• 郷祭1018
  • 戦闘

【郷祭】薄い本を求めて

マスター:三田村 薫

シナリオ形態
ショート

関連ユニオン
魔術師協会広報室

難易度
普通
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 3~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2018/11/15 12:00
リプレイ完成予定
2018/11/24 12:00

オープニング

●お前も薄い本にしてやろうか!
 自由都市同盟を活動範囲にしている歪虚の一人に、八歳くらいの少女の姿をしたアウグスタというのがいる。
 彼女は戦いや歪虚としての破壊活動となると、残虐で嫌みな戦法を取ることもあるが、それ以外では見た目かそれ以下の幼さを露呈することもあり、この日もジェオルジに向かっている理由は、子どもじみた思いつきによるものだった。
「お前も『うすいほん』の題材にしてやる! うーん、これが本当に脅し文句になるのかしら」
 そう、どこぞの同人作家が、うっかり彼女が聞いているところでそんな話をしてしまったのである。詳細は割愛するが、アウグスタは「うすいほん」の題材にされることが、相手にとって手ひどいダメージになるらしいことを知ってしまった。

 ちなみに、その同人作家は成人男性向け年齢制限付き同人誌で人気を博している作家なのだが詳細はこれまた割愛しよう。言った相手も男であったので、想像した相手はたいへんに嫌がったのである。想像力がなければ、怖い物など何もないとはリアルブルーにかつていた著名な作家の言葉であるが、まったくもってその通りである。

 閑話休題。

 そんなこんなで、アウグスタはまずその「うすいほん」とやらが何なのかと言うことに興味を持った。どうやら、「どうじんし」と言って、ジェオルジの郷祭でも売り出されるのだそうだ。

 そこでアウグスタは、陶器的な意味でつやつやのお肌を隠すためにたっぷり着込み、いざとなったら顔も隠してしまえるボンネットをかぶって郷祭に向かっている、と言うわけだ。大型蜘蛛に乗って。

●薄い本とは
 アウグスタは、人目につかない外れで蜘蛛を降りると、まっすぐに同人誌即売会のエリアに突撃した。しかし、少年が少女を後ろから抱きしめているものや、男子学生同士が取っ組み合いしているもの、女学生同士が恥ずかしそうに額をくっつけているもの、様々な表紙の本が置いてる。
「……なんだか脅し文句にはなりそうにないわね」
 こんな幸せそうな表紙から、ヒントを得るのは難しそうだ。アウグスタはとことこと会場内を移動する。そして、一冊の本に目を奪われた。
 おそらくはイラストなのだろうが、実に生き生きした筆致で描かれた蜘蛛の表紙の本だ。まるで写真のよう。実物の蜘蛛を、そのまま平面に閉じ込めて表紙にしたような……。
「素敵」
 アウグスタはそれを一冊手に取った。
「見ても良いかしら?」
「どうぞ。虫の本だけどよろしいかな?」
 店主は嬉しそうに言った。虫のイラストが表紙の本を手に取る少女なんてそうそういない。おそらくは蜘蛛にそこまで嫌悪感がないのだろう、と彼は思って喜んでいるのだ。
「蜘蛛が好きなの」
「優しいお嬢さんだ」
 アウグスタはご機嫌にぱらぱらと本をめくる。やがて、食い入る様に一ページずつじっくりと読み出した。そして、全部読んでしまうと、ほう、と満足のため息を吐いて財布を出した。
「私、これを三冊買うわ! ええと、『かんしょうよう』と、『ほぞんよう』と、『ふきょうよう』と言うのでしょ。素敵な本は三冊買うのが礼儀なのよね?」
「気持ちは嬉しいがお嬢さん、だったら一冊分のお値段で三冊差し上げましょう」
「いけないわ! ほんとに素敵なんだもの。ね、こう言うときはちゃんとお支払いしないと駄目だって、お兄さんが言ってたわ」
 お兄さんはとは、アウグスタにうっかりヒントを与えてしまった同人作家のことである。彼女はその本を三冊購入すると、スキップして即売会エリアを離れたのであった。

●ハンドアウト
 あなたたちは、何らかの理由で郷祭に来ているハンターです。
 あなたたちは、ここに来る以前に、ハンターオフィスで、「この顔にピンと来たらすぐ通報!」と書かれた指名手配歪虚の似顔絵を見ているものとします。それは八歳くらいの少女の姿をした嫉妬の歪虚で、蜘蛛雑魔を操り、迎えに来る来ないでめちゃくちゃ嫉妬すると言うことが書かれていました。名前もわかっていて、アウグスタと言います。

 さて、あなたたちは、黄土色のワンピースに、黄土色のボンネット帽子をかぶった少女を見付けました。彼女は蜘蛛の表紙の同人誌を持っており、いたく興奮している様子です。その顔にあなたたちはピンと来ました。

 そう、アウグスタです。なんと言うことでしょう。アウグスタは郷祭にまで出没しているのでした!
 あなたたちは、最初から一緒にいたか、あるいは声を掛け合って集まり、アウグスタを会場から外れたところに連れ出しました。あなたたちがアウグスタを問いただすと、彼女は何故か得意げな顔になります。
「よく聞いてくれたわね! 私は今日、あなたたちを震え上がらせる武器のヒントを探しに来たの!」
 あなたたちはその言葉に身構えました。アウグスタはえへん! と胸を張ると、腰に手を当てて言い放ちました。
「あなたたちも『うすいほん』の題材にしてやるわ! この本みたいに虫かごに入れてあげる!」

 ………。

 あなたたちは顔を見合わせました。どう返事をしたら良いのだ。その様子を見て、アウグスタは怪訝そうに首を傾げます。

「怖くないの? それはさておき、この本すごいのよ! 蜘蛛のことが何でも書いてある! 『ふきょうよう』と『ほぞんよう』であと二冊余分にあるけど、あなたたちにはあげないわ! 欲しければブースを教えてあげるから自分で買いに行って!」

 あげなかったら布教できないじゃないですか。

解説

●目的
アウグスタの撃退

●敵情報
アウグスタはサイズ2の大型蜘蛛に騎乗(ユニット扱い)して戦い、更に援軍としてサイズ1の蜘蛛雑魔(小型犬くらいの大きさ)が50ほど現れます。
大型蜘蛛は踏みつけたり噛みついたり、小型蜘蛛は噛みついたりして攻撃します。
大型は強度2、小型は強度1の毒と行動阻害を与える可能性があります。
小型蜘蛛はスキルなしで叩いても消滅する程度の雑魚です。

●現場について
郷祭の会場から離れた広い場所です。ものすごい長距離を移動した、とかなければ会場に影響は出ません。

●アウグスタが買った本
蜘蛛の生態を研究してこの道うん10年の在野研究者が書いた蜘蛛の観察ドキュメンタリーです。その道のファンからは人気です。
虫かご云々はそこから出てきました。
共食いとか子育てとか狩りとか言い伝えとかについても充実した内容です。
虫かごに入れているのは一部で、大体は野外のものを観察しています。

マスターより

こんにちは三田村です。
初めてハンターとガチでご対面するシナリオがこれでいいのかと一週間くらい悩んだんですけど、こういうきまらないところがらしくて良いのかな……と思って良いことにしました。今までの関連シナリオと温度差で風邪引きそうです。ぶへっくしゅい。

動物の生態ドキュメンタリーとか結構好きで、動画サイトとかでついつい見てしまいます。
蜘蛛は多種多様で言い伝えにも事欠かないので楽しいです。

OPこんなですが、サイズ2の方の攻撃力が結構高いので防御は固めてお越し下さい。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2018/11/22 02:10

参加者一覧

  • 星を傾く者
    サクラ・エルフリード(ka2598
    人間(紅)|15才|女性|聖導士
  • 見極めし黒曜の瞳
    Gacrux(ka2726
    人間(紅)|25才|男性|闘狩人
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 絆を紡ぐ少女
    蓬(ka7311
    人間(蒼)|13才|女性|猟撃士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
鞍馬 真(ka5819
人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2018/11/15 08:35:02
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/11/15 07:31:27