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【王戦】魔術師の弟子、隠密不能

マスター:狐野径

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 3~6人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2019/04/18 09:00
リプレイ完成予定
2019/04/27 09:00

オープニング

●領主の依頼
 グラズヘイム王国の中央寄りもしくは東北寄りにある大きな町。国内で発生している事案とは縁遠くはない。歪虚の出現は散見されている。
 領主のシャールズ・べリンガーは、大きな街にあるハンターオフィスに入り浸る。領主の屋敷が町の外なため、対応するには街中にいる必要があった。家族も町に移動させてある。
「小さな町に疎開させるにしても、容量が合わない」
 大きな町には城壁はない。隣の小さな町にはあるが移動させる意義がない。それにそこまで歪虚と戦いが激しくはなかった。下手に移動させる方が危険でもある。
「……ということで……見回りを頼みたいんだ」
 ハンターオフィスで職員のロビン・ドルトスに言う。
「ここで人を守るだけならどうにかできても見回りまで手が回らないのが実情だよ。で、ハンターに頼むほうが小回り利くし、臨機応変な対応してくれるからね」
「結局、どこの見回りですか?」
「街道と小さな町かな……あと、気になるのはジャイルズだね。あの人の回りで歪虚化した人がいないという保証がないからね」
「バルネさん、って何者です?」
 ロビンは驚く。
「あれ? 軍医してたって知らない? いろいろあって退役して、薬草園そこに作ったんだけど」
 シャールズは首を傾げた。
「あの人、あまり言わないからな」
 知られていないことに理解は示した。
「あの人がフットワーク軽い理由そこなんだよ?」
「プラントハンターじゃないんですね……ただの」
「非覚醒者には変わりないけど」
 ロビンは状況を整理していく。
「あっちの町、マークさんとかいるけど、限度有るし、対応。だから、陣中見舞いみたいにのぞくだけでもいいから」
「ということで、あっちの町見て、ぐるっと回って帰ってきてもらえばいいんですね」
「そいうことだね……定期的に頼んだ方がいいかな」
 シャールズとロビンはこの後、嫌な予感が的中したことを知るのだった。

●見回り
 騎乗していれば大した距離ではない隣町に依頼を受けたハンターは向かう。その上、道では歪虚や雑魔などを見かけない平穏さだ。その平穏さが逆に恐ろしいかもしれない。
 小さな町は城門が半分閉められている。出入りは自由だった。
 町を通り抜け、件の薬草園の方向に向かった。
「みぎゃあああああ」
 何とも言えない声が響く。初めて聞いたものですら、この声が歓喜ではないということが明確な声音だ。
 その上、茶虎柄の猫が薬草園の塀を越え、橋に走っていく。ハンターを見つけると一直線にやってくるのだった。

●薬草園
 小さな町の畑は城壁の外だ。そのため、歪虚が出る可能性を考え、城壁での見張りはかなりしっかり行われている。幸いなのは襲撃がないことだろう。
 薬草園は川を挟んで街道に近いところにある。まとまった土地があったのがそこであったに過ぎない。
 ジャイルズ・バルネはルゥルを連れて薬草園の手入れに行く。助手のコリンは足手まといになりかねないので、護衛もかねてルゥルが選ばれた。ルゥルが行く時はユグディラのキソシロもついてくる。
 薬草園には家畜もいるし、ユグディラのチャもいる。城壁の内部に移すことも検討されたが、薬草園でのんびり暮らす家畜たちには窮屈になる。チャは連絡係にもなるということで、残ることを決めたという。
 ジャイルズは植物に春の手入れをしている。
『なぜ? 神の力を借りれば、傷も病気も治るわ』
 ある時、同僚の女性に言われたことを思い出す。あくまで、医療行為はその手伝いに過ぎないと言い切られた。
(彼女自身、医師であり、私もそうだ。別に、どちらがいいか悪いか否定はしない……考え方だからな。しかし、神も何も……あの時……)
 病院にいたあの時、ジャイルズと彼女の前に運ばれてきたのは歪虚に深い傷を負わされ、死を控えた青年騎士だった。痛みがないという青年に対し、できる限りの処置はした。聖導士でもあった彼女は【ヒール】で傷をふさぎ切ろうとした。
(その途中で、歪虚の襲撃を受けた。私は、爆風に飛ばされ意識を失って建物の陰にいた。気づいたときには……助かるはずの命も摘まれた)
 彼女と彼もいなかった。死体が粉々だったのか、何か不測の事態があったのかわからない。
 あの後、ジャイルズは戦いの場から離れ、医師ではなく、神でなく、何かできることはないかと考え始めた。その結果、薬草園を作った。
「昼だな。そろそろ戻るか」
「はいですー」
 ルゥルが帰りの支度を始める。
 チャに対してキソシロが何か言っている。キソシロは不意に顔を上げる。
『ルゥル、何か来ているっ!』
 キソシロが注意を促した。チャに対し、家畜たちといるようになど指示すると、キソシロはルゥルのそばで待機した。
 ルゥルはキソシロの注意喚起を理解し、ワンドを掴んでジャイルズのそばに立つ。ジャイルズは猟銃を手にした。
「あらぁ? 人間がいるのねぇ?」
 薬草園の入り口に女がいた。その背後には男もいる。女の方は人間に近いが、男の方は顔以外は鎧に見える。
「エレンとクライド……? まあ、あの状況で死体がなければ、粉砕か歪虚化のどちらかだな……」
 ジャイルズは呆然としたが、自嘲してつぶやいた。
 ルゥルが何のことだろうと目を瞬く。
「私が軍医をやめたきっかけだ」
「何を言っているのかしら? あなたなんて知らないし?」
 女は見下すように告げる。
「それはそれでかまわない」
 ジャイルズは淡々という。
「それで、神は見つかり、彼は助かったのか?」
 ジャイルズは問う。その時、ルゥルの肩を掴んで自分の後方に押す。
「何か知っているような口ぶりね? 人間風情と突き放すのはあれよねぇ? 答えてあげるは、神はいるわ! あなた方も知らないわけないわよね、麗しきあの御方を!」
 ルゥルが恐怖で震える為、キソシロが前足をルゥルのワンドを持つ腕に回した。
「ほお、あれが神なのか? おまえにとって? あのようなモノが? それが生きている?」
 ジャイルズが淡々と告げる。ルゥルはハッとする。時間稼ぎの会話ではない。
 ルゥルはどうにかして外にここの状況を伝えないといけない。だから、そろそろと移動する。
「その、丸いの、なぜ後ろに下がっているのかしら」
「みぎゃあああああ」
 ルゥルは突然指摘され鳴いた。

 家畜のそばにいたチャは塀を越えた。キソシロに言われてたのは「保護色になるからお前が行け」だった。
 外に出たら叫びそうになったが我慢して走る。ジャイルズは怖いけど悪い人ではないし、ルゥルやキソシロ、家畜たちもいる。必死に走り、町に向かう。ハンターたちを見て急いだ。
『お願いにゃ! あっちに、歪虚がいるにゃ!』
 近くで言葉とともに幻覚を展開しようとした。成功したか否かは――。

解説

 歪虚の討伐。
 ジャイルズ・バルネ、ルゥルらの保護。

●NPC
 ・ルゥル 魔術師の弟子。装備は【まるごとしまえなが】と【ワンド】。セットスキル【マジックアロー】【アースウォール】【ファイアーボール】。
 ・ジャイルズ・バルネ 薬草園の主、非覚醒者、五十代男性のプラントハンター。曲がった物は嫌いな性質。
 ・キソシロ 基本白い毛並みのユグディラ。
 ・チャ 茶虎柄のユグディラ。薬草園に住んでいる。

●敵(PL情報)
 ・エレン 女、歪虚、聖導士ぽいタイプ、サイズ1。【シールドバッシュ】【セイクリッドフラッシュ】【ヒーリングスフィア】に相当するスキル、【懲罰】所持。
 ・クライド 男、歪虚、闘狩人ぽいタイプ、サイズ1。【二刀流】【カウンターアタック】【ブラックバースト】相当のスキル、【限界突破】所持。
 ・大き目の歪虚 サイズ2、3体。全体的にはオスのライオンだが、尻尾はヘビ。ひっかき、噛みつき、体当たり、自爆。
 ・雑魔 サイズ1、10体。球状の金属みたいなもので、ふわふわ浮かんでいる。音楽鳴らしながら行動をとる。攻撃としては体当たりやビームを飛ばしてくる。

●マップ
<地域>
□□◆□◆□□
□□□◆□草草
川川川◆川川川
□□□◆□□□
□□□◆□□□
□□□×□□□
□□□◆□□□
□□□◆□□□
―――町―――

 × ハンターとチャが会ったあたり。薬草園の門まで徒歩で約8分。
 ◆ 道。
 草 薬草園があるあたり。

<薬草園部分、チャが出る前>
□□◆◆◇■■
□◆◆◇□■■
◆◆門□□■■
◆門□□□□□
◇□□□ジ□□
□□□□□□□
□□□□□ル□
↓川がある方向

 ◇ 薬草園の塀
 ■ 建物(平屋)
 ジ ジャイルズ・バルネ
 ル ルゥル+キソシロ
 ※家畜たちは建物のそば
 歪虚は門や道にいた。ただし、チャが出た後、クライドは川がある方向、ルゥルの後方に移動している。

マスターより

 こんにちは、狐野径です。
 隠密ができると思わぬまるごとで……ジャイルズ、心の川柳。
 なお、念のために言うならばPCさんはユニット持ち込みはできません。キソシロとチャはあくまでNPCです。そこのところはご注意ください。
 スタートはスピード重視となります。非覚醒者が歪虚と対峙している状態です。
 ちなみに「鳴いた」は誤字ではありません。「泣いた」よりそちらの方が的確な雰囲気……ということで。
 よろしくお願いします。

関連NPC

  • 魔術師の弟子
    ルゥル(kz0210
    エルフ|10才|女性|魔術師(マギステル)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2019/04/24 19:16

参加者一覧

  • エルフ式療法士
    ソナ(ka1352
    エルフ|19才|女性|聖導士
  • 轟雷の巫女
    七夜・真夕(ka3977
    人間(蒼)|17才|女性|魔術師
  • 部族なき部族
    エステル・ソル(ka3983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • アウレールの太陽
    ツィスカ・V・A=ブラオラント(ka5835
    人間(紅)|20才|女性|機導師
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士
  • ルル大学防諜部門長
    フィロ(ka6966
    オートマトン|24才|女性|格闘士
依頼相談掲示板
アイコン 【相談】救出と討伐と
エステル・ソル(ka3983
人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2019/04/18 01:54:58
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/04/15 12:45:38