• 血断
  • 戦闘

【血断】黒雲の向こう

マスター:鷹羽柊架

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 3~8人
ユニット参加人数
現在8 / 0~8
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2019/07/30 22:00
リプレイ完成予定
2019/08/08 22:00

オープニング

 パシュパティ砦にいたファリフはドワーフ工房からの連絡を受け取り、安堵した表情を見せていた。
 内容は先日から行方不明になっていた部族なき部族のリーダーであるテトを保護したこと。
「山羊さん、テトは無事だって」
 ファリフと共に斥候役として同行していた部族なき部族のメンバー達は「よかった……」と呟いていた。
 山羊と花豹はテトが動けない間、部族戦士の斥候を担いテトやルックス達と離れていた。
「何もないと油断していたのだろう。斥候として失格だ」
「その辺の説教は会ってからにしてくれよ、一番心配してたのはあんたなんだから」
 しれっと花豹が言えば、山羊は「うぐ」と唸る。
 二人のやり取りを見ていたファリフは「多分テトのこと、言えないんだよなぁ」と心の中で一応反省していた。
 ファリフの手の中には『ファリフへ』と表に書かれた手紙と紐で括られている手紙がある。
「けど、テトはそのシスって奴になんで保護されてたんだい?」
「うーんと、手紙には、シスはタットルが捕縛された時、タイフォンが動くと思っていたので、見張りをつけてたんだって。テトが郊外の町で口論をし、タイフォンの部下がテトたちを眠らせ、タイフォンが相手のリーダー格を殺して、殺人の偽装をしていた所まで見てたんだって」
 一度言葉を切ったファリフは二人に急かされ、話を続ける。
「シスの手先はテトを知っていたみたい。上手い事タイフォンからテトを巻き上げたって。部族なき部族のリーダーはハンターとも懇意にしてるし、何かをやるにしても、取引材料にはうってつけ。粗末にはされてなかったようだし、戻ってきてよかったよ」
 ほっとするファリフだが、部族なき部族の二人は顔色が悪い。
「シスと元締めも一緒なんだろう?」
 華やかな美貌が憂いとなり、花豹が尋ねる。
「二人はそれぞれの場所を取り戻す気だよ。部族なき部族やハンターを使って。テトの考えはこっちだって」
 ファリフがまだ紐で結ばれたままの手紙を二人に渡す。
 手紙を受け取った二人は二度読んでから顔を見合わせる。
「はぁあああああああああ……」
 嘆きのような深いため息。
「何でこうなっちゃったんだろ……」
「……立ち向かいすぎだろ」
 頭を抱える二人はファリフに手紙を渡す。
 そこに書かれてあったのは心配かけたこと、組織を蔑ろにしたと思えるような軽薄な行動をしたことへの謝罪。
 花豹と山羊は前線で部族会議を支える斥侯役を引き続きやってほしいという要請。
 テトはティアランの根城と郊外の町をタイフォンとタットルの残党から取り戻す方向とのこと。
 理由はこのままだとタイフォン達が辺境を更に混乱を齎すかもしれないという考えのもと。
 歪虚との戦いも激化している中、人為的恐怖まで晒すわけにいかないから。
「犯罪は許されないけど、爪弾きに遭った人には必要な場所なんだろうね」
 ぽつりと呟くファリフに二人は頷く。
「いいように悪い神輿に乗らないといいけど……」
「もう梯子は外されてるんじゃないのか?」
 がっくりとした様子だが、その表情は何だか子猫の成長を見ているようだとファリフは思う。

 テトからの手紙が届いた数日後、花豹がファリフのもとへ飛び込んできた。
「ファリフ様! 歪虚が大軍を率いてこちらに向かってきている!」
「なんだって……!」
 蒼の瞳を思い切り見開いたファリフは急いで花豹が来た方向へ走っていく。
 部族戦士達の制止を振りほどき、若き長はパシュパティ砦を飛び出す。
「そんな……」
 呆然と呟くファリフが見たのは光を遮る黒雲よりも、月が隠れる闇夜よりも黒い空がこちらへと近づいてきている。
 空を覆うが如くの歪虚が大軍となっている。
「ファリフ!」
 トリシュヴァーナが叫ぶと、ファリフは頷く。
「ここを落とす気なんだね……ボクは部族会議の方へ行く」
 そう言ったファリフは自身の動きを伝えるために走り出す。
 恐らく、助けは来る……とファリフは踏んでいるが、まず先に思い浮かんだ人物は自分を大事にしてほしい人達。
 敵と見なしたこともあったが、今は素直に敬意を向けている。
 そんな事を考えながら、ファリフは部族戦士達を引き連れ、北へと向かう。
 歪虚の群れは大きく広がっており、この方向までも手は伸びていた。
「ハンターの皆は?」
 彼らもまたファリフにとって大切な人達だ。
 差し伸べてくれる手に助けられたか。
「じきに」
 部族戦士の一人が言葉を返すと、ファリフは重々しく頷く。
「射程内に入ったらすぐに戦闘開始だ」
 他の部族は籠城を決意した。
 だが、ファリフは他の有志の部族戦士と共に前線に立つ。
「何度でもボク達は立ち上がる! 部族戦士達よ、この時もまた力を振るえ!」
 ファリフが叫ぶと、部族戦士達は鼓舞し、声を上げる。

解説

依頼内容
パシュパティ砦北側を攻め入る歪虚を討伐せよ。

皆様はパシュパティ砦に攻め入る歪虚をファリフとトリシュヴァーナ、部族戦士達と討伐してください。
部族なき部族の山羊と花豹もお手伝いに入ります。
他の部族は籠城戦となり、ファリフは少しでも歪虚の進軍を止める為、前線に出ます。

地形について
荒野です。広範囲に歪虚が群がり、進んでます。
特に障害物はありません。

敵情報
■中型狂気(堕天使型)
リアルブルーで確認された精霊、「使徒」に似た歪虚。サイズ3。
飛行と高い移動力を持ち、掌から発生させるビームソードと同じく掌から発射する遠距離ビームが主武装。

■小型狂気(浮遊型)
リアルブルーで最もよく見られるVOID。サイズ1。
大きな眼球を持った虫とクラゲが融合したような外見。
ゆったりとした速度で浮遊・飛行する。触手の他、目からのレーザーで攻撃する。

■シェオル型
人間や精霊が変質したもので、非常に高い再生能力を持つ。サイズ1~3。
肉体は完全に歪虚となっているが、一部の自我は残されている。
爪や牙などの原始的な手段で戦闘を行う他、炎のようなオーラで魔法攻撃を行う。

■鳥型
鷹の姿に似た歪虚。サイズ1。
鋭い爪や大きな翼で敵を攻撃、攪乱する。
鳴き声を使って歪虚に連携する模様。

■武装巨人
怠惰の眷属であるサイクロプスやオーガが、アサルトライフルなどの近代兵器を装備しています。

上記敵が無数の数となって向かってきます。
ただし、武装巨人は動きの遅さから途中から戦線に入る形となります。

マスターより

お世話になっております。
鷹羽柊架(たかば・しゅうか)です。
今回はパシュパティ砦に歪虚の大群が押し寄せてきます。

テトのシナリオは八月上旬となります。
何卒宜しくお願いします。

関連NPC

  • スコール族長
    ファリフ・スコール(kz0009
    人間(クリムゾンウェスト)|12才|女性|霊闘士(ベルセルク)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2019/08/06 05:20

参加者一覧

  • 古塔の守り手
    クリスティア・オルトワール(ka0131
    人間(紅)|22才|女性|魔術師
  • 伝説の砲撃機乗り
    ミグ・ロマイヤー(ka0665
    ドワーフ|13才|女性|機導師
  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムス(ka0796
    人間(紅)|23才|女性|霊闘士
  • 援励の竜
    オウガ(ka2124
    人間(紅)|14才|男性|霊闘士
  • 太陽猫の矛
    アイラ(ka3941
    エルフ|20才|女性|霊闘士
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 虹彩の奏者
    木綿花(ka6927
    ドラグーン|21才|女性|機導師
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
クリスティア・オルトワール(ka0131
人間(クリムゾンウェスト)|22才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2019/07/30 17:05:49
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/07/28 00:01:12