ゲスト
(ka0000)
百手、百足、ぞろりと
マスター:尾仲ヒエル
このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/02/06 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/02/20 19:00
オープニング
「残念だわ。私、貴方のこと嫌いじゃなかったのに」
黒衣の女が呟くのは、先日ハンターたちに倒された男、イリフネのことだ。
「人間1人にあれだけ執着できるなんて、とても人間らしいじゃない?」
濃いベールの下の表情は伺い知ることはできないが、その声には微かに羨望のような響きが混じっている。
女――モルガナは、目の前に横たわった少年の黒髪を優しく整えると、そのまぶたにそっと触れた。
「依頼人はもういないけど、完成させるわ――目覚めなさい」
ろうそくの灯りの下、長い睫毛が震え、花が開くように少年の瞳が開く。
その色は、元の灰色ではなく、血のような赤。
「私の言葉が分かる?」
最初から諦めたような口調でモルガナが尋ねる。
モルガナが蘇らせてきた少年たちは、人形のように美しいだけで、教え込まないと簡単な会話すら難しい状態だった。
「……まぶしいよ。消して?」
答えを待たずに部屋を出ようとしていたモルガナが、はっとしたように振り返る。
今、この少年は自発的に発言したばかりか、彼女に「お願い」までしたのだ。
「まあ、まあ、まあ! 自我があるのね! ついに成功したわ!」
感極まったように叫ぶと、モルガナはまぶしげに目をしばたたかせている少年の両手を握りしめた。
「新しい名前をつけなきゃいけないわね。……リュリュ。貴方の名前はリュリュよ」
●墓場のムカデ
床に座った少年が落書きをしている。
「今日は歪虚の作り方をお勉強しましょう」
優し気に言ったモルガナは、散乱した落書きの1つを拾い上げた。
「これ、いいわね。これをお手本に歪虚を作りましょうか」
風が少年の短い黒髪を揺らす。
少年とモルガナは、とある墓地に来ていた。
モルガナが手を上げると、その動きに合わせて土が盛り上がる。
そして土の間から現れた骨と死体がうごめき、次々につなぎ合わさる。
やがて出来上がった歪虚は、細長い体の両脇に人間の腕や足を生やした、ムカデに似た姿をしていた。
歪虚が動くたび、青白い手足がぞろりと波打つ。
そこにちょうど都合よく――当人にとっては運悪く、小さな女の子が歩いてきた。
墓に供えでもするのか、白い花を一輪手にした女の子は、目の前に現れた巨大な歪虚の姿に立ちすくむ。
「こらこら。あんまり先に……ひっ」
その後ろから遅れてやってきた父親は、娘を守ろうと、とっさに足元から拾い上げた石を投げた。
勢いよく飛んだ石は、歪虚の腹部に命中し、深いくぼみをつける。
しかし、そのくぼみは、みるみるうちに周囲の肉で埋められ、しばらくすると何事もなかったかのように修復されてしまった。
その様子を横目で見ながら、娘を抱きかかえるようにして父親が走り出す。
「あら。もうちょっと居てちょうだい?」
首を傾げたモルガナが手を動かすと、メリメリ、と音を立てて、近くの林から、一本の木が親子に向かって倒れてきた。
そこで計算違いが起こった。
倒れかけた木の枝が隣の木にひっかかり、軌道とタイミングがずれたのだ。
ドオン、と、音を立てて倒れた木が、親子ではなく、歪虚の頭部を押しつぶす。
「……あらあら」
その間に、親子は全速力で逃げて行った。
「まあ、いいでしょう。ちょうどハンターが近くにいるみたいだし、頭はまだあるわ」
モルガナの言葉通り、頭をつぶされた歪虚の体の一番前の部分が、ぼこぼこと形を変え、新しい頭を作り出していた。
黒衣の女が呟くのは、先日ハンターたちに倒された男、イリフネのことだ。
「人間1人にあれだけ執着できるなんて、とても人間らしいじゃない?」
濃いベールの下の表情は伺い知ることはできないが、その声には微かに羨望のような響きが混じっている。
女――モルガナは、目の前に横たわった少年の黒髪を優しく整えると、そのまぶたにそっと触れた。
「依頼人はもういないけど、完成させるわ――目覚めなさい」
ろうそくの灯りの下、長い睫毛が震え、花が開くように少年の瞳が開く。
その色は、元の灰色ではなく、血のような赤。
「私の言葉が分かる?」
最初から諦めたような口調でモルガナが尋ねる。
モルガナが蘇らせてきた少年たちは、人形のように美しいだけで、教え込まないと簡単な会話すら難しい状態だった。
「……まぶしいよ。消して?」
答えを待たずに部屋を出ようとしていたモルガナが、はっとしたように振り返る。
今、この少年は自発的に発言したばかりか、彼女に「お願い」までしたのだ。
「まあ、まあ、まあ! 自我があるのね! ついに成功したわ!」
感極まったように叫ぶと、モルガナはまぶしげに目をしばたたかせている少年の両手を握りしめた。
「新しい名前をつけなきゃいけないわね。……リュリュ。貴方の名前はリュリュよ」
●墓場のムカデ
床に座った少年が落書きをしている。
「今日は歪虚の作り方をお勉強しましょう」
優し気に言ったモルガナは、散乱した落書きの1つを拾い上げた。
「これ、いいわね。これをお手本に歪虚を作りましょうか」
風が少年の短い黒髪を揺らす。
少年とモルガナは、とある墓地に来ていた。
モルガナが手を上げると、その動きに合わせて土が盛り上がる。
そして土の間から現れた骨と死体がうごめき、次々につなぎ合わさる。
やがて出来上がった歪虚は、細長い体の両脇に人間の腕や足を生やした、ムカデに似た姿をしていた。
歪虚が動くたび、青白い手足がぞろりと波打つ。
そこにちょうど都合よく――当人にとっては運悪く、小さな女の子が歩いてきた。
墓に供えでもするのか、白い花を一輪手にした女の子は、目の前に現れた巨大な歪虚の姿に立ちすくむ。
「こらこら。あんまり先に……ひっ」
その後ろから遅れてやってきた父親は、娘を守ろうと、とっさに足元から拾い上げた石を投げた。
勢いよく飛んだ石は、歪虚の腹部に命中し、深いくぼみをつける。
しかし、そのくぼみは、みるみるうちに周囲の肉で埋められ、しばらくすると何事もなかったかのように修復されてしまった。
その様子を横目で見ながら、娘を抱きかかえるようにして父親が走り出す。
「あら。もうちょっと居てちょうだい?」
首を傾げたモルガナが手を動かすと、メリメリ、と音を立てて、近くの林から、一本の木が親子に向かって倒れてきた。
そこで計算違いが起こった。
倒れかけた木の枝が隣の木にひっかかり、軌道とタイミングがずれたのだ。
ドオン、と、音を立てて倒れた木が、親子ではなく、歪虚の頭部を押しつぶす。
「……あらあら」
その間に、親子は全速力で逃げて行った。
「まあ、いいでしょう。ちょうどハンターが近くにいるみたいだし、頭はまだあるわ」
モルガナの言葉通り、頭をつぶされた歪虚の体の一番前の部分が、ぼこぼこと形を変え、新しい頭を作り出していた。
解説
◆成功条件
ムカデ型歪虚の討伐
◆情報(※逃げた親子の話をまとめたもの)
■場所
充分な広さのある荒地。向かって左側に林、奥に墓地。離れた場所に村。
■敵(ムカデ型歪虚)
全長6メートル。ムカデに似た長い体の両脇に、青白い人間の手足が生えている。
頭部を入れて6つの節(ふし)がある(元々は7節あったが、倒木により1つ減った状態)
胴体を攻撃しても修復されてしまう様子。
頭部に充分なダメージを与えるとその部分は消滅し、次の節が新しい頭部になるらしい。
一番前(頭部)から攻撃していけばよさそうだが……?
□攻撃
・大アゴ
大きな顎で噛みつく攻撃。
・拘束
複数の手足での拘束。手足に一定ダメージ以上与えれば外れる。
・麻痺の毒霧
頭部の前方2×2スクエアに毒の霧を噴射する。
スクエア内にいた場合、一時的に麻痺が生じる。
□モルガナ
黒衣の女。
少年と共に離れた場所から観戦の姿勢で、積極的にハンターたちを攻撃する気はなさそうな様子。
□リュリュ
モルガナによって作り変えられた、ササノハと呼ばれていた少年。
黒髪に赤い目。
ちなみに落書きはムカデではなく薔薇を描いたつもりだったよう。
□親子(不在)
ハンターに歪虚の様子を知らせた。現在は村に逃げ帰っている。
ムカデ型歪虚の討伐
◆情報(※逃げた親子の話をまとめたもの)
■場所
充分な広さのある荒地。向かって左側に林、奥に墓地。離れた場所に村。
■敵(ムカデ型歪虚)
全長6メートル。ムカデに似た長い体の両脇に、青白い人間の手足が生えている。
頭部を入れて6つの節(ふし)がある(元々は7節あったが、倒木により1つ減った状態)
胴体を攻撃しても修復されてしまう様子。
頭部に充分なダメージを与えるとその部分は消滅し、次の節が新しい頭部になるらしい。
一番前(頭部)から攻撃していけばよさそうだが……?
□攻撃
・大アゴ
大きな顎で噛みつく攻撃。
・拘束
複数の手足での拘束。手足に一定ダメージ以上与えれば外れる。
・麻痺の毒霧
頭部の前方2×2スクエアに毒の霧を噴射する。
スクエア内にいた場合、一時的に麻痺が生じる。
□モルガナ
黒衣の女。
少年と共に離れた場所から観戦の姿勢で、積極的にハンターたちを攻撃する気はなさそうな様子。
□リュリュ
モルガナによって作り変えられた、ササノハと呼ばれていた少年。
黒髪に赤い目。
ちなみに落書きはムカデではなく薔薇を描いたつもりだったよう。
□親子(不在)
ハンターに歪虚の様子を知らせた。現在は村に逃げ帰っている。
マスターより
ちょっと気持ちの悪いムカデ型の歪虚を倒す依頼です。
2人ほど観客がいますが、御存知ない方は気にせず戦って大丈夫です。
御存知の方がいましたら、話しかけると少し反応があるかもしれません。
放置するとそのまま村が襲われてしまうので、お手すきの方がいらしたら討伐をお願い致します。
2人ほど観客がいますが、御存知ない方は気にせず戦って大丈夫です。
御存知の方がいましたら、話しかけると少し反応があるかもしれません。
放置するとそのまま村が襲われてしまうので、お手すきの方がいらしたら討伐をお願い致します。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/02/18 19:01
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 咲月 春夜(ka6377) 人間(リアルブルー)|19才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/02/04 23:13:07 |
||
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/02/04 13:44:01 |