• 戦闘

クルセイダーの憂鬱

マスター:秋風落葉

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/02/27 09:00
リプレイ完成予定
2015/03/08 09:00

オープニング

●とある戦場にて
「さすがロザリーさん! 聖女の二つ名は伊達じゃないですね!」
「褒めていただくほどのことではありませんわ。皆を常にバックアップし、戦いが無事に終わるようにする。それがクルセイダーの役割ですもの」
 ロザリーと呼ばれた女性は自分の白銀色の髪をそっと、照れくさそうに撫でる。ある少年はそんな仕草をする彼女に対し、頬が上気することを感じながらもまくしたてる。
「でもすごいです! さっきの的確な『レジスト』! 本当に助かりました!」
「ふふ、面映いですわ……でもお役に立てたのなら何よりです」
 若いハンター達に囲まれる、麗しい女性がいた。
 彼女の名はロザリア=オルララン。愛称はロザリー。
 先程彼女がそう言ったように、クルセイダーである。
 『ヒール』、『プロテクション』、『レジスト』。
 彼女は仲間を援護し、傷を癒す為のスキルを常に身につけていた。
 やがていつからか、彼女は一帯のハンター達から【聖女】という二つ名で呼ばれるようになった。
 今日も彼女は仲間の傷を治し、前衛への援護を欠かさず行った。
 彼女がいるから皆、安心して戦える。
 二つ名に恥じぬ容姿とスタイルの持ち主である彼女は、若いハンター達のあこがれであり、信仰の対象とすら言ってもよいほどであった。
 ロザリーがハンターオフィスに足を踏み入れると誰もが彼女を尊敬のまなざしで見つめ、そして仲間に誘われることを祈るのだ。

●とある一室にて
「あああああああああああああああああ!!! ストレスですわ!」
 大きな館の一室で。
 野獣のような叫びと共に、大きなうさぎのぬいぐるみに拳がめりこんだ。
 ホブゴブリンさえ一撃でのしてしまいそうなパンチを繰り出しているのは誰であろう、聖女ロザリーその人であった。
 彼女は私物であるぬいぐるみのお腹にドスッ……ドスッ……、と重いパンチを何度も叩きこむが、その怒りが晴れた様子はない。
「ああ……そろそろ限界ですわ……わたくしは……本当は前線で戦いたいのに……雑魔どもの脳天にメイスを思い切りぶち込んでやりたいのに……【聖女】などという肩書きがそれを邪魔する……」
 うさぎのぬいぐるみから離れ、ベッドの傍らに両膝をついてシーツへと顔を埋めてしまうロザリー。一時的な怒りは去ったものの、持て余した感情は唇から言葉となってもれ出てくる。
「なぜ……なぜ……こんなことになってしまったのでしょう……ああ、わたくしも本当はエンフォーサーになって敵と切り合いたかった……もしくはベルセルクになって野獣のように戦場を駆けたかった……」
 さめざめと泣くロザリー。それを何も言わずに見つめる大きなぬいぐるみ。なお、彼女がぬいぐるみに当たるのはこれが初めてではない。しかし、そんな主をぬいぐるみは何も責めることなく優しい瞳で見つめ続けていた。
 泣き声が部屋を満たす悲しい夜。彼女の召使達もこんな時は何も言わず、ロザリーをそっとしておいてくれる。
 ――怖くて近づいて来ない、とも言う。
 突如、ロザリーは顔を上げた。
「はっ!! そうですわ!! いいことを思いつきましたわ!!」
 その瞳は、もはや涙が零れてはいなかった。

●とあるハンターオフィスにて
「頼もう!! ですわ!」
 ハンターオフィスの中にいる者達は一斉に振り向き、そして同時にぽかんと口を開けた。開かれた扉の中央に立っていたのが仮面をつけた謎の人物だったからだ。
 皆の驚きを意にも介さず、その仮面の人物はずかずかとカウンターに向かって歩いてくる。
 白銀の長い髪をなびかせて、堂々と歩いてくるその人に受付嬢はやや怯えながらも、自分の職務を思い出し、口を開いた。
「ええっと、ご用件は……」
「もちろん依頼を探しにきたのです!」
 受付嬢が震える声で問いかけた時、仮面の奥からくぐもった威勢のいい声が聞こえた。どうやら女性らしい。
「な、なるほど、それで、あなたはどのような能力を……」
「よくぞ聞いてくれました! そう! わたくしはメイスファイティン!! が得意なエンフォーサーなのですわ! もしくはストラァァァィクブロウ!! が得意なベルセルクなのですわ!!」
 まくしたてると仮面の人物は受付嬢が手に持っているファイルを取り上げ、ぱらぱらとめくる。
 やがてあるページに目を走らせると満足そうに頷き、受付嬢に紙面を突きつけた。
「依頼はこれにしますわ! 数が一杯いてメイスの振りがいがありそうですから! もちろん仲間を募集します! そう! 回復が出来る方がいらっしゃると助かりますわね! なにしろわたくしは回復など出来ませんから! 敵を殴ることだけがわたくしの能力なのですわ!」
「は、は、はい……」
 元気のいい仮面に、受付嬢はかすれた声で答えるしかない。
「うふふ……ひさしぶりですわ……腕が鳴りますわ……」
「あの、まさかとは思いますが、ひょっとしてひょっとするとあなたはロザ……」
「用件は伝えましたわよ!? では待ってますわ!」
 びし! と指を突きつけ、仮面の人物はスキップでもするかのような足取りで去っていった。
 受付嬢はまだ呆然としつつも、凪いだ湖面のように静かなオフィスの中に、一石を投じた。
「ええと、今の仮面の女性と一緒に戦いたい方がいらっしゃったら、挙手をお願いします……」

解説

謎の仮面の女性が仲間を探しています。
彼女と一緒に、彼女が受けた依頼を無事に解決してください。

・仮面の女性が受けた依頼
『とある廃村に現れた雑魔の群れを撃滅してほしい』
簡単に言うとこのような依頼になっています。
敵の数は多く、様々な獣が雑魔化した者達が村を埋め尽くしています。
とはいえ、個々の力量はそれほどではありません。
その中でも手ごわそうなのは猪型、蛇型の雑魔でしょうか。
猪型は二体。
蛇型は一体です。
多数を占めているのは野犬型の雑魔です。


・村について
村の建物はほとんどが倒壊しており、障害物となっています。
周囲は昔、柵で囲まれていましたが、いまではもうほとんど残っていません。村への出入りに支障はないでしょう。
他に目立つものといえば、村の中央にある大きな井戸くらいです。
仮面の女性とは廃村の近くで落ち合う手はずになっています。
行動を開始する時刻は朝の10時です。


・仮面の女性について
冒頭に出てきたロザリーという名の女性と関わりがありそうなこの仮面の人物のことを、知っていてもかまいませんし、初めて目にしていても構いません。
知っており、正体に気付いても構いませんし、気付くことが出来なくても構いません。
もちろん、正体に気付いた場合、そのことに触れないのもまた優しさだと思います。
仮面の女性が何を気に病むことなく、前線に身を投じること、それが彼女の望みだと考えていただければ幸いです。
彼女の戦いの腕前は熟練の戦士と遜色なく、戦闘の足手まといになることはありません。

なお、仮面の女性は待ち合わせ場所に来たハンター達に自分の名を尋ねられた場合、一瞬口ごもった後に『ローズマリー』と名乗るでしょう。

マスターより

こんにちは、こんばんは。秋風落葉(しゅうふうらくよう)です。
このたび、ADiv(グラズヘイム王国)への配属となりました。
今後ともよろしくお願いいたします。

さて、今回の件についてです。
謎の仮面の女性が受けた依頼、それに同行する仲間を募集しています。
仮面の女性はどうやら癒しの力が使えないようで、回復が出来る方を希望していますが、ぶっちゃけ、エンフォーサーでもマギステルでもウエルカムです。
要は仮面の女性が気持ちよく前線で戦えれば問題ありません。
ご参加、お待ちしております。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/03/03 05:51

参加者一覧

  • 救世の貴公子
    アクセル・ランパード(ka0448
    人間(紅)|18才|男性|聖導士

  • クリス・ガードナー(ka1622
    人間(蒼)|18才|男性|機導師

  • 奄文 錬司(ka2722
    人間(紅)|31才|男性|聖導士
  • 粗野で優しき姉御
    アゼル=B=スティングレイ(ka3150
    エルフ|25才|女性|聖導士
  • 幸福な日々を願う
    フローラ・ソーウェル(ka3590
    人間(紅)|20才|女性|聖導士

  • ラピリス・C・フローライト(ka3763
    エルフ|20才|女性|機導師
  • 願いに応える一閃
    Anbar(ka4037
    人間(紅)|19才|男性|霊闘士
  • 狭間へ誘う灯火
    レオナルド・テイナー(ka4157
    人間(紅)|35才|男性|魔術師
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/02/22 21:01:40
アイコン 作戦相談の場
奄文 錬司(ka2722
人間(クリムゾンウェスト)|31才|男性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2015/02/27 01:03:26