• 無し

【王国展】Route:B 未来の英雄と茸

マスター:ムジカ・トラス

シナリオ形態
ショート
難易度
易しい
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
3日
プレイング締切
2015/02/23 12:00
リプレイ完成予定
2015/03/04 12:00

オープニング


システィーナ・グラハム(kz0020)王女の執務室。王城のほぼ中枢にあるそこは、この季節においても調度品や暖炉によって暖かく整えられている。そこに、ぽつり、と声が零れた。
「ハンターの皆さまに向けて、王国観光庁の設立……?」
「ええ」
 システィーナ王女の声であった。応じた鈍く低い声は、セドリック・マクファーソン(kz0026)大司教。
「現状、復興が進んでいるとはいえ、先日のベリアルの侵攻の傷は、決して小さくはありません」
「そう、ですね。民も、傷ついています」
 システィーナの理解に、セドリックは微かに笑みを浮かべた。
「その通りです、殿下。この国には余力がある。故に、土地も、経済も、時が経てば癒えましょう。ですが――民の心に刻まれた傷は、生半な事では癒えません」
「……そこで、観光庁、ですか? ハンターの皆さまが、どう関わるのです?」
「彼らの存在そのものが、王国の治安や防衛――そして経済に、深く関わります。安全の担保によって、民草に安堵を抱かせる。現状ですとその重要性は、言を俟ちません。その点でハンターに対して王国の内情を詳らかにし、また、国民が広くハンターの存在と意義を知ることは現状では十分に価値あることです」
「そう、ですね……ハンターの皆さまが、この国の民にとって救いになり得る」
 手を合わせて、王女はにこやかに笑んだ。華やぐ声で、言う。
「作りましょう、王国観光庁!」
「ええ、ではそのように。ああ、それと――」
 少女の喝采に、セドリックの聖人の笑みが返った。
「観光を扱う以上、民草にとっても近しい組織でなくてはなりません。そこで、システィーナ王女。貴女の出番となります」
「は、はい」
「貴女に、観光庁の代表をして頂きます」
「……ふぇ?」
「早速、催し物の段取りをしておきましょう。王女の名の下に各地に通達し、商会、職人、その他諸々の団体を応召し、展覧会を執り行う――」
「え、ぇ?」
「詳細は後日、識者を集めて会議を行いますので、それまでにお考えをお纏めください……それでは、私はこれで」
「え……?」
 ――戸を閉じたセドリックの背中を、少女のか細い悲鳴が叩いた。



 王国展覧会の会場内。喧騒に包まれたその中では様々な声が飛び交っている。素種々のスペースに区切られてはいるが、その様相は混迷を極めていた。誰かとはぐれたか、迷子と思しい年幼い茶髪の少女が辺りを見回しながら何処かへと歩き去っていくその傍らで、老人が青年の鎧姿にケチをつけている。

 あなたは、その展覧会を満喫していたかもしれないし、あるいは仕事で訪れていたのかもしれない。気の合う仲間達と訪れて、迷子になったかも、しれない。

 ――ふと。その足が止まった。王国内で絶大なシェアを誇るヘルメス情報局のスペースだ。
 スペースは、ある。あるにはある、のだが、商売っ気剥き出しの他のスペースと異なる装いである。ブースの『中に』濃紺の天幕が張られており、看板が二つ建てられているだけである。

『局員は取材中につき期間中不在 バックナンバーあり〼』
『こちらで当通信局が発売した【占い】がうけられ〼』

 なんとも適当極まる事この上ないのだが、成程、記者がこの機に座して待つわけも無い、ということか。
 煩雑な会場の中、この一帯だけが喧騒から遠い。天幕の佇まいが、そう感じさせるのだろうか。音がはじかれ、何処かへと吸い込まれていっているような錯覚。

 ――あなたは、天幕の中に足を踏み入れてもいいし、踵を返してもいい。

●Pattern "B"
 踵を返したあなたは、雑踏の中へと戻――ろうとした。
 その時だ。
「スターップ!!!」
 喧騒を貫く声が、響いた。尋常ではない熱量を孕んだ声に、あなたの足が止まった。明らかに、あなたへと向けられた声だったからだ。殺気に近しい気配が、それを知らせていた。
 あたりを見渡すが、それらしい人影は見当たらない。
「何処を見ている!!」
 近くから声がした。振り返って辺りを見渡すが、やはり、いない。
「ワシは此処だ!!」
 ――あなたの、足元から、声が響いた。

 そこに居たのは、『キノコ』だった。ただ、通常のパルムとはやや様子が異なる。まず目に飛び込んでくるのはチョビヒゲ。上等な品では無かろうが、古風なスーツを身にまとっている。声は低く渋いが、豪胆にすぎ落ち着きは感じさせない。
 なんというか。
「よく来たな! 見たところ貴様、ハンターだな!?」
 熱い。熱すぎる。剥き出しの熱意に目が眩むほどであった。
「ワシはイェスパー! 見ての通りの文筆家だ!」
 イェスパ―と名乗ったキノコはあなたの様子など気にも留めずに、続けた。
「ワシは書くぞ! そして描く! そのためにも正々堂々と――貴様に、取材を申し込む!!!!!!!!!!」
 ビシィ、と何処からかとりだした黒羽のペンを手に、盛大に打ち上げた。
 そして。
「……あ。む? アシスタントがいないではないか……まあいい! ワシはな、こういう記事を書いているぞ!」
 折り目正しく差し出されたのは、『ヘルメス通信局』の号外記事だ。そこには、『未来の英雄達、その回顧録』と書かれている。
「さあ、いざ尋常に……取材だ!」

 イェスパーと名乗った茸は、あなた達を取材に来たようだった。
 あなたは取材を受けてもいいし、受けなくてもいい。
 ただし、取材を受けなかった場合、この茸の熱情につきまとわれることは想像に難くないようであるが――。

解説

●目的
 精霊との契約時(つまりハンターになった時のこと)が記事にされ、リプレイになります。
 or
 イェスパー(きのこ)と戯れている様がリプレイになります。

●解説
(記事版)
 ハンターズギルドでハンターに登録する際、覚醒者になるための契約を精霊とした時の事を記事にします。
 貴方の個人的な体験でも構いませんし、(RP的な意味で)捏造でも構いません。
 それらを、一人称視点で記事にします。

 どういった形態のものでも構いませんが、例えば、イメージノベルでは「もう一人の自分が語りかけてきた」シーンが描かれています。
(※必要時イメージノベルを参照してください)

 事象として存在しえないものや、整合性、あるいは世界観的な理由で具体的な名称を添えられない場合などは記述を曖昧にするか、省略する事もありえます。
 勿論、基本的には号外の記事として記載されるものなので、フィクションとして幅が設けられます。
 また、リアルブルーにおける固有名詞は適宜脚注が添えられるものとします。(本文中には記載されません)

※この際、設定文が【公認】か、そうじゃないか、はかなり重要ですので、是非、公認設定をご利用下さい!!

(茸版)
 取材を受けている時の問答がリプレイになります。文字数の都合上、【記事】はリプレイには記されません。
 この珍妙なキノコを好きにしてくださって構いません。

●補足
 ・ヘルメス情報局について
 王国最大の新聞社であり、その支局が国内の各都市にある。
 他国には支局を置けていない為、他国の情報はイマイチだが、国内に関してはそこそこの確度を誇る。
 日刊紙もあるが号外紙の方が庶民受けは良い。王国民であれば知らぬ者はいない程度の新聞社である。
  →記事は王国全土に配られます。

●参照
【王国始動】未来の英雄達、その回顧録
http://www.wtrpg10.com/scenario/detail/111

マスターより

こんにちは、ムジカです。王国展覧会へようこそ。そして、RPド推奨依頼へようこそ。
さらに! 選択のパターンBへようこそ、です。

折角踵を返して展覧会を楽しもうと思っていた所に謎なキノコの突撃インタビュー!
そして、記者は出払っているって書いているのに何故、とか、細かいことは言いっこなしです!(

え? 日数が短めだって? ええ……っと……大人の事情です!!(再掲)

久々の、記事系シナリオ。
かつて、『ムジカは本業とワールドカップとペル●ナ●で幸せすぎて死にそうになっています』と言っていましたが、今の僕は本業とMS業と某サバイブ系ゲームで死にそうです。
皆様のプレイングを糧に頑張りますので、宜しくお願いします!
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/03/05 09:23

参加者一覧

  • ラフな守備範囲
    ラウリィ・ディバイン(ka0425
    エルフ|17才|男性|猟撃士
  • ノブリスオブリージュ
    リーリア・バックフィード(ka0873
    人間(紅)|17才|女性|疾影士
  • アルテミスの調べ
    メトロノーム・ソングライト(ka1267
    エルフ|14才|女性|魔術師
  • 拓けし世界
    アレン=プレアール(ka1624
    人間(紅)|21才|男性|闘狩人
  • 唯一つ、その名を
    Holmes(ka3813
    ドワーフ|8才|女性|霊闘士
  • ちかよるなきけん
    フィーナ・ウィンスレット(ka3974
    エルフ|20才|女性|機導師
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/02/23 07:04:13