• コメディ

とてもくさい

マスター:きりん

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在5人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2018/11/14 07:30
リプレイ完成予定
2018/11/23 07:30

オープニング

●誰だ! 屁をこいたのは!
 その街は、平和な街だった。
 今まで雑魔らしい雑魔など、多くても数えるほどしか見ていないし、大多数は一度も見たことがない者ばかりだった。
 それでも常識として雑魔の脅威というのは知識として知っていたから、雑魔がもし街に出現した時の対策は立てられており、いつでも即応体勢が取られるようになっていた。
 そんな街の昼下がりに、井戸端会議に興じていた奥様方のうち、誰かが不意に眉をひそめる。
「ねえ、何だかくさくない?」
「誰かおならでもした?」
「わ、私はしてないわよ!」
「サツマイモが美味しい季節だし、食べすぎちゃったの?」
「プークスクス」
 秋といえば実りの秋。実りの秋といえばサツマイモ。
 実際この街がある地方ではサツマイモがよく収穫されて親しまれていたため、この時期に食卓に並ぶ芋といえば、圧倒的にサツマイモだった。
 そんな井戸端会議に興じる奥様方の傍を、どこからか迷い込んできたらしいスカンク型の雑魔が、サツマイモを食べながら物凄い臭いのおならを巻き散らしつつ通り過ぎていく。
「くさっ! 物凄くくさっ!」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ! 雑魔よ雑魔!」
「どうしてこんな街中に!?」
「知らないわよ!? 雑魔もサツマイモが食べたかったんじゃないの!?」
「雑魔なのに!?」
「と、とにかく人を呼ばなきゃ! 兵隊さーん!」
 井戸端は混乱の渦と化した。

●誰だ! 今度こそ屁をこいたのは!
 同じ町の商店街で、男たちが働いていた。
 男たちはその多くが、井戸端会議をしていた奥様方の夫だった。
「おい、誰か屁をこいただろ。くさいぞ」
「お前じゃないか?」
「お、俺じゃないぞ!」
「サツマイモが美味いからって食べすぎるからこうなるんだぞ。食べすぎはよくない」
「ゲラゲラゲラ」
 男たちは自分の妻たちがしていた会話とほぼ同じ内容の会話をしていた。
 ある意味では全員とても息の合った夫婦といえるかもしれない。
 そんな男たちの傍を、どこからか迷い込んできたらしいカメムシ型の雑魔が、サツマイモを食べながら物凄い悪臭を巻き散らしつつ通り過ぎていく。
「くせぇっ! 物凄くくせぇっ! ゴミムシの臭いがぷんぷんするぜ!」
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ! 雑魔だろ今の!」
「どうしてこんな街中に雑魔が!?」
「知るか! 雑魔もサツマイモが食べたかったんじゃないのか!?」
「雑魔なのに!? ていうかカメムシみたいだったぞ! そもそもサツマイモ食えるのか!?」
「どうでもいいだろそんなこと! とにかく人を呼べ! どこに行ったか突き止めろ! ハンターに退治を頼むんだ!」
 商店街は騒然となった。

●屁をこいた犯人は
 食欲の秋である。
 サツマイモは、違ったジェーンは午後の休憩にサツマイモを練り込んだパウンドケーキを食べていた。
「ジェーンちゃん……君、食べすぎじゃない?」
「そうですか?」
 上司に呆れられて首を傾げるも、フォークを動かすジェーンの手の動きは止まらず、パウンドケーキの形がみるみるうちに欠けて小さくなっていく。
「そうだよ。今日だけで焼き芋三つも食べてたじゃない。多いよ」
「だって美味しいんですもん」
 けろりとした顔で、ジェーンはサツマイモのパウンドケーキを完食する。
 さらに同じパウンドケーキを二つ平らげ、さて仕事に戻ろうかとジェーンが立ち上がったところで、ハンターズソサエティに大量の男女が押し寄せてきた。
「大変だ! サツマイモを喰い過ぎて雑魔が大量におならをぶち込んで倉庫に立てこもった!」
「どういうことですかそれ」
「たぶん、情報がどこかで錯綜してねじ曲がってるんじゃないかな……」
 意味不明な通報に、唖然とするジェーンに対し上司は鋭く真実を言い当てた。
 どうやら、生前の習性かどうかは分からないが、雑魔が街中に迷い込み、生前の習性で餌となるサツマイモを食べながら徘徊。街の人間たちが怪我人を出しつつも、町はずれにある倉庫に閉じ込めることに成功したらしい。
 しかし混乱のせいでよりにもよって収穫したサツマイモを一時保管していた倉庫に間違って閉じ込めてしまい、早急にハンターたちに退治してもらいたいようだ。
「あ、ちなみに雑魔はスカンク型雑魔とカメムシ型雑魔で、倉庫の中は悪臭で凄いことになってます」
「……では早急に依頼を手配しますね」
 うさんくさい表情の裏で、自分が同行を命じられずに済んだことを、ジェーンは心の底から喜んでいた。

解説

●概要
 コメディシナリオです。
 街の倉庫内に閉じ込められているスカンク型雑魔とカメムシ型雑魔を退治してください。
 倉庫内は物凄く臭いです。
 中に入るだけで咳、涙などが止まらなくなり、嗅覚が一時的に麻痺する可能性すらあります。
 二種類の雑魔が放ったガスが充満しており、火気は絶対厳禁です。最悪爆発します。
 なお、雑魔たちは戦闘中でも容赦なくガスを追加します。
 些細なことでも爆発の可能性は否定できませんので、くれぐれもご注意ください。
 ちなみに関連付けはしておくのでジェーンを引きずっていって巻き込んでも構いません。
 誰にも触れられなければハンターズソサエティで留守番、リプレイでも出番なしとなります。

●達成条件
・雑魔の全滅

●倉庫について
 収穫したサツマイモを一時保管する小さな倉庫です。
 スカンク雑魔二匹とカメムシ型雑魔二匹が閉じ込められており、中は物凄い悪臭に満ちています。
 閉じ込めたまま中に範囲魔法を叩き込むのが一番手っ取り早そうですが、中のサツマイモが駄目になっても大丈夫かどうか、倉庫の持ち主に確認を取るのを忘れないでください。駄目な場合は別の手を講じる必要があります。
 なお、持ち主との交渉は一般スキルで該当しそうなものを全員で片っ端からつけて交渉するようにすれば、上手くいきやすいかもしれません。

●敵
○スカンク型雑魔……十体
 百三十センチ程度。元々雑食性で、サツマイモに惹かれてやってきたようです。臭いおならをし、ハンターたちから逃げ回りながらサツマイモを食べたり攻撃したりします。
○カメムシ型雑魔……十体
 三十センチ程度。サツマイモの葉や茎から汁を吸い取るカメムシでしたが、雑魔化にともないサツマイモの芋部分を食べることが可能になったようです。これも悪臭を放ちながらハンターから逃げ回り、サツマイモを食べつつ攻撃します。

マスターより

初めまして、こんにちは。
マスターのきりんです。
今回のシナリオは、食欲の秋ということで再びサツマイモがテーマです。
そのはずが……どうしてこうなった。
皆でサツマイモを美味しく食べるのはまた別の機会に回すとして、まずはこの状況を何とかしてください。
換気すればガスは一時的に薄まりますが、雑魔が逃げ出す可能性もありますので対策を立ててから行うといいでしょう。倉庫の外で戦う場合も同様です。
もし今後この街でサツマイモを食べることになっても、それはこの悪臭の中に置かれたサツマイモではないのでご安心を。
それでは楽しんでくださいね。

関連NPC

  • うさんくさい受付嬢
    ジェーン・ドゥ(kz0264
    人間(クリムゾンウェスト)|28才|女性|疾影士(ストライダー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2018/11/15 09:50

参加者一覧

  • 流浪の剛力修道女
    シレークス(ka0752
    ドワーフ|20才|女性|闘狩人
  • 夢路に誘う青き魔女
    夢路 まよい(ka1328
    人間(蒼)|15才|女性|魔術師
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェスト(ka2419
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 秘剣──瞬──
    多由羅(ka6167
    鬼|21才|女性|舞刀士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
レイア・アローネ(ka4082
人間(クリムゾンウェスト)|24才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2018/11/14 06:29:34
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/11/14 03:00:11