• 戦闘

狼雑魔討伐依頼

マスター:赤山優牙

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
4日
プレイング締切
2016/11/03 19:00
リプレイ完成予定
2016/11/17 19:00

オープニング

●噂
 傲慢の歪虚が占拠しているイスルダ島に近い王国西部や、大峡谷に近い王国北部と比べると、王国の東部は平和で穏やかである。
 もちろん、全くもって安全とも言い切れない。野盗が出る事もあれば、雑魔だって出たりする。
 また、凶暴な野生生物は非覚醒者から見れば十分に脅威の存在だ。
「……本当に、この一帯の狼を駆除してくれるのですか?」
 信じらないといった雰囲気で村長が聞き返した。
「えぇ、もちろんです。風の噂で王国東部で雑魔と化した狼が暴れている所があると聞きました。雑魔化する前に退治する事をお勧めしますよ」
「うーむ」
 考え込む村長。
 事の発端は、一つの噂だった。

 ――王国東部で雑魔化した狼が出没している――

 真偽のほどは分からない。
 ただ、行商から聞いた話だと、教会やハンター達が介入しているという。
 そんな情報が村長の耳に入ったと同時に、ある傭兵団が村にやって来たのだ。
 彼らは言った。

 ――報酬さえ出してくれれば、一帯の狼を根こそぎ退治しましょう――

 費用は安くはない。
 だが、もし、狼が雑魔化し、街道が封鎖されれば、この小さい村はたちまち困窮してしまう。
 あるいは――考えたくはないが――村が襲われて被害者が出るのかもしれない。
「……分かりました。報酬をお支払いしますので、狼退治をお願いします」
「賢明な判断ですよ」
 にっこりと傭兵団の団長は微笑んだ。
 屈強な傭兵共を束ねているのは、歴戦の戦士のような男ではなく、風でも吹けば飛んでしまいそうな優男だった。

●ビジネス
 傭兵団による狼退治は翌日から始まった。
 一帯の地形の入念な調査、狼の種類と数の確認、必要な罠の準備、追撃の為の馬の手配。
 いずれも慣れすぎている。慣れすぎて逆に怖い所があった。
「待って下さい!」
 1人の村人が傭兵団を止めに入ったのは、いよいよ狼退治が始まる前日だった。
「なんでしょうか?」
 団長である優男が微笑を浮かべたまま村人と対峙した。
「この一帯の狼は人を襲ったりはしない。テリトリーに入った人間を監視しているだけで、こちらから危害を与えない限り、襲っては来ない」
「だとしても、これはビジネスですからねぇ」
 両方を竦める団長。
「ビジネス?」
「そう。貴方も噂で聞いたでしょう。雑魔と化した狼が暴れていると。だから、危険な存在になる前に排除しなければならないのです。村は安全を、私達はその対価を」
 大げさな身振りで説明する団長に村人は怪訝な顔を浮かべた。
「その噂ってのは、あんたらが振り撒いているのじゃ?」
「まさか、そんな事、有り得ませんよ。私達も、噂を聞いて、わざわざ王国東部に足を運んだのですから」
 胡散臭い雰囲気を感じた村人だったが、それ以上は追求できなかった。
 面倒な村人を黙らせる事ができて上機嫌になった団長は周囲に集まっている村人に宣言する。
「では、こうしましょう。私達が信用できないという村人もいらっしゃるようですので……報酬は半額で構いませんよ」
「なん……だと……」
 ざわめく村人達。
 傭兵団を止めた村人は驚いた表情を浮かべていた。
「そんな事すれば、あんたらは実質的に、ただ働きじゃないですか」
「ビジネスは信頼が大事です。また、村でなにかあったら、その時もまた、私達をお呼び下さい」
 優雅に頭を下げる優男。
 村人達は拍手喝采を向けたのであった。ややしてから、優男は片手を高く挙げた。
「つきましては、皆様にお願いがあります。明日から狼退治が始まりますが、万が一でも討ち漏らした狼が人を襲う事も考えられます。数日は村から出ないようにお願いします」
 その言葉を村人らは快諾したのであった。

●雑魔
「上手くいきましたね、旦那」
 一人の傭兵が団長に声をかけた。
 狼退治は順調である。ついでに言うと、“もう一つの”ビジネスも順調だった。
「罠にかかるのは狼だけではないという事だ」
「狸、狐、兎、鹿と豊かな一帯ですよここは。熊は居ないですが」
「肝心の狼共はどうだ?」
 そもそも狼退治なのだ。
 狼は絶対に根こそぎ全滅させておかなければならない。
「大方全滅させましたが、頭の良い狼が居るようで群れを率いてます。罠にも掛からず追いかけても逃げます」
「まったく、君らの脳みそは畜生以下か?」
 傭兵のベシベシと頭を叩く団長。
「まだ“処理前”の狼を使え。奴は必ず私達の動きを見ているはずだからな」
 こうして、狼の群れを誘き出す作戦が開始された。
 “処理前”の狼を残酷な方法で痛み付け……その叫び声を響かせるのだ。

 傷つき瀕死の狼を、1人の歪虚が抱きかかえていた。
 助かる術はない。仲間を助ける為か、それとも、別の理由があったのかはともかく、この狼らは、人間共が待ち構える所へ飛び込んだのだ。
 結果――多くの狼は死に絶え、生き残って逃亡した狼はいずれも深い傷を負っていた。数日もすれば全滅するだろう。
「身勝手ナ、ニンゲン共メ」
 歪虚は怒りの声を上げた。
 胴体や四肢は人のそれに近いが、腰周りや二の腕から先、脛から先は犬であった。
 ふわふわの黄土色の頭髪からは犬耳が飛び出ている。
「ヲ前達ノ怒リ、ブツケタイナラ、力ヲアゲル」
 歪虚から負のマテリアルが発せられた。


 ――後日、ハンターオフィスに一つの依頼が、王国東部の小さい村から出された。
 それは、狼退治を受け持った傭兵団の行方を探ると共に、目撃された狼の雑魔を退治する依頼だった――。

解説

●目的
雑魔の討伐

●内容
傭兵団の拠点を探し出し、かつ、雑魔化した狼を討伐する

●地形
村の周囲は、村を中心におおよそ以下の地形に囲まれている
【草原】膝ぐらい迄の高さの草に覆われている
【林】比較的小さい木がまばらに立っている
【岩場】人が隠れられる位の大岩が点在する荒地
【森】大きい樹木が密集して立っている
【沼】底なしではないものの足場が不利となる沼
【川原】大きくない川の河川敷

●雑魔
雑魔化した狼 6体
狼特有の攻撃の他、遠吠えによる行動阻害(強度1)を行ってきます
この能力は負のマテリアルによるものなので、耳栓などは効果を発揮しません

●探索
狼退治に出かけた傭兵団の足取りを探索します
村の周囲の地形のどこかに傭兵団の拠点があると思われますが、便宜上、特別な判定を行います
【器用】と【直感】を基に、各種修正を加えて判定します
判定に成功する度に、探索ポイントを1点を与えられ、PT全体で20点に達した時点で拠点を発見できます
なお、判定は一人当たり5回となります(他者に判定回数を譲る事はできません)
(PL情報:傭兵団の拠点で雑魔の群れと遭遇する事になります。傭兵団は既に全滅しています)

●拠点
傭兵団の移動式のテントや簡易的な倉庫などがあります

●歪虚
オープニング『●雑魔』に出てくる歪虚はリプレイ内でハンター達と遭遇しません。

マスターより

●挨拶
おはようございます。赤山です。予定に無い急遽なシナリオとなります!
実は『犬雑魔討伐依頼』『馬雑魔討伐依頼』に続いていますが、該当リプレイを読んでおくと……なんとなく良いかもしれませんが、強制ではありません。

●攻略のヒント
原因があっての結果。なんで、こんな事になってしまったのか、それに対する心情的なモノは大切だと思うのです。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/11/09 06:26

参加者一覧

  • 虹の橋へ
    龍崎・カズマ(ka0178
    人間(蒼)|20才|男性|疾影士
  • 渾身一撃
    守原 有希弥(ka0562
    人間(蒼)|19才|男性|疾影士
  • タホ郷に新たな血を
    メイム(ka2290
    エルフ|15才|女性|霊闘士
  • 誓槍の騎士
    ヴァルナ=エリゴス(ka2651
    人間(紅)|18才|女性|闘狩人
  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784
    人間(蒼)|17才|女性|符術師
  • “我らに勝利を”
    ラジェンドラ(ka6353
    人間(蒼)|26才|男性|機導師
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
ラジェンドラ(ka6353
人間(リアルブルー)|26才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2016/11/03 17:14:19
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/11/03 14:31:34