【CF】Christmas Festival

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 『いよいよクリスマスの季節がやってきましたね。
 先日の万霊節、ハロウィンは歪虚のせいで、残念ながら市民の皆さんにも、お客様達にも楽しんで頂くことが出来ませんでした。
 クリスマスはその分も、楽しく過ごせるお祭になるようにしたいものです。
 ピースホライズンにいる間だけでも、嫌なことを忘れて幸せになって頂かないと、ね。』

レオーナ・マンティエロ(kz0069

クリムゾンウェストのクリスマス

 クリムゾンウェストでは、クリスマスは人々の暮らしに深く馴染んだ文化です。その由来については様々な話が伝わっていますが、基本的にはリアルブルーから伝わった文化であるようです。
 エクラ教ではクリスマスを、リアルブルーの聖人の伝承を由来とする祭日であると言い、クリスマスの日には教会での祭典を行ったり、訪れた人にお菓子を配るなど、教会ごとに様々な祝い方をしています。

 リアルブルーからの転移者が、様々な時代、場所のクリスマスの催しを伝えたおかげで、現在のクリムゾンウェストのクリスマスは、地域差なども含めて様々な催しが開かれるお祭の要素が濃くなっています。12月24日が最も多く、大きなパーティーが行われる傾向が強いようですが、12月の初頭からパーティーを行ったり、あるいは家族と静かに過ごすなど、クリスマスの過ごし方は地域によって様々です。
 また、クリスマスツリーを飾る地域もあれば家中をヒイラギで飾り付ける地域もあるため、各地のクリスマスを見て回る旅人も居るようです。

 各種催しごとに力を入れることでも有名な崖上都市「ピースホライズン」では、宗教色よりもパーティー要素が非常に強い、リアルブルーの日本に似たイメージのクリスマスが、広く浸透しています。
 この時期のピースホライズンは、街中がクリスマス飾りや魔導イルミネーションに彩られて、街中がクリスマス一色に染まっていると言っても過言ではありません。街のあちらこちらで催し物やパーティー、出店などが行われているため、それを目当ての観光客も多く訪れます。

 ピースホライズンではクリスマスを、『聖輝節(セイキセツ)』と呼ぶこともあります。
 その他にも、地域によって様々な名称で親しまれています。
 
 

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オープニング

 「崖上都市」ピースホライズン。
 ゾンネンシュトラール帝国とグラズヘイム王国を隔てる大峡谷にかけられた橋の上に築かれたことから、「空中都市」とも「橋上都市」とも呼ばれるこの街は、昼間は商業の街として、夜は安全な歓楽の街としてクリムゾンウェストの人々から親しまれてきた。ピースホライズン側でもまた、それらの人々を積極的に取り込むべく様々なイベントにも力を入れ、一種の観光都市としても機能していて。
 そんな街は今、来たるクリスマスに向けてどこもかしこも賑やかに活気づいていた。少し街を歩いただけでも、街頭や並ぶ店のあちこち、果ては閑静な住宅街までもがクリスマスの飾り付けで華やかになり、夜には魔導装置が生み出す色とりどりの灯火が美しく街を彩りつつある。
 すでに訪れ始めているクリスマス目当ての観光客と、彼らを取り込もうとする客引きのどこか楽しげなやりとりに目を細め、視察に訪れていた市長レオーナ・マンティエロ(kz0069)は嬉しそうに微笑んだ。

「順調に進んでいるみたいですね」
「はっ」

 レオーナの言葉に頷いたのは、傍らに控える初老の部下である。他にももちろん、市長達を陰ながら守る護衛は人混みに紛れて居るのだが、市民の皆さんに不安を与えてはいけませんから、というレオーナの意向を理解して存在を誇示するようなことはない。
 ゆえに端から見ればそぞろ歩きを楽しむ老夫婦のように――もっとも、市民の多くは市長たるレオーナの姿を見知ってもいるからそんな誤解を抱く者は殆どいないのだが――2人は、クリスマス準備に賑わう街を歩いていた。その表情はどちらも、満足そうである。

「市民の皆さんが幸せそうなのは素晴らしいことですね。万霊節は残念なことになってしまいましたもの。今度こそ、楽しく幸せな催しにしたいものですね」
「はい。市民も皆、クリスマスを楽しみにしています。――私の孫も」

 レオーナの言葉に、初老の部下は心から大きく頷いた。市長と同じくクリスマス準備に賑わう街を見つめる眼差しには、どこかほっとしたような色がある。


 10月、本来なら万霊節――リアルブルーで言うところのハロウィンで盛り上がるこの街は、けれども街を上げての催しの自粛を余儀なくされた。グラズヘイム王国に迫った突然の歪虚の激しい襲撃――王国と帝国をつなぐ橋の上にあるピースホライズンが、その事態を他人事と楽観視できる訳もなく。
 結果、レオーナは万霊節の中止とその準備で集まった物資の王国への提供を決断した。歪虚というただならぬ驚異の前にあっては、この街が今まで同様これからも中立を保ち続けるためにも、それは必要なことだった。
 とはいえやはり、毎年行ってきたイベントが今年は行えなかった、と残念がる者も少なくはなかった。初老の部下の孫もその1人である。
 がっかりした顔の孫を慰めるため、せめてと身内や知人を集めてのパーティーは行ったものの、やはり例年とは違う。そういう消化不良を抱えている者は、見たところ、彼の孫ばかりではないらしい。
 そのせいか、万霊節が出来なかった分もと街では飾り付けや、イベントの準備にも例年以上に熱が入っている所も少なくない。その熱気のせいか、少しばかりトラブルが起こっている場所もあるようだ。
 とはいえ幸い祭りのこと、元より楽しいことを心行くまで楽しむ者が多いピースホライズンという場所柄もあってか、大きなトラブルになっているものはあまりないようだが。
 そんな初老の部下の話に、あらあら、とレオーナはそれこそ孫の悪戯を見咎める祖母のような、優しい眼差しで微笑んだ。

「それはいけませんね。とはいえ幸い、戦いもひとまずは終わりました。その分も、クリスマスは存分に楽しんで幸せになって頂けるように、市からも補助などを出していくことにしましょうか」

 そもそも、催しごとはこの街の重要な収入源でもある。そういった意味でも、万霊節が行えず例年ならやって来るはずだった観光客が訪れなかった今年は、いつも以上に力を入れていく必要があるだろう。
 それに何よりレオーナ自身もまた、クリスマスこそは万霊節の分も思い切り楽しみたいものだと、こっそり思っていたりした。そんなレオーナの心情を察したように、初老の部下は『畏まりました』と力強く頷いたのだった。


(執筆:蓮華・水無月)

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