• 日常

ネコさんとお風呂に入りたい!

マスター:真太郎

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
参加費
1,000
参加人数
現在4人 / 4~6人
ユニット参加人数
現在3 / 0~6
マテリアルリンク
報酬
少なめ
相談期間
5日
プレイング締切
2017/03/25 15:00
リプレイ完成予定
2017/04/03 15:00

オープニング

 歪虚は人を殺す。
 それが歪虚の本能だからなのかは未だに定かではないが、人間はあらゆる場所で歪虚に襲われている。
 そして、王国、帝国、同盟、辺境の中で最も被害の多いのは、やはり辺境だろう。
 歪虚の支配地域と密接した場所も多く、領地の管理運営が各地に住んでいる部族毎に委ねられている事もあり、王国や帝国のような組織的な防衛が行い難い事も要因の1つと考えられる。
 そのため辺境では親や親類を失った子供も多くいる。
 孤児院『セントエルモ』はそんな孤児たちを受け入れている施設の一つだ。
 院長のエルモア・R・ライトはリアルブルーからの転移者だ。
 覚醒者としての素質はあったが、53歳と高齢だった事もありハンターにはならなかった。
 それでも『聖導士』としてのスキルは幾つか所得し、それで生計を立てる事にした。
 リアルブルーで医者だった訳ではなかったが、リアルブルーでの知識も活かした医者の真似事でも辺境では大いに役立った。
 多くの者に感謝され、誰かの役に立てる事が嬉しかった。
 しかし救えない命もあった。
 親や家族を失った子供を見るのは辛かった。
 それらの経験故か、何時しかエルモアは孤児院で働くようになっていた。
 そしてクリムゾンウェストに転移してから5年の月日が経った頃、エルモアは独立して新しく孤児院『セントエルモ』を作った。
 孤児はすぐに増えた。
 孤児が増えるのは嬉しい事ではなかったが、エルモアは一人でも多くの子供の将来を担うために尽力した。

 ミミカは孤児院『セントエルモ』で暮らす孤児の一人だ。
 ここで暮らす大半の孤児と同じように、両親は歪虚の手にかかって亡くしている。
 とはいえ、その当時3歳だったミミカにその記憶はほとんどない。
 ミミカは助けられたハンターに孤児院に引き渡され、孤児院で育ったのだ。
 そしてその孤児院にいたエルモアに非常に懐いた。
 だからエルモアが新しい孤児院を作って移る時には泣いて暴れて縋って一緒に越して来たのだ。
 だからミミカにとってはセントエルモが家であり、エルモアや他の孤児達が家族だった。

 そんな孤児院『セントエルモ』が危機に瀕する事があった。
 孤児院の近くで歪虚が見つかったのだ。
 すぐにハンター達が討伐に来たが、戦闘は孤児院のすぐ目の前で行われた。
 孤児達は(特に男の子は)目の前で起こる歪虚とハンターの戦闘に興奮して釘付けになったが、エルモアはもちろん孤児達は連れてすぐに避難した。
 ミミカもブーブーと文句を言いながら避難したが、その時の戦いの様子はハッキリと脳裏に刻み込まれた。
 特に印象に残ったのはカッコよく戦うハンター達の姿。
 ではなく。
 ハンターの傍らで一生懸命戦っていた猫型の幻獣『ユグディラ』だった。
 もふもふの毛皮。
 短い手足。
 愛らしい顔立ち。
 そんな生き物が人間のように可愛い服を着て、二本足で立って戦っている。
(なにアレ? すごく可愛いくてカッコイイ!!」
 ミミカの瞳が興奮と好奇心でキラキラと輝いた。

 弱い雑魔だった歪虚はハンター達に容易く退治され、孤児院も無傷だった。
 だからエルモアや孤児達はすぐ孤児院に戻る事ができた。
「ねぇ先生。あの大きなネコさんって何?」
 ミミカは早速エルモアにさっき見た猫の事を尋ねる。
「あれは幻獣のユグディラだ」
「げんじゅう?」
「幻獣とは、昔から人間と仲良くしてくれている良い生き物の事だよ。猫や犬や鳥、様々な種類がいるんだ」
 エルモアは幻獣の事を話して聞かせた。
 孤児達は熱心の耳を傾けた。
「……そんな風に人間と一緒に戦ってくれる幻獣もいる。だから幻獣と人間はとっても仲の良い友達なんだ」
「ミミカも幻獣と友達になりたい! あのネコさんと遊びたい!」
 ミミカはすぐに声を上げた。
「あそびたーい!」
「ボクもー!」
「私もー!」
 すると他の孤児達も一斉に声を上げ始める。
「いや、幻獣はそんなに簡単には会えないんだよ」
「どうしてー?」
「人間と友達なんでしょ?」
「さっきもいたよ」
「うん、いたー」
「私みたー」
「ボクもー」
「それはハンターだからだよ。ハンターは割りとすぐに会えるんだ」
「じゃあハンターさんにお願いしてー」
「え……。いや、それは……」
 どうにか宥めようとしていたエルモアの顔が困惑で曇る。
「おねがいしてー」
「してー」
「院長先生おねがーい」
「おねがーい」
「おねがいしまーす」
 孤児全員から頼まれてエルモアは困った。
 確かにハンターに頼めれば幻獣を連れてきてくれる人もいるかもしれない。
 そう考えると悪い話でもないように思えてきた。
 普段目にする機会の少ない幻獣と触れ合う事は貴重で得難い体験となるだろう。
 孤児達のためになるし、なにより喜んで貰える。
「分かった。ハンターさんに頼んでみるよ」
「やったー!」
「わーい!」
 孤児たちが両手を上げて喜ぶ。
「でもダメだった時は諦めるんだぞ」
 念押しはしたが、ちゃんと聞いている子はどれだけいるだろう。
「ミミカ、ネコさんと一緒にお風呂にはいる!」
 更にミミカが困る事を言ってくれた。
「いや、ミミカ。ネコさんはたぶんお風呂は嫌いだと思うよ」
「どうして? ネコさんってキレイ好きなんでしょ」
 一般的な猫はそうだが、そういう意味ではない。
「体を綺麗にするのは好きだけど、お風呂は嫌いなんだよ」
「お風呂に入らないでどうやってキレイにするの?」
「それは体を舐めてだよ」
「舐めただけで綺麗になるの?」
(……なるのだろうか?)
 エルモアにもそうだと言える程の知識はなかった。
「舐めただけでキレイになるなら、ミミカもお風呂入らなくていいよね」
「それはダメだよ、ミミカ。人間はちゃんとお風呂に入らないと綺麗にならない」
「どうしてー?」
 この手の事を子供に納得させるのは難しい。
「……お風呂に一緒に入ってくれるネコさんを探してくるよ」
 だからエルモアは妥協してしまった。
「わーい。先生大好きー♪」
(風呂好きのユグディラがいてくれるといいが……。そんな都合よく居てくれるだろうか?)
 そんな悩みを抱えつつ、エルモアはハンターオフィスを訪ねた。
「あの、すみません……。幻獣を連れて孤児院を慰問してくれるハンターって、いますでしょうか? その幻獣もできればユグディラがよくて。しかもその、子供と一緒にお風呂に入っても嫌がらない子がいいんですけど……」
 エルモアは自分でもかなり無理なお願いをしているなと思いながらもオフィスに依頼書を提出したのだった。

解説

目的:幻獣を連れて孤児院を慰問して孤児の子供達を喜ばせる

・場所
孤児院『セントエルモ』
小学校の体育館ぐらいの大きさの2階建て。
敷地は小学校のグラウンド並にあるので、大型幻獣で走り回る事も可能。
ただし建物の横には畑もあるので、そこは踏まないように。

・院長
エルモア・R・ライト
リアルブルーからの転移者で58歳の男性。
ハンターではないが覚醒者で、聖導士のスキル『ヒール』と『シャイン』を使える。

・孤児
全員で12名。
ミゲル(12歳男)
ケイト(11歳女)
ロン(10歳男)
ルーシー(9歳女)
シンジ(9歳男)
ミミカ(7歳女)
カイ(7歳男)
ケン(7歳男)
ジミィ(6歳男)
シス(6歳女双子)
テス(6歳女双子)
ルル(4歳女)

・ミミカ
孤児院の孤児の一人。
7歳の女の子。
活発で好奇心旺盛。
孤児院の古株なので年少組のリーダー格。
一目惚れ(?)したユグディラと一緒にお風呂に入る事を強く希望している。

・エル
ハンターオフィスが依頼主の院長のために連れてきてくれたオスのユグディラ。
上半身は裸(というか毛皮むき出し)で、半ズボンと靴だけ履いている。
見た目では分からないが大人。
男前な性格で結構ダンディ。(でも仕草は可愛い)
なので人間の子供とも嫌がらず優しく接してくれる。
大人の人間にハグされたり撫でられたりしても(本人も気持ちいいし)気にしない。
ただし風呂に入る事は断固拒否している。
無理矢理入れようとすれば、背中の毛を逆立てて全力で抵抗するだろう。
縦笛を得意しているが、丸くてちっちゃい指で吹く姿が可愛く、演奏すると人間にウケるため上手いと錯覚しているだけ。
実は酒好き。(特にマタタビ酒)
「俺はエル。通称は特にねぇ。 縦笛の天才だ(自称)。歪虚王でもネコパンチしてみせらぁ。 でも風呂だけは簡便な」

PL情報
ユグディラ以外の幻獣でも孤児達は喜びます。(CAMやペット枠の動物は不可)
ミミカとのお風呂はエル以外のユグディラでも可。

マスターより

前回のシナリオから長らく間が開いてしまってすみません。
そして『ユニット可』なシナリオですが、戦闘シナリオではありません。
今回は幻獣で孤児達を喜ばせてあげてください。
(喜ばせる方法は、背中に乗せてあげたり、撫でさせたり、ご飯をあげたりと自由です)
とはいえ、幻獣ユニットを持っていなくても参加は可能です。
ユグディラのエル君がいますので全員不所持でも問題ありません。
(その場合、エル君を大人しく風呂に入れるのが大変ですが)
ユグディラをモフモフしてみたい人もどうぞ。
なお、他にユグディラがいる場合は、必ずしもエル君を参加させる必要はありません。

何か質問がある場合はNPCのハナ・カリハにお尋ねください。

関連NPC

  • ハンターオフィス職員
    ハナ・カリハ(kz0194
    人間(クリムゾンウェスト)|15才|女性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2017/03/29 17:34

参加者一覧

  • 落花流水の騎士
    ルシール・フルフラット(ka4000
    人間(紅)|27才|女性|闘狩人
  • 死者へ捧ぐ楽しき祈り
    レオン(ka5108
    人間(紅)|16才|男性|闘狩人
  • ユグディラの準王者の従者
    保・はじめ(ka5800
    鬼|23才|男性|符術師
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/03/24 00:50:08
アイコン ふわもこパラダイスを子供たちへ
ディーナ・フェルミ(ka5843
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2017/03/21 01:28:14