している状況証拠を押さえた唯一の人間だ。

 一つ、国家機密に相当する王国の秘術、“法術陣”。その情報が歪虚に漏えいしていたこと。
 二つ、法術陣の起源とされるエメラルド・タブレットの安置場所に、ヘクス・シャルシェレットの痕跡があったこと。
 三つ、メフィストが握っていた法術陣の情報は“真実と異なる情報”であったこと。
 四つ、メフィスト討伐失敗から間髪開けずにエリオット・ヴァレンタインが“死を偽装した”こと。
 五つ、その間のエリオットの潜伏場所に“ガンナ・エントラータ”、恐らくその領主邸が使用されていたこと。
 六つ、潜伏していたエリオットが生存情報流出を覚悟してまで行った次の手が“古の塔”の調査であったこと。
 七つ、その直後に古の塔攻略戦が始まり、それに“第六商会が関わっていた”こと。
 八つ、古の塔攻略戦直後の今春、古の塔外壁前に歪虚“メフィスト”が現れたこと。
 そして……此度の一連の事件だ。

 ──ヘクス・シャルシェレット。
 メフィストが人間の誰かを探すことがあるのなら、恐らく彼のことではないだろうか。

 一つの物事の真実を導き出すためには様々な情報が必要だ。そして、必要な情報は匠の手元に揃いつつある。だが、彼しか知りえない情報もある以上、この“懸念”を口にすべきことなのか。誠実かつ思慮深い性格ゆえに、そして、ある男が犯したであろう行動ゆえに、この懸念を不用意に口にすることはできなかった。
 この戦場で範囲攻撃を浴びて負傷した術者らの救急搬送の後、王都外周に出現した全てのメフィストが討ち取られた旨の情報が届くと、ヴィオラの職務に支障をきたさぬ時を見計らい、匠は一つだけ問いを重ねた。
「ひとつ、お伺いしたいことが。ヘクスさんの治める港町……ガンナ・エントラータは、今?」
「王都同様、メフィストの襲撃がありました。なかでも第六商会に大きな被害が集中しているようで、幹部一名が死亡。ですが、町全体としての損害は甚大ではなく避難活動が有用に働いたそうです」
「やはり、か」
 眉を寄せ、吐き出す言葉は短い。
 此度の同時多発強襲より少し前、ガンナ・エントラータで“避難訓練”を銘打った依頼が掲出され、匠とアイシュリングの二名はそれに参加していたのだ。領主が自ら旗を振って行ったこの訓練によって、今回大きな被害を出さずにすんだともいえるが、しかし。

 ──“彼”は、はじめから解っていたんだ。自らの治める町や商会が狙われることを。

 これらの事実が、何を意味するのか。それが明かされるのは、この瞬間から間もなくのことだった。

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MVP一覧

  • 古塔の守り手
    クリスティア・オルトワールka0131
  • 黒の懐刀
    誠堂 匠ka2876

重体一覧

参加者一覧

  • 聖癒の奏者
    マリエル(ka0116
    人間(蒼)|16才|女性|聖導士
  • 古塔の守り手
    クリスティア・オルトワール(ka0131
    人間(紅)|22才|女性|魔術師
  • グリム・リーパー
    ジェーン・ノーワース(ka2004
    人間(蒼)|15才|女性|疾影士
  • 未来を想う
    アイシュリング(ka2787
    エルフ|16才|女性|魔術師
  • 黒の懐刀
    誠堂 匠(ka2876
    人間(蒼)|25才|男性|疾影士
  • The Fragarach
    リリティア・オルベール(ka3054
    人間(蒼)|19才|女性|疾影士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

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アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/10/17 12:38:41
アイコン 相 談 卓
リリティア・オルベール(ka3054
人間(リアルブルー)|19才|女性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2017/10/20 02:24:48