【HW】コーラの海の水龍退治

マスター:奈華里

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
  • duplication
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
3~5人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2017/11/07 19:00
完成日
2017/11/21 02:12

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

「はぁ? それってどういう事よ」
 イズが仲間からの連絡を受けて目を見開く。
「いや、だからですね…暗黒海域の海の水が黒くなってて、甘い香りがするっていうんですよ。それで試しに汲んで持って帰ってきたらなんとそれはコーラらしいとかで」
「はぁ?」
 訳が分らない。訳が分らないが、どうやら仲間の言っている事は本当らしい。
 汲んで来たという海水からはコーラ独特の香りがしたし、しゅわしゅわと炭酸が発生しているのが判る。
「訳が分らないわ…けど、明らかに変よね」
 何が起こったのか。だが、これが夢だとするならば合点はいく。
(そうよ、これはきっと夢よ…)
 少し前の事を思い返してみる。自分は何をしていたか…そう、今日は確かハロウィンだった。
 港町の子供達も思い思いに仮装してお菓子をねだっていたではないか。自分もそんな子供達にお菓子を配ってそして…奇妙な仮装をした人物からチョコを貰い、気付いたら口に運んでいた事を思い出す。
(しまったわ…あれに何か入ったいたのかも)
 ボンボンチョコであったし、やけに甘いヌガー状の何かが入っていた事を思い出す。
「おい、あいつだ。あいつを捕まえろっ!」
 とそんな事を考えていると突然自警団の屈強な男達が現れて、彼女を羽交い絞めにする。
「えっ、ちょっ…今度は何ッ!」
 驚く彼女にしかし、自警団の者達は全く何も疑わない。
「とぼけるな。暗黒海域の水龍の手先めッ! 海をあんなにしおって!」
 そう決めつけて、彼女を牢ではなく海と連行する。
 そしてそこで見たものは、ありえない光景…。
 港に泊まっていた船がゆっくりと海水に浸かり溶けていっているではないか。
「私、知らないわよっ。こんな事するはず…」
「何を言うか! おまえは海の女神なのだろう? つまりは水龍神の嫁って事じゃないか」
 全くもって吹っ飛んだ理屈であるが、あれよあれよという間にイズは反逆者として小舟のマストに縛られ、そのまま暗黒海域に流される。勿論普通の船であるから他の船同様徐々にコーラの海水に侵食され、沈没していく。
(あぁ、もう何て夢なの…)
 沈みゆく船でイズが呟く。
 船がなくなり、身体が浸かる中でふいにポケットにあったお菓子が零れて…海面に浮いていた。
 そう、コーラの海に溶かされる事なくだ。
『哀れな女よ。最後に一つ、願いを叶えてやろう』
 何処からともなく声が聞こえる。そこで彼女はこの事実を凄腕のハンターに伝えて欲しいと事付ける。
 すると、その欲の無い答えに声は方針を変え、彼女の魂をある場所に封印して…。

 その後も海の侵食は止まらない。水龍の脅威は広がり続け、人類は怯えるしかない。
 けれど、イズの言葉を受けた者達は違う。この海での立ち回る手掛かりを掴んでいる。
「よし、これならば行ける!」
 ハンターの仕事には厄介者の始末も含まれる。
 お菓子が浮く事を知って、お菓子の船を作り武器も搭載。水龍を倒すべく海に出る。
 それに水龍には大昔から伝わる伝説があった。
『海が黒く染まり泡立つ時、水龍が復活を遂げ世界を呑み込もうとするだろう。
 しかし、案ずるなかれ。水龍の持つ黄金球は女神の魂…。
 それを取り戻す時、女神と共に勇者は一つ、望むモノを手に入れられるだろう』
 この伝説を知っている者は少なかったが、女神の神託が届いたハンターらには周知の事。
 ある者は世界の為に。またある者は私欲の為に。
 水龍は一匹、黄金球もたった一つ――つまりは早い者勝ちなのであった。

リプレイ本文

●O
 お菓子…それは魅惑の食べ物に他ならない。
 であるからして、ある者は船の素材の方に心を奪われる。
「やだっ、本当にお菓子で出来てるのね♪」
 海に浮かぶ己が船に瞳を輝やかせて、夢路 まよい(ka1328)は感激する。
 突然脳裏に声が響いて来た時は吃驚したものだが、聞けば海がコーラと化しその海の魔物を倒す唯一の手段がお菓子を使わないといけない事を知って、ときめきを覚えた彼女なのだ。
(正直水龍はどうでもいいのよね~。これだけあれば十分十分)
 せっせと船出の準備をする船員を余所目に彼女はこっそりマストをぺろり。どうやらマストは飴で出来ているらしい。口に広がる甘さが彼女を至福の時間へと誘う。
「お待たせしました。こちらが発注のバズーカになります」
 とそこへ真面目そうな青年がやってきて、手には彼女に合わせて作られた特注バズーカ。
 シースルーの本体部にはベッコウ飴が使われていると見える。
「わぁお、とても素敵ね!?」
 その出来栄えに両手を合わせて感動する。
 十センチ程度のチョコボールもとい、弾はウエハウスの木箱いっぱいに積まれているではないか。
「フフッ、これで夢のお菓子食べ放題ね」
 ぼそりとまよいが呟く。
「あ、あの…大事に扱って下さいね。勿論熱にも弱いので」
 現在の気温は十五度前後。飴やチョコが溶ける程ではないが、念の為に武器職人が釘を刺す。
「まあ、任せて頂戴な。最悪私の胃袋にちゃ~んと収めて上げるから」
「はい?」
 彼女の言葉に思わず繰り返す青年。
「この人、ずっとこんな感じなんでさぁ」
 そんな彼に同様の不安を抱えている船員がそう切り返した。

 一方、お菓子より怒りに目覚めている者もここには存在する。
「コークの海だぁ? まあ、それはいいとしよう…だがな、コークにつきもののあれはどうしたよ!」
 大海原を前にして未だ姿の見えぬ相手に藤堂研司(ka0569)が言い放つ。
「あー、すみません。怒鳴るのはいいんすけどできるば出会ってからで」
 そんな彼の横にもイズの安否を心配し船の操縦を買って出た船員が支度を始めている。
「おおっとそれはそうだ。だけど、わかるだろっコークと来たらやっぱり」
「バーガーですかい?」
「そうそれ、あんた判ってるじゃねぇか! コークと言ったらハンバーガーにポテイトゥがつきもんだろーが! なのに、あの水龍は何日和ってんだ! 俺が行って一発しばき倒してくれるわー!」
 ふんっと鼻息を荒くして彼がいきり立つ。
 一体彼の中でどれだけコーラに対する拘りがあるのかは計り知れないが、とにかく水龍に怒りを覚えている事は間違いないだろう。完成して来たばかりの船に乗り込むや否や大砲に『研司砲Mk-2』と命名し、船出の時を待っている。
「よう、見たところあんたも水龍退治か?」
 黒糖かりんとうのバズーカを抱えて榊 兵庫(ka0010)が声をかける。
「あんたは…」
「ああ、争う気はこれっぽっちもないんだ。相手は大物、共同戦線でもと思ってな。どうだい?」
 普段はぶっきらぼうのようだが、この時ばかりは友好的な笑顔で兵庫が誘う。
(なんか胡散臭そうではあるが、攻撃されるよりはマシだろう)
 研司はそう判断し、彼の前に手を出す。
「お、いいねぇ…助かる」
 それに笑顔を崩さず兵庫も彼の手を握る。だが、兵庫の胸の内はと言えば――。
(楽できるのは有難い事だ。ま、美味しい所は譲れないが)
 水龍の持つ黄金球を手に入れれば願いが一つ叶うという。彼の欲するは新たな武器だ。
(力はあって損はないからな。それに世界を滅ぼすほどの魔物…楽しみだ)
 研司の船と共に、いざ水龍のいるとされる海域へ。
 風を受け動き出すと海面からはコーラの独特の匂いが漂い始めた。

「うーん、このコーラ飲んだらやっぱダメだよね…」
 こちらも風を受けて進みながらイリエスカ(ka6885)は終始海面を見つめていた。
「そりゃ、ヤバいでしょうよぉ。だって船まで溶かしちまうんですから」
 そんな彼女の様子に呆れ顔で対応しつつ、船員は水龍の海域を目指す。
「だよねー…あぁ、勿体ないなぁ。これ全部飲めたらいいのに」
 がしがしと船の縁を齧りながら彼女が言う。
「あぁもう駄目ですって! でないと帰れなくなっちゃいますよ」
「えー、でもお腹空いたし…目の前にこんなにお菓子があるなら多少食べても問題な…」
「ありますから。問題大ありですからっ! だから食べないで―!」
 悲鳴に近い叫びをあげて、このまま共倒れしてたまるかと船員は苦肉の策に出る。
「あの、イリエスカさん。俺、聞いちゃったんですけど水龍の秘密知ってます?」
 含みを持たせた言い方で彼女の興味を誘う。
「えっ、秘密? ただの龍じゃないの?」
「フフフッ、違うらしいですよ。何でも水龍はグミで出来てるとかでそりゃもう絶品だと」
「ええっ、グミ! 絶品、マジでッ!!」
 その言葉に乗せられて、彼女の興味が完全に水龍に切り替わる。
「わはぁ~絶品のグミかぁ。どんな味だろう、わくわくするよ~vV」
 まるで幼子の様に心を踊らせて、彼女は船の味見をやめたようだ。
(はぁ~これでなんとか助かったぁ)
 彼女の船員はイズの事より自分の命を守るのに必死にならざるおえないようだった。

●KA
 そんなこんなで水龍の海域に近付くハンターに水龍とて黙ってはいない。
『お供えを忘れた人間どもめ。餡子何処か討伐に来るとは何事ぞ』
 尖った口をもっと尖らせて、水龍は子分のたい焼き達に先方を命じる。
 そんなたい焼きに紛れて、少しお洒落なクロワッサンたい焼きも混じっているようで…。
(全く近頃のたい焼きは西洋被れしおって)
 とぼやき一つ。口から泡ぶくが零れ浮上していく。その泡の浮上がこの戦い開始の合図にもなった。
「おっ、なんか来やがった」
 海面から飛び出してくる影に研司が反応し、自前の元祖研司砲を構える。
 だが、その先に見たのは複数の飛び出してくるたい焼きの群れであり、それはさながらトビウオのよう。
 そして飛び出してきたたい焼き達は己が飛沫と体当たりでハンターらの船の破壊を試みてくる。
「ちっ、水龍だけじゃないのか」
 バズーカで応戦しながら兵庫が言う。
「んなもん、いちいち相手してられっかよ! 相棒、全速力で進め」
「承知っ」
 その声に応えて、帆の向きを変えスピードを上げる作戦。
 兵庫も船員に指示を出し、後に続こうとして新手の気配に目を細める。
 だが、それは敵ではなくもう一隻のお菓子の船。
 何処か歪な形になっているがハンターが乗っているものに間違いない。
(アレは…女か?)
 猛スピードでこちらに突っ込んでくるもう一つの船に目を凝らす。
「お菓子発見、とつげーーきっ!」
 するとそこにはお嬢様風の可愛い服を着た女の子がいて、しかし目はかなり本気だ。船の先頭に立ってたい焼きの姿をみるや否や伸びるグミで網を作り、投げ縄漁の要領でたい焼きの捕獲にかかる。
「どいたどいたー! たい焼きは私のものよっ!」
 ぶわさっと網を投げて、彼女が大量のたい焼きをゲットしてゆく。
「あーー、やられたんだよ~。ねっねっ、一つか二つボクにもくれない?」
 するといつの間に現れたのかもう一隻船が出現して、兵庫には目もくれずまよいにおこぼれを頂けないかと交渉を始めている。
「あ~……なんつーか、あれだな。花より団子っぽいな、こいつら」
 その様子を前に兵庫は苦笑。もし、これを見ていたらとイズの心中を推し測る。
(まあ、俺も人の事は言えないんだが…)
 世界を、この海を救う。その為の方法を教えてくれたイズだが教えた相手が悪かった。
 いや、悪い訳では決してないのだが、正義や平和よりも人間の欲が勝つ事はままにある。
「すまん、イズ…」
 なんとなくいたたまれなくなって兵庫がぽつりと呟く。
「くおぉぉ、出たな水龍ッ! この俺、龍盟の戦士が相手してやるっ!…てか、コークにはハン…っておまえぇ」
 その時、研司の前には問題の水龍が姿を現したようだ。
 が研司の反応に些か落胆の色を感じて、兵庫達もそちらに視線を向けて…。
「あ、あれが水龍…違う、よね?」
 イリエスカが目をぱちくりさせて言う。
「いや、まぁ…龍といえば龍なんだが、まさかなぁ」
 兵庫も想像と違うその姿に少しばかり呆れたような馬鹿にしたようなニュアンスで言葉する。
「水龍、海の龍、シードラゴン…つまりはタツノオトシゴって事? つまらないわね」

 プチッ

 たい焼きを頬張りながら言ったまよいのその言葉に水龍は激怒する。

●SEA
『はぁあ? つまらないとか関係ないですしぃーそんなこと言われる筋合い無いですしぃ―』
 ぷんすかと頭、ではなく口から蒸気のようなものを吹き出しながら水龍が言う。
 そうして怒りの沸点が振り切れると身体を真っ赤にし、口から甘納豆を連射してくる。
「ぬっ、この速さは異常だな」
 ハンターらが搭載した武器に弾込めの時間を与えず、水龍は甘納豆を吐き続ける。
「お菓子お菓子お菓子―♪」
 けれど、ここには二人のお菓子好きがいる。
 つまり放たれているそれがお菓子だと判ればいかでおくべきか。
 避けようとする兵庫と研司に対して、まよいとイリエスカは積極的に受けに向かう。
「東方のお菓子って余り食べた事ないんだよねって事でいただきま~す」
「渋いチョイスばかりだけど、これはこれで許す」
 二人が手を取り合って、双子の様な連携を見せつつ口を開け水龍の生み出す甘納豆を口で受ける。
「むぐむぐ、この甘さ…幸せ~☆」
「お豆がこんなに甘くなるなんて意外だよ♪」
『ぐぬぬっ、私の攻撃を口で受け切るとはっ! ならばこれで』
 そこで水龍は攻撃を変えようと攻撃中断。そこがこちらの反撃のチャンスとなる。
「エセドラゴンめっ、研司砲Mk-2の威力教えてやらぁ~」
 弾数の少ない大砲にとびきりの高級チョコレートをつめると狙いを定め派手にぶちかます。
「こっちも喰らいな」
 そういうのは兵庫だ。正面の二人に気を取られている隙を利用し接近していたらしい。
 いつの間にか水龍の身体で壁歩きのスキルを発動しへばりつき、ゼロ距離から目元を目掛けてバズーカをぶっ放す。その威力には水龍も一溜りもないと思われたが、
『何の此れしきっ! くいっとなっ』
 ぐらりと動いた兵庫の視界。その理由は実に簡単。水龍は柔軟に首から上を仰け反らせ二人の砲撃を難なくかわして見せたのだ。逆に困ったのは兵庫さん。突然の予期せぬ動きに対応できず、スキルは解除されコーラの海へ真っ逆さま。
(あ…やばいな、これ。俺も海の藻屑か)
 肉体も溶けてしまうのだろうか。だとしたら骨も残らないかもしれない。
 そんな弱気な感情に苛まれる彼であったが、落下中にも事態は更に動く。
「見た目では判断つかないけど、きみが水龍っていうならいざ実食!!」

 ブスリッ

 飛び出したイリエスカがイナバウワーのようなポーズになっていた水龍の首元に持参したフォークを突き立てる。
 そして、
「いっただきまーす」
『ギョエェェェェェェ!??』
 その一撃と一齧りに水龍は涙を流し悶絶した。
 海面に出した身体をじたばたさせて、波打つコーラが皆を襲う。
「うぇぇ、全然美味しくないじゃないか~。ガッカリだよーッ!」
 齧りついた本人はそう言い、器用に身体を捻り船の甲板に着地。持参して来たマシンガンをぶっ放す。
「ま、マジで食べる気だったんだ…」
 イリエスカの船員がぼそりと呟く。
「ちょっと美味しくなかったんだよ。どういうことなの、責任とっ…」

 ピッカァァァァ

 イリエスカがそう言いかけた時の事だ。
 さっきの一撃がクリティカルヒットしたと見えて水龍はそのまま昇天。代わりに眩い光を放ち黄金球が海の上にプカリと浮かぶ。そうして、海面に落ちた兵庫はコーラの海を免れしょっぱい普通の海へ。
「あ~、負けた負けた。コーラの海の水龍ちゃんマスコット『わくわくファスト風土』テーマパークはお預けだな」
 すっぱりと負けを認めて研司が船の上で頭をかく。
「えっ、って事はもしかしてボクが」
「ええ、貴方の願いが叶うみたいよ」
 仕留めた実感がなく戸惑う表情の彼女に光の中から現れたイズが言う。
「本当! やったね。じゃあ早速行ってくるよー!!」
 それを聞いてイリエスカは一目散に港の方へ船を走らせる。
「えっ、ちょっと…」
 そこで残された者達に待っていたのは微妙な沈黙――まよいが船を引き帰らせようと指示を出す。
 だが、よく考えて欲しい。海は元に戻ったのだ。
 つまりはお菓子の船など泥船同然。人間が乗っているとなれば浸水の速度は更に早まる。
「あー…海の女神だっけ? あんた何とか出来ないのか?」
 立ち泳ぎしながら兵庫が尋ねる。
「そんなの無理よ…だって私はただの人間だもの」
 一応海に慣れているから泳げるものの、ここから港まで一体何キロ、いや何十キロあるだろうか。
 この遠泳を成し遂げるのは至難の業である。
「あっもう、ちょっと勿体ないって! こうなれば食べられるだけ食べちゃうわよ」
 そう言って必死で船に齧りつくのはまよいだ。どうしてもお菓子を諦めきれないらしい。
「ま、やってやれない事はない。行くぜって重い…相棒が重過ぎる…ッ」
 研司は前向きに泳ぎ始めたが、元祖研司砲が重く思うように進まない。
「はぁ…助けが来るといいわね」
 イズ達はそう願いながらそれぞれに港を目指すのであった。


 そして、勝者の願ったものはと言えば――。
「店員さん、ここからここまで全部持ってきてー」
 水没する前に港に着くと共に、彼女は行きつけの食事処に駆け込んで豪快なオーダー。
 後は料理が出揃うのを待つばかりだ。厨房からはいい香りが流れてくるし、心も体もウキウキ気分。
 食後の運動とさっきの前菜(スイーツ達)が効いているのかもしれない。
 そうこうするうちに彼女が頼んだ料理が次々と運ばれてきて、彼女の前には色とりどりの料理が並ぶ。
「はぁあ~~、これが夢にまで見た料理の大海原だよー!」
 食べたいものを好きなだけ食べられる幸福感。店の料理全品オーダーの全部食べなど生きているうちに何度出来る事だろうか。否、普通は一度も出来ない筈だ。だからこそ、彼女はこの願いを希望したのだ。
「ンーーーー、美味しい♪ ここは天国なんだよー♪」
 箸運びも軽やかに、いつまでも続く至福の時間。彼女は今最上に幸せだった。
 そう、それが例え夢だったとしても…今この時だけは、絶対目を覚ます訳にはいかない。
「はぁ~、イリエスカさんの食欲には脱帽ですね。あれだけお菓子を食べていたっていうのに…」
 その様子を見て、同行した船員が呟く。
「何言ってんのさ。食事は別腹だよっ」
 その言葉は現実でも彼女が寝言として呟いていたのだが、それは誰も知る筈のない事だった。

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MVP一覧

重体一覧

参加者一覧

  • 亜竜殺し
    榊 兵庫(ka0010
    人間(蒼)|26才|男性|闘狩人
  • 龍盟の戦士
    藤堂研司(ka0569
    人間(蒼)|26才|男性|猟撃士
  • 夢路に誘う青き魔女
    夢路 まよい(ka1328
    人間(蒼)|15才|女性|魔術師
  • 食事は別腹
    イリエスカ(ka6885
    オートマトン|16才|女性|猟撃士

サポート一覧

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ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/11/06 11:46:31