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【陶曲】求めよ、さらば与えられん・2

マスター:樹シロカ

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
シリーズ(続編)

関連ユニオン
魔術師協会広報室

難易度
難しい
オプション
  • relation
参加費
1,300
参加人数
現在6人 / 3~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2019/03/10 22:00
リプレイ完成予定
2019/03/24 22:00

オープニング


 ヴァリオスの同盟軍本部で見たものに、メリンダ・ドナーティ(kz0041)は思わず眉を寄せる。
「これは……どういうことですか」
「そんな顔してちゃ美人が台無しだぜ、女中尉さんよ」
 へらりと笑うのは、浅黒い肌、精悍な顔立ち、筋肉質の体の黒髪の男。名はサリムという。
 机の上に両足を上げて、椅子をギシギシ揺らしている。
「改めて、こういう形でお世話になります。よろしくお願いします」
 やや硬い笑顔を浮かべるアスタリスク(kz0234)は、サリムとよく似たデザインの服を身につけていた。
 黒地の、同盟軍の戦闘服を。
 メリンダは壁際の椅子に掛けているフィンツィ少佐を振り返り、更に説明を求めた。
「少佐、報道官としてお尋ねします。これはどういうことですか?」
「新設の特殊部隊『ヴォルペ・ヴィオラ』です。彼ら……他に3名ですね。もう少し増員する用意もあります」
 フィンツィ少佐は相変わらず軍服に袖を通さずに肩にひっかけた姿だ。
「バッシ名誉大将の要請により、特殊な事態に対応する部隊が設立されることになりました。今回のように、身元のはっきりした者ですら信用できないような事態ですね」
「部外者を金銭で雇用する……傭兵(コンドッティエーロ)ですか」
 メリンダの表情はますます険しくなっていた。

「そうです。ハンターを頼るのも結構ですが、常に同じ方が依頼を受けてくださるとは限りませんし、いざという場合には軍の指示に従っていただけない場合もあるでしょう。その為に、覚醒者による、ある程度の裁量を持たせた部隊が必要だと名誉大将が判断されたのです」
(あなたたちが、ね)
 メリンダは心中で皮肉をつぶやく。
 フィンツィはそれに気づいているだろうか、表面上は何事もない様子で続けた。
「元々は私が隊長を拝命する予定だったのですが、この状態ですので」
 珍しくフィンツィが冗談めかした風で肩をすくめた。
「腕が千切れかけたもので、リハビリにはまだかかりそうなのですよ。そこで、能力や性格など信用に値する方と思いましたので、アスタリスク”大尉”にお願いすることになりました」
(大尉……昇格待遇ね)
 メリンダはサリムに視線を向ける。
「貴方はそれでいいんですか?」
 以前からフィンツィとは縁があったようだが、メリンダにとっても何かと因縁のある男だ。
「充分な報酬があれば、雇われるってのも悪くないな」
 サリムの笑い声に、メリンダは頭を振った。
「お話はわかりました。もう充分です。本題に入りましょう」


 メリンダは集まったハンター達に、依頼の内容を説明する。
「今回は我が軍との共同での作戦をお願いいたします」

 ネスタ大佐達の存在が駐屯地で確認されてから、およそ3日が経過していた。
 人質の解放は多少無理をしても急がねばならない。
 そこで大々的に攻撃を仕掛けると共に、他の手段で人質の居場所を確認し、救出。ついでに【敵】の能力や行動を探ることができれば尚良し、ということになった。

「正面からの攻撃は、我が軍が担当します。別の部隊が裏口から潜入の予定です。ハンターの皆様は、担当者と打ち合わせの上、手薄と思われるほうをカバーしていただけますようお願いいたします」
 そうして、別部隊――『ヴォルペ・ヴィオラ』隊長が紹介される。


 駐屯地は相変わらず静まり返っていた。
 ネスタ大佐がこれまでの経験や判断力を持っている存在なら、こちらの手は予想しているだろう。
 黒い制服に身を包んだアスタリスクが、低い声で呟く。
「ネスタ大佐は自己の矛盾をどう考えているのでしょうね」
 己の目的のためには、多少の犠牲はやむを得ないと考えているのか。
 あるいは行動を共にする者との間に、既に亀裂が生じているのか。
 そしてこれからどうするつもりなのか。
「前は多少ぶっ飛んでたが、考えてることはまあわからんでもなかったぜ。当人に聞くしかないだろうが、さて。受け答えができるのかね」
 通信機を操作するサリムは、相変わらず皮肉な笑みを浮かべていた。

解説

●依頼について
主目的:所在不明の陸軍兵士名全員の救出(生存者に限る)。
他、調査、妥当な推測などにより、持ち帰った情報で成功度変更。
ハンターは全員で同じ行動を取っても良いし、それぞれ攻め手と搦め手に分かれてもOK。

●前回救出された兵士より得られた情報
・駐屯地の責任者である大尉が残り、ほとんどの兵士を脱出させた。内部にいるのは最大7名。
・遺体で見つかった兵士は大佐が連れてきた。仲間にならないかと声をかけられた兵士がいるが、何の仲間かは聞いていない。
・付き添いの黒ずくめの兵士のうち、身体の大きな2名は常に大佐と一緒にいる。残り1名は会議室に籠り、ほとんど姿をみなかった。
・食事は5人分を常に用意していたが、フォーク類はいつも2名分しか使われていなかった。食べ残しはなかった。
・はじめは妙な爺さんがもうひとり一緒にいたが、いつの間にかいなくなっていた。

●現在の状況
前回のシナリオの3日後。大佐たちが移動しないよう、ずっと見張っている。
軍は日が暮れる前に仕掛ける予定。大佐の身柄の確保が主目的(生死不明の兵士たちは最悪の場合死んだものとして扱う)。
作戦についてのハンターの提案は受け付ける。
建物の中心から半径500mはトランシーバー、魔導短伝話、無線機の使用不可。
前回確認された死亡兵士は、外傷は見られず、極度の衰弱で死亡したとみられる。

同盟軍は重機関銃やロケット砲などの魔導トラックに据え付けた武器を使い、距離を取った場所から建物を攻撃予定。
リアルブルーの物に比べれば精度は悪いが、建物を破壊するには充分。全員一般人。

●NPCについて
アスタリスク:格闘士。スカウトされて同盟軍の傭兵になったようだ。
サリム:【港騒】でやんちゃしていた元ハンター。機導師。フィンツィに都度雇われていたのが、今回正式に傭兵に。
今回はこの2名が同行。メリンダは出発前と帰還後なら会話可能。

マスターより

引き続きよろしくお願いいたします、樹シロカです。
前回の時もですが、今回も色々な「契約」が絡んでいます。
もちろん、PC様と依頼者との関係もそのひとつですね。

今回は「聞いた情報から作戦を立てる」必要があるかもしれませんので、各人1回だけ情報収集のための質問を可能とします。
ただし状況的にNPCが知るはずのないことはお答えできません。
こちらは出発の24時間前までをMSの確認期限としますので、宜しくお願いいたします。

それとは別に、味方NPCとの会話は可能です。
プレイングの字数にはあまり余裕がないかと思いますが、何かありましたらどうぞ。
久々の難易度「難しい」ですが、見事成功を勝ち取ってください。

関連NPC

  • 同盟軍報道官
    メリンダ・ドナーティ(kz0041
    人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|一般人
  • 蒼月を負う
    アスタリスク(kz0234
    人間(リアルブルー)|35才|男性|格闘士(マスターアームズ)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2019/03/23 03:06

参加者一覧

  • 花言葉の使い手
    カーミン・S・フィールズ(ka1559
    人間(紅)|18才|女性|疾影士
  • 俯瞰視の狩人
    ヴァージル・チェンバレン(ka1989
    人間(紅)|45才|男性|闘狩人
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェスト(ka2419
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • 黎明の星明かり
    マチルダ・スカルラッティ(ka4172
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • パティの相棒
    万歳丸(ka5665
    鬼|17才|男性|格闘士
  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784
    人間(蒼)|17才|女性|符術師
依頼相談掲示板
アイコン 救出作戦会議室(相談所)
マチルダ・スカルラッティ(ka4172
人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2019/03/10 21:19:49
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/03/10 16:51:15
アイコン 「しつもんばしょ」
万歳丸(ka5665
鬼|17才|男性|格闘士(マスターアームズ)
最終発言
2019/03/10 21:29:41