• 日常

静まれ、暴れ川!

マスター:竜桐水仙

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~10人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2018/05/20 19:00
リプレイ完成予定
2018/05/29 19:00

オープニング

●とある河川のほとりにて
 その川は、近隣では暴れ川として有名だった。
 春が終われば長雨ではんらんし、夏になれば嵐によってはんらんする。
 近隣住人からすればたまったものではない。
 空が曇るたびに雨が降りはしないかと怯え、雨が降ったあかつきには夜中だろうと川をしょっちゅう覗きに行く。
 挙げ句、それで川に呑まれて死傷者が年に2,3人は出るという有様だった。

 そんな川を渡ろうと、旅人でありハンターでもある中年男――エイソスは、雨に降られながら、川沿いに足を止めていたのである。
 比較的整った顔立ちをしているが、その下半分は薄い髭で覆われている。
 雰囲気は若いものの、見た目は中年じみた感じのする、年齢不詳の男だった。
 商売道具でもある猟銃を抱え、ごま塩髭を撫でながら、立ち尽くしている。
 ひとえに川を渡れないせいだ。
 はんらんが起きるほどの勢いで流れる川には、橋など架けようがなく、頑張って架けても雨が降るたびに流されてしまう。とうとう架けようとする人間もいなくなった。
 すると交通手段は船で川を渡してもらうということになるのだが、これもやはり雨のせいで船が出せなくなることがしょっちゅう。
 結果、多くの旅人が立ち往生することになる。
 ハンターであろうともその例に漏れず、ちょうど時期悪く雨もやまないので、足止めを食らっているところだった。
 しばらく川を眺めていたエイソスだが、唐突に銃を担ぎ直し、きびすを返す。
 元来た道に足を踏み出し、誰にともなく呟いた。

「よし、治水工事だ」

 その日のうちに川の手前にあった村で筆記用具を揃え、川沿いをくまなく歩き回り始める。
 ふちを辿って川上にのぼっていくと、川が大きくS字を描いて流れていることがすぐに分かった。
 さらに川がきれるのは必ずカーブを描いているところだということも、住民への聞き取りで突き止めた。
 あとはそれらのことを、猟撃士の備える目利きの能力を無駄に発揮して、地図と注釈という形で紙に描き起こしていく。
 エイソスのフットワークをもってすれば、治水工事の企画指示書など、雨に打たれながらでも、ものの数日の仕事だった。


●ハンターオフィスにて
「はぁ?? 治水工事ぃ?」

 エイソスが受付に肘をつくなり、バサリと投げた書類の数々に、受付の女性職員は唖然とする。

「おーう。詳しいことはそこの企画書に書いてあるんだけどな」

 エイソスは書類をぞんざいに指差しながら、ペラペラとのたくる。

「あの川、すぐに暴れて渡れなくなるんで、どうにもうざったかったんだよ。だから流れをもっと緩やかにして、水の勢いを弱めることにしたんだ」

 S字を縦に潰したような軌道で川が流れていたために、カーブで勢いがつき、水の勢いを殺しきれずに決壊してしまっているらしい。

「ま、そのことはこの工事を監督してくれる人間に確認したんで間違いはないんだがな」
「それで……、なんのためにハンターオフィスへ? その口ぶりでしたら、もう既に工事をする人間は確保しているんでしょう」

 話が見えないと、長々と続きそうなエイソスの言葉を遮る職員。
 エイソスが鼻の頭を掻いた。

「んま、その通りなんだけどな……。いかんせん人手が足んねえんだよ」

 魂胆が読めてきたと、職員は手を擦り合わせる。

「つまり、工事を一緒にしてくれるハンターを募集したいと?」
「その通り!」

 エイソスは手を打ち合わせた。

「オレもさっさと向こう岸に渡りたいんでね、早急に工事を終えたい。業者にも協力取り付けたんで、報酬は高めに出せるぜ」
「ほう、報酬が多いのですか」
「それだけじゃねぇ。朝昼晩とメシ付きで、宿もおさえてある。みんなで汗を流して、親睦を深めようぜって狙いさ」
「ほほう。そう言ってグループを確保する魂胆ですね?」
「……思うんだけどさ。あんた、ちいとオレにシンラツすぎない?」
「まさか。真面目にやれば能力が高いのに、いい年してブラブラ遊んでばかりいるダメな人だなんて、これっぽっちも思っておりませんとも」
「まーた本音なのか冗談なのか分かりづらい路線を攻めてくるねぇ……」

 とにかく、とエイソスは話を締めにかかる。

「一緒に工事してくれるハンターを募集しておいてくれや。一緒に身体動かしゃ隣のハンターと仲良くなれるだろうし、近所の村人は川がはんらんしなくなって大いに喜ぶ。この時期じゃ雨が降ることもあるだろうが、雨具なんかはこちらで用意するから問題ない」

 笑みを浮かべて言う。

「どうよ、やり甲斐のある依頼だろう?」

解説

シナリオに参加する他のハンターさんやNPCとともに、困った暴れ川の流れを変えようという日常シナリオです。
なお、治水工事には以下の手順を踏む必要があります。

1. 計画区域で生活する住民への立ち退き依頼(嫌だという人は家に思い入れがあると思われる)。
2. 新しく川の流れる位置を掘り下げる。
3. 掘り下げた土を盛って土手を作る(土のう等も用いるがその準備は既にある)。
4. 川の中に土のうを投げ込むなどしてせき止め、流れを変える。

なお、既に3. には書いてありますが、各工程で必要になるであろう道具は一通り準備してあります。プレイヤーは準備しなくて大丈夫です。
時系列的には全てに参加可能ですが、特に自分が得意だなという作業を2,3選んでおいていただけると(その場面全てを描写できるとも限りませんが……)、マスターが全てのキャラクターに公平に出番を与えられます。
なお、工事を題材としてはいますが、PC同士の交流や心情の変化を重点的に描写していくつもりです。
宿泊や食事(作業の合間となる昼ごはん)の風景も書きますので、寝ながら/食べながら話したい話題、大募集です。文字数的に描写できるのは一晩/一食のみですが……。
なお工事に際して、各種スキルの使用を推奨します。各々の創意工夫に期待します。
楽しく作業し、名もない村の人々に感謝されちゃいましょう!

マスターより

こんにちは。竜桐です。
工事を日常と呼んでいいのかよくわかりませんが、とりあえず日常シナリオです。
上の解説もこの欄も、マスターである竜桐として書いているので、既に書くこと書き切っている感は否めません。
隣のハンター様たちと作業をしながら、あるいはお話しながら、仲良くなっていただけると本望です。
皆さまのプレイングを見るの、楽しみにしています。
あと強いて言うなれば、白紙プレイングには気をつけてください。
台詞等プレイングに書いてあれば、積極的に活用していきます。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2018/05/28 08:10

参加者一覧

  • 聖癒の奏者
    マリエル(ka0116
    人間(蒼)|16才|女性|聖導士
  • 見極めし黒曜の瞳
    Gacrux(ka2726
    人間(紅)|25才|男性|闘狩人
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカ(ka3496
    エルフ|18才|女性|猟撃士
  • 轟雷の巫女
    七夜・真夕(ka3977
    人間(蒼)|17才|女性|魔術師
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 悲劇のビキニアーマー
    エメラルド・シルフィユ(ka4678
    人間(紅)|22才|女性|聖導士
依頼相談掲示板
アイコン 治水計画
ミオレスカ(ka3496
エルフ|18才|女性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2018/05/20 17:23:12
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/05/20 02:13:20