春の麺麭祭りを攻略せよ!

マスター:小林 左右也

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2018/04/12 15:00
完成日
2018/04/25 05:52

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●どうやら祭りがあるらしい
 ドアを叩く音がした。突然の訪問者は大抵新聞の勧誘か、宗教の勧誘だろう。
 磐田 恵(kz0258)は聞こえなかったことにしようとするが、今度は女性の声が呼び掛けた。
「こんにちは、イワタさん! 隣に住んでいるマイオスと申します」
 隣の住人のマイオス?
 確か恵と同時に引っ越ししてきた新婚夫婦だったはず。このリア充め……と、夫婦の名をしたためた藁人形を作ったこともあったが、もう過去の話だ。
 そうだ、自分自身もリア充になるために生まれ変わるのだ。
「はい……」
 ドアを開くと、まるで桜のような淡いピンク色の髪と、琥珀色の瞳を持った美人がにこにこと立っていた。
「い、異世界……」
「? どうしました?」
「い、いえ……」
 リアルブルー出身というせいもあるが、近所つきあいを疎かにしていた恵は、いまだこの世界の住人の色合いに慣れない。
「はい、回覧板です」
 マイオス夫人は、回覧板を差し出した。これくらいの用事なら、玄関先に置いておいてくれればいいものを。思わず舌打ちをしそうになるが、寸でのところで思いとどまる。
「メグミさんは、このお祭りは初めてですよね?」
「お祭り?」
「はい! 村人全員参加ですからね!」
「…………え?」
 全員参加の村祭りがあるなんて、聞いてない!

●ハンターオフィスにて
「あら、こんにちは。恵さん」
「こ……こんにちは」
 ぎこちなく挨拶を返す彼女に、受付嬢のコウ・リィ(kz0249)は、にっこりとほほ笑む。
 彼女の名は磐田恵。リアルブルー出身者のハンターだ。住まいから近いのか、また新人ハンターのせいか、ハンターとはどんなものか、依頼とはどんなものがあるのか質問にやってくる。
「今ちょうど出払ってしまって、誰もいないんです。ごめんなさいね。あ、そうだ。ちょうど新人向けの依頼が来ているの。よかったら受けてみませんか?」
「いえ、あの! 実は、今日は、お願いがありまして」
 どうやら質問でも、依頼を探しにきたわけでもないらしい。
「どうしました?」
 恵の必死な形相に、コウは首を傾げる。
「今日は、あの、お願いがありまして……」
 さっきも言いましたよ。と突っ込みたいところを飲み込んで、にっこりと頷く。
「お願いですか?」
「は、はい。じ、じ、実は……春の麺麭祭りに出なきゃいけないんです!」
「はるの、ぱんまつり?」
「お祭りです、村の」
 しどろもどろな恵の説明によると、来週の週末、村では春の訪れを祝うお祭りが開催されるという。村人である彼女も参加することになったものの、いくつかこなさなければならないことがあるらしい。
「バザーを開くらしくて、出品するものを用意しろって言われて……手作りのお菓子とか手芸って言われたけど無理だし。人にあげてもいいような服も家庭用品もないし」
 藁人形なら作れるけれど……という恵の呟きを耳にしたが、聞かなかったことにする。
「一番問題なのは、麺麭づくりコンテストなんですよね……パンなんて普通買うもので、作るもんじゃないし」
 料理すらまともにできないのに。とブツブツと呟く恵の悩みは深刻のようだ。
「リィさん……お願いします。わたしを助けてください!」
「え、えっと……わたしは週末は仕事が入っているのでごめんなさい。あ、そうだ! ハンターの方々にお願いしましょう!」
 名案だと言わんばかりに、コウは表情を輝かせる。
「現役のハンターの方々と交流を兼ねて、お祭りのお手伝いをお願いしてはいかがでしょう?」
「えぇー……」
「村の方々とも、ハンターたちとも仲良くなれる絶好のチャンスじゃないですか? さっそく声を掛けてみますね」
「…………はぁ」
 コウ・リィとは裏腹に、磐田恵の顔には「絶望」と言わんばかりの表情が貼り付いていた。

リプレイ本文

●ハンターオフィスにて
「よかった! 人が集まってくれて。恵さん、ほらご挨拶!」
 今回なかなか人が集まらなかったので心配だったのだ。受付嬢コウ・リィは磐田恵を、集まった4人のハンターたちの前に押し出した。
 ハンターたちの顔を見た途端、恵は「ひいっ!」と小さな悲鳴を上げた。
「ちょっ、やばっ、やばいんですけど!」
「大丈夫ですよ。皆さん、あなたの手助けをしようと名乗り出てくださった方々なのですから、さあ!」
 半ば強引に4人の前に押し出された恵は、しどろもどろに「どうも」と頭を下げる。
「恵さん」
 ミオレスカ(ka3496)に声を掛けられ、恵は「はひっ!」と奇妙な声を上げる。
「麺麭祭りです、がんばりましょう」
「は、はひぃっ!」
 緊張のせいで、返事の声までガチガチだ。
「や、やあ、バンちゃん」
 エメラルド・シルフィユ(ka4678)が発した一言で、恵はぴきっと凍り付いた。
「バ、バンちゃん?」
「いや、そのっ! これは友人からのアドバイスで! 磐田も磐田恵もよそよそしい感じがよくないから、いっそあだ名で呼んだ方が友達っぽいとアドバイスを貰ってだな!」
「……可愛くない」
「ええっ?」
「バンちゃん、却下!」
「そ、そんな!?」
 まさか文句を言われるとは思わなかった。エメラルドは驚愕の声を上げた。

●相談
「今日は麺麭祭りへの出品物のアイディア提供、ということでいいでしょうか?」
 椅子に腰を落ち着けると、さっそくエラ・“dJehuty”・ベル(ka3142)が、本題について率直に訊ねる。
「はっはい!」
「春って言ったら苺ジャム使うたり春の花を連想させるんがええかなぁ? 恵さんはどう思ってるのん?」
 ミィナ・アレグトーリア(ka0317)の質問に、恵は頭を抱える。
「確かに苺や春の花が一番春らしいとは思うんだけど、思うんだけど……」
 ここは友である自分の出番だと、エメラルドが救いの手を差し伸べる。
「私は一応教会の奉仕活動でパンはよく焼いてる。何か作りたいデザインがあるなら手伝うぞ」
「その前に、他のあだ名を考えて欲しいんですけど」
「ええっ!」
 このままでは話が横道に反れそうなので、ミィナが軌道修正する。
「じゃあ、藁人形型ちぎりパンとかどうかなぁ?」
 藁人形型のちぎりパン。予想外の提案に恵とハンター3人は目を見開く。
「あのね、『のろい』と『まじない』はおんなじなのん。使い方次第で良くも悪くもなるのん。今回はー、良くなって欲しいところを食べて頑張ると良いことあるかも、的な験担ぎはどうかなぁ?」
「あ、藁人形型のパンは、良くないと思いますが、案山子型などと呼べば、一応、大丈夫と思います」
 ミィナの験担ぎという発想は面白い。これはミオレスカを始め、他のハンターたちも同意だった。
「後はおみくじパン……いや、私が思うには地産地食を主に、観光の一助や地域外への売出も視野に考えてはどうでしょう?」
「は、はあ……」
 エラの提案に、恵は目を白黒させる。
「この村にはどんな特産物があるのですか?」
「え、えーと……血豆と呼ばれる小粒の赤い豆と、蛇の心臓と呼ばれる苺、だったかな?」
 事前に恵が調べていたのは助かった。しかし、ネーミングに難ありの特産物だ。名付けた人物のセンスを疑う。
 豆は炒ったり、肉と一緒に煮込む料理に。また苺は果実酒や砂糖煮にするのが主だという。どうやら、血豆と呼ばれる豆は、リアルブルーの小豆に似ているらしい。
「私の案としましては、それらを餡にしたパンがいいのではないかと」
 この土地ならではの食材を使えば、他地域との差別化が図れるというのがエラの考えであった。
 リアルブルーでも食文化に詳しいミオレスカは、知識の中にある、あるひとつのパンを思い浮かべながら語る。
「あんぱんという、至高のパンのひとつが、リアルブルーではメジャーな食べ物だと聞いています。単純な砂糖のパンより新鮮だと思いますが、いかがでしょうか」
「そ、そうですね!」
「餡パンはイースト菌より酒コージ? で作ったほうが美味しいって聞いたことあるのん!」
「へ、へえ!」
 皆、リアルブルーの食事情に詳し過ぎる!
 非常に申し訳ないが、イースト菌と酒コージの違いもわからない。取り敢えず、美味しければ、どちらでもいい……というのが本音である。
 他人事のようにハンターたちの話を聞いていたが、全員の視線が恵に集まった。
「では恵さん。祭りの前日までに、2つの餡の試作をお願いします」
 エラに突然役割を振られ、恵はぎょっと目を見開く。
 すべてを手伝っては彼女のためにならない。料理が苦手なのは知っているが、敢えて任せることにする。
「頑張れ、バンちゃん」
 茫然とする恵に、エメラルドがエールを送る。
「無理ぃ!」
 青ざめた顔で、恵は頭を抱えて叫んだ。

 パンづくりコンテストの案も決まったところで、今度はバザーに出す品についての話し合いに移る。
「バザーも藁人形で大丈夫だと思うんよー」
 恵が唯一作れるものが藁人形ならば、それを生かせばいいとミィナは提案する。
「あ、でもサイズは手のひらくらいのちっちゃいのがええかな? 体の悪いところに当てて、良くなったら聖水かお塩かけて燃やしてね! って言う感じで」
「わ、藁人形か……それは……」
 如何なものだろう。エメラルドが咎めるような声を洩らすが。
「藁人形にそんな活用法があるとは……頑張って作ります! ホント、得意なんで!」
 ガッツポーズで恵は椅子を蹴って立ち上がる。少々ヤケクソ気味な気もするが、本人はやる気を見せている。
「じゃあ、藁人形で決まりですね。呼び方はこのままでいいですか?」
「厄払い的な意味合いなら、藁人形で問題ないでしょう」
 エラとミオレスカもこの案に反対は無いようだ。そのまま藁人形で決まりかけたところで、エメラルドが改めて待ったをかける。
「わ、悪くはないが今回は新しいジャンルに挑戦してみるのはどうだろう?」 
 下手に新たなジャンルに手を出すよりも、得意分野で挑むほうが確実だ。とはいえ藁人形が祭りの場に相応しいとは言い難い。
 エメラルドの意見はもっともかもしれない。でもね、とミィナは言う。
「新しい事に取り組むにはちょっと時間がないのん」
「た、確かに……だが」
 エメラルドの懸念はわかっている。お世辞にも可愛らしいとは思えない造形、本来の使用法も少々物騒だ。
「きっと小さな藁人形だったら、可愛いと思うのん!」
 藁人形が可愛い……無理はあるが、時間が無い今、ミニ藁人形しか選択肢はない。恵には、前日までにできる限りたくさんの藁人形を作るように頼んでおく。
 こうして無事、パンづくりコンテストとバザーへの出品物が決まった。

●祭りの準備で大忙し
 いよいよ明日は麺麭祭り当日だ。ハンター4人は恵の自宅へ招かれ、さっそく準備に取り掛かる。
 ひと通りパン作りに必要な道具は揃っていると聞いたが、立派な備え付けのオーブンまでもあるとは思わなかった。しかし、案の定というべきか、オーブンはまだ一度も使われた形跡がない。
「あの、餡とジャム! 言われたとおり作ってみたんだけど」
 2種類の餡の試作品を、ハンターたちの前に並べた。まさか恵が一人で作ったのかと思いきや、隣人のマイオス夫人に手伝って貰って用意したという。
 なんとミィナが用意していた酒粕を使った酒種も用意されていた。こちらも恐らくマイオス夫人の助けがあったに違いない。
 人に頼りがちなところがあるとはいえ、村人との交流できたという点では大きな進歩だ。
「バンちゃん、頑張ったな!」
「バンちゃん言うな!」
 エメラルドに食って掛かるものの、頑張ったと言われて満更でもない様子だ。
「うん、この餡とジャム、美味しくできましたね」
 きっと美味しいパンになる。ミオレスカは、試食をしながら確信する。
 鮮やかな赤い豆は、煮込んだことで明るい茶色の餡に仕上がっていた。よく煮込まれた豆はほろりと崩れ、素朴な甘味が口の中に広がる。
 一方、苺は煮ても鮮やかな赤色は失われていない。小さな粒は濃厚な甘さに包まれているが、噛みしめると新鮮な果実の酸味が広がり、なかなかの出来具合だ。
「だがもう少し砂糖を入れてもよさそうだな。最後に塩味で甘味を引き立てて……」
 エラは遠方への売り出すことを考慮し、少しでも日持ちするよう調整を始める。
 パンの中身はエラに任せることにして、他のメンバーたちはパンの生地づくりに取り掛かる。
「丸く幸せな形に焼きあげましょう。上手な感じがなくても、最低限、焦げ付いてなくて、甘ければ、問題ありません」
「が、がんばりまっす!」
 ミオレスカの励ましを受けて、恵はガッツポーズで気合を見せる。
 今度はエラから指示の声が飛ぶ。
「発酵時に雑菌が混じらないようにしてください。パン種を保管できそうな箱に、蒸留酒を吹き付けて、殺菌して、最後に拭き上げて」
「は、はいぃ!」
 恵は必死の形相でパン生地をひたすら捏ねる。美味しくな~れ、美味しくなと低い声で呪文のように唱えながら。
「め、恵さん! 親の仇じゃないですのん! もっとやさしく捏ねたほうがいいかな?」
「そうそう。やさしく捏ねつつ、もっと腰を入れましょう」
 ミィナとミオレスカのパン指導に熱がこもる。恵は少々不器用ではありつつも、熱心さでカバーしている。
 少々いびつながらも、餡とジャムを入れたパン生地を丸く成型し終えた。これを繋ぎ、藁人形、ではなく案山子の形に仕上げていく。
 餡とジャムを交互に繋ぎ手足を形作る。顔の部分は少々大き目に作る。
「……のっぺらぼう」
 ぼそり、と恵が呟く。彼女の言う「のっぺらぼう」の意味はわからないが、この状況から推測するに、顔に目鼻が無いことを刺すのだろう。
「怖いな」
「だよな」
 珍しくエメラルドと恵の意見が一致した。目鼻が無い巨大な人形型のパンは少々不気味だ。見かねたミィナが小さく丸めたパン生地を鼻とほっぺにする。
「最後の仕上げにチョコペンで目と口を描いたら、きっと可愛くなりますのん!」
 ミィナは願いを込めるように宣言する。
「どうか、可愛いパンになりますように!」
 オーブンの前で恵は両手を、パンッと合わせて祈りを捧げる。ハンターたちも、見様見真似で両手を力強く合わせ、無事パンが焼けるよう祈るのだった。

 パンが焼ける間に、バザーに出品する藁人形の確認をする。
「とにかく、たくさん作ってみました!」
 両腕で抱えるほど大きな木箱には、ぎっしりと小さな藁人形が詰まっていた。一同「うっ!」と声を上げそうになるが、恵の努力の結晶だ。何か言わなければと、全員が必死にコメントを探す。
「……バンちゃんは、藁人形が本当に得意なんだな」
 エメラルドは呻くように呟く。大量の藁人形には一瞬引いた。が、これをひとりで作ったことについては、本当にすごいとは思う。思うことにする。
「…………」
 エラも何か言おうとするが、結局無理をするのはやめたのか無言であった。
「何か、ひと工夫欲しいところですね」
 ミオレスカは山と積まれた藁人形のひとつを手に取ると、様々な角度から観察する。ミィナは手のひらに乗せた藁人形を、じっと見つめた。
「ワンポイントにアクセントでもあればいいですのん。リボンとか、お花とか?」
「じゃあ、両方つけたらいいのでは?」
 幸い外に出れば、可愛らしい花々が色とりどりに咲き乱れている。これらを藁人形の首元に白いリボンを結ぶ。そして頭にピンクや黄色、白い小さな花で飾ってみる。
 頭の部分に「これでもか!」と小花を散らしたところ、アフロヘアの謎の人形に変化していた。
 これなら可愛らしいとは言えなくもないだろう。藁人形は「おまじないの人形」として販売できそうだ。

●麺麭完成♪
 黙々と藁人形に飾り付けをしてくうちに、パンが焼ける甘く香ばしい匂いが漂ってくる。
「パン、焼けましたのん!」
 焼きあがったパンはこんがりとしたキツネ色。酒種を使ったからか、独特な甘い匂いがふわりと鼻をくすぐる。鉄板に乗ったパンを目にして、一瞬沈黙が訪れる。
「案山子……うん、案山子ですかね?」
「うむ……案山子的な、何か?」
「案山子ということにしておけばいいのでは?」
「大丈夫ですのん! 顔をこうして、こうして描けば……多分案山子?」
 無事、案山子的なパンが出来上がった。4人から微妙なコメントを頂き、恵は少々涙目だ。
「気にするなバンちゃん! 見掛けより味で勝負だ」
「う、うん」
 味見用に焼いたパンを、さっそく試食してみる。
「うん、ちゃんと美味しいですよ」
 ミオレスカに励まされ、恵は嬉しそうに頷く。
 味は問題ない。むしろ美味しい。パン生地もほんのりと甘くて餡やジャムとの相性もいい。優しい味に、全員がほっこりとなる。
 恵は目元を拭うと、4人のハンターたちの前に居住まいを正した。
「あの、今回は、皆のお陰で無事明日の祭りに参加できっ、できそうです。あ、ありがとうございましたっ!」
 緊張のせいか、恵の顔は真っ赤に染まっている。まだ何か言いたげな様子だ。
「あのですね、あのっ」
 彼女の顔色は、赤を通り越してすでに赤黒い。こっちが心配するほど緊張している。
「そういえば、私たちハンターは完全によそ者ですが、参加させてもらって大丈夫でしょうか?」
 ミオレスカの何気ない質問に、恵はびくっと体を震わせる。
「も、もちろん! 参加したければ好きに、いや、その。むしろ一緒に参加してくれると……嬉しい、です!」
 どうやら恵が言いたかったのは、このことのようだ。
「うちもバザーのお手伝いするのん! でね」
 ミィナは小さく手招きをすると、恵の耳元でそっと呟いた。
「この人形の、裏の使い方は教えちゃダメなんよ?」
 己の黒歴史。リア充を殲滅すべく藁人形に木槌を振るっていた過去。しかし、もう羨んで人を呪ったりなんてしない。
「勿論、です!」
 もう大丈夫。黒歴史を知っていても、手を差し伸べてくれる人がいるのだから。
 新しい自分になる! このクリムゾンウェストで。

●再びハンターオフィスにて
 その後、パン祭りが無事終わったと報告をしに、磐田恵がハンターオフィスを訪れていた。
「よかったですね、恵さん」
 麺麭祭りが無事に終わったと、恵からの報告を受けて、受付嬢のコウ・リィは微笑む。
「はい! お陰でリア充に一歩近づけた気がします!」
 パンコンテストは入賞は逃したものの、特別賞を貰ったという。
「お礼といってはなんですが」
 恵は出品した丸い2種類のパンと、両手で抱えるほどの箱を差し出した。
「賞品で貰ったものですけど、よかったら使ってください!」
「ありがとうございます……あら、大きいお皿!」
 春の麺麭祭りの賞品は、大きな「白いお皿」であった。

 それ以降、その大きな白いお皿は、ハンターオフィスでよく目にするようになったらしい。

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  • 幸せの魔法
    ミィナ・アレグトーリアka0317
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカka3496

重体一覧

参加者一覧

  • 幸せの魔法
    ミィナ・アレグトーリア(ka0317
    エルフ|17才|女性|魔術師
  • 世界は子供そのもの
    エラ・“dJehuty”・ベル(ka3142
    人間(蒼)|30才|女性|機導師
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカ(ka3496
    エルフ|18才|女性|猟撃士
  • 悲劇のビキニアーマー
    エメラルド・シルフィユ(ka4678
    人間(紅)|22才|女性|聖導士

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アイコン 麺麭祭り作戦
ミオレスカ(ka3496
エルフ|18才|女性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2018/04/12 11:50:23
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/04/11 12:47:40