「軍馬の供給が追いつかない？」
「はい。もう少し軍馬を買いたいという申し出がありまして……」
　辺境の要塞ノアーラ・クンタウの近くにある、軍馬の育成場の主は寄せられた報に困惑していた。商人に卸していた軍馬の在庫が底を尽き、更なる入荷を求めているということだが……。
「つってもなぁ、欲しいから売ってやる、って訳にもいかんのよな。軍馬は貴重な血統で生まれて初めて育てあげれるモンだし、そう簡単に売りに出せる程簡単じゃねぇ」
　育成場の主は頭を掻きながら業者に答える。馬は元々臆病な動物だ。本来戦闘に駆り出すには不向きである故に、古くからの血統を受け継ぎ、生まれてきた勇敢な馬を戦闘に慣れさせていく。言うなればサラブレッドだ。育成もそう簡単にはいかないし、生まれてくる数にも限りがあるということであり、突如として買いたいと申し出られても困るというものだ。
「しかし、東方や辺境においても戦いが激化している今、騎馬は非常に重要な戦力です。利益以上にハンターさん達の安否がかかっているんです。何とかならないでしょうか」
「俺達としてもそりゃ十分に分かってるがなぁ、馬は生き物だ。言われてすぐ成長はせんよ。……そうだな」
　育成場の主は顎に手をあてて思案する。そして業者に、こう切り出した。
「……少し、手を焼いてるじゃじゃ馬が居てな。えらく気性の荒いやつと、言うことを聞かねえ捻くれたやつ。それからプライドがすっげー高い奴が。とてもじゃあねえけど、売りに出せたもんじゃねえ奴らがな」
「それはどういう……？」
　業者の質問に、主は挑戦的な笑みを返す。
「少し勝手は違うかもしれねーが、依頼って形で持ち帰ってくれるか。ハンターに今挙げた3頭のじゃじゃ馬を何とかしてもらいてぇんだ。うまく懐けば、そのまま貰っていってくれてもいい。こっちとしても手を焼いてるこいつらの主が見つかれば、次の仕事にかかりやすくなるしな」
「そういうことでしたら、お受けしますね。現状、それしか手が無さそうですから……」
　こうしてショップの業者は軍馬の代わりに依頼を持ち帰る事になった。

◆本シナリオの目的

　育成場の主が手を焼いている3頭の馬をなんとかする


◆状況

　育成馬の主の話では戦闘に耐えうる血統の大人の馬はいるものの、性格に難があり卸す事が出来ないで居る馬が3頭いるらしく、調教にも手を焼いており、買い手もつかない事から困っているそうです。
　生き物である以上世話をしない訳にもいかず、他の馬の育成が少し滞ってる状態のようです。

　今回の依頼ではそんな悩みの種である3頭の馬をなんとかして、育成場の主を助けてあげる事が目的となります。


◆3頭の馬

・気性の荒い馬
　述べられている通り気性が荒く、額に十字傷がある馬です。
　よく騎乗しようとする人間を振り落として暴れる凶馬とされており、そのくせよく食べ、よく寝るそうです。
　乱暴者な性格をしている為、力を認めさせれば大人しくなるかもしれません。

・捻くれた馬
　一見大人しく見える馬で、騎乗も問題なくできますが、とにかく言うことを聞きません。
　走れと言えば座り、曲がれといえば止まる。コントロールが全く上手くいきません。
　3頭の中で一番若く、天邪鬼な悪戯っ子です。主の話では、幼生時あまり構ってあげれなかったのが原因であると言われています。

●プライドの高い馬
　美しい毛並みを持つ、スマートな体つきの馬です。
　述べられている通りプライドが高く、気性の荒い馬ほど暴れはしませんが、こちらもしょっちゅう騎乗者を振り落としているようです。
　非常に賢く育ったせいで人間の事を少し見下しており、敬意をもって接する必要があります。



●軍馬の支給

　今回の依頼で調教する馬が上手く懐けば、懐いた方に軍馬をプレゼント致します。
（必ずしも懐く訳でもなく、プレゼントも絶対ではありません）

　お世話になっております、桐咲です！

　優秀な騎乗ペットである軍馬がなんと売り切れ！
　非常に便利なだけに惜しい状況ですね

　そんな中、軍馬育成場の主さんがどうやら困っている様子。助けてあげれば、ショップに軍馬が並びやすくなるかもしれません。


　軍馬は代々受け継がれてきた血統を、大切に育て上げて生まれる存在です。
　此度のシナリオでも、それを今一度意識して頂ければと思います。

　皆様の個性溢れるプレイング、お待ちしております！