• 冒険

私を雪原に連れてって!

マスター:蝦蟇ダス

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2015/02/09 22:00
リプレイ完成予定
2015/02/18 22:00

オープニング

 ここは、とある町のハンターオフィス。今日も今日とて、多くのハンターで賑わ――
 ドガカッ ドガカッ
 おや、いくら大通りに面しているからといって、ハンターオフィスの入り口に馬車で直接乗りつけるなんて大胆な。しかも、物凄く立派な馬車ですよ。
「お嬢様、こちらです」
「ありがとう、モリスン」
 先に出てきた老執事に恭しく手を取られて降り立ったのは、見た目麗しいご婦人で御座います。とはいえ、年の頃は成人して数年。二十歳前後でしょうか。さらさらに手入れされた長い金髪を見るだけでお家柄が察せられるというものです。
 さて、そのお嬢様。ハンターオフィスの看板を見上げて嬉しそうな顔をしておられます。
「ここが、ハンターが集まる場所ですのね! 早速依頼を出して貰う事にしましょう!」
「おいおい、お嬢ちゃん。ここはアンタみてぇな奴が来る所じゃねぇぜ」
 立ちはだかったのは、露出度の高い装備に蛮刀を背負った、見るからにムサい男戦士でした。ほとんどその辺のゴロツキと変わりません。
「大体、馬車で入り口が塞がれちまってるじゃねぇか。往来の方々に迷惑だろ?」
 半裸のくせにまさかの正論です。ゴロツキの風上にも置けないヤツです。
「まあ、それは申し訳御座いませんでした。何とお詫びを申し上げたら……」
 憂い顔で胸に手を当てた姿に、戦士の鼻の下が伸びます。
(よく見たら、いいナオンじゃねぇか。ちょいと小便臭ぇが)
「ま、まあ、ちょいとそこの路地裏で特別なお詫びをしてくれたら、許してやらなくも……」
 やっとらしくなってきました。そうです。こうでなくては。
 そこで黙っていないのが老執事です。こう見えても若い頃は傭兵稼業でブイブイ言わせていた身。ついた仇名が『血風の(以下略
「この方をクロイツェン家のセラフィーナお嬢様と知っての狼藉か! その首、今ここでおぶるああぁぁぁぁぁぁっっ!!」
 ――えー。何が起こったのか、説明しなければならないでしょう。
 主に無礼を働いた悪漢を退治しようとした老執事ですが、次の瞬間、セラフィーナお嬢様のドレスの裾が大きくはためきまして、華麗に弧を描いたおみ足が老執事をハンターオフィスの外壁に叩きつけました。凄く痛そうです。
「おやめなさい、モリスン! 市井の方々に怪我をさせてはなりません!」

「――できれば、うちの建物も大事にして貰いたいもんだけどね」
 朝っぱらからの大騒ぎにオフィスの職員が出てきて、ひとしきり説教が終わった後。
 職員の目の前には、小さくなって謝罪する令嬢と、血をだくだく流しながら控える老執事の姿があった。
「本当に、申し訳御座いません……」
「全ては某の至らなさ故。かくなる上は、この場で腹を掻っ捌いてお詫びを――」
「掃除が大変だからよしとくれ」
 今度は正拳突きの動きを見せたセラフィーナの機先を制し、職員は面倒臭そうにたしなめた。茶を出したのは失敗だったろうか?
 ちなみに、セラフィーナに絡んだ戦士は命の危険を感じたらしく、とっくの昔に逃げ出していた。賢明な判断である。
「それより、何か依頼があるんじゃなかったのかい? そうじゃないなら、私は仕事に戻らせて貰うけれども」
「あ、そうでした。――モリスン!」
「御意」
 職員の目の前に開かれる一冊の書物。随分と古いもののようだ。立派な装丁である。
「旅の護衛をお願いしたいのです」

 セラフィーナの話をまとめると、以下のような感じだ。
 最初に示された本は、とある冒険家の自伝のようなもので、クロイツェン家の蔵書の中でもセラフィーナのお気に入りだという。幼い頃から繰り返し読んでいたそうだ。
 その中の一節、『雪精のダンス』なるものを見に行く旅を護衛してほしい。それが依頼だった。
(……護衛なんて必要なのかねぇ?)
 職員の疑問はごもっともであるし、セラフィーナも叶うのならば一人旅というものをやってみたかったのだが、流石にそこは両親とモリスンに大反対されたという。
 家族会議の結果、モリスンを連れて行く事。そしてハンターの護衛をつければ許可する、となったそうだ。
「目的地はこちらで御座います」
 モリスンが地図上で指し示したのは、北の外れ。時折強い風が吹く事で有名な雪原地帯だった。最寄りの村までは、のんびり歩いても片道一週間前後といったところだろうか。そこからさらに半日程進む事になる。
「そこではこの季節、雪の精霊達が舞い踊っているのを見られるのだそうです。きっと、とても美しい光景なのでしょうね」
 うっとりとした様子のセラフィーナ。既に心は北の大地へ赴いているのだろう。
(ま、特に危険な一帯じゃないし、報酬も良いから人は集まりそうかね)
 問題はどちらかといえば、世間知らずを絵に描いたようなセラフィーナと、血気盛んなモリスンのお守りの方だろう。この二人だけで野に放った時の事を思うとぞっとする。
「私(わたくし)、ハンターの方を間近に見るのは初めてですの。とっても楽しみですわ」
 予想されるトンデモ珍道中を本にしたら売れるだろうか? ふとそんな事を思う職員であった。

解説

●目標
 セラフィーナを無事に北の雪原へ護衛して『雪精のダンス』を見る。

●令嬢セラフィーナ&老執事モリスン
 誰が呼んだか、「麗しのSM主従」。流血を伴うドツキ漫才が得意技です。
 セラフィーナは「淑女の嗜み」として格闘術を「お稽古」しており、モリスンもそこら辺のゴロツキなら複数が相手でも軽くいなしてしまう実力の持ち主。が、二人共覚醒者ではないので、歪虚相手となると自分の身を守るのもままならないと思われる。
 また、ご覧の通り、一般常識に疎い二人の為、その辺りのフォローもお願いしたいところ。モリスンもセラフィーナの事になると過保護が行き過ぎる様子。

●簡単な道程
 出発
 ↓
 途中の町を通過(2~3日後)
 ↓
 目的地最寄りの村に到着(6~7日後)
 ↓
 夜明け前に目的地へ出発
 ↓
 『雪精のダンス』を見る事ができたら撤収(セラフィーナは見れるまで粘りたい)
 ↓
 帰宅

●目的地
 最寄りの村から半日程北へ踏み込んだ雪原地帯。まばらに木々が茂り、生態系も豊か。特に危険な歪虚や亜人といった存在は報告されていない。

●備考
 馬車等を使えばもっと楽な道程ではあるが、セラフィーナは徒歩での旅を希望している。現状では簡単な手荷物だけを持って。
 旅費にはかなりの余裕があるが、そこもセラフィーナのたっての希望で、あまり豪華な旅にはしたくないという。ハンターや商人といった、彼女の言葉を借りれば「市井の方々」が日常的に行っている旅を体験したいとの事。
 宿や食事の選択は完全に任せるので、色々と案内してほしい――それも含めての依頼である。

マスターより

 当シナリオを担当させて頂きます、マスターの蝦蟇ダスと申します。
 今回のお仕事は旅人の護衛で御座います。しかしながら、どうもすんなりと事は運ばない様子でして。
 こんな依頼主と旅をしたら、どんなハプニングが起こるだろうか。そして、『雪精のダンス』とは一体何なのか――そんな想像を楽しみながらプレイングを考えて下されば嬉しく思います。
 また、旅の目的はありますが、道中のあれそれもセラフィーナにとって何物にも代え難い体験であります。皆様の旅におけるオススメ、こだわりポイント等があれば、是非。冒険の思い出話なんかも、彼女は目を輝かせて聞くでしょう。
 それでは、皆様のプレイングを心よりお待ちしております。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/02/17 21:39

参加者一覧

  • 雄弁なる真紅の瞳
    エヴァ・A・カルブンクルス(ka0029
    人間(紅)|18才|女性|魔術師
  • 貝焼き片手の盗人退治
    ランカ(ka0327
    人間(紅)|15才|女性|闘狩人
  • Fantastic
    リステル=胤・エウゼン(ka3785
    エルフ|21才|男性|聖導士

  • 雨夜 時雨(ka3964
    人間(蒼)|15才|女性|猟撃士
  • 今を歌う
    エルディラ(ka3982
    ドワーフ|12才|女性|魔術師
  • 差し出されし手を掴む風翼
    クィーロ・ヴェリル(ka4122
    人間(蒼)|25才|男性|闘狩人
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
ランカ(ka0327
人間(クリムゾンウェスト)|15才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2015/02/09 18:57:02
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/02/09 09:52:32