• 無し

それ、うちで引き取りますから!

マスター:KINUTA

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在5人 / 3~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
6日
プレイング締切
2018/07/26 22:00
リプレイ完成予定
2018/08/04 22:00

オープニング

●冒険都市リゼリオ


 ハンターオフィス本部。昼休み。
 受付窓口職員がコーヒーで一服しながら、話をしている。

「そういえば、ユニゾン島に住むマゴイという英霊が、ハンターオフィス窓口開設を申し出てきたんだって?」

「あの島は確かー……私的自治領域ですよね?」

「うん。今のところどの国にも属していない」

「設置許可は出るの?」

「そりゃ、出るでしょうね。窓口開設は、基本申し出てくれば受けるというものですから。神霊樹の分樹が必要な支局開設と違って、ハンターオフィスに負担がかかるものではないし」

「しかしねえ……わざわざそれを開く必要性があるかなあ。ちょっと調べたんだけど、あそこは人口も少ないし、歪虚の影響もほとんどなさそうだし、政情も――というほどのものもなさそうだけど――落ち着いているし……わざわざ窓口を作っても、依頼がないってことになりゃしませんかね?」

「どうなんですかねえ……定期的な歪曲駆除依頼は出すつもりがあるそうですが……」



●バシリア刑務所


 面会室。
 猫頭囚人スペットは、魔術師協会職員タモンと話し込んでいる。

「なんや、あいつハンターオフィスの窓口作るんか」

「ええ。先々のことを考えると、そのほうが何かと便利であると思われたようで」

「通るんか、その話」

「通りました。我々もハンターオフィスに、その件よしなにと口添えいたしましたから――あ、そうだ。彼女からスペットさんに、伝言を頼まれているんですよ」

「なんやいな。言うてみ」

「『……ユニゾン島に建設する新型マテリアル炉の建設に、協力する意思はある?……あなたはもともとユニオンのエンジニア・ワーカーであり、アーキテクチャーにもある程度通じているので、協力してくれるなら、たいへん助かる……もしそうしてくれるなら……ユニオン法に沿い……外部労働者として契約を結びたい……』だそうです」


 スペットはしばし黙った。頬杖をついて、密集した頬の毛を掻く。

「……俺は服役中やぞ?」

「これも社会奉仕活動の一環だとは思いませんか? 一度はユニゾン島へ視察にも行ったことですし――受けてみられては? これまでのことを鑑みるに、マゴイさんの提示する労働条件はすこぶる良心的なものと思われますが」

「なんや、タモンはんこの話やけに推すやないの」

「そりゃ、あなたのためになると思いますから。エネルギー問題が解消して市民生産機関が完全に動くようになれば、あなたのその顔を元に戻すためのセクションもまた、動かせるようになるわけでしょう?」

「まあ、そりゃまあ、せやけど。あいつ俺の顔ほんまに戻す気あるんかな。ちょいちょいそのこと忘れてるように思えてならんのやけど」

「そこはあなた自身が折に触れて言い続けませんと」

「言えいうたかて、あいつと会う機会なんか、そんなにあらへんし。あいつから訪ねても来いへんし。島が出来てからは特に」

「急がしい方ですからね。で、この話どうします?」

「そらまあ、受けてもええで。こっちの都合がついたときやけどな」



●ユニゾン島


 オートマトンについて調査するために神霊樹ライブラリを使いたいが、さてどの時代どの場所にアクセスすれば一番いいのか。
 その点をこれまで集めた資料をもとに、会議室で(1人)検討会議をしていていたマゴイは、コボルドワーカーたちから緊急連絡を受けた。ウォッチャーを通じて。

「まごーい、にんげんみなとにながれてきた」

「ひっぱりあげたけどいきしてなーい」

「どざえもーん」

「ぷっかぷかー」

『……あら、そう……では……そこでそのままちょっと待っていなさい……』

 蘇生出来るならしてユニゾンの外に送り出し、出来ないならデータをとった後火葬にし土壌改良に活用しよう。そんなことを思いつつワーカーのところへ行ってみれば……。

『……これは……』

 大量の海草がもつれまくった裸の、少年でも少女でもないもの――そうとしかしか言いようがない。なにしろ生殖器がついていないのだからして。
 相当長い間水中を漂っていたらしいのに、膨張してないし腐敗してない。

『……人間ではなくオートマトン……』

 思い切り眉間にしわを寄せた彼女は、ウォッチャーにスキャンさせた。
 するとまだ稼動していない、つまりは抜け殻状態のオートマトンであることが分かった。
 一安心した後、さてこれをどうしようという話になる。
 オートマトンに関する新条項はまだ出来上がっていない。
 であるからしてこの場合、今ある法をそのまま適用することになる。

『……とりあえず……広報しましょうか……』


 かくしてハンターオフィスに依頼が申請された。
 ハンターオフィス・ユニゾン窓口からの初依頼である。
 内容は以下。


――――――――――――

 ユニゾン島港湾に未稼働のオートマトンが流れてきた。
 姿形は以下の通り(写真)。
 心当たりの所有者がいるなら引き取りに来ること。
 引取りの際には罰金を払うこと(漂着という形態から鑑みるに悪質投棄性は薄いと見られるから、法定最低限度額の20万Gでよろしい)。
 この広報より一ヶ月以内に引取りの意思を示さなければ、当該オートマトンはユニオンで責任を持って分解処分する。

――――――――――――


 これを受け取ったハンターオフィス本部は泡を食った。折角目覚めさせることが出来そうな状態にあるものを、責任持って分解処分されてはたまらない。
 急遽ハンターたちを呼び集め、ユニゾン島へ未覚醒オートマトンの確保に向かわせた。
 罰金についてはオフィスが負担するから、と。
 魔術師協会にお願いし、ユニオンのやり方に詳しいスペットも同行させることにして。




解説

補足説明。


 これはオートマトンを確保しに行くことを目的とするシナリオです。

 現在ユニゾン島ことユニオンはオートマトンに対し以下の立場を堅持しています。

「国内での製造生産販売使用禁止。国外からの持ち込みも禁止」

 マゴイさんのオートマトンに対するスタンスは基本「存在すること自体がよろしくない。人間から労働を奪い、マテリアルをいたずらに浪費する」です。といっても最近この世界のオートマトンが誰かの所有物としてある機体ばかりのではないらしいということに気づきました。現在それに対し法的にどんな位置づけをするか色々考えているところです。

 マゴイさんはオートマトンを洗浄梱包し、格納庫に保管しています。
 PCさんは島に来たら、まず引渡し書類を作成させられます。続いて罰金徴収。その後にオートマトンを引渡してもらえます。依頼された仕事はそこで終了です。
 時間が余りそうなので、その際は島をぶらついてみるのもいいでしょう。外部者に許された範囲で。
 ちなみに新マテリアル炉については、建設予定地を整備中です。

マスターより

KINUTAです。

ユニゾン島に、オフィス窓口が開設いたしました。
イメージとしては宅急便の取次ぎ所。規模は駅構内のキヨスク。外部者専用宿泊所の一角で営業しております。



関連NPC

  • 俺は猫ちゃうぞ
    スペット(kz0223
    人間(クリムゾンウェスト)|25才|男性|魔術師(マギステル)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2018/08/01 00:30

参加者一覧

  • 征夷大将軍の正室
    天竜寺 詩(ka0396
    人間(蒼)|18才|女性|聖導士
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • 我が辞書に躊躇の文字なし
    ルベーノ・バルバライン(ka6752
    人間(紅)|26才|男性|格闘士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/07/25 22:32:32
アイコン 相談卓だよ
天竜寺 詩(ka0396
人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2018/07/26 06:53:40
アイコン 質問卓だよ
天竜寺 詩(ka0396
人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2018/07/23 19:06:30