• 戦闘

祖父の畑

マスター:鳴海惣流

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/06/10 07:30
リプレイ完成予定
2015/06/19 07:30

オープニング

●男の見た光景

「そんな……嘘だろ……」
 男は我が目を疑った。視界に広がる見慣れた麦畑に亜人――コボルド達がいた。
 追い払ってやろう。怒る男を引き止めたのは、彼の妻だった。
「あなたにもしものことがあったら、亡くなったおじい様も悲しむわ」
 男は唇を噛んだ。幼い頃に両親が病気で他界して以降、祖父が男手ひとつで育ててくれた。
 亡くなったとの知らせを受けて、実家となる祖父の家へ駆けつけたのが数日前。葬儀も終わり、畑を思い出した。
 来てみればこの有様だ。たくさんの思い出を、亜人達に汚されたような気がした。
「祖父さんの畑を、あんな奴らに荒らされたままなんて我慢できない!」
 今にも飛びかからんばかりの勢いで、男が声を荒げた。
「相手はコボルドなのよ。あなたひとりで、何ができるというの。まずは村の人たちに相談してみましょう」

●村の会議

 すぐにでも全員で畑を撮り返そうと言う男に、老齢の村長が申し訳なさそうな顔をする。
「コボルドといえど、ワシらみたいな民間人にはかなりの脅威になる。武器を持って挑んだところで、返り討ちにあうのがおちだ」
 村長の家に集まってるのは、男と男の妻、尊重と尊重の妻、それに相談役の中年男性の合計五人だった。
「じゃあ、俺の祖父さんの畑を見捨てるっていうんですか!」
「そうは言っておらん。お前の祖父さんは、わざわざ村の外に畑を耕す変わり者ではあったが、村人からは好かれていた。無論、ワシもだ」
「だったら!」
 男が言葉を続けようとするのを、相談役が手で制した。
「すぐにでも祖父の畑から、奴らを追い出したいお前の気持ちもわかる。だが、俺たちがコボルドを倒せると思うのか」
「やってみなければわからない!」
「冷静になれ」
 そう言ったのは村長だ。
「目の良い村人にこっそり様子を見に行ってもらったが、コボルドはどうやら五匹ほどいるようだ。しかも常に揃ってるわけではないらしい」
 男が「え?」と眉をひそめた。
「日中と夜とで、畑にいるコボルドの数が違うようだ」
「まさか……背後に何者かがいて、コボルドたちを操っているのでは?」
 相談役の男が慌てた様子で言った。どうやら恐怖や不安を覚えたらしい。
 今にもすがりついてきそうな相談役を見ながら、村長は首をゆっくりと左右に振った。
「断定はできんが、見てきた者の話では、コボルトたちは連携してるように思えなかったそうだ。個々がどこからか勝手に集まり、それぞれ居ついてしまったのだろうな。恐らく、居心地がよかったのだろう。お前の祖父が丹念に耕してきた畑だからな」
 再び村長に視線を向けられた男が憤る。
「だからこそ! 大切な畑を奴らから取り返したいんですっ! 無事に戻ったら、この村の実家に入るつもりです。祖父の跡を継いで、畑をやります。妻も了承してくれてますし」
「そうか……若い者が村に増えるのは歓迎だ。コボルドをなんとかするのも同意見だが、迂闊に手を出して奴らの怒りを買えば村を攻めてきかねない」
「それなら、どうするんですか」
 相談役に尋ねられた村長は、あぐらをかいていた膝を手で叩いた。
「村への危険を回避するためにも、コボルドどもを殲滅せねばならん。ならばこそ、その道のプロに依頼してみようと思う」

●ハンターオフィスにて

 手にした書類を眺めながら、担当者が依頼について説明する。
「今回の依頼は、祖父の畑をコボルドから取り戻してほしいという内容です。畑は村から少し離れた場所にあるため、住民の被害は出ていません。ですが今後、村へ危害が及ぶ危険性も考慮して、コボルドを殲滅の上、畑を取り戻してほしいとのことです」
 ギルドに寄せられた情報によれば、コボルドが五匹。現段階ではそれがすべてと思われる。
「発見されるコボルドの数は、時間帯によってバラつきがあるようです。日中に五匹。夜に三匹見つかっています。畑の近くには広めの林があり、姿が見えない時はそちらにいる模様です。コボルドたちに連携してる様子はなく、個体が五匹集まってる感じだそうです」
 コボルドたちは畑を溜まり場代わりに使っている。村の存在には気づいていない。チームとして行動しているわけではないので、一匹がやられて振りだと判断すれば、仇をとるよりも逃げようとする可能性が高い。
「確実に戦闘になると思われますので、しっかりとした準備の上、依頼にとりかかってください」

解説

・今回の依頼は、五匹のコボルドの殲滅になります。総数は五匹。他に敵の存在はありません。
・チームではないので、連携しての攻撃は気にしなくて大丈夫です。その代わり、勝手に動くので、策略なしに一網打尽というのは難しいかもしれません。
・どの時間帯で退治に向かうのも自由です。日中は全匹揃っており、日が落ちて夜になると三匹になります。畑にいないのは、林にいます。食料の調達など、思い思いに行動中です。
・殲滅しきれなかった場合、依頼は失敗です。一匹も逃がさないにしてください。手際よく倒していくほど、コボルドは逃げようとします。知能がさほど高くないので、直感的に林の方へ逃げます。
・林は山というほど広くはありませんが、それでも数キロ範囲に及んでいます。木々に隠れて逃げられると、非常に厄介です。林での戦闘も考慮するのであれば、そちらの準備も必要となります。
・コボルド自体の戦闘力は高くありません。依頼者のひとりである男性や、様子を見に行った村人が無事に戻ってこれたくらいなので、用意周到さは注意深さもさほどではなさそうです。
・祖父の畑を取り戻したがっている男性は血気盛んだが、依頼中は他の村人が監視の意味も含めて一緒にいるので、戦闘に乱入してきたりはしません。安心してください。
・夜に行動しているのを見れば、コボルドはある程度夜目がきくようです。

マスターより

皆様、初めまして。
今回よりMSを務めさせていただきます、鳴海惣流と申します。どうぞ、よろしくお願いします。

今回は戦闘が中心の依頼となります。敵を殲滅するのが目的です。
一度に五匹殲滅させようとすれば、逃げられる可能性が上がります。敵が勝手に分断している夜を狙えば、夜の林という視界が不利な状況での戦闘になります。
どちらを選択するかは、皆様の判断次第です。どうか、畑を取り戻し、青年にお祖父さんの跡を継がせてあげてください
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/06/12 08:52

参加者一覧

  • お転婆ドワーフ
    アニス(ka0306
    ドワーフ|14才|女性|闘狩人
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 林檎農園を護りし者
    ダイ・ベルグロース(ka1769
    人間(紅)|36才|男性|霊闘士
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカ(ka3496
    エルフ|18才|女性|猟撃士
  • 兜の奥の、青い光
    No.0(ka4640
    人間(蒼)|20才|男性|機導師

  • Oswald(ka5093
    人間(蒼)|27才|男性|舞刀士
依頼相談掲示板
アイコン 作戦掲示板
No.0(ka4640
人間(リアルブルー)|20才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2015/06/10 05:01:00
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/06/07 18:16:24