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【陶曲】Pクレープ~火付けのY

マスター:深夜真世

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート

関連ユニオン
魔術師協会広報室

難易度
やや難しい
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加人数
現在7人 / 4~7人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2017/05/02 19:00
リプレイ完成予定
2017/05/16 19:00

オープニング

 Pクレープの南那初華(kz0135)、本日は魔術師協会のどこぞの一室で白茶(ぱいちゃ)を淹れていた。
「ほう。確かにガラス器の中で細い小魚のような茶葉が上下しとるの」
 それを見た広報部長のドメニコ・カファロ(kz0017)、満足そうに立派な顎髭を撫でている。
「茶葉が細いのは芽や産毛のある若葉の段階で摘んでいるからです」
「ふむ。おのずと生産量が限られそうじゃの」
 ドメニコ、さすがの推察。本来なら高級茶だ。
「Pクレープみたいな街角屋台で出せるのはタスカービレ産を使ってるからなんですよ」
「ああ。サルヴァトーレ・ロッソからの移民を受け入れた村の一つじゃの。頑張っとるようじゃが、それと経費を抑えるのは話が別じゃろ?」
「あん、ごめんなさい。実は新種の茶葉生産に失敗して、『芽の付きはいいけど育たない』種ができたからなんですって。……はい、どうぞ」
 つまり、普通の茶葉としては失敗作だったが、偶然白茶生産の弱点を補完する特徴があったということらしい。住民流出にもつながっていたが、移民受け入れによって軌道に乗ったらしい、とも。
「そうか。事業が地方の助けになるなら幸せなことじゃ」
 うむ、と茶器を受け取り一口。
「ほう。口に含んでじっくり甘いの。なかなか上品な甘さじゃ」
「ありがとうございます」
 初華、にっこり。

 そしてお役は完了、とばかりに下がろうとした時だった。
「ああ、そのまま」
「ほへ? 会議中じゃないの?」
 初華の言う通り、実はここでお偉いさんが集まって重要そうな話をしていた。
「実はやってもらいたいことがあっての。ほかでもない。先日のフマーレの大火の事じゃ」
「フマーレは幸い、石と土壁の街並みなので完全焼失したわけではなく、復旧も見込みより早い」
 ドメニコの話を待ってから、席についている初華の知らない誰かが言った。
「街の動力源とその供給線が残っていたのも大きいですね。……もっとも、これをわざとと見るかうっかりと見るかで犯人の見解が変わりますが」
 さらに別の男。
「ほへ? そう言えば原因が不明のままのような?」
「放火よ。もちろん」
 初華の言葉にさらに別の人物が。
「しかも歪虚による、ね。……現場ではそれなりの歪虚がいたようで」
 災厄の十三魔、ナナ・ナイン(kz0081)の事である。このあたり、報告書「【陶曲】業火の79」に詳しい。
「もしも奴が大火の主犯なら、動力源と補給路に特段の注意を払ってないのはうなずける」
「もしあれの指揮なら、ただ火をつけてしばらく見て飽きたらほったらかし。後はにぎやかに人的被害を追い求めよう」
 ナナ、酷い言われようである。もしもこの場にいたら「そんなこと言うおじいさんたちには、早めのお迎えを呼んであ・げ・るっ☆」とか言い出しそうだが、これは余談。
「じゃが、先も言うたがフマーレは石の町。大火を起こそうと思ったら相当の『見る目』が必要じゃ。……今回のが、まさにそれ」
 ドメニコ、低い声で言う。
「見る目?」
「左様。燃え移りやすい素材を多く使った通りを導火線に……」
「温度変化による路地の風向きを計算し、それが消火ではなく業火になるように……」
「かつ、足りない部分には必要な火を足す」
 次々に手口を称賛する声。報告書「【陶曲】燃えたフマーレ」の通りである。
「最後に炭などの粒子を含んだ空気で雨を呼ぶ……見事なマッチポンプ。適度に騒ぎを起こすという目的であれば手練れの仕業。伝説の『火付けのY』にも劣らぬ手口」
「ひつけのわい?」
 ドメニコの言葉に首をひねる初華。
「『ラパーチェ・ラーロ』と呼ばれた街道の盗賊、ルモーレと同じ時代に世間を騒がせた放火魔じゃ。本名不詳。Zの一つ前を取った通り名の由来は『後は待つ(末=Z)だけ』」
「ルモーレが堕落者になって蘇っているなら、こいつも堕落者になっている可能性がある」
「Yがやったなら、奴は間違いなく一度現場に戻る」
「現場の、特に昼の飲食店は営業再開してないところもあるらしい。クレープ販売屋台なら怪しまれないだろう。つまり、君に適任ということだ」
 ドメニコと、それに続く言葉。
「ええっと、それってもしかして……」
「火付けのYは長い前髪で目を隠し、がりがりに痩せた長身男性だ。潜伏工作のプロなら歪虚の気配くらいは平気で消してくるぞ」
「とはいえ、現地は復旧や日常生活などで住民かどうかは一目瞭然。不審者がいれば片っ端から誰何すればいいだろう。現地の警備には話しておく」
「人員は別の依頼などで不足しておる。街中での依頼も多くこなしていると聞く。頼むぞ」
 とにかく期待される初華であった。

 なお、かつての資料によると町や村での大きな火災の後、小さな火災が続くケースが多かったという。何かしら、やり残した仕掛けをしている可能性もある。

解説

 フマーレに赴き、現場に戻るという「火付けのY」を探し出し捕縛するか退治してください。

 とはいえ、いるとしたなら敵は間違いなく堕落者。
 捕縛か退治をするなら参加者全員が固まって、運よく遭遇した場合に可能性はあるが、遭遇もできずに失敗する可能性が高い。魔術師協会は別件で人員を動員しているため、大規模捜索はできない。
 したがって、求められる戦果は「敵との遭遇」&「大火の後の小さな火災を防ぐ」点にあると言えます。

 実際の手口として、Yは
・ランタン人形(身長一メートル弱、ランタンに手足がついたもので、巨大化して動き出すまでは火のついたランタンそのもの)
 を街のどこかに再配置しています。
 普通のランタンではない(昼間っから火がついてるし)と気付かれると襲ってきますが、とっても弱いです。少し焦げるかもですが。

 多くは配置していないです。
 どういった場所に隠されているかを問われているという理解でOK。Yの見立てと同じ見解(今回は複数の思考をしているようです)であれば発見できるでしょう。運が良ければ火付けのY本人を発見できます。
 堕落者とはいえもともと工作要員。ルモーレほど強くはありません。

 さらに、街の人たちに安心してもらうというのも立派な役目です。戦闘や捜索は苦手という人は、こちらに力を入れても達成度に寄与できるでしょう。

 初華はPクレープでクレープを焼いて販売しています。
 ランチできる場所が限られておりありがたがられる半面、やっぱり贅沢はできないということで初華一人で営業できる程度の賑わいです。手伝いたい人は報告で戻った時に。

 探索エリアは特に例示しません。
 どういった場所にいるか、どんな場所に仕掛けられているか、というプレイングで発見などを判定します。ヒントが少ない分、難易度がやや高めと理解してください。

マスターより

 ふらっと、深夜です。

 フマーレの大火の実行犯の情報を捕えました。何とか討伐か捕縛……は現実的に厳しいながら、遭遇と追加の仕掛けの除去に貢献してください。
 繰り返しますが、前提からしてかなり厳しい依頼です。
 逆に言うと、大失敗は出にくく大成功のハードルはやや低め、という感じです。
 困難な依頼に真摯に取り組むことで、PCの横顔を表現できればと考えています。

 では、よろしくお願いします。

関連NPC

  • Pクレープ店員
    南那初華(kz0135
    人間(リアルブルー)|17才|女性|猟撃士(イェーガー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2017/05/14 02:24

参加者一覧

  • 王国騎士団“黒の騎士”
    レイオス・アクアウォーカー(ka1990
    人間(蒼)|20才|男性|闘狩人
  • 大地の救済者
    仁川 リア(ka3483
    人間(紅)|16才|男性|疾影士
  • Pクレープ店員
    メルクーア(ka4005
    ドワーフ|10才|女性|機導師
  • 自在の弾丸
    キャリコ・ビューイ(ka5044
    人間(紅)|18才|男性|猟撃士
  • 笑顔で元気に前向きに
    狐中・小鳥(ka5484
    人間(紅)|12才|女性|舞刀士

  • 天原・裂(ka6588
    人間(蒼)|24才|男性|符術師
  • Mr.Die-Hard
    トリプルJ(ka6653
    人間(蒼)|26才|男性|霊闘士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/05/01 16:45:24
アイコン 相談卓
仁川 リア(ka3483
人間(クリムゾンウェスト)|16才|男性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2017/05/02 03:27:10