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【郷祭】ストーリーノベル「村長会議、紛糾?」(5月11日更新)
農業推進地域ジェオルジの村長会議は、各村の運営状況の報告や農業振興における諸問題の相談、たまに村と村の間の揉め事の仲裁が主な議題だった。
しかし、突然規模が拡大した2年前からは、各村でも名産品開発への取り組みが当たり前になって来た。北方の戦役の前線に、日持ちも味も良い商品を送り出せないかと日夜研究しているところも出てきている。
更に、今回の村長会議には新たな顔触れが多数加わっていた。
サルヴァト―レ・ロッソから、ジェオルジの各地に移住してきたリアルブルーの人々である。
この新たな住民の大半は農業コロニーの住人でもあったのだが、だからといって全員が農業従事者ではない。中には、その加工や流通、販売を担っていた人々も存在する。
彼ら、彼女らは、こう提案した。
「この蚤の市だのフリーマーケットだの、つまりは商人ギルドに入らずに商売しようと言うのかねっ。そりゃ問題だよ?!」
「期間限定、期間限定ですってば! そりゃ、私達も本格的に商会を立ち上げたいですがね、ギルドに登録するにも、品物を仕入れるにも、先立つものが全然足りないんですってば!!」
提案内容は、春郷祭期間中限定で、ジェオルジの各村や参加を希望した商会、商店、個人が低額の登録料で出店が出来る青空市場だ。リアルブルーでは地域により色々な名前で呼ばれていたが、とりあえず蚤の市とフリーマーケットの名前を提示していた。
せっかくジェオルジ内外から人が集まるのだから、村ごとに宣伝活動をするよりは、一か所にまとめてジェオルジを売り込む場を設けようと、提案の肝はそこにある。
ついでのように、自分達も商人ギルド登録前に商売の元手を稼ぎたいとさらりと言うもので、村長の一部は渋い顔をしていた。
他は、この提案が自分達に利益があるかを検討している顔付きだ。
「まあまあ、どちらも落ち着いて。我々だって、こちらの慣習を無視しようとは思ってませんよ。ただ、実際に今までの商売の仕方が通用するか、また扱いたい商品を継続して仕入れ、売る先があるのか、見極めたい訳です」
「となると、各村の宣伝活動にもご助力いただけると考えてよろしいか?」
「ご希望があれば、もちろん。お安くしておきます」
提案者と村長達の一部同士で角突き合わせているのを横目に、穏健派同士の話し合いは冷静に進んでいた。
ジェオルジ側には、商売可能な地域を定めることで悪徳商人が勝手をすることへの予防線が張れる。また、金額の多寡はともかく収入も見込めるし、ジェオルジの産物を集まった人々に集中的に売り込めるだろう。
元ロッソ民には、当座の生活や商用の資金を稼ぐ場が出来る。また、こちらの世界の商法や接客に必要なものを学ぶにもよい。なにより、ジェオルジに馴染むのにも役立つだろう。
混乱する可能性もなくはないが、なんとか話がまとまりかけているところで。
「なんだ、金をとるのか」
「だから、先立つものが必要だって言ってんじゃないのよ!」
角突き合わせている面々は、まだ気が済んでいない。
しかし。
「あれはあれとして」
「ジェオルジの発展のために、まずは実行してみましょう」
ジェオルジ春郷祭、初の大規模青空市場の開設は決定した。
同盟内外を問わず、来場はもちろん、他地域の商店、個人の参加も大歓迎だそうだ。
しかし、突然規模が拡大した2年前からは、各村でも名産品開発への取り組みが当たり前になって来た。北方の戦役の前線に、日持ちも味も良い商品を送り出せないかと日夜研究しているところも出てきている。
更に、今回の村長会議には新たな顔触れが多数加わっていた。
サルヴァト―レ・ロッソから、ジェオルジの各地に移住してきたリアルブルーの人々である。
この新たな住民の大半は農業コロニーの住人でもあったのだが、だからといって全員が農業従事者ではない。中には、その加工や流通、販売を担っていた人々も存在する。
彼ら、彼女らは、こう提案した。
「この蚤の市だのフリーマーケットだの、つまりは商人ギルドに入らずに商売しようと言うのかねっ。そりゃ問題だよ?!」
「期間限定、期間限定ですってば! そりゃ、私達も本格的に商会を立ち上げたいですがね、ギルドに登録するにも、品物を仕入れるにも、先立つものが全然足りないんですってば!!」
提案内容は、春郷祭期間中限定で、ジェオルジの各村や参加を希望した商会、商店、個人が低額の登録料で出店が出来る青空市場だ。リアルブルーでは地域により色々な名前で呼ばれていたが、とりあえず蚤の市とフリーマーケットの名前を提示していた。
せっかくジェオルジ内外から人が集まるのだから、村ごとに宣伝活動をするよりは、一か所にまとめてジェオルジを売り込む場を設けようと、提案の肝はそこにある。
ついでのように、自分達も商人ギルド登録前に商売の元手を稼ぎたいとさらりと言うもので、村長の一部は渋い顔をしていた。
他は、この提案が自分達に利益があるかを検討している顔付きだ。
「まあまあ、どちらも落ち着いて。我々だって、こちらの慣習を無視しようとは思ってませんよ。ただ、実際に今までの商売の仕方が通用するか、また扱いたい商品を継続して仕入れ、売る先があるのか、見極めたい訳です」
「となると、各村の宣伝活動にもご助力いただけると考えてよろしいか?」
「ご希望があれば、もちろん。お安くしておきます」
提案者と村長達の一部同士で角突き合わせているのを横目に、穏健派同士の話し合いは冷静に進んでいた。
ジェオルジ側には、商売可能な地域を定めることで悪徳商人が勝手をすることへの予防線が張れる。また、金額の多寡はともかく収入も見込めるし、ジェオルジの産物を集まった人々に集中的に売り込めるだろう。
元ロッソ民には、当座の生活や商用の資金を稼ぐ場が出来る。また、こちらの世界の商法や接客に必要なものを学ぶにもよい。なにより、ジェオルジに馴染むのにも役立つだろう。
混乱する可能性もなくはないが、なんとか話がまとまりかけているところで。
「なんだ、金をとるのか」
「だから、先立つものが必要だって言ってんじゃないのよ!」
角突き合わせている面々は、まだ気が済んでいない。
しかし。
「あれはあれとして」
「ジェオルジの発展のために、まずは実行してみましょう」
ジェオルジ春郷祭、初の大規模青空市場の開設は決定した。
同盟内外を問わず、来場はもちろん、他地域の商店、個人の参加も大歓迎だそうだ。
(執筆:龍河流)
(文責:フロンティアワークス)
(文責:フロンティアワークス)
関連NPC
ラキ(kz0002) | |
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幼い頃からハンターの親に連れられて、様々な国や街を渡り歩いて おり、旅することが日常だったため、国家同士の領土意識にかかわらず様々な地域へ任務で行けるこの仕事を天職と信じている。 ハンターとしてのキャリアはそこそこだが、転移者のカナギと組んで見て、覚醒者としての実力の差を感じてきている、とはいえ、そこは持ち前の明るさで前進あるのみ。 |
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イラスト:わたりとおる |
セスト・ジェオルジ(kz0034) | |
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広大な農耕地域・ジェオルジを治める若き領主。 先代の父・ルーベンは健在で、農業研究に専念。領主としての仕事は、母・バルバラや姉・ルイーザが仕切っている。 端正な顔立ちも手伝い、パッと見の雰囲気は「無感情かつ無表情」というイメージを与えてしまいがちな少年。 |
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イラスト:ちろりるら |