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【RH】

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な、何とかロンドンの街を全壊させる事は防げたみたいザマス。
ハンターの皆さんにはお礼を申し上げるザマス。
ロンドンの街は広範囲で破壊され、アスガルドの子供達も未だ目を覚まさないザマスが……。
でも、顔を上げて前を向くしかないザマス。

ラズモネ・シャングリラ艦長:森山恭子(kz0216)

更新情報(6月8日更新)

【RH】連動決着! ロンドンを舞台にした歪虚との戦いは、思わぬ事態を引き起こす。
事件の爪痕は大きく、多くの者に影を落としてきた。
ロンドンの攻撃で被害を受けた者達。未だ目を覚まさない子供達。その被害はあまりにも大きい。
されど、落ち込む暇は無い。事件の裏に潜む闇とは……。

リアルブルー連動【RH】、エピローグを公開。
アスガルドの強化人間失踪事件の結末をご確認ください。
▼【RH】グランドシナリオシナリオ「ハーメルンの笛吹き男」(5/17~6/07)▼
 
 

【RH】ストーリーノベル「いばらの中の子供達」(6月8日公開)

慈恵院明法

ドロシー

トモネ・ムーンリーフ

ユーキ・ソリアーノ

 ロンドンの街を危機に陥れた歪虚CAM『如意輪観音』と巨大潜水艦『エリュマントス』。
 歪虚――慈恵院明法が連れ去った強化人間達もロンドン各地で暴れ回った結果、ロンドンの街は大きな被害を受けた。
 特に如意輪観音が爆発したとされる北部地域の被害は甚大であり、ハンターや統一地球連合宙軍、逃げ遅れた市民の多くが巻き込まれてしまった。
 今も如意輪観音が爆発した場所は、月面基地『崑崙』にあるクレーターを彷彿とされる巨大な穴が口を開いていた。
 さらにブライトンで発生した強化人間の暴動は、敵味方双方に死者を出す惨事となった。既に市民にも被害が及んだ上、強化人間のドロシー(kz0230)も負傷する事態となった。
 イギリス国内を暴風のように暴れ回った強化人間。
 その様を目撃し、絶望に見舞われる市民達。
 だが、それでもこの地球で生きて行かなければならない。
 神は――何故、人々に試練を与えるのか。
 人々はその答えを探し求めるが、神は未だに口を閉ざしたままだ。

「……まだ、目覚めぬか」
 ムーンリーフ財団トモネ・ムーンリーフは、強化人間研究施設『アスガルド』を訪れていた。
 ロンドン市内では未だ復興作業が続いており、トモネも世話役兼補佐役のユーキ・ソリアーノへ財団上げての復興作業を指示していた。
 だが、トモネからすれば被害者はロンドン市民だけではない。
 このアスガルドで『保護』された強化人間の子供達も同様なのだ。
「はい。残念ながら……」
「静かだな、ここは。こんなにも静かな場所であったか」
 ユーキの言葉を効いた後、一呼吸置いたトモネ。
 見回らせば、目に入るのは子供達の世話をしていたスタッフばかり。
 先日訪れた時には、多くの子供達が元気に走り回り、笑顔で溢れていた。
 学校の宿舎のような雰囲気が、暖かい空気を醸成していた。
 だが、今はどうだ。
 外界から切り離されたように静けさだけが支配する空間。騒音もなければ笑顔も無い。ただ、無機質な空間がそこにあるだけだ。
「申し訳ございません」
「あの子達は、ここで幸せだったと思うか?」
「私には測りかねます。ですが……」
「私は、あの子達の希望となれなかった!」
 ユーキの言葉を遮って、トモネは語気を強めた。
 強化人間としてアスガルドへ連れて来なければ、あの子達はこのような目に遭うこともなかった。
 仮に目覚めたとしてもロンドン市民からどのような目で見られるか。それはトモネにも容易に予想がついた。
 すべては、自分の責任だ。
 子供達を守り切れなかった財団総帥の責任だ。
「総帥……」
 肩を震わせるトモネを前に、ユーキは次の言葉が出なかった。
 総帥といっても、未だ幼さの残る少女だ。
 その子の背に財団が重責のようにのし掛かっている。
 その苦悩はユーキも察している。それでも、ユーキにできる事は少ない。
「私は、無力だな。総帥になっても子供達を幸せにしてやる事もできない」
 消えるような言葉。
 自分自身の言葉が、トモネに心に深く突き刺さる。


森山恭子

八重樫敦

ジェイミー・ドリスキル

「……これで報告は以上ザマス」
 ラズモネ・シャングリラのブリッジでは森山恭子(kz0216)が、山岳猟団団長八重樫 敦(kz0056)とジェイミー・ドリスキル(kz0231)中尉を前にため息をついた。
 リアルブルーへ帰還していた八重樫とブリーフィングへ参加したがらないジェイミーを相手にイギリスの状況を説明していたのだ。
 恭子もこれから強化人間達の境遇を思うと胸が苦しくなる。
「ロンドンの事件は各国へ伝わっているだろう。各地の強化人間達の境遇が悪化しなければ良いが」
 八重樫も状況を聞いて世界各国の強化人間の境遇を案じていた。
 既にリアルブルーでは対VOID戦闘員として各国へ配置されている。その対VOIDの主力部隊に対してイギリスでの強化人間に関わる事件が発生するのではないか、という疑念はついて回るだろう。
「現時点では対VOID要員として強化人間に頼らざるを得ない状況ザマスから、表立って冷遇はされないザマス。でも、状況が変われば強化人間の立場が悪化する可能性はあるザマス」
「へぇ?。大変だなぁ」
 恭子の心配をよそに、ドリスキルは暢気にウイスキーのグラスを煽っていた。
 いつもと変わらない様子のドリスキルに、恭子は思わず怒鳴りつける。
「ドリスキルさん、ここは軍艦のブリッジザマス! それ以前にあなたも強化人間ザマスから、これからどうなるかって不安はないザマスか!」
「あ? 俺は最初っから底辺だからな。後方からスタートしてんだから、これ以上評判も落ちねぇだろ。それより……」
「この事件には何かある、そう言いたいのか?」
 ドリスキルの言葉に続ける形で八重樫が口を挟んだ。
 その言葉にドリスキルは満足げだ。
「大正解。商品はハワイ旅行だ。美人にレイでもかけてもらうんだな」
「どういう事ザマス?」
 一人事態を理解できない様子の恭子。
 その様子を見かねたドリスキルが話し始めた。
「今回の事件、いろいろ不自然なんだよ。失踪したガキどもが潜水艦で海に隠れてた? あんだけデカい潜水艦だ。何かしらの痕跡があってもおかしくはないだろ。それにあの仏像だ。今までのVOIDと明らかに異質じゃねぇか? 俺達の知らない何かが、この事件の裏で動いてやがる」
「あるハンターが一つの仮説を話してくれた。だが、それを証明する証拠は何も無い。……今はな」
 考えてみれば、不自然な事は幾つもある。
 明法が自爆した為に、その答えは闇の中だ。
 だが、その闇から新たな魔の手が伸びてくる事は容易に想像ができる。
「そうザマスね。事件は片付いたかもしれないザマスが、油断は一切できないザマス」
 ラズモネ・シャングリラは、イギリスを出発する。
 ――新たなる戦場を目指して。


「ただ今戻りました」
「ああ、お帰り?。本当にお疲れさん」
「申し訳ありません。俺が不甲斐ないばかりに……」
「ああー、いいのいいの。戦力としてが勿体なかったけど、必要なデータは揃ったから。君が姿を見せただけで彼らの慌てよう……いやー、面白いものが見られたよ」
「そ、そうですか? 喜んでもらえたなら良かったです。でも、子供達は取り返されちゃいましたね?」
「あ? ああ、あの子達ね。あの坊主君がご執心だったみたいだけど」
「明法さんでしたっけ? あの人も倒されちゃいましたね。子供達を操る凄い秘術がありましたけど、あの秘術は無くなっても良かったんですか?」
「ああ、あれ? うそうそ。坊主君にそんな術はないよ」
「え!? そうなんですか?」
「そ。ハッタリだよ、ハッタリ。僕が力を貸さなきゃ何もできなかったんじゃないかな。そもそも、僕にとってはあの子達がどうなろうが知った事じゃないよ。野垂れ死のうが、殺されようが、どっちでもいいし。
 どうせ、消える命でしょ。だったら有効活用した方が良いんじゃない?」
「はぁ、そういうものですか」
「そんなもんだよ。
 彼らもきっとあの坊主君を片付けたと安心しているだろうね。まさか、単なる口だけばっかりの出任せ坊主君とは思ってないんじゃないかな。
 この世界に『ハーメルンの笛吹き男』って話があるんだ。最後は、笛吹き男が子供達を笛の音色でどっかへ連れ去っていくって話。
 でもさ、子供達を連れ去ったのは笛の音色じゃないよね? 本当に連れ去ったのは笛を吹いている男の方だよ」
「何だか、良く分からないんですが……」
「今は分からなくてもいいよ。それより、これからが本番だ。君にもしっかり働いてもらうよ」
「わ、分かりました!」
「それにしても、彼らは本当に素直だよ……素直すぎて、反吐が出る。少しは味合わせてあげないとね。人の持つ、醜さって奴を」

(執筆:近藤豊
(文責:フロンティアワークス)

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