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【王国展】ワルサー総帥の衣替え

マスター:御影堂

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/03/07 12:00
リプレイ完成予定
2015/03/16 12:00

オープニング


 システィーナ・グラハム(kz0020)王女の執務室。王城のほぼ中枢にあるそこは、この季節においても調度品や暖炉によって暖かく整えられている。そこに、ぽつり、と声が零れた。
「ハンターの皆さまに向けて、王国観光庁の設立……?」
「ええ」
 システィーナ王女の声であった。応じた鈍く低い声は、セドリック・マクファーソン(kz0026)大司教。
「現状、復興が進んでいるとはいえ、先日のベリアルの侵攻の傷は、決して小さくはありません」
「そう、ですね。民も、傷ついています」
 システィーナの理解に、セドリックは微かに笑みを浮かべた。
「その通りです、殿下。この国には余力がある。故に、土地も、経済も、時が経てば癒えましょう。ですが――民の心に刻まれた傷は、生半な事では癒えません」
「……そこで、観光庁、ですか? ハンターの皆さまが、どう関わるのです?」
「彼らの存在そのものが、王国の治安や防衛――そして経済に、深く関わります。安全の担保によって、民草に安堵を抱かせる。現状ですとその重要性は、言を俟ちません。その点でハンターに対して王国の内情を詳らかにし、また、国民が広くハンターの存在と意義を知ることは現状では十分に価値あることです」
「そう、ですね……ハンターの皆さまが、この国の民にとって救いになり得る」
 手を合わせて、王女はにこやかに笑んだ。華やぐ声で、言う。
「作りましょう、王国観光庁!」
「ええ、ではそのように。ああ、それと――」
 少女の喝采に、セドリックの聖人の笑みが返った。
「観光を扱う以上、民草にとっても近しい組織でなくてはなりません。そこで、システィーナ王女。貴女の出番となります」
「は、はい」
「貴女に、観光庁の代表をして頂きます」
「……ふぇ?」
「早速、催し物の段取りをしておきましょう。王女の名の下に各地に通達し、商会、職人、その他諸々の団体を応召し、展覧会を執り行う――」
「え、ぇ?」
「詳細は後日、識者を集めて会議を行いますので、それまでにお考えをお纏めください……それでは、私はこれで」
「え……?」
 ――戸を閉じたセドリックの背中を、少女のか細い悲鳴が叩いた。


 王国北部に位置するルサスール領。
 一人娘サチコ・W・ルサスールのために、度々依頼を出す親ばかの領主がいた。
 領主の名は、カフェ・W・ルサスールという。領民から愛される治世を行っている。
 親ばかな依頼が多くても許される理由が、時勢に敏く、商売人としての顔があるためだ。
「王国展、これは成功させねばならぬな」
 そもそもルサスール領は、食糧こそ自給自足である。
 山裾の涼やかな平地にあるため、畜産が盛んに行われていた。
「親父。特産品ということで牧場主とは話がついた。羊毛の増量いけそうだ」
「職人ギルドからも、この賃金での契約が取れそうです」
 中でも、羊毛については主力な産業としてカフェも力を入れている。
 北部の職人ギルドと連携し、新商品を王都に送り出すブランディング戦略も行っていた。
 なにこの領主……と他の貴族から疎まれることも少なくない。
「今回はどうするんだ? 機能性という面では、他に負ける気はしないが」
 息子に問われ、カフェはぎぃっと椅子を鳴らして立ち上がる。
 窓の外、サチコがいる山小屋の方角を見据えて告げる。
「かわいい女の子の服とかどうだろうか。リアルブルーの衣装とか」
「ほぅ」と長男の目が細くなる。
「聞くところによれば、リアルブルーの学童が身にまとう服は羊毛製だとか」
 取り出されたのは、リアルブルーに関する書籍だ。
 図面には、「せーらーふく」という文字が見える。
「これは……なるほど」
「興味深いですね」
 興味津々な息子たちの反応に、カフェは確かなものを感じた。
 だが、それだけでは足りないだろう。
「いくつか、案を作りたい。それには、職人たちの協力と外部の知恵が必要だ」
「あと、モデルですね」
「そう、モデルだ」
 息子とともに、怪しげな笑いを浮かべる領主がいた。


「へっくち」
「おや、サチコ様。風邪ですかな?」
 カフェの視線の遥か先、山の麓にひとつの小屋がある。
 表看板に、「ワルワル団」と書かれた頭の悪そうな小屋だ。
 その小屋の主、サチコ・W・ルサスールは身体をぶるりと震わせ、首を傾げる。
「おかしいですわね。寒気はありませ……のだぜ」
「気をつけてくださいよ。春前に引く風邪はきついですからね」
 従者タロの言葉に、素直に頷く。山小屋の外で、二人は対峙していた。
 コホンと咳払いし、サチコは小さな木刀を手に大見得を切る。
「ワーッハッハッハ、俺様がワルサー総帥なのだぜ!」
「はいはい。総帥、もう一度最初から型のおさらいです」
 タロはサチコに剣術を教えているところだった。
 その様子を、もう一人の従者ジロが洗濯物を干しながら眺める。
「サチコ様の服も、そろそろよれてきましたね……」
 家出(ただし領内)したことで、持ってきた服を着回す形になっていた。
 そろそろ、新しい服を貰わなければならないのだが。
「なんでしょね。嫌な予感が……ひしひしと」
 ジロは遠くを見つめて思う。
 その視線の先に、ルサスール家の屋敷があるのだった。

解説

●目的
サチコにデザインした服を着させて、あそ……プロモーションする。

●ウール100%
質のいい羊毛をふんだんに使って、様々な服を提案しましょう。

一応、カフェはそうした服を特産品にするつもりです。
クリムゾンウェストの衣装でも、リアルブルーのデザインでも構いません。
それが特産品として通用する理由もあれば、なおいいです。

サチコにそれを着せます。
ものによっては着るのを渋ったり、説明を求めるでしょうから説き伏せましょう。
サチコのプロポーションですが、普通の16才ぐらいです。やや痩せ型です
義賊を目指して、家出した純粋な娘です。
ワルという言葉が好きで、リアルブルーかぶれな面があります。
過剰な露出を要する衣装は、カフェによって阻止されます。

●場所
サチコの山小屋。
カフェと息子たちは、ファッションアドバイザーに変装して見に来ます。
バルコニーをお台場に見立てて、ファッションショーです。

●羊といえば
羊肉もありますよね。
美味しい羊肉の食べ方も募集。
なければ、香草たっぷりのタレを付けてマトン(臭い方)を焼きます。
バーベキュー的なのをしつつ、ショーをお楽しみください。

マスターより

わるわるさー、御影堂です。
わるわるさーは、ワルワル団の挨拶です。覚えなくていいです。
別にみなさんが着ても一行に構いません。
どうせ、コスプレジンギスカンパーティーです。愉しみましょう。

関連NPC

  • ワルサー総帥
    サチコ・ワ・ルサスール(kz0063
    人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/03/15 17:53

参加者一覧


  • 最上 風(ka0891
    人間(蒼)|10才|女性|聖導士
  • 夢路に誘う青き魔女
    夢路 まよい(ka1328
    人間(蒼)|15才|女性|魔術師
  • デュエリスト
    弓月 幸子(ka1749
    人間(蒼)|15才|女性|魔術師
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師

  • マリンチェ・ピアソラ(ka4179
    人間(紅)|15才|女性|霊闘士

  • ユーリ・ヴェルトライゼン(ka4225
    人間(紅)|19才|男性|疾影士

  • 紅緒(ka4255
    人間(蒼)|15才|女性|霊闘士

  • リーラ・ウルズアイ(ka4343
    エルフ|15才|女性|魔術師
依頼相談掲示板
アイコン 新作衣装発表所
夢路 まよい(ka1328
人間(リアルブルー)|15才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2015/03/06 23:35:44
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/03/04 22:54:55