※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。

「スランプかもしれない……」
　新進気鋭のファッションデザイナー、モーダ氏は、極彩色の都市ヴァリオスに構えた自分のスタジオで独りつぶやきました。
　モーダ氏は、斬新なデザインのファッションを次々に発表して人気を博していました。それはクリムゾンウェストの既製の枠をぶち破り、リアルブルーのデザインを大胆に取り込んだものです。
　おかげて、ヴァリオスに住む一部の好事家からは絶大な人気を得ていたのですが、最近はどうもパッとしません。巷では、もう終わったとか、ただの充電期間だとか、俳優に転進とか、好き勝手な噂が飛び交っています。
「ううーん、何が原因なんだ……」
　いろいろと考えてみますが、スランプの原因がさっぱり分かりません。
　デザインでしょうか。
　確かに、サルヴァトーレ・ロッソのハンターたちの衣装を参考にしたデザインは、あまりにも奇抜すぎます。クリムゾンウェストでは、とても万人受けしているとは言えません。
　さすがの好事家たちも、コレクションにはしても、それを自分で着て町中を歩き回るような剛の者は少数です。
　では、素材でしょうか。
　サルヴァトーレ・ロッソにあるような素材をそのまま使うことはいろいろと制約がありますが、似たような素材でデザインをちゃんと再現しています。むしろ、物によっては、かなりの高級素材で作られているくらいです。
　クリムゾンウェストでの慣習と照らし合わせるといろいろ言われることもあるでしょうが、品物自体に問題があるとはあまり思えません。
　そう考えていくと……。
「そうか、問題はモデルかあ！」
　ついに、モーダ氏が思いあたりました。
　せっかくのデザインも、それを着るクリムゾンウェストの人々にとっては、斬新すぎて着こなせないのです。そうに決まっています。
　いままで、地元貢献ということでクリムゾンウェスト出身のモデルを使っていたのですが、どうやらそれが限界に達してしまったようです。
「なに、分かってしまえば対応は可能だよ」
　何やら計画を練ると、モーダ氏は広告を打ちました。

『男女ファッションモデル募集！　資格は、リアルブルーのファッションを着こなせるハンターであること。この条件を満たせば、出身がクリムゾンウェストでもリアルブルーでもどちらでも可』

「えっ、綺麗な服が着れるの？　いいじゃない！」
「モデル？　私にぴったりの仕事だわ」
「よし、ペアルックで、格好良く決めようぜ」
　広告を見て、次々にモデルたちが集まってきました。はたして、ファッションショーは、どうなるのでしょうか。

　ファッションショーのモデルをやってもらいます。
　美人コンテストではないので、優劣や順位はつきません。
　メインのプレイングは、以下のようになります。

１．着ている服の詳細。
２．花道の歩き方や、ステージでのパフォーマンス。ただし、隠し芸大会ではないので、基本は歩いてポーズをとるだけです。演芸大会を始めた場合、奈落に落とされることがあります。もちろん、ドジっ子キャラなのでデフォルトで転ぶというのはありです。

　設定としては、キャラが着る服は全てモーダ氏のデザインということになります。キャラがデザインした物や、個人所有の物ではありませんので注意してください。今現在キャラが着ている服と同じデザインだとしても、それは偶然ということになります。
　もちろん、モーダ氏のデザインの服を普段から着ていたとしても構いませんが、そのことによって他のシナリオでの描写を保証するものではありません。要は、基本、今回限りの話だということですね。

　着る服は、プレイングで自由に設定してください。それを、モーダ氏が作ったということにします。ただし、反映されるのはデザインのみで、由来などは反映されません。
　全身図などのイラストを参照にすることも可能ですが、プレイングで説明した上での参照になります。
　ショーのために着替えるとしますので、装備品と着ているものに相違があっても、このシナリオ内では問題ありません。
　ステージ上での早着替えや水着なども構いませんが、下品なファッションはモーダ氏はしませんので注意してください。

　サポート参加の場合、ショーに出ることはできません。この場合、ショーの観客として、サポートするキャラを見るという立ち位置になります。応援団として、思いっきり、べた褒めしてあげてください。

　ファッションショーです。
　一見すると、イラストを持っている人むけのシナリオに見えたりもしますが、イラストがなくてもまったく問題ありません。むしろ、これからイラストを頼むときのイメージの練習になるかもしれません。
　細かく衣装のディティールを指定する事も可能ですし、大雑把に衣装のイメージを決めて、ディティールはマスターに任せてしまうということも可能です。もちろん、丸投げは却下ですが。
　せっかくの可愛いキャラたちですから、思い切り着飾らせてあげてください。
　あ、もちろん、男性モデルも歓迎です。